代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

宙組・天は赤い河のほとり/シトラスの風 感想は続くよ! 真風さんの強さと宙組の強さ

皆さま、お元気でしたか?桜の季節から今は新緑の季節へ移りゆく時期です。

こちらは本日打ち合わせ前に通りかかった公園のメタセコイアの緑。ゆるぎないまっすぐな大きさ、爽やかな風。今、新トップスターとしてお披露目公演を成功させつつある真風涼帆さんの大きさと爽やかな勢いを感じさせるものがありました。

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1.真風さんの強さ

初日開けてすぐ、2日目の午前公演を観劇したときのこと。意外に思われるかもしれないことを少し書きます。

お披露目を祝う気持ちとともに、今だから言えますが、お芝居とショーの所々に、朝夏まなとさんがおられない寂しさと”穴”を感じました。

勢いを増してこられた今の宙組さんですが、朝夏まなとさんが太陽のように率いてこられた勢いと爽やかな熱さをこのまま維持できるだろうか?真風さんの時代に違う魅力を創り上げることができるだろうか?

失礼を承知で正直申し上げますと、「少し危ういな」と思ったのです。壮大な長編原作を圧縮したゆえの展開の速さやダイジェスト版的な浅さを時に感じるとはいえ、宙組の皆さまは”きちんと”物語を成立させ、ショーでは迫力のコーラスを響かせておられました。

けれど、まぁ様の輝くような求心力がない中、今日、一杯一杯に見えるこの組の力をどのように維持できるか、真風さんの時代にどのような新たな魅力を打ち出すことができるだろうかと少しばかり危惧したのです。

 

しかしながら。ばんっ!!(立ち上がるmiyakogu)

皆さまーーー!!!(≧∇≦) 3月16日の開幕から3週間が経過、真風さんと星風まどかさん、そして宙組の皆さまは、素晴らしく輝きと熱さを増す方に行ってくださいました。そのことを確認できて本当に嬉しかったのです!

中でも、真風さんの輝きはひいき目以上に、とても大きく強いものになっていました。圧倒されたほどです。お茶会での真風さんの静かな自信を拝見して、あ、もう大丈夫だと確信はしておりましたが、正直、ここまでの迫力を出してこられるとは思っていませんでした。

4月15日15時公演、真風さんからは何かが炸裂していたと思います。

強い歌声、強い目線、自分と組の力への強い信頼。舞台の真風さんからは大いなる「強さ」を感じました。

歌声とセリフがより安定され、その分、より繊細なお芝居、ショーの表情を出されていると思います。

カイルの強さがそのまま真風さんの強さに、Soul Spiritsで踊る青年の哀愁はそのまま真風さんの哀愁に。役の魅力がそのまま真風さんの魅力となって、力となって、強さとなっていると感じました。

私は星組さんを宝塚大劇場のロミジュリから観始めた浅いファンです。もしかしたら的外れかもしれませんが、真風さんの強い目に、柚希礼音さんの堂々たる男役像に共通する強さを感じました。

ロング・インタビューでも繰り返し真風さんが語られていた柚希さん。柚希さんとともに出られた武道館の映像を拝見したとき、そうか、この人が星組時代に経験されてきた蓄積、経験の地層は相当な厚みがあるのだと改めて気づかされました。

その真風さんがロング・インタビューの中ではっきりと言われた「宙組を思う気持ちは誰にも負けない」という言葉の強さと熱さ。ああ、真風さんはこういう強い思いをストレートに出される方になられたと喜ぶとともに、その気持ちを昨日の舞台からまっすぐに受け止めることができました。真風さんは今、トップスターとしてとても強い目をされていると思います。

ただでさえ大きな真風さんの美しい舞台姿。そこに劇場の端までストレートに届く強さが加わり、かつ、岡田先生が語られたとおりの哀愁があるのです。

太陽のようだった朝夏まなとさんとはまた違う大きさ。小池先生が「歌劇」で形容されたとおり、「静謐なカリスマ」を感じさせる強さが舞台にありました。本当に嬉しく思います。

 

2.舞台を支える宙組の強さ

昨日の舞台からは、下級生さんも上級生さんも演じることを、ショーで激しく踊ることを精一杯にとても楽しんで、発散されていることがよく伝わってきました。

たとえば。愛海ひかるさんが演じたティト。目を惹く方だなと、全国ツアー「バレンジアの熱い花」で泥棒(正義の味方的)の一味をされていた時から思っていました。

泉から出てきたユーリに驚くティトが、舞台の床をばんばん叩いて驚く表現。私たちはここで物語に一気に引き込まれます。彼女は小柄を強みに、少年のティトをめりはりのきいた体の動きとともに見せてくださいます。セリフもとても上手い!「神々の土地」では優希しおんさんの活躍をおおーと拝見しましたが、愛海さんもとても楽しみな方。センターブロックに座っていた中学生娘は、ロケットでウィンクをもらった!と主張しておりまーーす。(そのあたり一帯ね!勘違いでもいいねん、この際。)

