代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

宙組・オーシャンズ11 感想続き2 ポケットに手を入れて佇む真風さん、最高だった!オーシャンズ物語の完成

皆さま、お元気でしたか?快晴の週末、昨日は宝塚に、今日は自宅で休養です。来週が多分、本当の意味でGW明けっぽい1週間になりそうですので、お茶会も気になりますがここは休養で。アラフィフですし!(^^)

さて、昨日5月11日11時公演は、今週末にお茶会を控えた方も多いためか、素晴らしい熱演だったと思います。真風さんの包容力と哀愁のある大人の男役の完成、宙組の皆さまによるオーシャンズ11の物語の完成を見たような、素晴らしい公演でした。振り返って感想を書き留めておきたいと思います。

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※こちらのお写真は、著作権法第46条に基づき屋外に設置された美術の著作物の原作品については許諾を得ずに利用が可能であることから掲載しています。

 

1.銀橋に立つ真風さん

走り去るまどかちゃんテスを見送り、ネックレスをポケットに入れ、手をポケットに入れたまま銀橋に出てきて真風さんが歌う「愛した日々に偽りはない」の場面。

真風ダニーはポケットに手を入れて、銀橋下手で佇まれます。

この時の真風さんのダニーには、「あぁ、目指しておられたであろう男役が、ダニー役が完成したのだな」と観ている側に思わせる力がありました。

力は入っていない。おらおらと押し付けてくるものはない。ゆったりと構えてポケットに手を入れて立っている。ただそれだけです。

けれど、何かを抱えて生きている、若者の青さはない、歩いてきた道にいろいろな色が見える、喜びも後悔もある。そういう大人の男が、少し寂しげな乾いたセクシーさと共に確かにそこにいる。そう見えたのです。

見事でした。そして、本音を言うと少しだけ心配もしました。

トップスターさんが必ず聞かれる質問に「いつ退団を決意されましたか」というものがあります。このダニーという役が、将来そうならないとも限らない・・その思いはちらっとかすめるようにあります。もちろん、男役として第二段階の階段を登っていかれることもあるでしょう。杞憂に過ぎない可能性も大です。

いずれにしても、真風さんが3作目でこのようなスタイルに到達されたことを喜びたいと思います。心からの拍手を、その立ち姿の説得力に。

私は実はオーシャンズ11は真風さんの3作目という感じがあまりないのですね。WSS梅田のトニーがあまりに素晴らしくて、私の中ではあの公演は大劇場作品と同等にカウントされているせいだと思います。

文句なしにかっこよく、声量たっぷりで、歌が格段にお上手になられて、セクシーさも包容力も寂しさも色気も兼ね備えた真風涼帆さんのダニー。どうぞ観劇をお楽しみください。

 

つーかね・・。ウィンクしまくりなんだってば、あの人は!!!(≧▽≦)

端っこのスロットマシーンに座って振り返りざまにウィンクしたり、銀橋で歌いながら歌詞の「ウインク」にあわせてウインク飛ばしたり。フィナーレでまどかちゃんの鼻ちょんってしたり・・。劇団は何を考えてるのぉーーーーっ?!(≧▽≦)

フィナーレの萌えポイントフルコンボ(※)で、こちらのライフも絶え絶えですよ!

ふわーーっと客席ごと身体が浮くかと思いましたがな。体重は減ってないけど!

