皆様、こんにちは。今週は珍しく夜の外出、会合が続き、さすがにブログを更新することができませんでした。
娘も寝静まったことですし、忘れないうちに少しだけ、以前ご案内いたしました公益財団法人大阪国際交流センター主催「国際交流のための日本文化理解講座」の「日本文学コース」第1回について、書いてみたいと思います。
1.国際交流のための日本文化理解講座
以前にご案内したことがあるのですが、これは公益財団法人大阪国際交流センターが主催されている講座で、日本文化について日本語での3回の講義(実技含む)を終了した後に、学んだことを英語でどう伝えるかを学ぶという4回シリーズが1クールという講座です。
以下の3コースがあり、1コースは3クールから構成され、1クール=4回単位での受講申し込みも可能です。
①伝統文化コース(木曜日) ※実技、体験コースについては土曜日、祝日
②伝統芸能コース(金曜日)※観劇については土曜日
③日本文学コース(月曜日)
詳しくはこちらをどうぞ。着付け、煎茶、日本酒、文楽、能狂言、落語と実技や鑑賞付のコースはいずれも楽しそう!新聞で紹介されたため、8/27から開催の伝統文化コースは人気ですぐに一杯になったそうです(ただ、もしかしたら空きがあるクールや定員を超えてもOKかもしれないので、ご関心があればお問い合わせくださいね)。伝統芸能コースは10月からなので、ご関心ある方はぜひ!
2.受けてみた「日本文学コース」第1回 源氏物語
その中で、実は日本文学コースは実技や鑑賞がなく、どうかなぁ?と思ったのですが、お誘いもあり、またもうすぐ「新・源氏物語」が花組で上演されるため、その予習を兼ねて1クールのお申し込みで受講してみました。(割引もあってお得でした)
実はmiyakogu、進学時に文学部国文科で古典を学ぼうかと真剣に悩んだことがある古典好きなのです。結局、実学系の学部に行ってしまったのですが、それが果たして良かったのかどうか・・。ただ、文学部に行ったら行ったで、あちらの方が良かったかなぁと思うでしょうね。人間、そんなもんです(^-^)。
で、実際に受講してみたところ・・・。
それがまぁ!! とってもおもしろかったのです!! なるほど、と楽しめました。参加してよかったです。わかったようなつもりに、なっているもんなんですねぇ。
講師は帝塚山学院大学教育開発・支援センター講師の岩井宏子先生です。ちなみに、冒頭、「秋には宝塚歌劇で上演されますが」と一言、おっしゃって下さいました!
3.源氏物語の場面の位置図
改めて考えてみると、源氏物語は今から1000年前の1008年頃にはかなりの部分が成立していたとみられる世界最古の長編小説とも言われる物語。
先生のご講義によると、「500名あまりの人物が登場、70年あまりのことが書かれた長編小説」とのことです。
先生のご講義がとても楽しかったのは、平安京図と当時の京都の地名・位置を示した地図を資料としてご提供くださりながら、物語の場面ごとに「この場所です」と教えてくださったこと。また、内裏の「なんとか殿」の位置図を示しながら、登場人物の位に応じた場所が与えられていたことを教えてくださいました(住吉大社の場面もあり、大阪も出てきます)。
なるほど、内裏の中では、源氏の君の母である桐壷の更衣の場所は端っこなんだなぁとか、藤壷の宮はやっぱり位が高いのね、弘徽殿女御の場所は帝に近いわ、とよくわかります。
平安京の地図では、おおーー、源氏の君は内裏に近いところに住んでたのね、夕顔と出会ったのはこのあたりなのね、といろいろわかっておもしろいのです。
4.源氏の君の美しさを讃える
先生が美しくゆったりとした声で、源氏物語の原文を読んで下さるのを聞いて、「なるほど、こういうふうに語られたものなのか?!」と思いました。
中でも美しい場面描写。「第七帖 紅葉賀」を一部、引用してみます。
紫式部作「源氏物語」「第七帖 紅葉賀」より
「 源氏中将は、青海波をぞ舞ひたまひける。 片手には 大殿の頭中将。容貌、用意、人にはことなるを、立ち並びては、なほ花のかたはらの深山木なり。
入り方の日かげ、さやかにさしたるに、楽の声まさり、もののおもしろきほどに、同じ舞の足踏み、おももち、世に見えぬさまなり。詠などしたまへるは、「これや、仏の御迦陵頻伽の声ならむ」と聞こゆ。おもしろくあはれなるに、 帝、涙を拭ひたまひ、 上達部、親王たちも、みな泣きたまひぬ。詠はてて、袖うちなほしたまへるに、待ちとりたる楽のにぎははしきに、顔の色あひまさりて、 常よりも光ると見えたまふ。」
まじか!これを明日海りお様が演じられるのでしょうか? 瀬戸かずや様と並んで?!
新米宝塚ファンのmiyakogu、宝塚で上演されてきた「新・源氏物語」のことはまだ、よくわかっておりません。ただ、藤壷と源氏の君に焦点があたっているということは、前半の方かな?と思っております。
要は、源氏の君が雅楽の青海波を舞って、二人で一緒に舞っていた頭中将も人とは異なるくらい素敵なんだけど、源氏のそばで見ると、源氏が桜なのに対して深山の木やと言いたいわけですよね。さらに、歌えば「迦陵頻伽(かりょうびんが)」だと。
miyakogu、「迦陵頻伽」という言葉を初めて知りました。調べてみると、確かに絵や彫刻は見たことがありますね。上半身が人で下半身が鳥という、仏教における想像上の生き物で大変美しい声の持ち主とされているようです。そして、あまりの美しさに周りの皆が涙を流すと。はい、わかりました。明日海さんが演じられるのにぴったり!です。劇場では観客が涙ぐむわけですね。
絵はいろいろ出ていますが、京都国立博物館のサイトのこちらに仁和寺の国宝の箱が掲載されており、その中の絵柄が示されていますので、ご関心がある方はこちらをご覧ください。絵や彫刻は色彩豊かに描かれていることが多いように思います。
そして、花野じゅりあさん演じる葵の上と、柚香光さんが演じられる六条御息所が、お祭り見物で車争いをしたり、六条御息所と源氏の君の野々宮での別れが見られるのかな??
先生のご講義の場面ごとに、脳内変換→脳内上演されていく様子が、自分でも恐ろしいくらいです。なぜ、脳は見た事がないはずの劇を上演することができるのでしょうか??
ちなみに、真風涼帆さんのトートも、ルキーニもいずれも脳内上演可能で、自分が怖いです。
5.学んだはいいが・・
次回は万葉集。そして第3回目は井原西鶴です。ここまではいいとしましょう。
第4回め。これを英語で伝えるって、どうすんの?!
どうやったら、この情感豊かな色彩豊かな描写を伝えることができるのでしょう?あまつさえ、源氏の君の多様な女性関係。さらに「斉宮」ってどう説明すれば?? 万葉集や西鶴をどう説明しろと??
おそらく、「源氏物語は今から1000年前の物語で、うんちゃら」とアウトラインを説明するのだろうとは思いますが、源氏物語であればこの色彩豊かな描写こそ、本来はお伝えすべきであろう内容。どうなることやら・・(・_・)、心配と知的好奇心が尽きないmiyakoguです。
実はこのブログ、今年6月7日の開設以来、そろそろ累計10万アクセスにじりじりと近づいております。明日、miyakoguはカウンターが10万になる瞬間を見届けることができるのでしょうか? 乞うご期待!、多分、無理!(お仕事中になりそうです)