代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

珠城りょうさん「グランドホテル」大劇場お茶会 明るく颯爽とはつらつとしたりょうさんでした、かわいいやん!

こんばんは。本日は宝塚ホテルで開催された宝塚歌劇団月組トップスター・珠城りょうさんのお茶会に参加してまいりましたよ。その感想をお届けしますね!

(こちらはりょうさんの席の装飾のお花。綺麗ですね。スタッフさんに確認の上、掲載しています。以下、りょうさんの発言の具体的内容には触れずにお届けいたします!)

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とっても楽しかったです!!

珠城りょうさんの充実が伝わってきました。伸び盛りの溌剌とした元気で明るいりょうさんを実感できて、本当に良かった!楽しいお茶会で、終始和やかに明るく、時に大笑いしながらきゃあきゃあとしたお茶会でした。

おばちゃんな、安心したわ。初めて参加した「NOBUNAGA」のお茶会では、ご本人が抱えておられるであろう戸惑いや葛藤、責任の重みが伝わるかのようで、真摯な姿勢に打たれるとともに、じぃやのように心配したものです。

でも、もう大丈夫!若く溌剌とした充実した珠城りょうさんから発せられる”良い気”が、会場を覆うかのようでした。彼女はトップスターの孤独というより、今はむしろ、周りの方々の支えをより一層強く感じておられるのではないかと思います。良かった。月組の皆さまに感謝です。りょうさん自身も感謝の言葉を述べられたように、日々の入り待ち、出待ちをしておられるファンの方々のお力も当然、大きいと思います。良かった!

 

最初、てっきり後ろの入り口からご登場かと思いきや、公演にちなんで赤い薔薇の花束を抱えて前方のドアから登場されたりょうさん。会場からはもちろん、「きゃぁーーーー!!」です。

シンプルな白いシャツに長めの黒のジャケット、黒のパンツ、前の方にスタッズのついたおしゃれな靴。とてもシンプルな服装なのに、りょうさん自身がきらきらしているからか、華やか!さすがお若いトップスターさんです。

色白の艶やかなお肌、くっきりと見事な二重の瞳、すっと長く細い脚、意外にきゃしゃな上半身です。肩幅はもちろんあるけれど(^^)。

 

りょうりょうはねぇ・・。ばん!!(ついに立ち上がるmiyakogu)

きらきらとした、いたずらっ子のような黒目で笑うんですよ、あの人!!

黒目がちな目の奥が、いたずらを思いついた子どものようにきらきらっと輝く。いきいきとした表情のりょうさんでした。かわいいいわねぇ。うんうん。(目を細めるmiyakogu)

 

楽しいゲームあり、握手あり。りょうさんがテーブルを移動しながらのゲームで、会場全体を歩いて移動されていくので、いろいろなテーブルからよく見えたと思います。

その移動のときに、あちこちを見ながら「あ、こんにちは」「こんばんは」とにこやかにごあいさつをされるりょうさん。その独特の間合いが何だかおかしくって、ついつい「ぷぷぷ」となりました。いちいち、かわいいわねぇ。うんうん。

 

てきぱきと、ぱぱぱとテンポ良く話されて、あっという間でした。

りょうさんが近くまで来て下さる工夫があって、ゲームが楽しかった!運営も司会の方もテンポ良く、気持ちのいいお茶会だったと思います。素のりょうさんの魅力がばりばりと伝わってきましたね。いたずらっ子のようなお茶目な面がすっと伝わって素敵です。

 

タカラヅカスペシャルの時、他のトップさんによくしていただいたお話や観劇に来られた際のお話も素敵でした。りょうさんも「まぁ様」って呼ばれるんですね。紅さんの優しさにもじーーん。

元気で明るい太陽のようにと思っておられるご様子。うん、大丈夫。初夏の太陽のように明るくて、きらきらと颯爽としていました。

 

あのね、ご本人は「かわいい」と言われるのは男役としておいやかもしれないけれど・・。ばん!!(再び立ち上がるmiyakogu)

あなた、かわいいんですってば!!!

おばちゃん、太鼓判を押すわ。駅のホームでも、「かわいいわぁ」と皆さん、つぶやかれまくっていました。

 

りょうさんへの「かわいい」は小さき者への可愛いではなく、「きゅんとする」「うっとり、ほっこりする」「ずっとにこにこと見ていたい」。そういうかわいさですから、ご本人にも自覚していただいて。

にっこにっこの、かわいいりょうさんの幸せなラブストーリーもいつか観てみたいと思いました。葛藤や苦悩は、ちょっぴりスパイスで入れていただいて、幸せそうに笑うかわいいりょうさんのハッピーなラブ・ストーリー。いつか拝見できるかな?と今後の楽しみにいたします。

そんな風に思えた、幸せな気に満ちたお茶会でした。どうもありがとうございました!

月組・グランドホテル 役替わりCパターン感想 たまちゃぴと月組さんの圧倒的なミュージカル 奔流する感情!

皆さま、こんばんは。お元気ですか?

さて、昨日は11時公演にて、Cパターンを観劇してきました。その感想をお届けします。

いやはや・・。トップになる人というのは、やはり違いますね。中盤から終盤へと向かいつつあるこの時期、仕上げてくるというか、そのように自分を持っていく力がおありになるのだろうと思います。素晴らしかった、たまちゃぴを筆頭に月組の皆さんが。

実は宝塚仲間さんに取っていただいたチケットは、大劇場のB席最後列センター付近。天井桟敷ってこんな感じかしら?と拝見しました。

時々、良席で観劇すると「席が良いから、感想も良くなるのかなぁ」という自分自身への懸念も若干持っていましたが、昨日は正真正銘。一番後ろの席にまで届いた珠城りょうさんの演技の表情、愛希れいかさんの迫力の歌、月組さんの見事な舞台でした。

 

1.珠城りょうさんの細かな演技の表情に注目

初日は男爵である自分を試すかのようだった演技だったと私は思います。昨日は男爵としての矜持、快楽とスリルをゲームのように楽しむ不遜さ、美しい女性にすぐ声をかける自信、恋をしたきらめきと浮つきと切なさ、お金がないみじめさ。すべての感情が目線の動き・表情・佇まいから奔流のように流れ、時ににじみ出るかのようでした。

珠ちゃんはねぇ。セリフの声がいいわ!

