代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。

【宝塚歌劇団】代取就任の決め手となった真風涼帆さん

今日午後は宝塚大劇場にて宙組「王家に捧ぐ歌」を観劇したのであーる(浮かれている)。

そう、この3時間を捻出するために日曜日に働き、今朝は早朝から出社し、観劇後も自宅でお仕事なのだ。宝塚のためならえんやこら。華麗なるワークライフバランスどころではない。華麗なる帳尻合わせに余念のない代取マザーである。

 

さて、宙組さんである。今日は宙組元トップスターの凰稀かなめさんがご観劇されていたご様子で、1幕が始まる前、1階席では大きな歓声があがっていた。

実は、私が代表取締役への就任を何となく打診されながらもずっと「いやぁ、まだ子育てあるし、おかあちゃんやし、それってどうなん?!」、「じいちゃんが保証人になって、うちが没落したって聞いてるし・・」と躊躇する中、最後に運命を甘受する決め手になったのが宝塚歌劇団 宙組でこのたび2番手に就任あそばした真風涼帆様(通称:ゆりか)なのである。

 

1.私と宝塚歌劇団の出会い

私と宝塚の出会いはごく最近、2年前のことである。

社会人大学院を修了し、身と頭が燃え尽きていた当時、昔好きだった漫画を引っ張りだした。それが「ベルサイユのばら」。池田理代子大先生の傑作である。

そのことを職場の親子2代にわたる何十年来のヅカファンにうっかり知られてしまい、チケットをお取りいただき、恐る恐る大劇場に赴いたのが最初の宝塚観劇である。雪組さんの「ベルサイユのばら ーフェルゼン編ー」。いやぁ、ヅカファンは布教に余念がない。

当時の雪組トップ・壮一帆さんのお披露目公演、初舞台生の口上、ということで4月の宝塚は熱気でむんむんしていた。

あいにくとお芝居自体は漫画のキャラクター設定とやや異なる人物もあり(敬語を使わないジェローデルとか、ジェローデルとか)、むむむ?となったのだが、新トップになられた壮さんの気迫、燕尾服での男役さんの見事な群舞初舞台生のきらきらのロケットダンスに心を打たれた。いまどき、こんなに若い女子が集団で一生懸命何かに打ち込んでいる姿をそうそう見かけることはない、1月か2ヶ月に1度のお楽しみにいいかも、と思ったのである。

 

2.星組「ロミオとジュリエット」

そんなのほほんとした状態で、次の星組さんの「ロミオとジュリエット」を観たのが運命の出会いだった。

実は人生というのは運命の甘受により変わっていくものなのかもしれない。長いものには巻かれろ、沼が来たらはまれ。そういう感じ?

100周年のトップ・オブ・トップ、前星組トップスター 柚希礼音さんの何たるかも、まだ何も知らなかった時代。先史時代と言ってもいい。

 

そう、運命の「ロミオとジュリエット」初観劇。重厚かつクラシカルな音楽が始まり、「古今東西・・」と物語の開始を告げるナレーションが入る。

ピンクのドレスを着たダンサーが柔らかく踊り始めると、幕の合間から黒い大きな生き物が現れ、長い手足で空間を動かし始める。ヴェローナのまちの人々が舞台に登場し、音楽が激しく「じゃん!」となるたび、その生き物が長い手で空間を切り裂き、最後にかっと、座席に強くて冷たい眼差しを、閃光のように放った。

その黒い大型の美しい生き物こそが真風涼帆さん。当たり役の「死」だったのである。

 

3.宝塚トップスターへの願いと矛盾

星組「ロミオとジュリエット」は7回観劇し、前方SS席をもぎ取った際には、ワンピース、カーディガン、ネックレス、イヤリング全てを新調していった。長年の友人には、「一番、そういうのにはまりそうにないのに」と呆れられた。

そして、出会った感動をお伝えせねばと真風さんにお手紙を書いたのである。宝塚は今でも「お手紙文化」が根付いているが、私にとっては生まれて初めて書いたファンレターであった。

 

そのお手紙を書いている最中、大きな矛盾に気づいた。

私は真風さんにはいつかトップスターになって、一番大きな羽根を背負って、大階段を降りてきてほしいと純粋に願っている。しかし、自分は社長就任はいやなのだ。

「あなたはトップになる人だ、トップスターになってほしい」と手紙に書きながら、自分は同じようなことを打診され、逃げようとしている。たとえ、小さな組織であっても。女性だから、子育てがあるから、逃げる理由はいくらでもある。しかし・・。

 

これは大きな矛盾ではないか?と思った。人に願いを託して、自分は責任から逃げる。それは卑怯だと思った。

これが、私が代表取締役就任から逃げないことにした最大の理由である。

 

一部の業界を除き、日本国内は海外との競争や新規参入組による打撃、単価引き下げなど、事業環境は極めて厳しく、中小企業は後継者難による廃業が増えている。条件が厳しいのは、どの企業にとっても同じこと。後はやるか、やらないか。

研3(入団3年目)で新人公演初主演をされた真風さんは、開幕数分前に「できない」と号泣されたという。しかし、セリフも歌も十分でないながら、初主演のお芝居を全うされた。

映像で観た限りだが、後半になるほど演技が熱を帯び、最後の場面で白いロングコートを着て、白いハットをかぶり振り向く姿は立派だった。もちろん、周りの人の支えあってこそだが、真風さんは逃げなかった。初主演からも、そしてその後の抜擢続きの宝塚人生からも。

 

ちなみに今日拝見した、組替えにより宙組2番手になられた真風さんは、舞台でさらなる存在感とフェロモンを発する美しい大型の生き物でした。金髪黒塗超絶イケメン上等です。

ストーリー、コーラス、舞台、衣装の壮大な宝塚歌劇団宙組「王家に捧ぐ歌」、新トップスター・朝夏まなとさんの素晴らしいお披露目公演をぜひご覧ください。