代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

星組・食聖/エクレールブリアン 感想 宝塚に舞い降りた美しきトップスター・紅ゆずるさんの矜持、圧巻のボレロ

暑い日々が続きますね、お元気ですか?三連休初日、宝塚大劇場にて星組トップコンビの退団公演「GOD OF STARS 食聖/エクレールブリアン」を観劇してきましたので、その感想をお届けします。

主にショーについて。というか、この美しいショーについて書いておかないといけないと思ったのです。この素晴らしさをぜひお伝えしたい!

宝塚の「善きこと」を体現するかであったような紅ゆずるさんのお姿を、そして「食聖」におけるあーちゃんの強くて不器用で可愛いアイリーンを、です。

いくつかの重要なショーの場面について書きますので、お嫌な方はお読みにならないでくださいね。

 

1.ショー エクレールブリアンの煌めき

素晴らしかった!美しかった!

酒井先生のご挨拶にあるように、宝塚歌劇団にとって、紅ゆずるさんというトップスターはどこか他の星からいきなりやって来て、閃光のきらめきを放ち、まばゆいばかりの衝撃を残し、そして去っていく。そういう存在だという思いが込められたショーだと思います。

清く正しく美しく。品行方正なタカラジェンヌのイメージと少し違って、美しい花園をずっとひょこひょこ覗き見にきていた近所のおきゃんな少女が、わわわーーと花園にやってきてびっくりすることをやってのけた、そういう感じがあるのですね。

大阪弁でいうなら「けったいなやっちゃなぁ」という感嘆を含んだため息。大阪でそのように言われることは褒め言葉です。底知れぬおもしろさ、今まで見たことのないような独創性、そういうものに対する「かなわない」という賛辞なのです。

そして一番重要なことは、紅さんはそう思わせておいて、誰よりも宝塚の品格を受け継いでいくことに強い意識がおありになったと思われることです。

昨年の秋(関西地方で先に)、8K導入の際に放映されたNHK特別番組「トップスターが語るタカラヅカ」において、私が驚かされたのは、宝塚の品格の伝承に関する紅さんの言葉でした。組や自分自身のことでなく、もっとも宝塚のことをお考えになっているのはこの人なのかもしれないと思ったのです。

紅さんは、宝塚の先生方からしてみると、いきなり現れた稲妻のような閃光のきらめきをまとったジェンヌさん、けれどその底には宝塚への強い強い思いがある。そういう人物だろうと想像します。

 

2.第5場 ひとり星の上で ~一番星の煌き~の美しさ

紅ゆずるさんは、銀橋を一人で歩き、さらりと裾を手で優雅に払って腰を下ろし、いとおしそうに客席を見渡し、一人一人に話しかけるように歌を歌われます。

酒井先生がこのショーの着想を得られたというジルベール・エコーのシャンソン「ひとり星の上で」。今、youtubeで見つけた安奈淳さんのものを再生しながら聞いていますが、歌唱そのものの上手さよりも、この歌の物語を語れる人に歌ってほしい歌です。

ファンの一人一人に優しく語りかけるように歌う紅さんの横顔の微笑み、星くずをちりばめたようなきらきらの衣装、衣装の裾を優雅に払われた手の美しい動き。

その全てが「ザ・宝塚」でした。夢のように美しく、少し寂しく、ロマンチックで甘く優しい。

この方はミュージカル役者としてみると、お力はちょっぴり弱かったかもしれない。けれど「宝塚の夢」を体現することにおいて、一人だけぽんっと突き抜けた地点にたどり着かれたのだと思います。素晴らしい場面でした。

この時点で、miyakogu、涙、涙です。はっや!

 

3.第11場 スペイン ~燃える情熱の煌き~、圧巻だったボレロ

このショーは、すべてがぴたりとはまったジグソーパズルのような本当に美しい素晴らしい構成なのですが、その中にあって圧巻だったのがこのボレロの場面です。

まず、有村先生の衣装が美しい!男役さんは下は黒一色、上着が緑色なのですが、お一人お一人の緑色が微妙に違うのです。娘役さんはスパニッシュの衣装ですが、こちらも黄色から緑色(確か。間違っていたらごめん!)のバリエーション。

そして、意表をつかれたのが大きな階段を、客席に向かってでなく、上手から下手に「横」に置いた構図です。

楽器が少なく静かに始まる音楽の中で、ターンの時に少しだけ聞こえる靴音、衣擦れの音、舞台に斜めに下りてくる人々の波。寄せては返す波のような音楽と人の動き、かたずを呑んで見守る静まり返る客席。