自然な感じで発声される理知的で明晰な男役さんとしてのセリフ。本日夜はお茶会ですが、素はほわっととした、少しいたずらっ子ぽい可愛らしい声になるのに、舞台の上ではお見事。

この人は役者さんだ!と昨日、改めて思いました。「激情」でおばちゃん、まんまとはまったのもしょうがないですわ。おばちゃんやってな、背中だけ観てるんとちゃうで!(^^)

 

昨日は、お財布をオットーに返す場面の表情の変化に注目いたしました。

・財布を拾ってオットーに渡そうとするが、これがあればと懐にしまう

・オットーが財布がないことに気づいて、取り繕うとする

・いや、やっぱりいけないことだと、口実を無理やりつけて、オットーに白々しく返す

・オットーも気づいている気まずい空気の中で、取り乱すようにシガレットケースを取り出す

・分け前をどうぞと言われ、いやそんなことと言いつつ、振り返ると意外な大金で息を呑む

・これで、ウィーンに行けるという全身から発せられる喜び

・運転手に取り上げられてしまう絶望

・運転手が向き直り、「チップを差し上げましょう」と言われた瞬間のぬか喜び

・ピストルを渡され、これしかないんだという覚悟が出たかのように走り去っていく姿

男爵は、プライジングともみあって撃たれる、運命の1点に追い込まれていくのです。冒頭での「時間がもうない」というセリフは、その運命を示唆しているかのよう。

様々な感情が奔流する時間の流れの中で、男爵がその1点にどんどん近づいていっているという切迫感を感じました。

そして、珠城りょうさんから流れ出る感情の奔流は、大劇場の最後列にまで流れ込み、確かに届きました。見事だったと思います。

 

2.愛希れいかさんの年齢を経た女性が歌う”女の子”

上手いなぁーー。グルーシンスカヤが歌う「ボンジュール アムール」は、中年に差しかかった女性でありながら、少女のような恋のときめきを弾けるように歌われます。

「ウキウキ 女の子に戻り
 Bonjour!
 クルクル 風に乗って踊り
 Bonjour! 」

出典:「Bonjour, Amour」訳詞:生田大和氏 

 

「女の子」なのです。心は。しかし、声は違うのです。やはりある程度以上の年齢の厚みを感じさせる声。「Puck」の時の少女の声ではないのですね。ぶりっ子ではなく、中年に差しかかった女性が少女の心を歌う、そういう歌唱なのです。素晴らしい!

ちゃぴちゃんは、なんで、おばちゃんのこと、わかるん?!

加えて、にこりともせず「死」のダンサーの役割に徹するかのような最後の「死のボレロ」。彼女が珠城りょうさんが横たわる長いすの向こうから身を起こすとき、最初に見えるのは黒のレースで覆われた背中です。

その背中から漂う「死」のダンサーの威厳。姿形はグルーシンスカヤですが、男爵に「生」の残り火を一瞬灯し、その火をきっぱりと消す「死」。表情を全く変えずに、運命を男爵に伝えにきた厳粛さをまとった「死」。

初日は、ダイナミックなリフトに気をとられていましたが、素晴らしいダンスでした。いや、リフトはほんとすごいんだけどね!

 

3.役替わりの方々の熱演

暁千星さんのラファエラは、エリザベッタを人生の荒波から守ってきたのは私だという矜持を感じさせました。もっと強く賢くなりたいのだろうな、という切なさがAパターンの時よりも、出ておられたと思います。彼女の背の高さが、ラファエラにマッチしていて、本当はもっと男性のように強くエリザベッタを守りたい、けれど届かない。その切なさを感じました。

朝美絢さんのエリックは、暁千星さんと比べると、初々しいパパの”柔らかさ”が出ていたと思います。優しいパパになるんだろうなという柔らかな表情。うっとりとヤング・ジュニアの輝く未来を夢見るかのような歌唱でした。

ただ、私は喜びを爆発させ、劇場一杯を「生」の喜びで塗り替えるような暁さんのエリックが好きで、丘の上のヴィラでいつかエリザベッタと二人で住むのだと憧れを持って夢見るかのように歌う朝美さんのラファエラが好きです。Dパターンに期待!

海乃美月さんのフラムシェンは、新人公演を経て、考えが浅いけれど強いという可愛いらしさがより前面に出てきていました。ただ、可愛いだけではなく、登場人物の中で、翌年に起こる大恐慌を一番強く生き抜くのは、おそらくフラムシェンではないか?と思わせる”生きる強さ”がありました。よく通る声とセリフもお強みです。

フラムシェンは”可愛い”だけではなく、ある意味力強さを感じさせる”可愛い炎”。

炎のような強さがより出ているのが海乃さん、キュートさがより出ているのが早乙女さんかな?と受け止めています。こちらもDパターンに期待!来週、観ます。

 

4.熱演の月組さんの掛け算の力

月組さん、素晴らしいわ! ショウはね、宙組さん。これは譲らん!

月組さんには何というかなぁ、組全体でお芝居を仕上げてくる、レベルを上げてくる強さを感じます。

いい意味で個々の方の主張はそれほど強くなくトップスターが際立ちつつ、 2番手の美弥るりかさんが絶妙な演技をされている上に、皆さまがそれぞれの役割に徹して全体を支え、主役との掛け算で一層盛り上げていくような力を感じました。

 

光月るうさん、綾月せりさんの掛け合い。マネージャーと興行主のお二人、いかにもありそう、いるわぁ、こういう人!と思わせます。

マダム・ピーピーの夏月都さん。モップ拭きながら舞台を横切ってエリックに肩ぽんするだけで、ほろっとさせるのですね。存在感があります。

運転手の宇月颯さん。登場シーンからして、グランド・ホテルに異質な存在なんだと思わせる歩き方。ついでに言うと、男爵の部屋でくつろぐ宇月さん、無駄にお色気満載。ファンサービスかしら?(^^)

 電話交換手のお姉さまたち。組んだ脚が美脚!横に縦に正確に歩きながら、舞台を進めていく方々です。最後に、男爵が亡くなった現場で駆けつけて泣いてくれて、ありがとうな!!おばちゃんも混ざりたかったわ。男爵、全員に声かけてた疑惑も濃厚です(^^)。

ベルボーイの皆さま。ハンスの貴千碧さんにエリザベッタが言う「ありがとうね、ハンス」が退団される方に光があたっていて良かった。貴千さんは、いつも珠ちゃんのことを可愛がってくださっているそうで、本当に、ずずず、ありがとうございます・・(涙)。

