代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

月組・エリザベート感想1 端整な舞台と歌唱、愛希れいかさんシシィの気迫と見つめるトート

皆さま、こんにちは。昨日、宝塚大劇場で開幕して1週間たった月組「エリザベート」を観劇してきましたので、その感想をお届けしますね(^^)。

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1.完成度の高いプロフェッショナルな舞台

総論を申し上げますと、月組さんらしい完成度が高いプロフェッショナルな舞台でした。SNS、ネット、取材記事、観劇された方からの生の声。前評判から少し懸念していた何人かの演者の歌唱とビジュアルも、高音面での課題は少し残っていたものの、皆さまがそれぞれの役割をしっかりと果たしておられた舞台だったと思います。

プロフェッショナルな端整さ。今まで劇場や映像で観てきた宝塚の「エリザベート」の中で一番、外部ミュージカルを観ているようだと思った”きちんとした舞台”でした。場面場面の歌唱を集めたガラ・コンサートのような面も感じられました。それくらいお一人お一人の歌がうまく、ちゃんとしていたということです。

ただ、その分、今後の進化への期待を込めてですが、何かが一点不足しているようにも思えました。あくまでこの日の印象ですが、それが何かは感想3で書きました。

(感想3はこちらです)

 http://mothercoenote.hatenablog.com/entry/2018/09/01/151450

2.愛希れいかさんの歌唱

タイトルロールを演じてる愛希れいかさんの退団公演である本公演。

少女時代の発声が安定して”少女”の歌唱でした。かわいらしい声なのにきっぱりとしていて。澄んだかわいい声というより、強い意思を感じさせる少女のよく通る声。外部のミュージカルのヒロインで聴く声に似ていて、この舞台を私が外部公演のようだと思った一つの要因がちゃぴさんの素晴らしい歌だったかもしれません。あ、もしかすると今後の準備をされているのかな?とも思いました。

年齢を経ての変化も出ていて、長身の愛希れいかさんが主役の「エリザベート」コンサートのような素晴らしさだったと思います。史実のシシィも長身。ハンガリー帝国で「エーヤン、エリザベート」と叫ばれるにふさわし堂々たる強いシシィ。「私だけに」も立ち上がる強さが前面に出た歌唱でした。

トップ娘役7年の集大成。どうぞ期待満々でご観劇ください。

 

3.見つめる珠城トート

なるほど!というトートでした。パンフレット「スペシャル・ポート」1枚目見開きの珠城りょうさんのトート。胸に手を置き、目を閉じて上を見上げる珠ちゃんの写真がめちゃくちゃ素敵で綺麗なので、ぜひチェックしてくださいね!(≧∇≦) 珠ちゃんの伏せ目、美しいですわぁ。

珠ちゃんのトート閣下は、もっと俺様で死の世界にシシィを力ずくで引きずり込もうとするトートになるかと思っていました。もちろん、ミルク、最後のダンス等での迫力は強いものがあります。

ただ、今回の役づくりだと思うのですが、白く塗った顔が舞台に浮遊するように見え、カフェで握手をする場面の手がぎょっとするほど冷たいことを伝えてくる”この世ならざるもの感”がありました。

浮遊感のある珠城トートはシシィの無意識の中で生まれたばかりのトートで、自分が今感じているものが「恋」なのか何なのか、自覚しきれていないトートに見えたのです。

そんな感情を知らずにあの世とこの世の間を浮遊してきたトート。ただ、シシィと出会って以来、ちくっとした胸の痛みがあって、それが何かを自問自答しているトート。

そのため、シシィに拒否されると少しむっとした拗ねたような顔をしてその場を去り、何か舞台で次の動きが始まると「何だろう」とじぃっと見つめる。

大人たちの世界を、静かに怜悧に観ている大柄な無口な少年のようでもありました。おっきいのに、がらが悪そうな外見なのにピュア

ばんっ!!(立ち上がるmiyakogu)

そういう少年、漫画にいますよね!ばんばんばんっ。←落ち着いて、miyakoguさん。

自分でもこの生まれつつある感情が何かわからない。でも少しずつ気づいていく。そしてこの感情が何かわからなくても、シシィだけはずっと追い続けてしまうトート。

思春期の無口なぶっきらぼうな少年の中に渦巻く熱情。時折、それがゆらめくように見えるトート。私が最初「かわいい」と思ったのはそこか?!と先ほど気づきました。twitterでもお見かけしたのですが、ある種、瑞々しいトートだったのではないかと思います。

感想2に続きますね。

mothercoenote.hatenablog.com