その静けさの中で、ぱぁっと、そう、閃光のように登場する紅さん。緊張感を高めて中心に集まっていくエネルギーの中心に、この人がただただ立っていること。その説得力がありました。この場面は、綺咲愛里さんの挑発的な目も素敵です。

言葉を失うような、本当に美しい素晴らしい群舞です。ぜひご覧ください。

 

4.第16場 フィナーレ ~至高の煌めき~C、哀切な音楽と紅さん

最初、ただ一人で大階段に登場する紅さん。その美しくも、ここまで私はたどり着いたという矜持を感じさせる立ち姿。見事でした。

ここの音楽が美しく、どこか哀切さを秘めた楽曲でした

もとの音楽の作曲・編曲は千住明さん、三味線録音演奏は上妻宏光さんの「風林火山 ~月冴ゆ夜~」、音楽は吉田優子先生とあります。こちらもただいま、Youtubeで聴きながら書いております。

壮大な、哀しい、切ない楽曲。

あたかも「私は行かなくてならない。そのことを許してほしい。ただ、あなたに私を覚えておいてほしい。」というように聞こえるメロディーだと私は思いました。

退団公演にふさわしい楽曲。こういう楽曲を探し当ててこられる演出の酒井澄夫先生に心からの敬意を。

そして、こういう楽曲をこの人に当てたいのだと思わせる、紅ゆずるさんその人の「これまで」に心からの敬意を

この時点で、ハンカチを口に押し当てて涙、涙、涙のmiyakogu。

私は「桜華に舞え」の紅さんの演技が好きで、「Another World」で紅さんが貧乏神の貧ちゃんにかけた「夢を応援する」というセリフが好きでした。真風さんの良き先輩でおられた紅さんのことが好きだったんだなぁと改めて思います。

娘役さんがまず紅さんの周りを美しく囲み、次に綺麗に隊形の整った男役さんが降りてこられる、とても美しい美しいフィナーレでした。

 ※Another Worldの演技についてはこちらです。

mothercoenote.hatenablog.com

5.他場面も素晴らしいです

他場面も本当に素晴らしく、なんというショーかと感嘆いたしました。

第6場のパリの場面の、舞空瞳さんの輝きと正確で美しいダンス、礼真琴さんのダンスによる美しい表現。この場面は物語を感じさせる構成で、端の方で店員や街の男女を演じておられる下級生さんの工夫もきらりと光りました。店員男を演じておられるのは煌えりせさん、凰真斗愛さんのお二人。こういう下級生さんの芝居心の一つ一つが舞台全体を押し上げているのだと思います。

存在感抜群だったのは華形ひかるさん。私はみつるさんの演技もショーも大好きで、圧巻のボレロの直後、軽やかにかっこよく粋に空気を変える華形さんの「ザッツライフ」、素敵でした。ここではロケットに入る前、如月蓮さんと麻央侑希のお二人がフィーチャーされているのも嬉しく拝見いたました

見所が多すぎて大変ですが、第8場ラテンにおける天寿光希さんの物語を感じさせる歌唱も本当に素晴らしいので、ぜひご注目を。

 

6.食聖

紅さんの退団公演にふさわしい賑やかなコメディと見せかけて、最後にはほんわかと心温まるハッピーエンドでした。

多くの方々が登場される賑やかさ。多くの方に役があり、小柳先生の愛を感じる作品です。その中で、何といってもあーちゃん!男前で可愛くて店を守ってきたヒーローで、料理が下手で、健気で一生懸命でという役どころがぴったりで、すかっとしました。とても良かった!

紅さんとあーちゃんに贈る言葉も埋め込まれ、小柳先生の愛を感じました。

ただ、昔の人気TV番組にのっかった料理対決と、まちのリノベーション、恋、父母との葛藤、キャリアウーマンのお母さんの人生、上海にシンガポールと、題材がやや詰め込まれすぎだったかもしれません。

わざと、そういう賑やかな”てんこ盛り”の作品として創作されただろうとは思います。小柳先生のご挨拶にある「深刻な表現こそ芸術性が高いと思われがちです。ですが、本当に辛い人を救うのはいつだって笑いだと私は信じています。」という一文。

(出典:「GOD OF STRAS 食聖」パンフレット、小柳奈穂子氏あいさつ文より引用)

