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代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。

柚希礼音さんエッセイ本 「夢をかなえるために、私がやってきた5つのこと」読後感想

皆様、こんばんは。冷え込みが予想される週末、いかがお過ごしですか? 私は今日はメンテナンスの日。マッサージと鍼、ジム、サウナの一日です。明日は花組さん「新・源氏物語」観劇ですから、体調は万全にしておきませんとね!

ジムのロッカーでは貴重な宝塚仲間とばったり、サイゼリヤで語り合う楽しいひと時です。二人でビールとワインとおつまみ1品で898円って・・。スタバより安いやん?!

さて、木曜日のこと、ある本を探していて梅田で書店に立ち寄ったところ、なぜか宝塚コーナーの前に・・(多分、自動センセー)。赤いお衣装が似合う、若手執事?!という真風さんが微笑みかけているではありませんか?それは、もちろん発売翌日に読了済みの「グラフ」。そのお隣に、柚希礼音さんのエッセイ本が飾ってあったのです。

 

1.関心をかきたてる柚希さんのモチベーションの謎

宝塚歌劇と出会って、私が最大の敬意を持って「この人は何なんだろう?」と観察・分析してしまう方が何人かおられます。その代表的な方が元星組トップスター、100周年の宝塚歌劇団にあってレジェンドと呼ばれた柚希礼音さんです。

私が一番、知りたかったのは、「なぜ柚希さんは、いつもファンのことを一番に考えて行動されてきたのか、妥協を許さない姿勢はどこから来ているのか」、その「モチベーション」の源泉は何なのか、ということです。

退団後、少し自由な立場になられて書かれたこの本でなら、ヒントになることがあるかもしれないと思い、手に取ってみました。

 

2.柔らかな表情の冒頭写真

なぜ柚希さんがブロードウェイを目指されたのか、それが17歳の時にいったん諦めたバレエでの米国留学への夢であることがわかる言葉とともに、柚希さんの写真が数点、冒頭を飾ります。

最初のページの柚希さんは一人で歩く姿。とても凛々しい、しかし孤高の道を歩くようなハンサム・ウーマンです。何かを考えておられるかのようなショットがいくつか続きます。

そして、最後に白い花を前にした柚希さんの微笑のショット。私はこのショットが一番好きです。柔らかな微笑、お化粧も変わったからか、すっきりとしたハンサム・ウーマンだけれど、女性らしい柔らかさがにじみ出ているお写真でした。

 

3.「はじめに」で既に涙

そして、本文を読み始めて・・。すいません、「はじめに」2ページめ(P3)で既に涙するmiyakogu・・。柚希さんが胃腸炎を繰り返しておられたこと、ご存知の方もおられたかもしれませんが、私は初めて知り驚きました。阪急電車の中で泣くmiyakoguです。

この本でとても印象に残ったことが3点あり、以下に書いてみますね。

引用等はすべて「夢をかなえるために、私がやってきた5つのこと」柚希礼音、2015年10月、株式会社KADOKAWA

 

1)お母様の教え

一番驚かされたのがお母様の存在でした。「REON」で真風さんが演じたちえちゃんのお母さんは、おっとりとした、とても優しい方という印象でした。

「どんなときも謙虚でいなさい」との教え。中でもトップになりたての頃、柚希さんが内緒で5列目の席を用意されたときのことのエピソードはとても印象に残りました。

お母様は、「トップになるまで育てていただいた皆様にあの席に座っていただきなさい!!」と、とてもお怒りになられたそうです。驚きました。miyakoguなら間違いなく「ラッキー!!」と座りますね(^-^)。あ、すいません・・。

お母様はお若い頃、一時お芝居に携わっていたことがおありになったようで、芸に対する姿勢やファンへの対応は、お母様から教わりになったそうです。

私が感嘆してきた2階席、3階席のファンを忘れないということも、お母様のお教えとのこと。納得がいきました。もちろん最終的には柚希さん自身も気づかれていくのですが、そうだったのか!と腑に落ちたのです。

お母様は、結局、退団千秋楽に最前列真ん中にお座りになったそうです。よかったぁ・・。

 

