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代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。

雪組・星逢一夜/ラ・エスメラルダ DVD感想 劇場で見えた光の筋の不思議、ぜひ劇場でご観劇を

皆様、こんにちは。小学高学年娘の運動会を終えて、ようやく落ち着いた時間を取り戻したmiyakoguです。さて、その多忙なさなかに、発売日にキャトル・レーヴ梅田店で確保した宝塚歌劇団雪組「星逢一夜/ラ・エスメラルダ」のブルーレイ感想を書きたいと思います。

 

1.運命を共にする感覚の不思議

皆様、もしもまだ「星逢一夜」をご観劇でなく、かつご観劇できる余地がある方で迷っておられる方がおられましたら、ぜひとも劇場でのご観劇をお勧めいたします。

映像でみる「星逢一夜」はとても美しいお芝居なのですが、劇場で感じたあの激情(しゃれではないです)、熱情、緊張、ゆらめき、もがき。これらが映像ではなかなか伝わらないかもしれないと、改めて感じました。(もちろん、映像で初めてご覧になった場合でも、十分にこの作品の素晴らしさが衝撃とともに伝わると思いますので、どうぞご安心くださいね。アングルもよくなっていると思います。)

宝塚大劇場では、まだ十分にお芝居が咀嚼されているとはいいがたい状況だったかもしれません。演者の皆さんが必死でもがいておられる状況の中、私達観客も固唾を飲んでその行方を見守っているような緊張感がありました。

演者の皆様のもがきが、そのまま天野晴興、泉、源太、三日月藩の民のもがきとシンクロナイズしているような印象があり、その必死のもがきが、そのままお芝居の緊張感を高めていたように思います。

劇場がしーーんとして、観客が涙を浮かべながら、必死で舞台の上で進行する運命を見つめ、あたかも舞台の上で生きている人達と一緒に運命を共にしているような感覚に陥る。あの感覚こそ、お芝居を観る醍醐味ではないか。そのように感じられた「星逢一夜」でした。お芝居が終わった後、ハンカチを目に立てない方がおられるのを何人もお見かけしました。観客から舞台に向かった集中力のエネルギーはすさまじかったと思います。

 

2.星逢一夜 劇場で見えた光の筋

正確にはもちろん、「劇場で見えたように思った光の筋」です。

しかし、私もそう思い、同時に娘もそう思ったということは、おそらくそのような何かが本当に流れていたのではないかと思います。

晴興と泉。二人が星逢の夜に再会する場面のことです。二人はお互いに気づき、場面はスポットライトを浴びる二人を除いて一時停止します。

この時、見詰め合う二人の間に、ほのかな光の筋のようなものが見える、そういう感覚に毎回、陥るのです。

人の想いが脳の活動である以上、何らかのエネルギーを使っているはずであり、見詰め合うという行為そのものも二人分のエネルギーが発せられるているのであって、それがあたかも見えるような強さを放つということは、ありえるのではないかと私は思います。より正確に言えば、そう信じたいような何かがあるのです。

ちぎちゃんとみゆちゃんの二人には、その力があってもおかしくないような、何かを感じさせる。この「星逢一夜」のお芝居にはそれくらいのエネルギーを引き起こす何かがあったように思うのです。

しかし、残念ながら映像ではそれが伝わってきません。私と娘はおそらく「星逢一夜」をものすごい集中力を持って観すぎたので、映像ではもはや物足りなくなったのかもしれませんね。舞台というのは不思議だと、改めて思いました。

ただ、それでもなお、晴興と泉の最後の二人の場面。星見の櫓でのお芝居でのみゆちゃんから発せられる激情は映像でも受け取れました。なぜか?それは声のエネルギーだったからではないかと思うのです。

声の震え、声の強さ、声のはかなさ。声に込められたエネルギーは振動として再現され、空間を震わせ、揺るがせ、そこに込められた熱情、狂気、ゆらぎのエネルギーとして映像の再生によっても届くものがあったように思います。

 

3.落ち着いて楽しめた「ラ・エスメラルダ」

ショウは細部まで観たいとき、むしろ映像の方がいいときがありますよね。私と娘はコマ送りで燕尾を観ましたよ!皆様、本当にかっこいい!

齋藤吉正先生もまさか、お芝居で皆さんがここまで放心したかのようになっているとは、おそらく予想外だったのかもしれませんね。齋藤先生、DVDで落ち着いてみたら、楽しいショウでした。映像の切り取り方によって、演出家の考えが伝わってくるというか、ああ、ここでこういう隊形を取ってたのか!とか、後ろの夕日のめらめらが暮れていってるやん!とか、いろいろ初めて気がつきました。ただ、すいません、「サン・ホセって誰?!」というのが、私と娘の最大の疑問。いえまぁ、確かにサン・ホセの火祭りのことだろうとは思うのですが、ちょっと唐突かなぁ・・?

改めてびっくりしたのが、望海風斗さん。私の限られた宝塚観劇歴から申し上げて恐縮ですが、花組ご出身の男役さんなんですねぇ、やっぱり。新米ファンとしてのイメージが異なっていたらお許しいただきたいのですが、私にとっての花組出身の男役さんとは、品良く、しかし劇場の各方面にぎらぎらとした色気を惜しみなく送り込む、そういう存在なのです。雪組さんの中でとっても目立つ、だいもんさんの濃ゆい色気ですね。

そして、雪組さん育ちの皆様からも蓮城まことさんのちょっと甘えた声のかっこかわいい色気、彩凪翔さんのバチコーンウィンクの直撃色気、彩風咲奈さんの汗がきらめく色気、香綾しずるさんの成熟ダンディ色気とそれぞれに発揮されていて、素敵です。正統派美形の月城かなとさんや永久輝せあさん、下級生さんも多々おられて、燕尾はあっちこっち大忙しです。

 

実は宙組さんの「王家に捧ぐ歌」は映像で観た方がしっくりきました。非常に映画的なミュージカルだったのかもしれません。

それに対して、「星逢一夜」はどうも劇場でこそ、その真髄が楽しめるお芝居のように思いました。舞台が観客をひきこみ、観客の固唾を呑むような集中が舞台の緊張を高め、新たに生まれるゆらぎを体感する。そういうタイプの舞台なのかもしれないと改めて、とても不思議に思いました。

劇場というのは、実はとても不思議な空間なのかもしれません。私が前からやりたかったことにチャレンジしよう、転職をしよう!と決意したのはロンドンのハー・マジョスティ劇場、後継社長の覚悟を決めたのは宝塚大劇場。私の人生の転機は、実はいつも劇場で起こっているのです。

不思議ですね。皆様もそのような体験がおありになりますか?、あるいはそういった場所がおありになりますか?(^-^)。