代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

働き女子の皆様へ 関西経営者のお言葉 グローバル魅力の社長編「僕は世界中、どこでもハグやから」

働き女子の皆様へ こんばんは、お元気ですか?本日は関西経営者のお言葉シリーズで書いてみたいと思います。宝塚歌劇団に萌え殺されてはいられませんからね!

しかし、真風さんのパーソナルブック、メイキング映像に出ていないとんでも爆弾がひそんでいないか、とても心配しています。

そんな中、今日は、1年のおよそ1/3は海外展示会に出ておられる素敵な経営者のおじ様からいただいたお言葉をお伝えしたいと思います。

 

1.1年の1/3は海外展示会

この方は、ある中小企業の二代目会長さんです。社長さん時代から存じ上げているのですが、まぁ、この方のアクティブなこと!大阪の、というより全国のといった方がいいかもしれません、中小企業経営者の間で有名な尊敬されている方です。品のいい、おもしろい方なのです。

ある検査装置を製造販売されており、単体で販売しやすいということもあって、世界各地の展示会に社長さんだった当時から、自ら出かけては販売されてきた実績をお持ちの研究開発型企業さんです。

お会いするたびに、「この間、フランスの展示会に行ってね」、「この間、香港の展示会に行ってね」というお話をお伺いするのです。

しかし、それはそう優雅な話ではないのですよ。社長さん自ら、数人の部下と一緒に行かれるのですが、フランスでは大雪に閉ざされ展示会場からホテルに帰れなさそうになったり、香港では天候事情により飛行機が飛べなくなったアクシンデントに見舞われて、やっすいホテルの狭い一室に部下と詰め込まれたりと、山あり谷ありなのです。

お伺いする状況は明らかに大変そう。

でも、「それがね」と淡々と、しかし話の落ちをつけつつ、いかにそのアクシデントを乗り切ったかを落語のように話してくださいます。経験値が異なるため、いついかなる状況であっても、不思議と抜け道を見つけ出し、解決しておられる不思議な方なのです。

 

2.印象を決め、商談を決める「僕は世界中、どこでもハグやから」の贈り物

この方の最大の特徴。それはハグ!(抱擁、この方の場合は挨拶代わり)。

世界中の展示会で仲良くなった方とハグをして帰ってこられるのです。ではその威力とは何でしょうか?

それは、「他の多くの日本人とは違う」ということです。どういうことか考えてみましょう。

この方の振る舞いは、展示会で見かける多くの日本人とは明らかに違い、とても印象に残るのです。そして、他の日本人には感じなかった特別の親近感を相手に与え、製品の素晴らしさに加えて、その強い印象が結局のところ商談に結びついているのではないかと思います。

ビジネスも結局は人と人。もちろんコストのみですべてを考える方もおられるとは思います。しかし同等の性能・コストであったり、性能はAが上だがコストはBが良いとなった場合、どちらを選ぶかは悩むところです(性能やコスト等の差が格段にある場合は別です)。

そうなった時に、その企業ではなく、出会った人の印象が決め手となることは想像に難くありません。そこで決定的な印象を与える「ハグ」なのです。

私も何度かハグしていただきましたが、特段、何かぎゅっと抱きかかえられるような訳ではありません。非常にさりげなく、しかし「ハグしてもらった!」というビジネスの場での意外性のある驚きとともに、こちらも何だか嬉しくなってしまうのです。

これはコストがまったくかからない、意外性に満ちた一つの贈り物ではないかと思います。

一例を挙げます。その企業さんではJICAの研修生(経営者)を毎年のように受け入れられていますが、ある年、ベトナムからの経営者グループを受け入れられました。

私達がベトナムにご一緒したときのこと、現地の経営者との交流会で、先方さんのグループになんとお二人も「あなたの企業を訪問し、ハグしてもらったのを覚えている」という方がおられたのです。

また、タイの展示会にご一緒した時には、タイの女性経営者の方が私達のグループが共同出展していたブースまで、「○○さんはおられますか?」と会いに来られたのです。国境を越えて、ファンが各地におられるのです。

さらに、フランスではあるブースでワインを出しておられたそうで、連日、そこに通いつめ、大雪の中で芽生えた連帯意識のもと、ワインを一緒に飲んで仲良くなった他の出展者とハグしまくり、商談が決まったそうです。

 

3.「角までお見送り」の贈り物

この方のもう一つの恐ろしい点というか、素晴らしい点。それは、訪問した直後のことです。

その企業さんの出口を出て、しばらく行った角で駅の方へと曲がるのですが、振り返ると必ず、見送っていてくださるのです。たとえ、相手がどんな若造であっても、です。

当然こちらは恐縮し、何て素晴らしい方なんだろうと感動して、他の方にも伝えたくなりますよね。そして評判が固まっていく。

こちらもおそらく、小さな感動の贈り物だと思います。

今年7月に逝去されましたが、何度かお目にかかった堀場製作所のご創業者 堀場雅夫様もそういう方でした。エレベータまで送ってくださり、そしてこちらが若造であっても名刺を確認して、「○○さんがおっしゃったようにね」と名前を入れて話して下さったことを覚えています。

 

今、書いてみて、優れた経営者の方というのは、モノではない「贈り物」がとてもお上手なのだと改めて認識いたしました。

ハグが印象的なこの経営者の方から、贈り物を頂戴した方がおそらく世界中にたくさんいて、その都度、ほんわかと嬉しい気分になられたことだろうと思います。そういう嬉しい気持ちが集まって「徳」といわれるものを形成しているのかもしれません。

皆様は、最近、何かモノではない「贈り物」を受けたこと、あるいは差し出した記憶がおありになりますか? 私は頂戴している一方なのかもしれないと、反省しきりです。

でも、このブログで、誰かお一人にでも「贈り物」ができたら、それは素敵なこと。「贈り物」の循環になればと思います。

あ、今のところしかし、宝塚の萌えを巡る感動のおすそ分けくらいですか・・。困ったものです。まぁ、いいか・・。