ぐっとお芝居を締めるナキア皇太后の純矢ちとせさんと、専科からご出演の星条海斗さんが演じるウルヒ。「なぜ、幸せはこの手からこぼれる・・」とナキアがウルヒにすがるように近づこうとするとき、ウルヒが身を避けうつむいてしまうシーン、泣きました。ショーでは、おばちゃんな、星条海斗さんとばりばり目が合って、あわわーーです。(勘違いでもいい!、この際。)

ザナンザの桜木みなとさんも。原作ではカイル皇子の異母弟・ザナンザ皇子はユーリに恋をしますが、舞台でははっきりは描かれてはいません。けれど、王宮での祝宴で踊るカイルとユーリのうち、ずんちゃんのザナンザ皇子はずっとユーリを切ない目で見つめています。こういうところが、お芝居の質を少しずつあげて、その集大成が舞台の力になるのかと思わされます。

クルヌギアでの皆さまも。ぽりぽりと体を掻いて、不衛生な風も吹かない場所だと感じさせる囚人達の演技。そして、一人背を向けて座る風馬翔さんのタロスの迫力。こういう方がおられると、舞台がぐっと締まるのですね。

※あ、ここで一つ情報お願いします!クルヌギアで上手端におられる短髪無精ひげのイケメンさん。あの方、どなた?!おばちゃんに教えて!(〃∇〃)←わかりましたので、落ち着いて。

あとね、クルヌギアの皆さま、なーーんか楽しそうよね?あれ、一緒に踊ってみたくなりますわ。エジプトのラムセス邸の母上と姉上たちもです。

ネフェルティティの澄輝さやとさんとトトメスの松風輝さんも、絶妙なコンビです。あっきーさんは迫力が増しておられ、一人生きてきた強さを感じさせました。また、まっぷーさんは「陛下、王太后陛下」と呼びかけるだけで、なぜ二人の間にある信頼感を瞬時に伝えることができるのでしょうか?あの方、素晴らしいですわ!

ユーリは、二人の「后の先輩たち」との対峙することによって、大きく成長したと言えます。「こうはならない!」というモデルと敵対したことにより、彼女は「自分がどうありたいか」を見出します。

「綺麗ごとでは済まない」というネフェルティティに対しては、「綺麗ごとでやってみたい」と。そして、原作ではナキアに対して「わたしはあなた以上の、いいえ、あなたとまったく違うタワナアンナを目指します!!」と宣言して。(出典:篠原千絵氏「天は赤い河のほとり」)

後の方のセリフこそありませんが、舞台の限られた時間の中で小柳先生が戴冠式の直前に「二人の皇女」という場面をつくられたのは、二人と出会ったからこそのユーリの成長があったと原作から感じられたからではないかと、私は考えます。おそらく、よりくっきりとユーリの成長を描けると。

星風まどかさんのユーリはセリフの緩急が以前より出てきておられます。私は全国ツアーの「Hot Eyes!!」でぷりっとしたキュートなまどかちゃんが朝夏まなとさんと組んではつらつと踊っておられる場面が好きで、ショーのまどかさんがとても好きなのです。「ノスタルジア」での強い目の彼女を観ると、いける!ユーリの原作のあの強い目、戦いと悲しみを乗り越えてきた透徹した強い目をお出しになれるはずだと、今後に期待しています。

 

真風さんの強さを感じた公演、宙組さんの伸びようとする強さを感じた日曜日の舞台でした。

静謐なカリスマ。宙の太陽だった朝夏まなとさんとは異なる個性を持つ真風さんが、トップスターとして星風まどかさん&宙組の皆さまと歩み始めた”未来への旅路”。

その軌跡をこれからも楽しみに応援したいと思います。

 

そうそう、原作のセルト姫のビジュアルの方は愛白もあさんかな?と把握しました。←違っていたら教えてくださいね。

あ、皆様、クルヌギアのあの短髪の方の情報よろしくね!それからさぁ、ミタンニに美形がいるでしょ、美形が?!エジプトとの闘いで旗持って上手で降ってる子、あのイケメンさんの情報もどうぞよろしく!(〃∇〃) 

↑ miyaokguさん、あなた熱く語っておいて、結局、美形が多いから楽しいと、そういうことじゃないの?! 自問自答中ではあります(^^)