代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

宝塚雪組・梅芸「ローマの休日」役替わりB 感想 絶好調です! ちぎみゆと雪組の皆様の舞台から得る満足感

皆さま、こんにちは。梅田芸術劇場にて公演中の雪組「ローマの休日」18:30公演を観劇してまいりました。役替わりB日程です。興奮さめやらぬ間に感想をお届けします!これ書かないと寝られないわ。

映画をご存知の方、既にご観劇の方はいいかと思いますが、これからでネタバレいややねん、と言う方はお読みにならないでくださいね。

明日が休演日の夜公演というのもあったかもしれません。三都市の梅田が最後というのもあるかもしれません。熱演、絶好調のちぎさん、みゆちゃん、雪組の皆様でした。

これはお友達が抽選で当たった梅芸のキューピーちゃん。二人セットなんですね、キューピーちゃんも。さすが雪組さんです。

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1.すごいわ、ちぎみゆ

うん、すごいわ、ちぎみゆ!いや、前から知ってはいたけれど、やっぱりすごいわ。

二人だけの比較的長いお芝居を、あれだけの観客の緊張をもたせて、泣かせられる。すごいです。奇跡のお二人ですね。儚く切なく美しいおとぎ話のような演目というのももちろんありますが、「ええもん、観たわ~」とほぅぅと帰ることができる満足感。他には替えられません。

二人でジョーのアパートに逃げ帰って、みゆちゃん演じるアン王女(アーニャ)は、一つだけ心残りがあります。それはまだジョーと踊っていなかったこと。

ラジオから流れる音楽、踊る二人。それぞれにお互いに打ち明けなくてはならないことがあるとためらう二人を、ラジオの臨時ニュースがさえぎる・・。

泣くやろ!!!映画も知ってるし、中日で観てるから知ってるけど、再度泣くやろ!!

もうね、おばちゃんな、今日はずっと「自由を知らなかったこの子の1日が終わってまう・・(涙)」と楽しい場面でも泣け、切ない場面でも泣け、大忙しでした。

 

中でも、ちぎさんの背中の演技、みゆちゃんの声の震え。

アン王女が立ち去り、ちぎさん演じるジョーが歌い始める「気がつけば、夢をみていた」。それに呼応するかのように、宮殿に戻ったみゆちゃん演じるアン王女は家臣をきっぱりと下がらせた後、「目覚めれば、夢をみていた」と歌うのです。

ちぎさんが「気がつけば、夢をみていた」と歌い始めるところ、感情を乗せたセリフのような歌唱。そして、みゆちゃんが歌う「目覚めれば、夢をみていた」のところの最後、みゆちゃんの声は震えていて、「ああ、彼女の夢のような一日は本当に、本当に終わってしまうんだ」と思わせるのです。泣くでしょう!!ここは、ほぼ嗚咽をこらえるmiyakoguです。

涙もろい私だけでなく、回りの方々ももちろん、涙、涙、涙・・。

私達の斜め後ろにはおじ様がおられ、冒頭、みゆちゃんの靴が脱げたところ、「かわいい」と思わずつぶやいておられましたが、そのおじさま方面からまずずずっという音が・・。泣きますよね!!うんうん。

 

2.1幕及び随所では爆笑していました

ただ、1幕はmiyakogu、周囲のどなたよりも高らかに爆笑しておりました。だっておもしろいんだもん、いちいち、雪組の皆様が。1幕を中心に随所でね。

注射に弱い将軍の真那春人さんのコミカルで妙に張り切っている演技(2幕のスパイ捜索作戦の時も。センターで歌われるまなはるさんに胸熱です)、お付の奏乃はるとさんと梨花ますみさんの絶妙の間、新聞社の坊ちゃんのような真地佑果さんのちょっと情けないけれど気のいい大柄な青年の演技。

真地さんはね、新聞社の同僚(先輩かな?)の桃花ひなさんに一生懸命言い寄ってて、コーヒーを2つ運ぶのですが、1つにはお砂糖を何杯も入れて、もう1つにはお砂糖を一杯だけ入れてもっていこうとします。この何杯も入れた方が、絶対自分のでしょ?という演技で、笑わせてくれますよ。あの方のかわいい顔芸、要チェックです!