粋な身振りの綺麗な人がいる!と思うと蓮つかささん。にこにこと可愛い子がいる!と思うと佳城葵さん。ショウも含めて濃い人がいる!と思うと輝生かなでさんでした。

 

仕上がっています、月組ミュージカル。

ぜひご観劇ください。ただ、初見ではお話がわかりにくい方が多いご様子なのも事実です。昨日も、娘さんがお母さんに「なぜ誰が男爵を撃ったのか」「なぜフラムシェンはオットーとパリに行くことになったのか」と尋ねておられた場面に遭遇しました。

そりゃそうだ・・。おばちゃんになるとなぁ、わかるんだけどなぁ。特に後者・・。

 

本日は珠城りょうさんのお茶会です。舞台で見せてくださっている姿とはまた違う珠ちゃんの可愛らしい面をまた見られるかな?。ふふふ。

男爵、遠慮せずいただきました(*^^*)

皆さま、こんにちは。お元気ですか?明日から寒そうな地域に出張のmiyakoguです。

さて、昨日、偶然にも「男爵」を連れて帰ったmiyakogu。←”食パンを購入”ですってば。日本語は正確にね。

早速、「朝から遠慮せ~ず、召し上がったのねぇ~」です。ぽっ(*^^*)。←いや、何か違うでしょ?

 

まず、袋を止めている金色の帯の針金を、ゆっくり、くるくるとはずしますよ。

「ふっほっほっほぉっ、良いではないか、良いではないか

「あーれーー」回りながら身を包む帯がほどけてしまう男爵です。

↑ 食パンの袋開けるのに、悪代官みたいになってますよ?それに、方向性が何だか間違っていってますよ、miyakoguさん?

 

白い表面をゆっくりと押してみて、フレッシュな触感を確かめてみますよ。

「ほぅ、この輝くばかりの白さよのぅ」

↑ ますます、話がややこしくなってますよ。

 

オーブントースターに乗せてみます。

「ふっほっほっほぉっ、こうしてくれるわ!」

そして頃合に仕上がった男爵をじっくりと味わってみます。

「ほぅ、こ、この味わいは?これまた、何とも」

↑ 何だか違うお話になってきてますが、大丈夫ですか、miyakoguさん?

 

男爵、しっとりと甘く濃厚に来るかと思いきや、意外にさっぱりと癖のない味わい。

ふぅむ。予想外でした。男爵、意外とそうなのか・・、てっきりそうかと・・(*^^*) ←だーかーらー、何がどうっだっていうの?

 

そしてこちらがお召し上がり後の「男爵」。うん、心なしか乱れておいでですわ。

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以上、食パン「男爵」の食レポを終わります。

どうお読みになるかは、読んだ側の想像力次第、miyakoguのせいじゃないもーーん(^^)。さぁ、出張の準備をせねば!

それにしても、この記事の分類、「珠城りょうさん」でいいかしら??(^^)

男爵1つ、下さいな(^^)

皆さま、こんばんは。寒い日が続きますねぇ・・。体調管理に気をつけましょうね。

さて、本日、出先でパン屋さんの前を通りがかりまして。

「あ、そうだ、明日朝のパンがもうないわ」と思い出し、何気なく食パンを1袋購入いたしましたよ。結構売り切れていて、選択の余地がなかったので、たまたまです。

それがこちら(^^)。ご覧下さい。

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「男爵」

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男爵1つ、325円でございます」

おおおーーー?!

 

男爵・・・。「グランド・ホテル」で撃たれたと見せかけて、ここ日本で手広くお商売をされていたとは!!

というわけで、お一つ、身請けしてまいりました。←日本語の使い方がおかしいですよ、miyakoguさん・・?

明日の朝は、「男爵」を食べてしまうmiyakoguです。うふふ(^^)。

月組・カルーセル輪舞曲(ロンド) 感想 黒燕尾に思う、珠城りょうさんの真ん中の力 それは天命なのですね・・・

皆さま、こんばんは。懸案のお仕事がようやく終わりました。

実は・・。

日曜日の役替わりBパターンの観劇時、ショウ「カルーセル輪舞曲(ロンド)」を観劇していた時に、miyakogu、はたと思ったことがあるのです!これを書かかないとね。

 

1.もしかすると2階席の方がいいかも、この公演

今回、初めてお取次ぎいただいたチケットは2階の上手で、舞台が立体的にとてもよく見渡せました。実は前回はかなり前方のセンターブロックで拝見したのですが、珠ちゃんを間近で見たいという欲以外では、ショウもお芝居も2階の方がいいかもしれません。

「グランド・ホテル」では床の升目模様に沿った皆さまの正確な移動が、そして、舞台の奥で座っておられる方々が、とてもよく見えました。珠ちゃんが暗い中、後ろに座っておられる場面も拝見。

例の暗がりでのラブシーンもね!バレエシューズを脱ぐのを手伝い、珠ちゃんはね・・・。製作発表会でされていた首筋へのキス!!してはりましたでしょう?!

おばちゃんな、見たで!! ←落ち着いて、miyakoguさん。今日は真面目ターンの日だから。

 

・開演前

虹色の星のような照明が天井一杯に広がり、ミラーボールがくるくる周り、4頭の大きな回転木馬も周ります。回転木馬の大きさも2階席からよくみえ、劇場一杯に広がる光。美しい光景でした。

 

・S7B 祝祭(ブラジル)のサンバの華やかさ

華やか、賑やか、楽しい!花道から舞台の一番奥まで、ずらっと並ぶ月組の皆さま。まさか、サンバのカーニバルをこの真冬の宝塚で観られるとは、世間の皆さまはご存じないですよね。広めなくては!とても賑やかで、美しい色彩。2階席から拝見すると、美しく全体像が見えます。

 

・S9B 飛翔(インド洋)の翼のような隊形の美しさ

ここね、珠ちゃんを頂点に三角形から、翼を広げたような形になります。舞台の奥には回転木馬の一つが置かれ、左右に大きな翼が広がっています。

珠ちゃんの背中から、薄いモスグリーンの大きな翼が広がるかのような場面。これも2階席だからこその光景でした。

 

