代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

月組・舞音(マノン)/Golden Jazz 小学高学年娘の感想 「良かった!」という通なポイント

皆様、こんにちは。穏やかな小春日和の一日、いかがお過ごしでしたか?

miyakoguはマッサージにジムで身体調整をして、家族で少し早いクリスマスディナーでした。おいしい鴨のコンフィをいただき、大満足のmiyakoguです。

さて、明日は小学高学年娘が塾の集中特訓のため、本日、一足お先に観劇です。明日は私と旦那はんが入れ替わりで観劇。小学高学年ばっさり娘の本日の感想を聞いてみました。

全体的な感想としては、「ショウがめっちゃ楽しかった」、「舞音も舞台美術が綺麗で好き」とのこと。いつも私に比べて、結構なばっさり感想の多い娘ですが、大変満足したようです(^-^)。

 

1.舞音の舞台美術

一番感銘を受けたのが、舞台美術1枚の白い布で空間を大きく見せる演出。そしてマノンとシャルルが出会うクラブは、小さい中に人が多くゴージャスに見せておられて美しかったとのこと。二人が駐屯するホイアンのまちのランタンの場面は色とりどりにとても素敵だったとのことです。

自在に空間を大きく見せる、そして一方ではきゅっと凝縮してみせる、確かに松井るみさん造形の舞台美術は非常に印象的です。衣装とあわせて白い布が効果的に使われており、私達の心象風景にあるアジアの風が吹くかのような舞台です。世界でもご活躍の松井先生、空間の奥行きを自在に操る素晴らしい舞台美術です。

miyakoguは、以前に映画芸術科学アカデミー(アカデミー賞授与団体です)を訪問インタビューしたことがあるのですが、その時に、映画監督というのは建築出身の人間が新しい撮影方法を取ることがあるとお伺いしたことがあります。建築家ですから、空間の立体的な扱いが上手く空間把握能力があった方が映画に奥行きがあることをお教えいただいたのですが、松井先生の舞台美術はそのお話を思い出させました。

 

2.舞音のお話と印象的な演者達

原作を読むのを途中で断念した娘ですが、宝塚歌劇が新しく創作した「舞音」は「話に破綻がなく、よくまとまっていたけれど、途中からちょっと正塚先生?(*^.^*)」というイメージはまぁ、あったそうです。まぁなぁ、スパイ、植民地独立運動、警察、軍隊。確かになぁ・・。

原作はフランス恋愛文学最高峰とのことですが、それってストーリーでなく、むしろ邦訳では伝わりきらない美しい文章、文体のことなのだろうか?と疑問に思うほど、ものすごく唐突な原作(-_-;。もし根性がおありになるなら、ぜひご一読ください。最後まで読み通すの、大変です。はい。(ものすごく感動したという方もおられると思うので、あくまでmiyakoguの現時点での意見ですので、ご容赦くださいね)

正直、原作を読まずに舞台をご覧になった方は、「はぁ?!」と最初思われると思うのです。シャルルとマノン、なぜ?何に惹かれあって、なんでいきなり旅に出る?!とクエスチョンマーク一杯になると思うのです。よくわかります。

なぜなら、それは原作がそうだから!!!!

おばちゃんな、この原作からよう今回の舞台のストーリーを作り上げたと思うで。当時のフランス社会ではセンショーナルな新しいヒロイン像であったであろうマノン・レスコー。ほんまに今一つ全くよくわからない存在です。それをよくここまで、ベトナム人民の独立運動の熱意へと結びつけはりましたわ。感心するで!