私も全くそうだと思います。

ただ、その分、コメディは難しいのだろうと思います。悲劇以上に。

退団公演として、また、あーちゃんの魅力を引き出した作品としては非常に素晴らしい作品。賑やかさの奥に宝塚ファンのヒーローとしての紅さん、あーちゃんがあり、礼真琴さんの笑いのセンスもきらりと光る作品でした。ただ、できれば後もう少しだけ、本当に後もう少しだけ忘れられない何かがほしかった。その点では、谷先生渾身の「Another World」にはかなわなかったかなぁ。

小柳先生には、これからのコメディ創作に心からのエールをお送りします。ぜひぜひ、いつまでもファンの心に残る良質なコメディを今後ともお創りくだいますように!

あまりに私がショーが素晴らしかったと絶賛するので、旦那さんも観たくなったとのこと。幸いにもチケットをお譲りいただけましたので明日、急遽観劇です!

もう一回観てくる、そんで泣いてくる!!

宙組・蒼羽りくさんのご退団に捧ぐ 優しく暖かな声のお芝居の魅力、一言から伝わった人物の世界

皆さま、お元気でしたか?公私ともどもイベントが多く、しばらくブログ更新ができていませんでした。が、気づくと早くも明日は宙組「オーシャンズ11」の東京千秋楽、私の好きな宙組の方々が宝塚歌劇団をご卒業される日です。

宙組で重要な役を演じご活躍されてきた純矢ちとせさん、澄輝さやとさん、愛白もあさん、蒼羽りくさん、さらに風輝駿さん、はる香心さん、雪乃かさりさんと7名の方々がご卒業されます。上級生の方々は重要なお役で、真風さんトップ時代に力強くご活躍、感謝しかございません・・。

私は今回のご退団者の中でも、とりわけ蒼羽りくさんの演技が好きでした。そのことを本日、書きたいと思うのです(T-T)。

私は真風さんの異動と共に宙組を拝見するようになったごくごく新しいファン。以下はりくさんを長く応援されてきた方からすると、極めて限定的な感想になりますこと、どうぞお許しください。

 

1.蒼羽りくさんの魅力に気づいたバウ公演

蒼羽りくさんの魅力に最初に気づいたのは桜木みなとさん主演のバウ公演「相続人の肖像」でした。白いフロックコートを着た長身、ちょっと天然のナルシストっぽいけれど姉思いで決めるときは決める、そういうお役です。

斜めに降ろした縮れた前髪。星風まどかちゃん演じるヒロインに想いを寄せて敗れる準主役的なお役ですので、フィナーレでりくさんがセンターのダンスがありました。

これが超絶、まぁ、かっこよかった!!!のです。美しいしなやかなダンス、本当にお綺麗でした。

ただ、この公演で着目したのは定評のあるダンス以上に、りくさんの優しい声でした。

りくさんのハロルドには、ずんちゃん演じる主人公チャーリーに想いを寄せる姉・ベアトリス(愛白もあさん)がいます。このお姉さんは財産目当てだとわかった上で、それでもいいと結婚しようとするのですが、りくさんハロルドは姉のために反対し、舞踏会で姉と踊ろうとするずんちゃんから、「姉さん、踊ろっ」と愛白もあさんを連れ出します。

大事な姉にそんな結婚をさせたくない、僕がちゃんと守るんだという姉思いの優しい弟がきっぱりと言うセリフ。

ただ一言だけなのに、緑豊かなお屋敷の中で、仲良く育った姉弟、眼鏡をかけて晩生の姉をいつもそっと守ってきた弟の姿が、ばぁっと浮かび上がったのです。

うん?この人はどういう人なんだろう??とりくさんに注目するようになりました。

 

2.「シェイクスピア」の友人役

自分でも不思議なのですが、こちらもただ一言のセリフでした。りくさんは宮廷一座のウィル・ケンプ役でもあり、シェイクスピアの地元の村の友人役でもあります。

シェイクスピアは父の反対にもめげずに物語を書いては父親と衝突しています。まぁ様シェイクスピアをお祭りに行こうと誘う友人役。

「また、何か書いたのか・・?」と少し心配そうに尋ねるりくさん。

シェイクスピアの友人として、シェイクスピアのやっていることには反対していない、ただ、もう一つ理解はできていない、けれど友人がやっていることを守ってあげたい。そういう大切な幼馴染なんだろうなぁという風景が、たたたたーーと浮かびあがるようでした。多分、文字は少し読める、でも得意ではないような気のいい若者。

大きな樹の根元に二人で寝っころがって、あらすじをシェイクスピアから聞いて、「へぇー、それでどうなるんだ?」とわくわくして尋ねることもあれば、途中で寝てしまうこともある。そういう友人だったのではないかと。

私のいつもの勝手な妄想です。

でもね、miyakoguだって、こほん。いつも妄想しているわけではないんですよ!