2.天命と思わせた、珠城りょうさんの真ん中力

1月12日付「ディリースポーツ」さんのオンラインニュースで、宝塚歌劇団 小川理事長へのインタビュー記事を拝読しました。お読みになった方も多いと思います。

そして、私はまだ観られていないのですが、珠城りょうさんが「ロングインタビュー」で語られた内容がtwitter経由で飛び込んできます。戸惑いも、上級生さんへの遠慮も、苦しさもある中で、その都度、立ち上がってこられたご様子・・。それは大きな試練だったでしょう。そして、今なお試練でしょう・・。

 

小川理事長が語っておられる「トップになるのはそれぞれの生徒のタイミングがあり、ある種の天命のようなもの。」という言葉に、私は舞台の不思議を感じると同時に、大きくうなづかされるものを感じました。

珠城りょうさんは、今、おそらくとても充実していて、同時に日々、試練に立ち向かっておられると思うのです。それは天命なのだと思います。

 

昨日、2階席から最後の「吾が巴里よ」の場面を拝見していたときのことです。

斜め後ろから見える大階段に立つ珠城りょうさんの黒燕尾の背中。そこから大きく伸びるかのような白い翼。美しくも試練を乗り越えようとする凛とした強さを感じた次の瞬間。珠ちゃんが故郷への思いを歌い始められたのですね。堂々と朗々と力に満ちて。

そしてたまちゃぴが二人になり、ちゃぴさんに続いて珠ちゃんが誇り高く歌われます。

 

「花が咲き香りて 月も誇り高く

 雪は清らに 星は永遠(とわ)に 宙に抱かれ」

出典:「愛する故郷」作詞・稲葉大地先生

 

稲葉先生の古風でありながら、5組のことを織り込んだストレートでいて美しい歌詞です。

花が咲き香りて・・、雪は清らに・・。

 

皆さまは最近、そのような言葉を、日々の暮らしの中で発したことがおありになりますか?

私は娘につきあって百人一首をする時以外、そのような美しい感性の日本語を使うことは、ほぼありません。仕事でお堅めの文語的表現をすることはあっても、美しさよりも、いかに正確に記述するが当然、優先されます。

ただ。宝塚歌劇団の公演を観て美しい人に出会った時にだけ、触発されるかのようにより感性的な文章を綴りたいと思うことがあります。

そして、珠城りょうさんはこういう美しい日本語を発するに、とても似つかわしい方だと昨日、腑に落ちました。

 

私は宝塚ファンになってまだ日が浅く、よくわかっていないところも多いとは思います。ただ、宝塚歌劇団のトップスターの方々を少しは拝見してきて、思ったことがあるのです。

私達はできれば清く正しく美しく生きたいと、そう願う心をそれぞれに少しは持っています。でも、忙しい日々の中で、流されるように忘れてしまったり、面倒くさいなと思ったり、むっとしたりして、決してそのようには生きられません。

 

しかし、宝塚歌劇団のトップスターさんには、その生き方をまっすぐ体現するかのように大階段に立っていただきたいという願いを、私達は心の中にいつしか持っているのではないかと思います。

自分達には無理なことを、「あの人なら」と託す。そしてその姿を実際に見せてくださる。そういうジェンヌさんに、大きく心を動かされるのではないかと。私はそう思います。

その願いに応えることができる人。それこそ、学年に関わらず天命のようにトップスターになられる方の重要な条件なのではないだろうか・・。

 

この人には、その力がある。

多くの人の願いを受け止め、美しい日本語を発し、その言葉に説得力を持たせる力がある。珠城りょうさんは、「清く正しく美しく」そこにいられる人。そう思いました。

トップスターさんそれぞれに受け止める願いは、少しずつ異なっているようにも思います。

ほの暗い情念を感じさせる耽美な美しさを持つ方、観るたびにその人生を初めて生きる演技を見せてくださる方、そこまで?と驚くほど芸を追及された方、清明な青空のような爽やかな明るさを感じさせる方。でも根底には共通して、観ている側の願いや希望を受け止める力があり、静謐な内省的な面を持っておられるように、私は思います。

不思議な場所です。宝塚歌劇団。ブログを書く中で、少しずつその謎を解くことこそ、私の喜びなのかもしれません。

 

あ、百人一首で旦那はんと戦っている娘に呼ばれました。参戦せよとのこと。

ほうぅぅーー。こういうのが幼少期よりとても得意な私、負けるわけにはいきません!参戦してきます! ←miyakoguさん、美しい古風な言葉ですよ、戦いじゃないですよ・・? ええと、まぁ、そういうのも喜びですね。うん(^^)。

月組・グランドホテル Bパターン感想2 海乃美月さんのコケティッシュな強さ、夏美ようさんが歌う人生!

皆さま、こんにちは。では、引き続き、宝塚歌劇団・月組「グランド・ホテル」役替わりBパターンの感想をお届けします。こちらは、大劇場に向かっている時に見つけたかわいらしい雪だるま。

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Bパターンの感想1はこちらです。

mothercoenote.hatenablog.com

 

3.海乃美月さんの生きる強さがあるフラムシェン

海乃美月さんのフラムシェンは、うちの中学生娘には「わかばちゃんよりも純粋に」見え、私には「わかばちゃんよりもしっかり者」に見えました。印象は分かれるのですが、共通しているのはある種の「強さ」だと思います。

あくまで私の感想ですが、早乙女わかばさんがAパターンで演じられたフラムシェンは、本当にハリウッドがどこにあるか全然わかっていない女の子。

それに対して、海乃美月さんの本日のフラムシェンは、後で誰かにちゃんと確認してそうな女子に見えました。「あら、おかしいわ?」と疑いつつも、プライジングについていったかのような。

オットーに優しく、もしかすると本当に「かわいい人」と心惹かれているかもしれないと思わせたのは早乙女フラムシェン。

これに対して、海乃美月さんのフラムシェンは、「人生はどうなるかわからない。でも今を生きる。」という強さを感じました。海乃美月さんよく通る意思の強さを感じさせる声をお持ちで、これは舞台役者として大きなお強みだろうと思います。

 

また、母になるということがふわふわとして、まだ現実になってないのだろうな、でも純粋に楽しみでもあるのだろうと思わせた早乙女フラムシェンに対して、海乃美月さんからは、子どもを抱えて強く生きてみせる!という意思を感じました。

