代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

宙組・天は赤い河のほとり ライブビューイング感想 とてもとても良かった!

皆さま、こんばんは。本日、映画館にて宙組「天は赤い河のほとり/シトラスの風ーSunriseー」千秋楽のライブビューイングを見てきましたので、その感想をお芝居についてお届けします!

一言でいうと、とてもとても良かった! 驚くほどでした。

宝塚大劇場で観劇した時に比べると特にお芝居が素晴らしい変化を遂げておられ、その変貌は、3月16日に始まった真風さんと新生宙組の闘いの軌跡でもあるかのような鮮やかな変貌でした。ドラマティックな音楽もあって、疾走感のある青春の闘いというような勢いがありました。 

 

1.真風さんのお芝居での歌の自信

大劇場の時から真風さんのお歌は良く、安定しておられたと思うのですが、間の期間を含めてほぼ3か月にわたって舞台上で歌われる中で、おそらくは自信を付けていかれたと感じます。その自信が伝わってくる伸び伸びとしたカイル皇子としての迫力に満ちた歌声でした。

 

2.星風まどかさんのユーリの演技

素晴らしかったです。宝塚大劇場で拝見した際にとても気になったかなり早いテンポでのセリフが、様々な緩急の中で表情をもって感情を乗せて話されるようになった印象があります。

もともと澄んだ素直な歌声で、ショースターの才能もおありになる娘役さん。後はお芝居のセリフだけと思っていたのですが、さすがお若いだけあって成長が早い!

先生方のご指導も、真風さんのサポートもいろいろあったと思うのですが(愛ちゃんの原作ファンとしての熱血サポートもおそらくは)、安心してお芝居に身をゆだねることができました。

 

3.まかまどコンビ

宝塚大劇場の頃から真風さんがとても優しい目でまどかさんを見ておられるのを拝見していて、これは大丈夫かな?と思っていたのですが、ものすごく大丈夫でした!!

まどかさんが取材などでみせられているとおり、真風さんへの尊敬や憧れが見ている側にも伝わってくる一心なまなざし。

ずっとずっと、真風さんを見ておられるのですね、まどかちゃんは。

「ヴァンパイア・サクセション」ではそのコンビネーションが生れる前に、真風さんが主役として走り出していかれた印象を持ってたのですが(少なくともDCでは)、トップコンビとして長期間の公演を終えられた今、素敵なコンビネーションが生まれ、見ている側にも伝わるように思います。

背が高くすらっとした真風さんの優しいまなざしの先に、可憐で芯が強く「歌劇」や他の方のお茶会等のエピソードから察するに少しお茶目なまどかさんがおられて。二人でにこにこほっこりとした暖かな関係性があるように拝見。ちぎみゆ時代のガラスケースに入れて飾っておきたい素敵なコンビをほうふつとさせる多幸感がありました。

素敵な男役さんと、その男役さんを慕う可愛い娘役さんをにこにこと見るというのも、宝塚ならではの喜びだと思うのですね。私は力が拮抗するような並び立つトップスターの関係性も好きですが、まかまどには宝塚ならではの見る側の喜びを感じます。

宝塚大劇場では、ラムセスの「俺の嫁になれよソング」(注 そういうタイトルではない)の場面、あまりにまどかさんが楽しそうで、「ちょっとぉぉ、カイル皇子はどうなったんよ!カイル皇子は?!」と客席で静かーーに激怒しておりましたmiyakogu(抑えてましたよ、もちろん)。軽妙に素敵な演技を見せておられるラムセスキキちゃんには悪いのですが、本日は「あ、カイル皇子のこと、忘れてないんだな」という演技になっておられました。

別の場所にいてもなお、相手役の存在を感じさせる演技だったということです。

そのため、銀橋での「私、帰らないよ!」の場面、観ている側の心にぐいぐいと迫ってくる力があり涙、涙、涙でした。

その前に、真風さんカイルが一人でユーリを帰そうとする場面の真風さんの伸ばした後に閉じられた指先、うつむいた横顔の切なさ。グッジョブ!ライブビューイングご担当者様。素晴らしい場面でした。

 