ばんばんばんっ。まぁ様、真風さん、ちぎみゆのお二人、珠ちゃん、そういうミューズみたいな人にしか反応しないんです。

最初、ん?と思った後、たまたまかな?と思ったのですが、複数回観てもやっぱりそうで、これはりくさんのお芝居の力ではないか?と思うようになりました。何かほっこりと、聞いている側の心をほんのりと暖かくさせるりくさんの優しさがにじみ出た演技の力と感じたのです

 

3.「ウエストサイドストーリー」のチノ

チノは、りくさんのお芝居の魅力が最大限に発揮されたお役だったと思います。残念ながら映像に残らない作品です。私はたまたま東京、大阪と2回観ることができたため、りくさんのチノの魅力は繰り返し、ぜひお伝えしたいと思います。

星風まどかちゃんが演じるマリアを連れてダンスパーティに行くチノは、舞台下手でまだ幼さの残るマリアの相手を優しく大切そうに務めます。マリアの兄・ベルナルドにマリアを引き合わされた時、おそらくチノはかぁーーっと頬に血が昇っただろうな、きっと一目ぼれして、こんな子が自分の妻になってくれるなんてと、ひそかに嬉しくてしかたなかっただろうなと思わせる演技だったのですね。

twitterでリプライもいただきましたが、マリアが働くお店を訪ねてきたときに言う「女の人の店だろ?」というのも印象的でした。男の人の世界でずっと生きてきて、女慣れしてなくて、でも女性をきちんと尊重していて、多分、お母さんも大切にしている。そういう人物だろうという想像がたたたたーーーと想起される一言でした。とても優しい夫になれたはず。

そのチノが、マリアに対して放つ「トニーが兄さんを殺したんだ!」という叫び(セリフは正確でないと思いますが)は、自分の大切な女の子をトニーに奪われたこともわかった上で、マリアのためにはっきりとは言いたくなかった、でももう我慢できなかった、そういう哀しみが伝わる叫びでした。 

 

4.優しく暖かな声が伝えるその人の世界

上記で取り上げた以外にも「王妃の館」のクレヨン、博多座「黒い瞳」のマクシームィチととても魅力的な演技でした。

なぜ、りくさんが放つ優しく暖かな一言のセリフの声は、ここまでたたたたーーーと、舞台の後ろにあるその人物の人生を、観ている側に想像させるのだろう?

そのことが、とても不思議でした。

新人公演の主役を何度もされたきた方です。だからこそ、主役の近くにいて、舞台に得も言われぬ「色」をつけることができる、そういう力を持った演者となられたように思いました。そして根底には、この方の持つ「常に相手を大切に思う暖かな優しさ」があり、その優しさが役ににじみ出るように思ったのです。

もちろん、演じる側は真摯に役名の人生を生きようとされます。けれど最後にどうしてもその人自身がにじみ出るところがちょっぴりあるように思います。

りくさんの優しく暖かな声、主役の近くにいて何かを発する一言、そこから感じたのはりくさん自身が向かい合う人をいつもきちんと大切にされてきた、その優しい暖かさだったのではないか。そう、私は受け止めています。

 

5.りくさんの魅力

twitterの中で得た情報なので、もしも間違っていたらごめんなさい。

ある時、和希そらさんのお茶会のレポだったと思います。バウ公演「ハッスル・メイツ」の主演が決まったことを、蒼羽りくさんがとても喜んでくださったとそらさんが語られたと読んだことがあります。

私はその内容を拝見したとき、はっとしました。

新人公演の主演を何度もされてきた蒼羽りくさん。バウ公演の主演をいつかというファンの思いを感じることもあったと思うのです。ご自分も、という気概を持ってもおかしくないポジション。歌が重視される昨今の傾向の中では、難しい面もあったのかもしれないと思います。