柔らかでキュートな女子が、母になろうとする姿を見せてくださった早乙女わかばさん。

子どもを産んで、ちゃんと生きていきたいのだという意思のある強さを見せてくださった海乃美月さん。

いずれもそれぞれに良さがあると思います。

 

抜群の身振りのキュートさと、世間知らずでも出会った人と生きていこうという柔らかさがあるのは早乙女さん。

よく通る声と明確な歌唱を持ち、私は自分の人生を生きるのだという強さを感じさせたのは海乃さん。

私はそう思いました。そして、私が好きなのは早乙女わかばさんのフラムシェンです。技術面はさておき、フラムシェン=”かわいい炎”としては、早乙女わかばさんの方がしっくりこられたかなと。今作品において、フラムシェンは様々な人生が交錯し、あたかも舞台かのようなホテルのロビーを、可愛く柔らかく彩る貴重な存在だと思うのです。

でも、これは単に好みの問題であり、生きるたくましさを感じさせた海乃美月さんのフラムシェンもとても素敵でした。

 

4.夏美ようさんが歌う「I Waltz Alone」の見事さ

私と中学生娘が本日一番、「おおおーーー!」となったのは、実は夏美ようさんが歌われる「I Waltz Alone」です。

盲目の伯爵夫人(憧花ゆりのさん)は、優雅に紳士的にリードするジゴロ・紫門ゆりやさんと常に二人で踊っています。流れるように、床をすべるように、優雅に。

この一組のカップルは「グランド・ホテル」にいつも流れている音楽と優雅さを象徴するかのような存在です。両目の視力を失っている伯爵夫人は二人でワルツを踊り、夏目ようさん演じる片目を失っているドクターは「一人で踊るワルツ」と歌います。

夜を迎えたグランド・ホテルでは、各部屋でそれぞれにドラマが進んでいます。オットーと男爵は財布をめぐって、プライジングの部屋ではフラムシェンが・・。

ドクターは夜毎、自分の部屋で一人、何を思うのでしょうか?

日中、彼はロビーに座り他の人の人生を眺めています。しかし、夜は一人きりです。

そこで思うのは、彼が出会い、そして喪った人々への想いではないかと私は感じました。かつて人生を共にした誰かへの泣きたくなるような追憶、後悔、来し方への感慨。

そう思わせてくださった切なく見事にドラマのある夏美ようさんの歌唱だったのです。素晴らしかった!!観るたびに違う方に注目できるお芝居というのは、おもしろいものですね。

 

最後に一つだけ。

トミー・チューンさんの前で緊張して演じられたであろう初日を観たため、どうしてもそう思うのかもしれませんが。折り返し地点の本日、これまでの公演で自分達の役をそれぞれの方がつかんでこられた時期でしょう。おそらくはそういった安堵の中、芝居巧者の月組さんだけに、そつなくこなすことが優先された印象のシーンがあるように、私は思いました。

恐縮ですが、今日初めて、その人生を生きているというお芝居ではなかった場面が、時々あるように受け止めました。このあたりは中盤の厳しさでしょうか?新生・月組の皆さまに高い期待を私が寄せている故と、お許しください。

 

ひとまず、Bパターン役替わりについてはここまで。来週末に観劇予定のCパターンも楽しみにお待ちしております。

珠ちゃんの開襟、首筋に光る汗、身支度シーンの色気等のもろもろきゃーーー!(//∇//)については今、ため込んでる。ちゃんと書くね!

月組・グランドホテル Bパターン感想1 朝美絢さんの憧れと諦めを含んだ恋心、暁千星さんの若きパパの喜びに涙

皆さま、こんにちは。本日は中学生娘と一緒に宝塚歌劇団・月組「グランド・ホテル」役替わりBパターンを観劇してきました。その感想をお届けします!本日の宝塚は雪でした。

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本日B日程は以下の方々です。

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1.朝美絢さんのラファエラ

朝美絢さんが演じられたラファエラは、愛希れいかさんが抜群の女優魂を発揮して演じておられるバレリーナ・グルーシンスカヤの忠実な付き人です。グルーシンスカヤへの憧憬がいつしか一つの愛に変わったと思われるような、同性への切ない恋を隠し持っています。

推定40歳過ぎのグルーシンスカヤに22年ついているということは、彼女もおそらくは40歳前後くらいでしょうか。今作品において、20代であろうジェンヌさんたちが演じるには、一番難しい役の一つだと私は思います。

初日からのAパターンで、暁千星さんが演じられたラファエラは「私は強くも賢くもない」と自嘲気味に歌いながらも、グルーシンスカヤを私が守るのだと強く願うかのようでした。強くありたいというかたくなな緊張が伝わってきたのです。また、それは初日にありちゃん自身が緊張されていたことの印象も強いかもしれません。

 

対して、朝美絢さんから感じたのは、グルーシンスカヤへの静かで純粋な憧れにも似た恋心でした。

朝美さんのラファエラからは、自分は「強くも賢くもない」と十分に自覚していて、グルーシンスカヤの男爵への恋も含めて丸ごと彼女を支えたいという純粋さを感じました。そして、それは一種の諦念を背景にしたものだと思います。

決して届かない、ヴィラで二人が住むことはないのだと、最初から知っている。そういう人生への諦めをにじませるかのようなラファエラだったと思います。

歌は驚くほど良かった!朝美さんは「舞音」の時から注目していますが、いかにもキザそうな外見以上にお芝居心を感じる方。感情を乗せた歌唱表現はぐんと成長されていて、私はラファエラは朝美さんの方が好きかもしれません。中学生娘はありちゃんの方です。

ただ、これはねぇ・・。ブロードウェイ版CDが秀逸なんですよ。多分、年齢が割と上の女優・Karen Akersさんが歌う年齢を感じさせる声。憧れ、独占欲、諦念。それらが全て入り混じったかのような歌唱です。また機会があればご確認ください。

 

2.暁千星さんのエリック

とてもとても良かったです!

