代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。朝夏まなとさん退団後のロスから、少し息を吹き返し中。

TVドラマ・おっさんずラブ 林遣都さん演じる牧の切ない瞳 ―彼はもう泣いていいんだと思う・・

えー、以下は普段とは異なる筆致で別の沼らしき林遣都さんの美しくも切ない目について書いています。 

1.林遣都さんという美しい湿地帯、というか沼

以前からうすうす感じてはいた。

5月、それは何か新しいことが始まる新緑の季節。年度単位が多い私の仕事がちょうど一区切りする月であり、多分、誕生月であることも原因なんだと思う。

思い起こせば宝塚歌劇を初めて観たのも5月だった。

始まりはいつも突然に。人は別に沼にはまりに行こうと思って何かを始める訳ではない。少し気になっていた美しい湿地帯の霧のかかった風景を見にいくつもりで進んだ先、そこに沼があるなんて知らずに足を取られる。そういうことが人生には時々ある。

 

ことの発端は吉田鋼太郎さんだった。

twitterのTL上に時々流れてくる画像。どうやらTV朝日系列で土曜深夜に「おっさんずラブ」というTVドラマが始まっていて、「花子とアン」で男気ある石炭王・嘉納伝助さんを見事に演じておられた天下の舞台俳優さんが乙女な部長らしい。好きな相手のことを「存在が罪」「可愛すぎるぅー」と言うその姿は、宝塚ファンにとっては身近なものだ。宝塚ファンは、いつだって自分の好きなスターさんのことをそう思っているから。

吉田鋼太郎さんに朝ドラ以上に興味を持ったのも、実は宝塚歌劇団がらみだ。元星組トップスター・柚希礼音さんという100周年の見事なトップスターさんは退団後、ミュージカル界でご活躍。去年の秋、その柚希さんは英国ミュージカル「ビリー・エリオット」で吉田鋼太郎さんと共演されていて、とても観たかったのだが、残念なことにお二人が共演される日程はことごとく仕事があり、断念した。

なので。

ふぅぅぅん。乙女な部長が部下に恋をする、コミカルでいて真摯なドラマなんだろうと勝手に思っていた。そこにすっぽりと一人、抜け落ちていた人物がいることに気づかずに。

それこそ、主人公・33歳の普通の男子である春田創一(田中圭さん)に恋する若きエリート・牧凌太(林遣都さん)。吉田鋼太郎さん演じる黒澤部長のライバルだ。

 

2.大切な人を思って泣くということ

娘が第3話を観て、その日、確かたまたま眠くって土曜23時過ぎにはきっぱりと眠りについていたアラフィフ@健康第一。

「爆笑だった」 娘のその一言を信じて第4話を先週土曜日に観たのが、私自身の物語の始まり。

冒頭の振り返りシーン、シャワーを浴びる主人公に「好きだ」と詰め寄る美形の大きな切ない瞳。美しい横顔のライン、イケボ、一瞬でもわかる美しい鼻の形。

ドラマが進むにつれ、春田(はるたん)の素晴らしい顔芸に大笑いしていると、時々画面に現れる例の美形。

あれ?この子は別に乙女じゃないんだ?

黒っぽいスーツを着て、繊細な美しいラインを描くお顔とは裏腹に「一回黙れ!」という強い声を発し、冷静に仕事を進める例の美形。

どうやら例の美形は、牧君というらしい。でも、その強そうな頭の切れそうな例の美形は、時々とても切ない目をする。

主人公・春田の幼馴染女子ちずちゃんが転がりこんだ場面では、料理を褒められてくしゃっと笑う。男二人で暮らしているけれど、牧君はこの率直で単純そうだけれどまっすぐに普通の男子の春田さんに恋しているらしい。

春田と幼馴染女子の会話を聞いてうつむく牧君の大きな目。湧き上がる複雑な感情に耐えている彼は、本当は泣きたかったんだと思う。

そして、どうやら牧君のことを好きらしい別の長身美形眼鏡(イケボ)に「不毛な恋」だと言われても、「そんなこと、僕が一番わかってます」と笑って去る牧君。笑っているけれど、彼はやっぱり泣きたかったんじゃないかと思う。

くだんの吉田鋼太郎さんは、見事な振られっぷりで泣く。「こんな僕を好きになってくれて」とお礼を言う主人公・春田も泣く。彼は部長が「男だからだめなんだ」とは決して言わない。

その部長を影から見守り泣く妻役の大塚寧々さん。30年連れ添った夫の男性に対する失恋に一緒に涙する・・。

それぞれに大切な人だからだ。

 

