皆さま、こんばんは。晴れた秋の一日、いかがお過ごしですか?
宝塚大劇場では雪組さんの「ファントム」が幕を明け、今週日曜には東京宝塚劇場で月組「エリザベート」の終演、ちゃぴさんのラスト・・。いつも何かドラマティックなコトが起こっている宝塚です。
こちらは夕方のウォーキングで見つけた身近な紅葉です。夕方の紺青の空も綺麗でした。
1.星風まどかさんの強さと愛らしさ
さて、twitter情報で知ったのですが、本日は宙組トップ娘役・星風まどかさんのお誕生日とのこと!おめでとうございます、まどかちゃん。
最初、シアタードラマシティで「ヴァンパイア・サクセション」を観劇したとき、私は真風さんとまどかちゃんのコンビネーションには非常ーーーーに、懐疑的でした。
当時言われた幼女的というのではなく、どうみても、19歳のちゃっかりと少し強引な歯科大生の設定が彼女に合ってないなぁと思ったのです。その後の演目を含め、バウ「相続人の肖像」、「パーシャル・タイムトラベル」、「エリザベート」新人公演を拝見して一層そう思います。
星風まどかさんは確かにかわいらしくて、やや幼げできゃぴっとした役を宛てたくなるのもわからないでもない。でも、彼女の持ち味はもっとクラシカルで芯が強く、きらめくような生命力を感じさせる少女特有の強さにあるように思うのです。
特に「相続人の肖像」のデュエダンでのまどかちゃんは、きらきらと輝く光の粒でつくった小花を舞台に撒いているように見えたのですね。その時のお相手は桜木みなとさんでした。
天河でも原作のユーリの現代っ子としての戸惑いがきゃぴっと出る演技に、うーんとなりながら、「私、帰らないよ」に込められた強さに涙したりして、徐々にまどかちゃんが素敵なトップ娘役さんになられるのを楽しみに拝見していました。
これは、あくまで私が思うだけですが、真風さんも待っておられるように感じたのですね。学年の浅い若い後輩が必死でついていこうとされるのを、少し前で優しく気長に。
驚かされたのは梅芸での「ウエストサイドストーリー」のマリーアでした。
白人側にも家父長的な空気の強いプエルトリコ側にもほぼ全員自分より年上の人々に「触らないで!」と命じるように叫んだマリーアの哀しみの発露と強さ。そこに、まさにマリーアとしての心の叫びを感じました。
真風さんのトニーがマリーアに動かされているようだった点も印象的でした。男の子達の中ではリーダー格なのに、好きになってしまった女の子には受け身。そんなピュアな青年。
二人が手をつないで夢見るように歌う「サムウエア」は本当に美しかったのです。
2.まかまどのデュエダン
私は今作品「白鷺の城/異人たちのルネサンス」のフィナーレで見せておられるデュエットダンスに、お二人のコンビネーションの一つの完成を感じました。
男役さん達が去った後、大階段に白いドレスのまどかちゃんが現れ、聖母の微笑みと輝きを優しく舞台に放ちます。下手で顔を伏せて座り込む真風さんを優しく起こすような手の動きと微笑み。
真風さんはその微笑で目を覚まし、二人の間の距離を縮めるように銀橋を通って舞台に戻り、二人は優しく優しく踊るのです。そう、とても優しく爽やかに甘く。べたべたでなく、あくまで爽やかな品のある甘さ。
私は6回観たので多分合っていると思うのですが、中央よりやや下手で真風さんが右に立つまどかちゃんを優しく斜めに見下ろし、まどかちゃんは嬉しそうに見上げて、二人で左右に足を動かしながら、前にステップを踏まれる場面があります。
私はその時の真風さんが斜めに見下ろす優しい優しい目がとても好きなのです。社交界にデビューする若き乙女が、憧れのお兄様にダンスを教えてもらうようで。
柔らかな優しい白い光に包まれるような二人のデュエダン。穏やかで優しくて甘くてとても幸せで。しかも、踊る二人は夢のようなプリンスとチャーミングな乙女。
それは、宝塚歌劇団が見せてくれるとびっきりの”夢”だと思います。品のある甘い夢。
その夢を舞台一杯に、劇場一杯に届けることができるトップコンビまかまど。
初期のディズニー映画のようで、この時代にあってこのような優しく穏やかな甘い夢を見せてくれる存在は他にはないように私は思います。
雪組の前トップコンビ「ちぎみゆ」は、オルゴールに飾っておきたいような一対の美しくかわいらしいコンビでした。「まかまど」は金髪長身のプリンスが出会ったチャーミングなお姫様。妖精が森に隠していたけれど、二人は出会ってしまうような雰囲気の。
まかまどは、到底手が届かない大人の美男美女でなく、もしかしたら自分もと一瞬、夢を見られるような親しみやすい愛らしさがどこかあるのですね。
私達はまどかちゃんがとびっきり可憐でかわいい方だともちろん知っていますし、自分たちが絶対になれないような素敵女子だともわかっている。けれど、ほんの少しだけ、自分が真風さんの相手役に一瞬代わってもらえるようなかすかな親近感があるように思います、まどかちゃんには。
阪急沿線のある駅で、おそらく何かのお稽古に行かれる星風まどかさんとばったりすれ違ったことがあります。淡い綺麗な色彩の洋服に身を包み、口角を上げて穏やかな落ち着いた雰囲気が印象的でした。驚いたのは、まどかさんは結構背が高いということ。素敵な女の子だなぁとしみじみ思ったことを覚えています。
3.出会いは幸せのわらしべ長者なのかな?
それにしても、「出会い」というものは不思議ですね(^^)。
最初は星組の真風涼帆さんのファンになって。
真風さんの組替えで知っている人の少なかった宙組のファンになって、気がついたらまぁまかのファンになって、朝夏まなとさんのファンにもなって。
そして今では、真風さんとまどかちゃんのコンビごと好きになって。
こういうの、ちょっとした「幸せのわらしべ長者」のようなものかしら?と思います(^^)。
星風まどかさん、これからのご活躍を引き続き楽しみに拝見させていただきますね。
東宝組の皆さま、どうぞお楽しみに!(^^)