心を揺さぶられる恋愛物語かというと、なかなかその唐突感はぬぐえません。そのかわり、心を揺さぶられる独立運動への思いは静かな強さとして感じられました。この物語はそういうものだと考えてみると、また違った面が見えてくるかもしれません。

 

・宇月颯さん

小学高学年娘が一番感動したのは、宇月颯さんの演技です。宇月さんはディン・タイ・ソン(憧花 ゆりのさんが演じる張夫人の下で働く『紅虎(ホンフー)家』の支配人)を演じておられるのですが、秘かにベトナム独立運動をリードする立場なのです。

宇月さんの演技について、僭越ながらうちの小学高学年娘が語った感想がこちらです。

「もうな、自分の命が惜しくないというか、そういうものはいったん通り越してはる人やねん。自分の命を諦めた人間の強さというか、たとえ自分が撃たれても、独立運動は続くという信念が伝わってくる静かな演技やってん。」とのこと。

確かに宇月さんの演技は静かな力強さがありました。その根底に流れる自分の命はもうどうなってもいいという諦念、しかし革命は必ず続くという信念を小学高学年娘にでも感じ取らせたという演技。素晴らしかったです。

 

・憧花ゆりのさん

そして、憧花 ゆりのさんが演じる張夫人の抜群の存在感にも感心したようです。

考えてみると、憧花さんに加えて、雪組の舞咲りんさんや大湖せしるさん、宙組の純矢ちとせさん。舞台を締める上級生娘役さんがご活躍されるとお芝居が締まりますよね。星組さんは音花ゆりさんが退団されて、今は音波みのりさんがそうなのかな?、花組さんは花野じゅりあさんでしょうか。素敵な上級生さん娘役さんにはご活躍していただきたいですね。

 

龍真咲さんはやや癖のあるセリフや歌に少し違和感があるものの(やっぱり好き嫌いがあって、はまる方はものすごくはまるタイプのジェンヌさんかと思います)、熱演ぶりとやはりお歌が上手いので安定して聞いていられる点、ちゃぴちゃんはもちろん良かったのですが、むしろというかやはりというか、ショウの男前なアフリカンが素晴らしかったとのことでした。

私自身は真咲さんは非常にユニークな個性をお持ちのジェンヌさんと、様々な言動を楽しく拝見しています。やってくれるわ、そうこなくっちゃ!という面をお持ちのトップスターさんかな?と楽しく拝見しています。

 

3.Golden Jazz

ショウは文句なしに楽しかったそう!タンバリンもちゃちゃと楽しく鳴らすことができ、大満足です。私が観たときはまだ、タンバリンをどこでどう使っていいのか戸惑いがありましたが、さすがに千秋楽前の週末、素晴らしい観客席と舞台とのチームワークだったようで楽しかったそうです。明日の観劇では私もちゃちゃと鳴らしますよ!@(^-^)。

ショウでは特にアフリカンの場面での、娘役版柚希さん?!というちゃぴちゃん、そして暁千星さんのダンスに注目していたそう。

トップの龍真咲さんが歌が安定しておられるので、安心してJazzを楽しめていいですよね。月組さんは。賑やかなカーニバルのようなショウ、さすが稲葉先生です。

結構、前方席に座っていた娘、珠城りょうさんに手を差し伸べられて見つめられたそう(その一帯を)。ええなぁ、おい!

 

というわけで、とても満足して帰ってきました。ただ、涙を流すとか、ひぃぃーーとなるとか、「おいおい!(喜びの意味で)」となるとか、そういうことではなく、非常に「美しい」とてもよくできた舞台。そこへの感動が一番あった、そういう舞台であったようです。

実はmiyakoguも初観劇時、同じ感想を持ちました。舞台美としては非常に素晴らしく斬新である、お話も破綻なくぐいぐいと来ている、しかし自分と重ね合わせるような深い感動や衝撃、そういったものはあまりなかった。それが正直な感想なのです。

ただ、だからつまらないとか、そういうことでは全くないのです。むしろ、新しい宝塚歌劇の息吹を感じられる美しい舞台、月組さんの素晴らしい演技を、ぜひご観劇ください。miyakoguも明日、観劇いたしますので感想は改めてお届けいたします!(^-^)。

意外に男性受けしました。驚きの旦那はん感想です。

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