代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

宙組・神々の土地/クラシカルビジュー 東京感想3 黒燕尾に捧ぐ 朝夏まなとさんが見た夢、見せてくれた夢

皆さま、こんばんは。1週間後には宙組の朝夏まなとさんがご卒業となってきた今日、先週末に東京宝塚劇場で観劇した宙組「神々の土地/クラシカルビジュー」東京感想3をラストに書きたいと思います(T-T)。

こちらは大阪の万博公園内にある水族館とアートを融合させた「生きているミュージアム 二フレル」の中の展示の一部、大きな球体と床の映像の組み合わせがユニークな展示空間です。宙組にちなんでお送りします。

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1.サヨナラ特別番組でのまぁ様の涙

タカラヅカ・スカイステージで朝夏まなとさんのサヨナラ特別番組「Exciting! “A”(エース)」をご覧になった方も多いと思います。

まぁ様の舞台を振り返りつつ、宙組の皆さまから送られるまぁ様への愛に満ちたコメントが微笑ましく、まぁ様の成長の軌跡を穏やかに拝見していました。

しかし・・。番組終盤、宝塚でのお稽古最後、サヨナラショーお稽古のラストを終えたまぁ様の目の下には涙の跡が。つい先ほどまで、満面の笑みだったのに。

最後の礼をされた直後、何かを抑えようとするかのように肩で大きく息をされたそばから、大粒の涙が一つ。「あ!」と思う間もなく、左目からも右目からも大粒の涙が落ち、少女が泣きじゃくるように両手を揃えて目を押さえてしまわれたのです・・。

あれほど明るいお茶会をされていたのに。あれほど素敵に爽快な明るいサヨナラショーをされていたのに。最後にこのようなお姿を見せられるとは・・。

反則ですよ、まぁ様!!(T-T)

私達ファンの心に忘れられない傷跡を残して卒業されるなんて(T-T)。

その姿はきゃしゃな少女のようで、その時初めて、まぁ様の心の中に今も息づく”あすかさん”に気づいたのです。佐賀の全国ツアーで初めて宝塚を観劇され、宝塚を目指されたと聞く朝夏まなとさんの原点を拝見したようでした。

 

2.観客に夢を一緒に見せる黒燕尾

朝夏まなとさんの退団公演におけるショーのラストの黒燕尾。東京で2回観た内の1回は、初めて2階席から観劇しました。

光の筋の中に登場するまぁ様、まぁ様の足元に照らし出された宇宙の星の数々のような照明。空の雲の上を滑るかのようななめらかな動きのまぁ様は強い光を放つ星のようで。その星の周りを白いドレスの娘役さんが花びらのように囲む場面を観ていたときのことです。

「これは何の夢だろう?」

そう思いました。

 

私は「夢のように」美しいとは思わなかった。直感的に「これは誰かが見ている美しい夢だ」と思ったのです。

「誰かが今まさに見ている夢」を自分も同時に見ているかのような錯覚。そのような感覚を覚えたのは初めてでした。

私には、宝塚歌劇団に入られる前の”あすかさん”が、憧れをその大きな瞳一杯にたたえて見られた夢のように思えたのです。同時に、それはまぁ君時代の朝夏まなとさんが見た夢でもあり、朝夏まなとさんが自身の集大成として追求した夢なのだと。その夢を今まさに共時性を持って見ていると。

 

黒燕尾で一人で登場したまぁ様は、周りの風景を好奇心を持って探るように見回されます。上手の一番端で両腕と上半身を白鳥のようにそらせた後、舞台を斜めに下手奥に走っていかれ、そこでダン!と初めて大きな足音を立て振り返り、きりっとした強いまなざしを見せられます。

私にはそれは、宝塚を夢見て憧れを持って走り出した少女が宝塚の男役・朝夏まなとに変わった瞬間のように見えました。

娘役さんが花びらのようにまぁ様を取り囲み、舞台からはけられる中、美しい背中を見せて大階段に立つまぁ様。その背中には、少女が時を経て実現してみせた”夢の矜持”を感じました。

 

今まさに共にこの時を生き、この夢を一緒に見ていると観客に思わせるほどの強い力。私はそこに、少女が憧れを持って見た夢の強さと、千秋楽まで進化して自身の完成形を実現してみせるという男役・朝夏まなとさんの「強い意思」を感じたのです。

 

太陽のように明るく、暖かく、おおらかなまぁ様。

彼女の中にあるとても強い意思。

大粒の涙を流す少女の繊細さ。

まぁ様の中にはどれもが並存してあるのだと私は思います明るさも、強い意志も、繊細さも。

 

少女がまぁ君になり、まぁ様になる過程では、舞台上での失敗も後悔も間違いもいろいろあっただろうと思います。妙齢の女性として、プライベートで何かおありになったこともあるでしょう。

その全てをひっくるめて踏まえて、千秋楽まで進化してみせるという強い意思が私達に見せてくれた夢。一人の人間としての美しい強さがそこにはありました。

 

3.本当は書きたくなかった記事

本当は、この記事を書くのが私は嫌でした。

なぜなら、これは男役・朝夏まなとさんを劇場で拝見した最後の感想記事になってしまうからです。

宝塚ファンは次の公演が何かをわくわくどきどきと待ち、チケットを一生懸命取り、どのような舞台だろうと胸をときめかせて観劇日を待ちます。あの人にようやく会えるという喜びとときめきを胸に。

でも、私が宝塚歌劇団男役としての朝夏まなとさんの舞台を、劇場で観ることはもうない・・。

そのことに気づくのが嫌でした(T-T)。

 

というかさぁ・・。ばんっ!(注 ついに立ち上がるmiyakogu)

皆さま、好きなスターさんの退団って、どうやって乗り越えてきたのよ??!!

どーすんのよ、これ?! 後1週間しかないねんで?!

まぁ様の伸びてきた髪の襟足のカールとか、ウィンクできゃぁとか、また、まぁまかでいちゃこらして!とか、さすが娘役はべらし先輩やわ!とか、グラフでなぜ珠ちゃんのナイアガラの下からお顔出してはるの?とか、歌劇で毎号、なぜみりおさんを甘やかしてるの?とか・・。

そういうの、一切、無くなるんでしょ?!どーすんのよ、これ?!(錯乱中)

誰か、教えて!!(注 miyaokgu心の叫び)

 

タオル持参で、ライブビューイングに臨みたいと思います・・・。明日は超久しぶりにようやく大劇場観劇にて雪組さんを観劇してまいりますので、もう寝ます!(T-T) (注 最後にはふて寝)