代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。時々呟きます。@miyakogu5

宙組・エリザベート新人公演 感想1 役をものにされた瑠風輝トートと和希そらルキーニ、壊れそうな鷹翔ルドルフ

皆様、こんにちは。真夏日ですが、お元気ですか?さて、本日は宝塚大劇場にて宙組「エリザベート」新人公演を観劇してきましたので、その感想をお届けします。本日の観劇のために、おばちゃんな、朝7時台からお仕事やで。昨日も日本で一番暑かったエリアに日帰り出張してて、若干、夏ばて気味やけど書くわな!!

 

1.役をものにされていた瑠風輝さん、和希そらさん、繊細な鷹翔ルドルフに涙

全体的にとても良質で素晴らしい新人公演でした。どなたも歌え、人数が減っているにも関わらず見事なコーラス。圧倒的な宙組さんの歌唱力です。

ただ、これは新人公演向けに短縮されているため、致し方ないのですが、物語の流れを感じ取ることがやや難しく、場面場面が圧倒的な非常によくできたコンサート形式の場面集のようにも見えました。いや、本当にこれは時間上も人数的にも致し方ないことなので、出演者の皆様のせいではありません。

その中で、見事に自分なりの像を創り上げてこられたのは、瑠風輝さんのトート、和希そらさんのルキーニだと私は思いました。このお二人は役を通しで生きておられる印象がありました。加えて、少ない出番ながら、瑠風さんとの「闇が広がる」で物語性の高い見事な歌唱を聞かせてくださった鷹翔千空さんのルドルフ。見事でした。

もちろん、この方たちでも、少し歌唱が弱くなる場面もありましたが、私は拝見していて、以下のように感じました。

・1幕 「トートとルキーニとゾフィーの物語」

・2幕 「トートとルドルフ、エリザベートとフランツの物語をルキーニが回しているお芝居」

 

1本ものを新人公演のために短縮されていますから、冒頭の「世界は終わった」のプロローグはありません。和希そらさんが登場され、エリザベートの登場へと導き、物語は幕を開けます。

従いまして、「うっ」という感じで物語が始まってしまい、世界に引き込まれるまでやや時間がかかりました。多分、演者側もそうではなかったかと思います。緊張されているのか、あるいは「練習し過ぎで喉が?」と最初心配いたしました。冒頭、いつもより発声が弱いように思ったそらさんルキーニと星風まどかさんのエリザベート少女時代でした。ただし、これは冒頭だけで、そらさんは見事な声で舞台を存分に引っ張り、暴れまわっておられました。

さらに、最終答弁の場面もありませんので、あわわという感じで終わります。このあたりは新人公演ですから、致し方ないところだと思います。

 

2.瑠風輝さんのトート

見事でした。右側は耳にかけ、左側は前髪を斜めに流し、黒色に銀髪を入れた長い髪。長い後ろ髪の下の方にいくほど銀色が増える感じの髪です。長身の瑠風さんにとてもよくお似合いでした。

パンフレットの瑠風さんのご挨拶にあるのですが、「朝夏さんは手の使い方がとても魅力的です。」と語っておられます。

うん、わかるよ。「エロいです」って言いたかったんやろ?おばちゃんもな、激しく同意する!

その朝夏さんとは違う瑠風さんなりの妖艶なトートへのアプローチとして、歌い終わりに吐息を入れておられたように思います。瑠風さんは真面目そうな方と思っていましたが、その吐息が妙な色気をかもし出しており、「ほぅ、これが彼女なりの妖艶な朝夏トートへのアプローチか!」と感心いたしました。

ところどころ、高音で「ん?」というところがあったり、「女狐め!」と拳銃を構えたエルマー(でしたよね)の先に、トートの出が遅れて、「おおお」と観客に心配させた場面はありました。しかし、瑠風さんは落ち着いて対処されておられ、その落ち着きにも感心しました。

ビジュアルの工夫、長身、劇場に響く声、シャウトの迫力、彼女なりのトート像。素晴らしい新人公演主演だったと思います。新人公演として十二分に演じておられた、しかし、ご本人の少し悔しそうなご挨拶から感じられたようにまだまだ伸び代がある。それは素晴らしいことだと思います。

後ね、瑠風さん。まぁ様の「手」はね、かなり動きが緩慢で指の一つ一つをじっくりと動かしておられるイメージです。うちの中学生娘が「ゼリーの中で動かしているかのようなねっとり感」と申しておりました。リボンをほどく時はね、手を動かした後、元の位置に戻してまた動かす、そういう動きが「エロ」を生んでいるのではないかと思います。

 

3.和希そらさんのルキーニ

お見事でした。その一言に尽きます。わざと前かがみに顎を少し出した姿勢、むき出しにした目、お見合いやカフェ、キュッチュの場面で軽く踊って見せる軽やかさに遊び心。素晴らしいストーリーテラーでした。

さすが長の期であり、かつ和希そらさんですね。最初こそ、あら?と思いましたが、よく響く低音のめりはりのあるセリフ。素晴らしかったです。

やや小柄でいらっしゃるのを逆によく活かした役作りだったと思います。あちこちからひょっと顔を出し、物語を進めている感じがとてもよく出ておられました。このあたりは、本役の愛ちゃんのイケメン・ルキーニとはまた違うアプローチで、そらさんなりのルキーニを作り上げておられ、お見事でした。

最後、シシィを刺し、狂気の表情で警察官達に連れ去られる場面、迫力のある見事な演技でした。

演出家からしたらとても重宝な演者でしょう。声がいい、身のこなしが軽やか、ひょうひょうとしてユーモアと可愛い持ち味があり、芸達者で表情豊か。絶妙なストーリーテラーであるため、そういう役ばかりにならないかとほんの少しだけ、余計な心配をいたしました。大事に育てていただきたい逸材だと思います。

 

4.鷹翔千空さんのルドルフにまさかの涙

超絶涙もろい私ですが、「エリザベート」については涙するのは唯一、シシィの歌う「替わってもいいのよ」の場面です(病院への慰問の)。

しかし、今日、鷹翔千空さんの繊細でガラスのように壊れそうで哀しげなルドルフを拝見して、初めて涙しました。本役さんのルドルフも素晴らしいのですが、これは新人公演ならではかもしれません。必死の下級生さんの姿が、歴史の逆流の中で翻弄されるルドルフと余計に重なるのだろうと思います。

細身で背が高く繊細な鷹翔ルドルフが膝を抱えて座ったとき、「あわわわーーー!!」となりました。「どうにかしたらな、あかん!」と思わせるものがあったということです。そして圧倒的な歌!声量が素晴らしかった。何か切なさとか悲劇の運命を感じさせる声なのです。鷹翔さんは。独特の魅力。

あ、床をごろごろ転がっていくのは、C、Bパターンを観た今のところではりくさんルドルフが激うま!時代に翻弄されている印象を打ち出したルドルフでした。一方、端整な美貌と英明な王子故の悲劇を感じさせるのは桜木さんでした。それぞれに良さがあり、この点は、Aパターンを見た後に比較分析したいと思います。

何より、瑠風輝さんのトートと、鷹翔さんルドルフの圧巻の場面だったのが銀橋での「闇が広がる」。二人の声のボリュームと響きあい。長身の二人が向き合う迫力。ぞくぞくしました。

今回の新人公演で最大の見せ場になったと思います。ここは本当に本役さんとはまた違う魅力によって本役に迫るレベルだったと思います。期待以上、予想外で驚きました。

(続きます。短くまとめて寝るつもりやったのに、やっぱり長くなるやん!)

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