⬆ 落ち着いて、miyakoguさん?SHUN先生の振付にお礼申し上げます(^^)。

※ひざまづいての手の甲へのキス、バックハグからの首筋キス、腕を組んで「あたしの男なんで」まどか嬢との大階段降り、おでこへのキス、鼻ちょんのこと。ええ加減にしてもらいたい!(≧▽≦)(意訳 ありがとうございますだ・・)

 

2.ライナスとソールの物語

見えました!ダニーとテス、ダニーとラスティーに加えて、この物語の大きな軸であるライナスとソールの物語が。これに加えて、後ほど書きますベネディクトチームの物語やリビングストンの生き生きとした演技も加わって、物語の小さな掛け算が様々に見えるようになっていて、この舞台に厚みが加わっています。やるなぁ、宙組!嬉しくなりますね。

和希そらさんのライナス。前回観た際に、後もう一息だけ、証券委員会摘発場面での野菜頭場面のぷんすかと、金庫破りの場面の情けなさと、それでもやるという気概、この当たりが出ると完璧だなとお待ちしていました。さすが、そらちゃん!役作りに悩まれたと聞きますが、迷いがなくなったような、これまで以上にはっきりとしたセリフと全身の表情で伝えてくる演技。そらさんのライナスとして完成されていたと思います。

そのライナスと関わる重要な役であるソール、このお芝居でおそらく最も重要と思われる「飛ぶんだ、ライナス!」というセリフ。私が見る限りですが、日によって言い方を変えながら、寿組長さんも探っておられたように思います。

たった一言なのですが、とても難しい場面。昨日の寿組長のそのセリフは、観劇後、不思議と亡き父のことを私に思い出させるお力がありました。

厳しくはない、けれで確信に満ちた口調。大丈夫だ、できるんだ、だから勇気を持って、後もう少しだけ勇気を出して飛ぶんだ、失敗したってみんながいる、やってみればいい。

そういう慈愛を含んだ父性的な後押し。寿組長はそこを見事に伝えておられたと思います。少し涙ぐんでしまいそうなほどに。私が亡き父のことを思い出したほどに。

和希そらさんのライナスは、ソールのセリフにはっとしつつ、急には素直になれない、でもやれるならやってみたいという変化を、短い時間の間に「全身」で伝えておられて、こちらも見事でした。

澄輝さやとさんのフランク、蒼羽りくさんのバシャーが優しいお兄さん風に励ますのを観て、また涙です・・。ご卒業のお二人の素敵な笑顔から、お二人の優しさが伝わるようでした・・。

 

3.明るいベネディクトチームの身体表現と”慌て芸”

今回の宙組・オーシャンズ11によりコミカルな風味を加えているのが、桜木みなとさん率いるベネディクトチームの皆さまのくねくねとした身体表現のおかしみだと思います。「慌て芸」とでも呼びたくなるような全身での慌てふためきの表現。

「王妃の館」で朝夏まなとさんが拓かれた宙組の新たな伝統かしら?鍛えられているだけのことはありますわーー。おっもしろいんだ!

ベネディクトの桜木みなとさんは、バウ「パーシャル・タイム・トラベル」パンフで正塚先生が評されていたとおり、あっけらかんとした現代の若者の明るさがある方。「陽性の小悪党感」が強い。

この人、絶対、翌日からまたいろいろ知恵をめぐらせて楽しそうにお金儲けしそうと思わせるような「明るい這い上がり力」。間違ってもバーでうだうだと後悔とかしてなさそう。見上げたNever give upの根性だわと感心すらしてしまいます(^^)。

でね、何となくなんですが、部下の結婚記念日とか部下のお母さんの誕生日に赤い薔薇の花束を届けさせたりするような、そういう感じがあるんですよ。なぜか。このベネディクトは将来、姉御肌の奥さんと楽しい家庭を築いて、子どもの授業参観に真面目な服装で行きそうな気がするんですね。憎めない悪党、素敵な魅力のずんちゃんです。

そのベネディクトを支えるメンバーの中で、一番冷静で切れ者そうなのがベスの愛白もあさん。クールでコミカルな演技が印象的です。残念ながら今公演でご卒業ですが、バウ「相続人の肖像」では素敵な演技を、真風さん「巴里祭」では素敵な存在感を示しておられました。