4.見事な宙組コーラスと下級生さんのご活躍

このお芝居を盛り上げているのはとても素敵な音楽。お芝居冒頭、考古学者になっているかつてのユーリのボーイフレンド氷室(希峰かなたさん)が読み始める「天と地の・・」の直後に響く音楽が美しいですよね。あの旋律、とても好きです。重厚で、今から素晴らしい物語が始まるのだという期待感を地響きのように伝えてきます。

特筆すべきは宙組さんのコーラス。

いったん劇場の天井にばーーんと届いた後、劇場一杯にその声が降り注ぐかのような素晴らしいコーラス。今の宙組さんは明日へのエナジーで素晴らしい歌声を響かせておられる美風まいらさんを筆頭に、中堅~下級生さんにお歌が上手な方が固まっておられて、皆様、本当に素晴らしい。

主要役の方々については既に書いたとおりですが、本日は下級生さん中心に。

お祭りの場面で、出てこられる穂稀せりさん(だと思うのですが、違っていたら教えてください)と若翔りつさん。冒頭出てこられる小春乃さよさん。今回のお芝居で素晴らしい演技を見せてくださっている華妃まいあさん。クルヌギアでの秋奈るいさん(こちらも違っていたら教えてください)。

桜木みなとさん、和希そらさん、瑠風輝さん、瑠依蒔世さん、鷹翔千空さんとお歌で活躍されてきた方々に加えて、ご活躍の方が増えるのは拝見していても嬉しいことです。

お芝居でも、ティトの愛海ひかるさん真名瀬みらさんがご活躍、「神々の土地」の優希しおんさんのように新たな注目を集めたと思います。組替えでこられた天彩峰里さん、ネフェルティティ子ども時代の夢白あやさんも美しく素敵でした。

今日の千秋楽ならではのアドリブも楽しかったですよね!ラムセス一家は何かと楽しい。

ご退団の星条海斗さんのウルヒ、純矢ちとせさんのナキア、澄輝さやとさんのネフェルティティ、愛月ひかるさんの黒太子・マッティワザ、風馬翔さんのタロス等、複雑な心境を映し出した見事かつ重厚な演技、あるいは蒼羽りくさんや桜木みなとさん、和希そらさんのように原作にある設定をさりげなく織り込んでくださった繊細の演技のもと、様々な下級生さんが多彩にご活躍の本作、結果として素晴らしい仕上がりでした。

多分、今、組の状態がとてもいいのだろうと想像します。少人数で集まって演技について話し合ったり、自主的に練習したり、そういう小さな努力が結集されたであろう総合力を本日、感じました。ブラーボーー!!

 

5.期待以上の成果と清く正しく美しいスター

真風さんはおそらく、素敵なトップになられるだろうとある程度予測はしていたのですが、まさかお披露目の第一作めで、新生宙組さんがこのような素敵な成長とまとまりを見せてくださるとは正直、思っていなかったのです。予想以上の嬉しい驚きです。

勝手ながら、その根底に自分は宙組20周年に巡り合ったトップなんだという真風さんの覚悟を感じます。

真風さんは仮に他の組でも素敵なトップスターになられたでしょう。それだけの育て方をされていて、そういう育て方をしたくなる何かをお持ちのはずだからです。

けれど、20周年の節目を迎える宙組で良かった。朝夏まなとさんという太陽のようなトップのもとで、安定した幸せな2番手時代を送ることができて、本当に良かったとまぁ様におおいなる感謝を!

そして、素敵なコンビネーションを生み出しつつある星風まどかさんに感謝を。

それまでご縁のなかった宙組で退団公演となったのに、いつも素敵なコメントを出してくださった星条海斗さんにも感謝を。さすが芸歴20年、重厚な品を今公演に加えてくださったと思います。これからの人生も着実に前進されるでしょう。おばあ様とのお約束だったという「10年」の倍を宝塚で一心に過ごしてこられたことは、大きな力だと思います。

今公演、真風さんに携わってくださったすべての皆さまに感謝を込めて、ありがとうございました! ←いや、あんたが言うてどうすんの、しかもお披露目なんで、今からなんで、落ち着いて、miyakoguさん?!

 

真風さんは清く正しく美しい見事なトップスターでした。お披露目公演の千秋楽、本当におめでとうございます。

次作のビジュアルも素敵すぎて、うっかり田渕先生に「よろしくお願いいたします」というお手紙を書きそうなmiyakoguです・・。