代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

月組・全国ツアー「激情/Apasionado!!Ⅲ」名古屋公演感想 たいしたものです、珠城りょう

皆さま、こんにちは。穏やかな週末になりましたが、いかがお過ごしですか?

「そうだ 名古屋、行こう。」キャンペーンを絶賛展開中のmiyakogu、名古屋へ行ってまいりました。(以下は午後2時公演の感想です)

 

1.かわいらしい「はーーーい!」

愛知県ご出身の珠城りょうさん。組長さんがご当地出身者の話を始めた途端、楽しそうに笑い始めるたまきちさんです。

そして、「華々しく戻ってまいりました、主演を務めました愛知県蒲郡出身、珠城りょうです」と紹介されると、両手を挙げて「はーーーい!」。

なんて、かわいらしい・・。脱力するmiyakogu。あなた、つい先ほどまで男っぽくきざりまくってましたやん?

両手を挙げられた姿が、とても楽しそうで嬉しそうで素敵でした。会場もご関係の方が多いのでしょう、盛り上がります。珠城さんのチケット出しの列も大混雑です。

それにしても、本当にお元気ですね、タカラジェンヌさんは。一昨日は雪の中、岩手県で公演されていたはず。一日置いて名古屋、それであの溌剌さ。珠城りょうさんと月組の皆さまの若き命のきらめきに圧倒されるようでした。

 

2.まずは「激情」の真面目な感想を

終演後、いろいろな方々が口々に「すっごく良かった」とおっしゃていました。時折聞こえるのが「梅田も見たんですけどね」というお話。やっぱり、「そうだ 名古屋、行こう。」キャンペーンですね。ええ。

「激情」は、ストーリーに加えて、音楽も場面をつなぐダンスも素晴らしいということが2回目の観劇でよくわかりました。場面をつないでいく音楽とダンスの展開が滑らかで、お話がどう進んでいくのかを集中が切れずに見守ることができます。

そして、カルメンとミカエラがいるために、光と影の中で引き裂かれていくホセの心情と、どちらにもなれないまま、カルメンだけがホセに見える光になっていくどうしようもない運命が、舞台から流れるように伝わってきます。

柴田先生の脚本、謝先生の演出によるこの作品が名作だといわれるゆえんが、とてもよくわかりました。主人公に共感するとかそういうものではなく、とにかく観客を引き込むのです。舞台で繰り広げられる運命に。

宝塚のスターシステムを活かしていますが、舞台の上に「一つの宇宙」を創り出してみせる、作り手のそういう気概を感じる優れた演劇作品だと思います。

 

3.たまきちさん本日の「萌え」ポイントとカルメンの迫力

さて、本日、たまきちさんの最大の萌えポイントは、ガルシアを殺めてしまった後、母の死を知らされ、うなだれ、十字架に向かって肩を落として歩いていく後姿です。

強く賢く、狼の頭として台頭しながら、そちら側の世界に行ききれない男の弱さ。以前にも書きましたが、珠城りょうさんは傷だらけになった時の弱さを見せたとき、とても魅力的に見える方ではないかと思います。強そうなのに、守ってあげないといけない気持ちにさせる。頼れる肩なのに包み込んであげたくなるような。

終盤、ホセは闘牛場に行き、カルメンがエスカミリオの試合を艶然と見守るのを、舞台右手にたたずんで見つめています。

その時の斜め後ろから見える、たまきちさんの揺ぎ無い背中と目。少しも動かないのに、その背中からは嫉妬と怒りと追い詰められた苦しさが立ち上るようです。

ホセは最初からおそらくわかっているのですね、カルメンが出すであろう答えが。一縷の最後の望みに賭け、それが断ち切られて、彼はカルメンをも・・。

愛希れいかさんは、この作品、宝塚の娘役らしさをかなぐり捨て、舞台人として生きておられるかのような凄みがあります。狼として大地を自由に生きるのだと高らかに主張し、そして刺される。けれど後悔はない。そういうカルメンの最期でした。

一点だけ。貴千碧さんが休演されている影響もあると思うのですが、今回の全ツはお若いメンバーが多いためか、ややセリフの声が高くなりがちな方が多いように思った点が若干、残念なところでした。今後、全国を回られる中での成長を期待しております。

 

4.「アパショナード」感想

梅田芸術劇場での初日。ショウはまだ少し初々しいかなと微笑ましく思ったのです。何と言っても、「ぼぉーくのひとぉーみが、なぜキラキラしているかって」という朝夏様率いる宙組さんのショウを観た後ですからね。

が。「たいしたものです、珠城りょう」。初日からわずか8回目の公演のはずですが、さすがにお若いだけあって変化が速い。初日よりも心なしか大きく見えます。俺を見とけ!というような、顎をひき少し上目遣いのとても強い視線。

彼女は、楽しんでおられますね。自分が真ん中にいてこの大空間を掌握しているということを。その喜び、楽しさ、嬉しさが観客席に伝わってきました。今、心から男役を楽しんでおられるのではないでしょうか。

「ふぅっ」「おらららーー」という掛け声、真ん中で肩を揺らしながらきざって踊る。そんな自分に多くの目が集まることの快感を栄養にして、次のステージへと行かれているような印象を持ちました。堂々たる全国ツアーの主演ぶりです。

本日のライオン(でしたっけ?)は私が観劇した初日とは鬘が違っており、長めのたてがみ。客席降りも上手ドアからたまきちさんが登場されたときも、大喜びの名古屋の皆さまでした。

ヴァレンチノの場面で上着を換えられるのですが、いったん上着を脱いだ後姿もおいしく頂戴しましたよ!たまきちさんにはね、ぜひ舞台上で上着を脱いでいただきたいっす。

 

というわけで、全国でお待ちの皆さま、どうぞお楽しみに!

おばちゃんな、例のラブシーンな、オペラでがん見してたら、自分でも明らかにわかるくらいに頬に血が昇ったで。これからご覧になる方で血が多めの方や花粉症で粘膜が弱っておられる方は、鼻血に気をつけて!ほんまに罪な男役さんやで。

「たいしたものです、珠城りょう」。どうぞお楽しみに!

 

その後、気がつけば珠様沼にどっぷりと・・・。書き連ねた感想はこちらにまとめてありますので、よろしければどうぞ!

月組・全ツ「激情」感想まとめ 「月雲の皇子」感想を交えて振り返る珠城りょうさんと私(^^) - 代取マザー、時々おとめ