2)正塚先生のお芝居の教え

正塚先生は、小池先生と並び生徒さんのエピソードの中に出てこられることが多い演出家と思います。柚希さんの本の中にももちろん小池先生のエピソードが出てくるのですが、「そうだろうなぁ」という想像の範囲内でした。

正塚先生の芝居の教えは初めて拝読したため、とても印象に残りました。引用してみます。同じセリフの繰り返しにならないように、舞台に臨む姿勢についての教えです。

「役者は毎日、舞台上で生まれて初めてその場に行き、相手に会って考えたことを言い、相手は初めて聞いたことに対して答えをくれるようになる」

(出典:「夢をかなえるために、私がやってきた5つのこと」p106、柚希礼音、2015年10月、株式会社KADOKAWA)

なるほど!!その教えを実践されてるようになってから、毎公演がすべて初体験となり演じることが楽しくなられたそうです。「役を生きる」方と、そうは見えない方との違い、お芝居の説得力の違いは、そういった点からもたらされているのかと思いました。

その日のその舞台が初めて生きる役の人生、そういうことなのですね。これはひょとするとお仕事にも使えそうです。

 

3)努力する力とチャンス

努力をできる力も、才能なのかもしれないと、私は思うことがあります。柚希さんは比較的遅く始められたバレエですぐにコンクールの常連になられるほどの身体的能力に恵まれた方であったのも事実でしょう。

しかしながら、才能を伸ばすための努力をする才能も、自ら身につけていかれたのかと思います。

とても印象に残ったのは、P159に書かれていた「そのときに運をつかめるだけの準備をしていなかったために、一度役が来たけれど、次はもう来なくなるというケースを、私は日常的に見てきました。」というものです。

ああ、舞台は厳しい世界だなぁと心底思いました。我こそはと思って歌劇団に集まってきた若くて美しい女性の皆様、役付については、当然いろいろな妬みもあるでしょう。しかし、仮に特定の力が働いたとしても、結果がもう一つであった場合、チャンスが二度と来ない、そういうケースが「日常」なのです。厳しいプロフェッショナルの世界だなと、思いました。

私は今は宙組・2番手になられた真風涼帆さんのファンですが、彼女のことを知ったのが比較的遅く、お若いころの抜擢ぶりとその中での苦悩というのは、映像と文章でしか知りません。

抜擢されるということは、確かに羨ましいことです。が、一方ではとても厳しい道を行く、そこから降りないという覚悟が必要だと、私は思います。真風さんは日本初演のフランス版「ロミオとジュリエット」上演時に、一人で黙々と「死」のダンスの練習をされていたことを、ある時、観ていた側の他の方の言葉として読んだことがあります。キャピレット側でもモンタギュー側でもなく、お一人で練習されるしかない、言葉のない難しい役。それを当たり役にされたのは、真風さんの才能にオンされた努力以外の何ものでもないと思います。

 

4.本としては

恐らく、この本は柚希さんの秘密を知るという面に加えて、働く女性に向けた参考書的な意味合いもあったと思います。エールをもらい学ぶ、そういう本として。

ただ、この本はむしろ厳しい世界を生き抜いたプロフェッショナル中のプロの本であり、女性陣が読まれたとき、「やっぱ、柚希さんは違うわ!特別やわ!」となってしまう可能性もあるなぁと思いました。そういう意味ではプロデュース側のおそらくの意図の一部は、やや失敗かな?(^-^)。すいません、勝手な想像でそんなことを申し上げて・・。

でもね、「やっぱり、柚希さんは違うわ!!」。それが正直な感想です。360度素晴らしいトップさんだったと思います。

どうぞ、17歳の時のちえちゃんの夢を米国でかなえられますように!!私も11月に大阪で拝見する「プリンス・オブ・ブロードウェイ」、とても楽しみにしております。映像で観たことがあったラミン・カリムルーさんの歌に加えて、トニー・ヤズベックさんのダンスが素晴らしいようですね!

 

それにしても・・。今、トニーさんのお名前を調べようと思って、何となく「ラミン 柚希」で検索したところ、私が以前書いた記事が3番目に・・(・。・)。ごめんなさいね、まだ観劇しておりませんのですよ、皆様・・。(多分、そんなワードで検索する方は少ないでしょうが・・)

観劇したら、絶対に、うざいほどまた暑苦しく書きますね!!