でも、牧君は泣かない。涙ぐむけれど涙を大きな目一杯にためて耐えている。少なくともこの第4話までは。

春田の幼馴染のピンチをきっぱりと解決するのは牧君だ。でもその後、幼馴染に電話する春田を見守る牧君の切ない目。

彼はこの時も本当は泣きたかったんだと思う。

身を引くと決めて家を出て行こうとする牧君を春田が引き留めるバックハグに「え?」と戸惑う牧君、なぜかバックハグの手に手を添える牧君。そこに実にタイミング良く帰ってくる幼馴染、さすがドラマ。第4話はここで終わる。

 

3.涙をたたえた切ない瞳

翌日、第1話から第3話を有料サイトで一気視聴したところ・・。

まーーーじーーーでーーーー!!(絶叫)

出ていくに至るまで、彼はいろんなことを既に試みていた。

 

突然の告白とキスする前の思い詰めた目

可能性のない恋を止められない自分が嫌になるという寂しくうつむく目

冗談ですよというはぐらかしの複雑な目

ライバルの部長への嫉妬の目

絶対に奪われたくないという闘う目

怒りながら半分切れながら好きだという自暴の目

公園で一人ぼっちで振り向く寂しい目

普通には戻れないですという諦めの目、そこから背伸びしてのおでこへのキス。

その目には涙が一杯たまっていて、きらきらと輝いていて。

林遣都さんのあの大きな目は多分、美しい沼への入口なんだと思う。

 

その後、第3話では「放っておいてくださいよ」と切れる牧君。通しで観た上、第4話を見直すとさらに・・。

牧君は泣きたいんだと思う。本当は、大声をあげて。

というか、泣いてほしい。

心の中に積もっているこれまでの悲しみや寂しさや傷を全部放り出して、泣いてほしい。他のみんなは泣いているんだから。

目に涙を一杯ためずに、ほろほろと、わんわんと泣いてほしい。

春田の単純でまっすぐな明るい感情表現は、無神経でもあるけれど、牧君の中にためこんでいる様々な感情を解放できる「窓」で、その窓から射す光は牧君には「希望」なんだと思う。

だからこそ、考えるより先にその光に向かって走っていった牧君の恋。シャツを着たままシャワーの中に思わず入っていく牧君の目は、この人に近づきたい、触れたいというまっすぐで強い憧れと欲望満ちていた。大きな黒い目が少し紫がかるような切なさ。

幸い(?)にして、第6話では大号泣シーンがあるらしい。その物語が悲しみなのか、喜びなのか、切なさなのか、それはわからない。

けれど、牧君にはもう心から泣いて泣いて、最後に笑ってほしい。自分の心をずっと守ってきた鎧を少しだけはずして、その人の前で。

 

4.宝塚歌劇団の良さが身に染みたスライド

そして驚くべきことに、このTVドラマのDVDやBlu-rayの発売はまだ発表されていない。

宝塚歌劇団であれば、公演途中で実況CDが出て、大劇場や2番手さん以上であれば別箱も含めて、確実に映像が販売される。ある程度以上のスターであれば舞台写真もポストカードも、公演ごとの台本と写真が収録された紙媒体も、普段の動きを伝える定期刊行物もとりどりにある。宝塚歌劇団のありがたさをしみじみと実感した。

 

この作品で牧凌太を演じる林遣都さんの美と切ない目を、円盤に閉じ込められないのだとしたら・・。しかも観たのは第4話からで、それまでの録画は一切ない。その第4話すら録画は失敗していて一部しかない。

おおいに焦った。

そこで、GYAOで購入した第1話から第3話と、TV朝日の公式サイトで無料で公開されている第4話の動画から、牧君場面をスクリーンショット→PPTでスライドに張り付けるという作業をここ3晩かけて実施。

昨夜、無事に作業は完了し、スライドは実に120枚近くになった。1話あたりおよそ30枚。後3話あるからおよそ200枚くらいになる予定。これで何とか生き延びられそうだ。

中間テスト勉強中の娘に「お母さんがあほ過ぎて、もう・・」と哀れまれたとしても、駆け出した心は止められない。そこまで林遣都さんの目の演技に心が動かされたということ。あのイケメンチワワになぜここまで心を乱されないといけないのか、若干の理不尽感もあるにはある。

 

とにかく話はまだ終わっていない。

土曜日夜11:15。牧君の幸せを心から願っている。笑う目が最後には見たい。

ほんっと、ハッピーエンドで頼む!!!(涙目)

第5話の感想はこちらです。

mothercoenote.hatenablog.com