最後の重要な場面で歌われる、ヤング・エリックを迎えた若きパパの喜び

グランド・ホテルを舞台に様々な人生が訪れ去っていく。その時の流れの中で、輝くような新しい「生」を迎えるエリック。彼自身もまだ若く、彼の家族は今、「生」の希望に満ちているのです。

男爵が亡くなった直後に歌われる輝くような「生」は、人生は回転扉のように廻っているのだと観客に強く訴えかけるものであってほしいと私は思います。暁千星さんのエリックはその役目を果たしておられたと思います。

エリックは生まれたばかりのわが子に「お前はすべてを手に入れるだろう」と歌います。それは男爵が薔薇を抱えて歌う「欲しいものは全て手にして」と呼応しているかのようです。

エリックはわが子こそ、望むものを全て手に入れると信じ切っています。しかし、おそらく、そうではない。それが人生だと示唆するかのような歌詞の呼応。

子どもが生まれた瞬間の父親は、心底、そう思うでしょう。本日のありちゃんの歌唱からは、心底、そう思っていることが伝わってくる力強さがありました。今日、私が泣いた場面です。

セリフの滑舌はまだ甘いように拝見しましたが、ありちゃんの場合、それが甘さを含んだ声にも聞こえ、若きパパはぴったりだったと思います。

 

振り返ってみると、ラファエラを演じられた初日、おそらくありちゃんご自身の緊張もあってか、おずおずとした印象が自分に自信を持ちきれないラファエラにマッチしていたように思います。その後、1週間後に観劇した際には、上手く歌わなくてはというこわばりのような固さを感じました。少し力が入りすぎておられたかなぁと拝見。

とても難しいと思うのです。40代前後の中年に差しかかった女性の持つ人生の諦念のような思いは、若くて溌剌としたジェンヌさんには一番遠いものでしょう。

おばちゃんには、ようわかるけどな! しかもな、50代にさしかかってみ? 笑い飛ばせるくらいやで!

あ、miyakoguの人生について語っている暇はないですね・・。その2では海乃美月ちゃんのフラムシェンと、今日、お見事だった夏美ようさんの人生を感じさせた歌唱へと続けます。

Bパターン感想2はこちらです。よろしければどうぞ!

mothercoenote.hatenablog.com

働き女子(ヅカファン)の皆様へ 娘のジェンダーフリーとは? そう来ましたか、あっぱれです(^^)

皆さま、こんにちは。お元気ですか? 娘・待ち時間中のmiyakoguです。

あ、「娘との対話」というカテゴリーを新設いたしました(^^)。お初のコメントをいただくと娘への言及が多く、ブログを席巻する娘勢力に屈するmiyakoguです。あはは。 

お正月明けの賀詞交換会なども一段落いたしました。後はもう一つある女性経営者の新年会を残すのみ。こちらは相当、色彩的にもアクセサリー的にもいろいろ華やかな予感で楽しみです。

あ、私? 私はもちろん、珠ちゃんのブレスレットで行きますわ。おほほ。

 

これまでは黒と紺の世界=おっちゃんワールドでした。

ただ、今週、お堅い業種の経済団体の賀詞交換会に出席していましたが、確実に女性の参加者が増えています。数年前と比べて。

リーガロイヤルホテルであったので、「おいしいご飯があるよ」と連れてこられた風の比較的お若い女性の方が多いのですが、とってもいいことです!こういう場に参加していくと場慣れもしますものね。

残念ながら私はお話をしていたら食べそびれてしまい(ただ、一番目玉っぽいステーキはちゃんと!)、お茶代わりの遅めの軽食をメインラウンジにて。

何気なく頼んだパンケーキがこちら・・。

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あーー、miyakoguさん。またそんなもん、食べて!

だーかーらー、アラフィフ・ダイエットが成功しないんでしょうが、と思われたそこのあなた!(=娘)。

お母さんもそう思う・・。ただ全部はさすがによう食べへんかったわ・・。アラフィフだもの。

 

さて、娘と先日、学校のテストについて会話をしていたときのことです。突然、娘がこう言い出しましたよ(^^)。お聞き下さい。

 ↓

 ↓

「あんなぁ。学校の問題、おかしいで!

「どうしたん?」

「算数の問題でな、「男性が○人います、女性が○人います。この中で何通りのカップルが成立する可能性がありますか?」って出てん。」

「私はさぁ、ジェンダーフリー(LGBTかな?)に配慮して、男女の組合せだけじゃなく、

 ・男性と男性

 ・女性と女性

も全部入れて回答してん。」

「ほぅぅぅぅっ・・?!」

「そしたらなぁ、それ、バツやってん!おかしくない?!」

憤慨する中学生娘です。

 

た、確かに・・。おっしゃる通りでございます。可能性としては当然、ある。十分にある。特に以下の場合ですな。我々的には。

本来、女性である方が演じている男役と男役とのカップリング

 

それは ドリーーーーム!! ←miyakoguと娘の。

もう少しはっきり言うと、それは まぁまか。

(注 宝塚歌劇団・宙組トップスター 朝夏まなとさんと2番手スター 真風涼帆さん。身長172cmと175cm。お二人ともに長身、手足長くイケメン。)

 

現在、宝塚大劇場「グランド・ホテル」にて、色気たっぷり男爵を演じておられる珠城りょうさんには、そういうものはあまり感じないのですね(バウホール公演「春の雪」除く)。

あの方は、ちゃぴちゃんお相手の包容力を見たいのですよ。長椅子に仰向けに横たわり、ちゃぴちゃんを左手に抱いて眠る珠城さん・・・。

それは ドリーーーーム!!

ついでに言うと、長椅子をまたぐ長い脚、それは多分、見せびらかし。

 

しかし・・。月城かなとさんが月組に組み替えをされた後・・。珠ちゃんの腕の中で儚く散る友人役とか、ありそうな気もする。じゅる。

万一、ショウで何かがあったりしたら、それは素晴らしい破壊力。じゅる。

↑ miyakoguさん、気を確かに・・。

 

という話は、おっちゃん交流会ではできないので、書いておく! ←miaykoguさん、何の備忘録?1週間の成果がそれ・・?

んじゃ、皆様、どうもお仕事、お疲れ様でした。土日こそお仕事という方、寒くなる中、体調管理にお気をつけください(^^)。

月組・グランドホテル 感想5 真剣に考えた「死のボレロ」の意味、珠城りょうさんの恋とおびえの感情表現

皆さま、こんばんは。本日、開幕1週間の宝塚歌劇団・月組「グランドホテル/カルーセル輪舞曲」15時公演を観劇してきましたので、その感想をお届けします!

今公演は、私はショウはそこまで「うぉーー」とならず、よくまとまったダンス中心の端整なショウだと拝見しています。ただ・・。

ミュージカルが素晴らしい のですよ。本当に!!!

