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代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。

宝塚雪組中日劇場・ローマの休日 感想1 笑って笑って泣きました 悲しいハッピーエンドとアン王女の成長

宝塚雪組

皆さま、こんにちは。名古屋から戻ってきました。宝塚歌劇団雪組の中日劇場公演「ローマの休日」の感想をお届けしたいと思います。

大劇場の月組さん「NOBUNAGA」は1回目では話についていけないとの感想を友人から聞いたため、思い切ってネタバレ覚悟で書きましたが、今回は通常どおり、できるだけぼやかして書きたいと思います。ただ、どうしても一部、ネタバレを含みますので、お嫌な方は読まれないでくださいね。

★梅田芸術劇場役替りB日程の感想はこちらです。よろしければどうぞ。

宝塚雪組・梅芸「ローマの休日」役替わりB 感想 絶好調です! ちぎみゆと雪組の皆様の舞台から得る満足感 - 代取マザー、時々おとめ

 

1.美しく楽しく、映画のようなマンガのような舞台

1953年に米国にて公開された映画「ローマの休日」。皆さまもご存知のとおり、アカデミー賞受賞作品として、また、主役のアン王女を演じたオードリー・ヘップバーンが一躍、スターに躍り出た映画として有名な作品です。

もともとの脚本がしっかりとある名作、観客席側にも映画を観たことのある人が大勢いるであろう今作品です。後はいかに「宝塚の作品」として仕上げるか、にかかっていたかと思います。

演出を手がけられた田渕大輔先生の作品は宙組「サンクチュアリ」、同じく宙組「相続人の肖像」をバウ公演でたまたま観る機会に恵まれ、いずれも生で観劇しています。

田渕先生は、確か、ある作品の演出助手に入っておられた際に(ナポレオンか1789だったと思います)、「田渕先生は舞台美術を学んでこれらた方で模型を作ってもらって」と紹介されていたことを覚えています。私は田渕先生のバウ作品はいずれも結構好きで(「相続人の肖像」は主役の脚本はちょっとでしたが、周辺の人物はむしろ上手く描かれていたかと)、今作品も楽しみにしていました。

薄い幕に映した映像と、実際のセットや動きを組み合わせて上手く見せておられる場面がいくつかあり、大変興味深く拝見しました。特に、アン王女が寝室からまちに抜け出す場面は、まだ出会っていないジョーとの運命の重なりあいが舞台で大変うまく処理されており、感心して拝見いたしました。

加えて、今作品で特筆すべきは、演者達の一つ一つの動きが非常に明快に振付けられていた点だと思います。早霧せいなさんが演じるジョーが、咲妃みゆさん演じるアン王女を尾行する場面、ちぎさんの動きが「さりげない尾行」ではなく、なんというか、マンガで見たことがあるような動きを舞台で再現されるののです。ほんとにおもしろい!

このあたりはちぎさんの真骨頂でもありますが、ちぎさんだけでなく、

・特筆すべき大活躍をされている美容師マリオを演じられた月城かなとさん

・アン王女の側近であるプロヴノ将軍を的確にコミカルに演じられた真那春人さん

・新聞社で働くちょっととぼけた坊ちゃんぽい黒縁眼鏡がかわいい真地佑果さん

・美容師のアシスタントを演じて盛大に笑わせてくれた陽向春輝さん

といった方々もでした。映画に忠実に、しかし宝塚としての舞台となっています。それもこれまで二次元作品を見事に舞台化してきた雪組さんならではの素晴らしい動きの数々によるものだと私は思います。

私と娘は盛大に客席で「ぶはぁっ」と噴き出しましたよ(^^)。ほんとにお見事でした。さすが雪組さんです。やっぱり、「るろうに剣心」のガトガトで、皆さんが何かに目覚めてしまったとしか思えません。素晴らしいです。

セットがくるくると回り、映像と実際のセットが組み合わせられ、ヴェスパが走る様が映像で示され、舞台を非常に上手く立体的に使っておられる演出であり、田渕先生は今後、舞台美術関係で斬新な手法を生み出されるのではないかと期待しております。非常に興味深い方だと私は思います。

 

2.とにかく笑わせてもらいました、月城かなとさんに

めちゃくちゃ笑わせてもらいました。るろ剣で蒼紫様を演じておられた月城かなとさんに。

皆さま、月城さんがキザでナルシストでアン王女に一目ぼれして、アモーレ一直線の美容師・マリオを演じておられる日程、ぜひぜひぜひぜひぜひぜひ、ご覧ください。もうほんっとにおかしい。超絶おもしろい、いちいちおもしろい。うざかわい過ぎて、涙出そう。

あの方、あの美形でコメディセンス炸裂って、すごい武器を見につけられたんではないでしょうか?生き生きとされていて、ためらいとか恥ずかしさとかを感じさせません。楽しんでおられますね。

冒頭、スクリーンでは、早霧さん、咲妃さん、彩凪翔さんと月城かなとさんの4名だけ人物紹介があるのですが、その時点の映像で既におもしろい。その分、マリオの比重は映画より高まっています。

ぜひ劇場にて、月城かなとさんのうざかわいいアモーレ、マンマ・ミーア!をご覧ください。シャルウィーのドニーさんとトップハットのベディーニさんを足して2で割って、美形度を増したかのようなお役です(^^)。

 

3.可憐なアン王女が大人になる1日、咲妃みゆさん

咲妃みゆさんのアン王女は映画でオードリー・ヘップバーンが演じたアン王女よりも、少し年下、10代の終わり頃かな?と思わせる可憐さを漂わせて登場されます。思春期最後の少女が大人になるかのような一日なのです。

可憐という言葉がこれほどしっくりくる女性って、今どき、そんなにおられませんよね?うちの中学生娘は小おばちゃんのような言動、私の教育がおそらくは大幅に間違っているのだろうと反省はしております・・。

可憐な少女のようなアン王女がまちに冒険に出て、年上の少し屈折した部分を抱えている男性と出会い、戻ってきた時には次期の王として責務を担う覚悟を決めている。わずか1日の冒険が彼女の人生を大きく変えたのだと、はっきりその変化を観客席に伝える見事な「声」の演技でした。

かねがね思っているのですが、みゆさんの「声」は舞台役者として大変な強みですよね。戻ってきたときには、可憐な可愛らしさが消え、威厳をも含み始めたかのような次期王としての責任を負う覚悟が定まった澄んだ声。驚くべき演技だと思います。

 

長くなりそうですので、感想2に続きます。よろしければどうぞ。

mothercoenote.hatenablog.com