傑作なのがテーラー役の美月悠さん、弁護士・チャールズ役の星月梨央さん。「金があればー」と歌うベネディクトにちゃちゃちゃと手拍子を入れる場面など、本当に秀逸。秀逸すぎて本当におかしい。よくあれだけのコミカルな身体表現ができるなと感心しました。

星月さんはお髭の似合うイケオジ役もばっちりされる方なのに・・。芸達者さんですね!眼鏡をはずしてダンスをされている場面では見事にイケメンさんでした。

用心棒役のお二人、希峰かなたさんと真名瀬みらさん、ブルーザーの若翔りつさんもかわいらしい悪役。この三人はベネディクトのオフィスでもちょっとした小芝居をされているのでご注目を、かわいいブルーザーです。

希峰さんと真名瀬さんのお二人もくねくねとした身体表現がまぁ、おかしいこと、楽しいこと。やりますねぇ。かっこいいのに!希峰さんは天河でも冒頭、氷室君としてええ声でお芝居の始まりを告げる重要な役でしたね。楽しみな方です。

 

4.マイク&3ジュエルズ

事前に星組「オーシャンズ11」を映像で観ていたので、最初、ちょーーとパンチ不足かな?と思っていたのですね。でも、今はもう、ノッリノリ!で遠慮のない迫力です。

留依蒔世さんの美声とリズム。3ジュエルズは瀬戸花まりさんの迫力、天彩峰里さんのちょっと肉感的なむんむんさ、華妃まいあさんのかっこいいダンスとそれぞれに魅力的です。

私はサファイア役の華妃まいあさんの男前なダンスが大好きです。あれほどの美脚なのに女っぽいというより男前な印象、かっこいいわぁーー。

旦那はんを連れての観劇の時、美脚の子いたでしょう?かつらに青の入った?と尋ねましたところ、全員美脚やから誰かわからないとのことでした。うん、まぁそうやな(^^)。皆さん、素敵ってことです!

後、エルチョクロで、一番かつらの髪の短い細身の娘役さん、どなたかな?脚が長くてキュートでめっちゃかわいくて素敵でした。

 

5.リヴィングストンの瑠風輝さん、刑事の秋奈るいさん

今回、あちこちで繰り広げられる小芝居の中、リヴィングストンの瑠風さんの演技にも注目させられました。ライナスを励ましたり、テスに二度目のプロポーズをするダニーを応援したり。一人でハッカーをしていたのに、今は仲間がいるんですね。素直な子なんだろうなぁ、本当は。その嬉しさが伝わってくるような演技でした。

リヴィングストンの場面でお?と思ったのが、刑事役の秋奈るいさんのええ声です。秋奈さんは低いええ声で、セリフも明確。印象に残りました。

 

うん。これで、安心して「宙組のオーシャンズ11」として、東京に送り出せます!(感涙) ← miyakoguさん、宙組の何?!

昨日の観劇は、銀橋に立つスターさんと目線がちょうど合う高さの列でした。宝塚大劇場で観劇を何度かされた方はおわかりいただけると思うのですが、SS席ではなくS席にスィートスポットがあるのですね。ちょっと高くなる列。そしてご事情があったのか、2列前は空席がぽこっと。見事に銀橋からmiyakoguまでさえぎるものが何もない視界良好。まぁーー、幸せなうきうき観劇になりました。勘違いでもいいのだ!ウィンクと目線の方向にいたということで、浮かれております。楽しかったーーーー。

りくちゃんをずっと追いかけていたら、うん、あのウインクは私にだったと思う!(≧∇≦) ←勘違いなんで、落ち着いて、miyakoguさん・・。

以前よりも髪を短くされて目元きりっとされた愛海ひかるさんも印象的でした(^^)。

皆さまもご観劇をどうぞお楽しみください。東京はなかなかチケット入手が難しいようですが、さすがに東京千秋楽LVはあるでしょう。ぜひ映画館も含めて「宙組のオーシャンズ11」、ご観劇をどうぞお楽しみください(^^)。