これ、受け止め方によってはあまり宝塚らしくない作品かもしれません。でも、こういう作品を時々、上演されるとジェンヌさんもスタッフさんも、ぐんと何か違うレベルに突入されるのではないかと思います。月組の皆さんは、本当にすごい。

おばちゃんな、実録・心の声はひとまず置いておいて、正直に書くわな!!!

 

1.珠城りょうさん男爵と愛希れいかさんグルーシンスカヤの恋物語

お正月初日。実は「うわ、これ、オットーの物語やん」と正直、思いました。

もともと、宝塚初演は当時のトップスター・涼風真世さんがオットーとして主演された物語です。初日、美弥るりかさんが大変素晴らしい演技をされたこともあり、他の皆さまも部分の演技・歌唱・ダンスはもちろん素晴らしかったのですが、男爵とグルーシンスカヤの物語としてぐっと響くところまでは行ってなかったように、私は思いました。

しかし、本日は珠城りょうさんの男爵と愛希れいかさんのグルーシンスカヤの恋の物語が舞台から伝わってきました。

もちろん、グランドホテルは、様々な人間模様が交錯するストーリー。それぞれに物語があってしかるべきです。ただ、本日は二人の「恋物語」が舞台から伝わってきたように、私は思いました。

愛希れいかさんは全盛期を過ぎたバレリーナとして初日よりやや年上に、そして珠城りょうさんは人間味のある魅力的な青年貴族として初日よりやや若く、すれていないように見えたのです。不思議なことに。

そのため、二人の間に突然生まれる恋が、より純粋に美しく鮮明に見え、そして突然の終わりがより切なく見えたのです。

 

2.珠城りょうさんの声の伸びと揺れる感情表現

その変化をもたらしたのは、珠城りょうさんの歌唱における感情表現の成熟だと思います。初日から、愛希れいかさんは「ザ・女優」という表現をされていて、私はその素晴らしさと迫力に驚きました。男爵に抱きしめられた時、手を震わせ、「震えているわ」と歌われるのです。

本日の珠城りょうさんの声はのびやかによく通り、初日より断然素晴らしいものになっていました。

私が思う珠ちゃんの最大の強みは、きちんと歌え踊れる上で見せてくださる、揺れ動く感情の表現です。

戸惑い、ためらい、葛藤。二つの感情の中で揺れ動く青年。こういった表現において、どういうわけか 珠ちゃんは抜群!なのです。

グルーシンスカヤと突然の恋に落ちる場面で歌い上げる「Love Can't Happen」における伸びやかな声、瑞瑞しい喜び。加えて、初日と一番変わっていたのが最後の「Roses At The Station」でした。

早いテンポで言葉の区切り方も独特、きちんと歌うことに気を取られると、感情を乗せるのは難しい歌ではないかと思うのですね。死ぬ間際にフラッシュするという人生の過去のシーン。

今日は珠ちゃんが見事に歌っておられたのです。赤いバラを抱えながら。

 

幸福な少年時代への追憶、青年時代の戦場での思い出。

初めて知った本物の恋。

しかしその直後に終わりを唐突に迎えた生。

彼は戦場を生き抜いたのに、初めて本物の恋を知ったのに・・。無為に過ごしてきた人生の代償かのような事故。

 

彼はオットーからお金を分けてもらった。でもそのお金を借金返済に取り上げられてしまった。グルーシンスカヤとともにウィーンに行くお金が欲しかった。だから、プライジングの部屋に盗みに入ることになってしまった。でもそのためにフラムシェンを助けたくなる場面に遭遇し、撃たれた。

すべてはつながっています。彼の無為に過ごした青春のツケを払ったかのような事故。しかし、本物の恋を知った彼は、今こそ、真に生きたかったと思うのです。ウィーンに行けるはずのお金を運転手に取り上げられたとき、彼は悲痛に叫びます。君たちにとってははした金でも、自分にとっては全財産なんだという彼の必死さ。

今こそ、誰よりも生きたかった男爵。「生」への希望が高まった頂点で、彼は亡くなってしまいます。

それは、どれほどの無念さであっただろうと、私は思います。

 

3.「死のボレロ」

彼が快楽を楽しみ、恐らくは無為に過ごした20代の日々には、彼が10代の終わり頃に参加しただろうと思われる第一次世界大戦の影があるように私は考えています。(第一次世界大戦は1914年から1918年、この作品の舞台は1928年、NY株式市場暴落をきっかけとする1929年の世界恐慌の一年前です)

多感な時期に生き延びた戦場(一瞬だけ、上記の歌の場面で出てきます)。彼は確かに生き延びた、しかし、多くの友は戦場で亡くなったのではないかと思うのですね。

自身を幸運だと思う一方、「死」をあまりにも多く身近に見てしまったゆえに、彼の心は、今、目の前にある快楽へと向いたのではないか。そうするより他に彼の身近で起こったあまりに多くの「死」から逃れるすべはなかったのではないか。そう私は想像します。

 

その彼に「死」を突きつけるかのような「Death/Bolero」(ちゃぴさんが黒い衣装で現れ、上記の歌の後、たまちゃぴで踊ります)。

男爵は最初、グルーシンスカヤの姿をした「死」に脅え、逃げるかのようです。彼が直面したくなかった、目を背けたかった「死」。

でも、彼はグルーシンスカヤと出会って、たとえわずかな時間であっても、自分の輝く「生」を確かに生きたという実感を得たはずです。

そのことに気づいた彼は、グルーシンスカヤに導かれるように最後には安らかに、むしろ魅入られるように「死」を受け入れ、グルーシンスカヤの姿をした「死」は本来の役割に戻るかのように彼の命をきっぱりと奪います。勝手な解釈ながら、そのように私には見えたお二人のダンスでした。

 

というようなことを、アラフィフのおばちゃんに瞬時に感じさせ、想像させた珠ちゃんの歌と演技、珠城りょうさんと愛希れいかさんの「Death/Bolero」だったのです。

 

おばちゃんな、人生経験、ジェンヌさんよりはかなりあるやん?

けれど、時々、随分若いはずのジェンヌさんが深い解釈によるのか、直感によるのか、才能によるのか、それはわからないのですが、私達の経験を総合した実感の、さらにその先にある素晴らしい舞台を見せてくださることがあります

その驚きと感動。本日の「グランド・ホテル」の珠城りょうさんと愛希れいかさんのお二人からは、それらを受け取りました。ブラボー!

