代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

雪組バウ・「銀二貫」観劇感想3 圧巻の多重唱、雪組の底力を満喫

皆様、三連休、いかがお過ごしですか?もう一つ、これはぜひと思ったシーンがありましたので、「銀二貫」観劇感想その3をお送りします。

私は早々に抽選で引き当てていた雪組全国ツアー梅芸が、明日の仕事で観劇できなくなり、若干やさぐれております。しかし、基本はもちろんお仕事優先ですから、がんばります(^-^)。

その1とその2はこちらです。よろしければどうぞ!(^-^)


mothercoenote.hatenablog.com

1.圧巻の多重唱

私はかねてより、オペラや海外ミュージカルに比べて、宝塚歌劇団について「もっと活用してくれはるといいのになぁ」と思っていることが一つあります。ただ、昨今の作品では観られるようになってきており、嬉しく思っています。それが、同じメロディーで複数の方がそれぞれの歌詞を歌いながら、相反する心情をぶつけあうような場面です。

(miyakoguはまだまだ新米ファンなので、いや、宝塚歌劇にも以前から「あったよ」ということなら、どうぞお許し下さいね。)

これは歌詞が分かりにくくなるという側面もありますが、葛藤する心を見せるには非常に効果的な手法ではないかと思います。

今作品では、異なる歌詞ではなかったのですが、主人公の松吉とおてつが歌い始める中、横からすっと台に乗って登場し歌唱に加わる華形ひかるさんの和助と英真なおきさんの善次郎。ちょっと記憶が曖昧なので間違っていたら申し訳ないのですが、主要な登場人物が徐々に登場し歌唱に加わっていかれます。

この場面、後半で出てくるのですが素晴らしい演出だったと思います。シンプルな舞台装置ながら、とても力強い場面。冒頭の非常に美しい雪のシーンと合わせて、雪組さんの底力のようなものを感じました。(「約束」という場面かな?と思うのですが、プログラムにはそこまでお名前がありません。ひょっとすると変更があったのかな??かなーーりすびずしていたので、場面を間違っていたらごめんなさいね。)

考えてみれば、今作品はいろいろな方のいろいろな「約束」、そしてそれぞれが約束を果たそうとする人たちの想いを描いているともいえるのです。

和助と善次郎の間の寄進の約束。松吉と真帆=おてつの間の腰の強い寒天を亡き嘉平(真帆のお父さん)のためにつくるという約束。寒天職人・半兵衛が差し出された銀二貫を得て、寒天を再度つくるという約束。お広とおてつの間での無言の約束・・。

そして実は最初の銀二貫。原作では松吉の父を切り捨てた建部玄武(叶ゆうりさん)が自分のために使わず、自身の村のために使い貧しかった村が豊かになっていたという素敵なおまけがついています。これも一種の約束であったのかもしれません。

約束を果たすという想い、そして生き続けるということ。これが谷先生がこの作品に込め、そして月城かなとさんが語ってくれた作品の真髄であると受け止めました。考えてみれば、苦しくても明日が見えなくても生き続ける。それこそが自分と出会って影響を与えてくれた人々との無意識の約束なのかもしれない。そう思います。

 

2.専科お二人のコンビネーションと雪組さんの間、芝居

英真なおきさん、華形ひかるさん。それぞれ雪組さんには続けてのご出演です。専科のこのお二人がまぁ、上手いこと!!ほんまに驚きます。

最初は逆のお役かな?と思ったのですが、英真なおきさんの番頭さんあっての和助。いや、やっぱり逆でもいけるか・・。舞台を締めまくるお二人です。特に英真さんのちょっとしたしぐさや反応で、笑いを取られること、上手いこと、驚きです。

愛すみれさんも、本当に上手い間で笑いをお取りになります。おまけに美声。大変貴重な娘役さんですね、将来ぜひロミジュリの乳母をなさっていただきたいなぁと勝手な希望です。

また、その1、その2では十分に書けなかった方のうち手代の定七を演じておられる真地佑果さん。「心中・恋の大和路」で演じておられた元気な丁稚さんから出世され、今回は手代のお兄さん役です。偉くなりはったんやね、うるうる。←別のお話ですよ、miyakoguさん・・?。

定七は井川屋さんの経営が厳しい中、店を去ります。おそらくは去りたくはなかったという切なさを感じさせつつしかし自分の給金分だけでも店が楽になればという思いも感じさせながら、さっぱりと店を去っていく様を短いご登場で演じておられ、印象に残りました。最近、スカステでもご活躍。頭の回転の速さを感じさせる明るいジェンヌさん、今後のご活躍を期待しています。

 

3.素敵な出会い

さて、以前にジムで素敵な出会いがあった貴重な宝塚仲間のSさん、月城かなとさんがかなーーり気になるようで、あまりに気がはやって予定の1時間も前に劇場に到着されたそう。

もうあかんねぇ、月城かなとさんに落ちていかれていますね!人が落ちるのを観ているのはとてもおもしろい、素敵なことです。

昨日も素敵な出会いがありました。たまたま琥珀寒の席でご一緒していただいた上品でお綺麗なマダーーム。お話してみると、諏訪さきさんを応援されているとのこと。ええ?!

実は私が初めて宝塚歌劇を観劇したとき、口上を述べておられたのが諏訪さきさん。それ以来、これもご縁と黒燕尾が品のある素敵な方だなと拝見していましたので、早速、意気投合です。お着物にもお詳しい方のようで、真帆の着物の柄に、梅・松・鶴が登場していますよ、と先ほど教えていただきました。ありがとうございます(^-^)。

諏訪さきさんは大劇場の前作品では残念ながら黒燕尾には入っておられませんでしたが、秘かに応援しておりますよ!今作品では町人、人形浄瑠璃の黒衣、おでん屋さん、料理人、獅子舞のお一人としてご登場です。皆様もよろしければご注目ください。

さて、来週日曜までの「銀二貫」。昨日は開幕後まだ3日めでした。有沙瞳さん、彼女はもっともっとできる方だと思うのです。ぜひぜひ、終盤になるほどにおてつとしての変身を遂げていてくださるよう、影ながら応援しております!