透真かずきさんは安定のイケメン店長だし、桜路薫さんのジェラート売りは相変わらずいい声でちゃらいし。ジェラート売りながら「今日は天国は大騒ぎじゃないかな。天使が一人、いないってね」とかみゆちゃんに声をかけていて、「なんちゅーちゃらいこと、言いはりますのん?いや、まぁわかるけど?!」となっていましたよ。

久城あすさんのクラブの歌手は、ほんまにええ声。気のいい警官役のセリフも耳に心地いいです。ぜひお聞きください。

星乃あんりさんのフランチェスカは本日、ちぎさん演じるジョーの相棒・アーヴィングを演じておられた月城かなとさんの恋人役。ちょうどいい身長差なのか、とてもお似合いのお二人でした。ちょっとぷんぷんしてたのが、かわいかったですね。

愛すみれさんは随所でご活躍ですが、私が一番好きなのは、美容院のお客さん役。パーマをかけている設定で、大きな頭でちぎさんとからみながら踊る、踊る。ほんとにお上手ですね。何でもできる方です。

 

3.彩凪翔さんのマリオ、月城かなとさんのアーヴィング

彩凪翔さんのマリオは、動きがね、いちいち、くねくねとうざ可愛かったです。ちょっとした間のため方が、さすが上級生さん。何か始められる前に、こちらがもう笑ってしまうような間をとってこられます。そしてくねくね(笑)。さすが「るろ剣」で観柳をやりきられた方です。ただ、私は翔ちゃんはアーヴィングの方が好きだったかな?くわえタバコに大人の男、ちぎさんとの相棒感がよく出ておられたと思います。目の鋭さが、翔ちゃんの方がいかにもスクープを狙うカメラマン(パパラッチ的と言っていいのでしょうか?)の感じを出しておられたと思います。

月城かなとさんのアーヴィングは、背が高く、お髭がイケメン、くわえタバコで少し離れたところからちぎさんを見ている感じが出ていて、最後にソロで歌われる場面も含めて、とてもいい感じでした。ソロで歌われる場面では、「ああ、この人はいつか、この梅芸で真ん中でこうやって歌うんだろうな」という未来の既視感満載でした。少し人が良い感じがより強く出ておられます。

ただ、やっぱり月城かなとさんも私はマリオの方が好きかな?

多分ね、翔さんがマリオをされるとうん、こういう感じだろうなとある程度予測ができるところへ、かなとさんがされると見ている方まで「ええええ?」となる意外感があるからかなと思います。そして、翔さんの方がさすが上級生さん、ちぎさんとの相棒感がより強くでるからかなと思います。いずれにしても素敵やから、ええよ、もう!!

 

4.中日からのレベルアップと「ええもん観たわ」感満載の見事さ

私達は幕開けすぐに中日劇場で観劇し、久しぶりでしたので余計にそのレベルアップ感を感じました。ただ、三都市全部ご覧になった方でも、「中日よりも赤坂よりもレベルアップしている、今日はすごい!」とのこと。

三都市目の熟練もありますし、大阪のお客さんは「笑うで!」と待ち構えているところがあり、もしかすると雪組の皆様をどんどん乗せていったところもあったかもしれません。

本日の公演、宝塚以外であれば私は、「ブラボー」と声をかけて立ち上がるような公演でした。

久しぶりに観劇して気づいたのは、確かに舞台はあまり装置・美術がなく、シンプルであったこと、そして印象的な楽曲が多いんだ!ということでした。

舞台美術がシンプルな中(おそらくは三都市回るために、共通項を取る中であまりできなかったのかもしれませんが)、お芝居の力が余計に問われるのだと思います。そして、それに見事に応えるちぎみゆと雪組の皆様。おそれいりました。

ただ、ところどころ、セリフの滑舌、歌唱が弱い部分も正直ございます。

それでも、梅田芸術劇場、もしまだチケットが手に入るようでしたら、ぜひご観劇をお楽しみください。

笑って笑って、泣いて泣いて。終わった後に「ええもん観たわ」と思えるとても貴重な舞台。夢、キュート、純粋、ときめき、楽しさ、涙、切なさ、友情、信頼、そして恋。全てが詰まっていて、かつ、それらが大切な思い出へと、きらめきながら浄化していく。

宝塚歌劇を観た!明日から私もがんばるわ!という満足感がとても高い舞台でした。私達の勘違いでなければ、宙組さんのあっきーさんがご観劇だったかと思います。皆様もどうぞお楽しみください。