もちろん、それは美弥るりかさんの素晴らしいオットー、早乙女わかばさんの生き生きと躍動するフラムシェン、グルーシンスカヤへの切ない同性の恋を抱えた暁千星さんのラファエラ、若きパパの喜びを歌う朝美絢さんのエリック、舞台上で絶妙な演技と正確な動きを見せておられる月組の皆さま、専科の夏美ようさんと華形ひかるさん。皆さまの総合力あってのものでした。

 

考えてみると、オットーは「死」に近いが「生」を望み、フラムシェンとエリックは新たな「生」を迎え、プライジングは破滅におびえつつ「生」を求め、ドクターはグランド・ホテルのロビーで静かに「死」を待っている。「愛と生と死」に彩られた物語です。

皆さまも、どうぞご観劇をお楽しみください。

 

’(役替わり4パターンの感想はこちらです。よろしければどうぞ!)

月組・グランドホテル 役替わり4パターンの比較感想 毎回注目すべき人が異なる充実の月組さん - 代取マザー、時々おとめ

 

(お正月の大劇場初日感想の1から4まではこちらです。よろしければどうぞ!)

月組・グランドホテル 初日感想 晴れやかな珠城りょうさんのお披露目、美しい背中の色気と圧巻のリフト - 代取マザー、時々おとめ

月組・グランドホテル 初日感想2 美弥るりかさんの全身全霊のオットー! - 代取マザー、時々おとめ

月組・グランドホテル 初日感想3 見事な迫力、愛希れいかさんのグルーシンスカヤ - 代取マザー、時々おとめ

月組・グランド・ホテル/カルーセル輪舞曲 初日感想4 燕尾の珠城りょうさんの凛とした横顔、月組さんの熱演を讃えたい - 代取マザー、時々おとめ

 

働き女子の皆さまへ 中学生娘からの鋭い指摘にたじたじ、でも果敢に話しかけるのはおばちゃん力

皆さま、こんばんは。年明け第1週が終わりましたね。お元気ですか?皆さまは新年の目標は立てられましたでしょうか?

 

1.娘からの鋭い指摘

昨年の大晦日、中学生娘との恒例のお風呂会議にて、私は以下のように述べてみました。その背景には浅田次郎さんの「王妃の館」における宮廷料理人・ムノンと、宝塚版には出てこないようなのですが、ルイ14世の思い人・ディアナに生涯の愛を捧げたレストラン店主・マイエの存在があります。彼らは愛する人のために料理を作り続けるのです。

やっぱり、手料理かしら?「愛」にはと思ったのですね。

 

「あんなぁ、お母さんな、来年から生き方を変えてみようと思う」(しみじみとね)

これに対して娘の放った一言がこちらです。お聞きください・・。

 ↓

 ↓

「あんな、自分、それ毎年、言ってる。」(きっぱり)

「ほんでな、上半期は割とうまくいくねん。「お母さん、チケット代減らすわ」とか言ってな。」

「でも、GWの博多座の宙組・王家の遠征の段階で「もう、ええわ!」ってなってた。」(with したり顔)

 

きーーーっ。腹立ちますわねぇ!(^^) 

そして、まさにその通りというのが、一層頭にきますわねぇ!(^^) また、「上半期」という言い方が、中学生としては生意気ですわねぇ(^^)。どこで覚えたのかしら・・。私からかしら・・(^_^;。

 

2.果敢に話しかける”おばちゃん力”

しかし、そんな中学生娘にはなく、おばちゃん@アラフィフにこそ、という力もあります。

元旦、にぎわう宝塚大劇場のロビーに突然、長身の素敵な方が現れた時のこと。そう、「グランド・ホテル」原作の演出家であり、月組さんの今公演の特別監修をされているトミー・チューン氏です。

濃紺の三つ揃えのスーツ、すらっとした長身、まっすぐな脚、美しい白髪、すべてがパーフェクトにダンディでした。

きゃあきゃあと盛り上がるロビーの皆さま。娘は固まっています。

おっし、おばちゃんは行くで!果敢に、娘のある夢についてトミー・チューンさんに英語で話しかけるmiyakogu。こういう時、大阪のおばちゃんは強いのです。

「おお~」という感じで娘を見てくださったトミーさんですが、阪急の方が「He has to go.」とお急ぎで行かれてしまいました。お邪魔してすいませんでした(^^)。

もちろん、ロビーにおられた生田先生にも話しかけるmiyakogu、それに釣られて自分もお話しする娘。最近、私の果敢なおばちゃん力に感化されてきているためか、こういう場面でも動じなくなってきて、何よりです!おほほ。

 

そして、これはお仕事ですので娘は一緒ではなかったのですが、1月4日のこと。

大阪の方は夕方のニュースに出たのでご存知の方もおられるかもしれませんが、新年互礼会なるものがホテルニューオータニ大阪でございました。私も創業会長と一緒にここ数年、参加しています。

いろいろご挨拶をしていたのですが、あ!スカイステージの音楽学校卒業式で必ずお見かけするあのお方がおられるではありませんか?!

 

おっし。これは果敢にご挨拶に行くしかないわ!

大勢の方に囲まれておられましたので、人の列が一段落したところでご挨拶。簡単にあるお仕事の話をさせていただき、最後に「私、宝塚の大ファンなんです!」と申し上げると、「お~!と先方様もにっこり。確かにこのおっちゃんばっかりのパーティでは、そのようなことをお伝えする人はあまりおられなかったでしょうしね。良かった!

 

しかし、皆さま・・。私としたことが大抜かりでした・・。

「グランド・ホテル」初日の月組さん、珠城りょうさんがいかに素晴らしかったかを、お伝えそびれました・・。ごめんなさい!来年は絶対にがんばろう。

おばちゃん力に磨きをかけねば。ますます厚かましく、果敢に生きてまいりたいと存じます。

 

皆さまは、今年の目標を立てられましたか? え?「チケット代を抑える?」

ふぅむ、上半期のどっかでふっとんで、うぉー!って、結局、観に行くことになりますでしょうに・・。←昨年のmiyakogu教訓より。

ただいま、「グランド・ホテル」ブロードウェイ版CDを聴いています。ちょうど乾杯のところ。明日は「miyakogu・心の声だだ漏れ」を実録するために午後、観劇に行ってまいりますよ!感想はまた明日夜にお届けしたいと存じます(^^)。