代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。

宙組・王家に捧ぐ歌 まじめに感想 その10 完結編2「真風さんウバルトのこと」

【完結編2】

3.孤独なエリートが見つけた、強くて清らかな女性

これは演出の問題ですが、「ラダメスっ!!」という叫び、もうすこーーーしだけ、変化というか、何とかしていただけると、さらにありがたいかなぁと。

ずっと「ラダメスっ!!」なんです。わかるんですが、アイーダの必死のお気持ちも・・。


こんな偉そうなことを申し上げて、本当に申し訳ないのですが、この作品の中で木村先生が描かれようとされた女性の強さというのは、おそらくアフリカの方らしい大地とともにあるような強さなのかしら?エチオピアの方の激しさなのかな?と想像しています。

エジプトの方とはお話をしたことがあるのですが、エチオピアの方とリアルに遭遇したことはさすがになく、想像がつきにくいのです。

 

ただ、この作品ですね。もしも現代でいうなら、能力があり出世街道驀進中、社長令嬢の婿にと嘱望されている若く心優しきエリートが、成功しつつも感じている孤独さ、むなしさの中、ある日、プロジェクトが失敗して左遷されてきた誇り高いが傷ついている元エリートの美しい女性を救い出し、自分が守る!二人で幸せになる!どこか遠くへ二人で一緒に行こう!と夢中になるというお話ですよね。

遠い昔のエジプトのお話として、純筋に楽しめない自分がいけないのはわかっているのですが、宝塚って、お仕事や家事、介護、育児の合間に日本人女性がひと時の夢を求めて観に来る舞台。「じ、じぶんをみでいるようでず、ずびぃ。朝夏様に腕を広げて、こんなふうにだぎじめでほしいでず、ずびぃぃーーー」と泣かせてほしいところもあり・・。

 

先日、開かれた「王家に捧ぐ歌」についてのmiyakogu家・家族会議(晩御飯のとんかつ屋さんにて)にて、旦那はんいわく、「ほら、よくある力入りすぎの女性管理職みたいなとこ、あるんだよね」とのこと。ううむ。(旦那はんのステレオタイプ的な表現については、どうかお許し下さい)

ほんの少しでいいのですが、強く誇り高い女性の中にある、たおやかさをもう少しだけ緩急つけていただけたらなぁと。このままいくのかな?東京でも。もちろん、好みの問題なんですけれどね・・。

 

4.ウバルド兄さんの真風さんについて

私は真風さんのことをどのように観ているのか、昨日、ようやくわかりました。

あのね、もしも、森の奥深く、湖のほとりである時、見たことがないような大型の美しい生き物に出会ったとするじゃないですか?黒が基調なのだけれど虹色に光る鱗を身にまとう、流線形の今まで観たことがない、大型の美しい生き物

そうしたら、どうします?

おそらく、時々、今日も来ていないかな?と見に行きますよね私にとって真風さんとはそういう方のようです。昨日も銀橋におられるのを見て、「あ、実在されているわ」と確認いたました。

それは置いといて・・。

ウバルト兄さんは、エチオピアとエジプト、対立する国と国の間の緊張感の中の均衡を破る、破れ目を切り裂いてしまう存在として、オペラにはない役が創られています。

 木村先生は先ほどの「女性の強さ」へのmiyakoguの勝手な思いは別として、非常にうまく対立と均衡の構造を創出されていると感じています。

エジプトとエチオピア、対照的な二人の王と王女
ラダメスとアイーダ・アムネリスのトライアングルの関係
ラダメス・ケペル・メレルカのエジプト兵の3人の友情に対して、ウバルド・カマンテ・サウフェによるエチオピア側3人の復讐
3人の神官に、3度めの銅鑼

対立し均衡する2つの国の中で、つかの間安定していた3角形の端が一つ崩れ、そして対立と均衡の構造を大きく揺り動かすその発端となるのがウバルドのナイフであり、裏切り者がいたからだ!叫ぶ言葉です。

それほど多くない登場の中で、緊張感のある均衡を破り、大きくストーリーを揺り動かす非常に重要な役であり、難しい役だと思います。

それをいかにも何かしでかしそうな危うい(元)王子として、しかし国を思う気持ちはおそらくとても強い若者らしい無謀さを好演されていると思います。

正直、最初は「え?ティボルト」と思ったのですが、3度目の観劇のころから、エチオピアの王子へと変わっておられたように思いました。

何よりも、発声と歌堂々とした2番手としての迫力のある声、響く歌。ティボルトのときの「うるさい!」にもしびれましたが(実際、miyakoguが見た回には劇場が静まりかえりました)、今回、非常に発声と歌が上達されたようにお見受けし、嬉しい限りでした。オーシャンズ11のフィナーレ、ヒップホップ集団の「Crazy Love」とはたいそうな違いです・・(あれはあれで、超かわいかったですけどね!!)。

あ、前の役の名残といえば愛月さん。最初、ちょっとベディーニさんのイタリア訛りがお歌に・・、と思いましたが、昨日は立派にエチオピアの若き兵士。ラダメスへの友情を抑えきれない哀しみを好演されています。

 

明日で宝塚大劇場は千秋楽。宙組の皆様、朝夏様、本当にありがとうございました。真風さんを暖かく受け入れていただき、感謝です。

まさかこんな大シリーズになるとはmiyakoguも思いもよらず。でもとても楽しかったです!お読みいただいた皆様、本当にありがとうございました。また良ければいらしてください。

※結局、「王家に捧ぐ歌」について19個もの記事を書いていて自分に呆れました。よろしければご覧下さい(^-^)。

mothercoenote.hatenablog.com