けれど、後輩がバウで主演する、自分はしていない。その中でそんな風に喜んであげることができるだろうか? 自分に置き換えてみると難しいなと思います。

りくさんも当然、ある程度以上に負けず嫌いでいらっしゃることでしょう。ただ、お持ちだと拝見する優しさが、ジェンヌさんの競争社会ではひょっとすると仇になった面もあったかもしれないと思います。けれど同時に、その優しさこそが、りくさんの魅力の本質なんだろうとも思うのです。

もちろん、オーシャンズ11のオープニングでもフィナーレでも、とびっきりいきいきとかっこよく踊っておられて、蒼羽りくさんの男役さんとしての魅力は炸裂しています。

私は真風さんのファンですが、大劇場での最後2回の観劇時は、ずっとオペグラでりくさんのダンスを追っていました。ダンスの中でも、特にしなやかに柔らかく伸びる美しい腕の動き、生き生きと楽しそうな少し挑発的な表情、腰が動くと体全体が動くような大きな動き。これらはとても美しいものでした。

彼女の大きな魅力であるダンス。それ以上に私はりくさんの優しく暖かな声のお芝居が本当に好きでした。

おそらく、演技を通じて、この方の優しい暖かさにほんのりと触れるような喜びがあったのではないかと思います。心がほっこり、ほんのりと暖まるような・・。

たった一言のセリフから、たたたーーとその人物の世界を舞台の上に描き出す力。私は本当にそのお芝居が好きだったのです。

蒼羽りくさん、素敵なお芝居を見せてくださって、本当にありがとうございました。

明日、東京宝塚劇場で宙組「オーシャンズ11」は千秋楽を迎えます。蒼羽りくさんのあの優しく暖かな声の演技を、男役さんとして拝見することはもうない・・。寂しい寂しいことです。

蒼羽りくさんのお茶会に私は行ったことがありません。けれど、あなたの演技を私は忘れない。おそらくはりくさんご自身が自覚されておられる以上に、あなたの演技を楽しみにしていた人はいるのです。

どうぞ千秋楽を思う存分に楽しく、悔いなく過ごされますように。明日はLVを拝見いたします(涙)

実録!宝塚友の会のチケット最前列観劇「夢現無双」 間近でみる美形、近付く美形への恐怖と歓喜!(≧∇≦)

皆さま、こんばんは。金曜夜、お元気でしたか?

本日、入場券不正転売禁止法が施行されました。宝塚歌劇団のチケットは昨今、なかなかの入手困難ぶりですがこれで少しは緩和されるでしょうか?システム的に大量に申し込む事業者があるようでしたから。

ただ、最近、twitterを拝見していると、SS席当選しました!という歓喜の声が若干増えたような印象があります。これも法律の影響かな?だとすれば喜ばしいことですね。

さて、ファンの方はよーくご存知のとおり、宝塚歌劇団には「宝塚友の会」なるチケット入手システムがあります。私も当然、会員。

で、これがまぁ、長らくちっとも「お友達じゃないやーーーん!」と毎回、先行抽選結果のたびに皆さまとわぁわぁとなっていたお友達だったわけです。

しかしこのお友達は、時々、妙にデレる時があるのです。ツンデってやつですね!(^^)

 

1.月組「夢現無双/クルンテープ」でのSS席当選とみやるりさん

miyakogu、宝塚観劇歴はわずか6年ですが、この間SS席当選がなぜか3回、バウ公演当選も何回かあり、今年はついにSS席最前列センターブロック席が当選したわけです。友の会様、時々は本当にお友達やったのね・・。ううう。

月組「夢現無双/クルンテープ -天使の都ー」、美弥るりかさんのご卒業の大変貴重なチケットです。

先日、宝塚歌劇団を退団されたみやるり様、千秋楽のスカイステージ映像を拝見する限りですが、何度目かのご挨拶で流された一筋の涙がとてもお綺麗でした。

私は「グランドホテル」で演じられたみやるりさんのオットーの演技がとても好きで、「グランド・ホテル」はもう、珠城・愛希・美弥共同主演としてカウントしてよいのではないかと正直、思っています。憧れの方のお役をされたみやるりさん、本当にお見事な「魂の演技」でした。そして3名の持ち味とお力が拮抗したからこその素晴らしい演目だったと思います。

お優しくて、低く甘い声が魅力的で、人間的にとても賢そうなみやるりさん。珠城りょうさんのことを「りょうちゃん」と優しく呼んでくださったみやるりさんの第二の人生に幸多かれとお祈りいたします。

  

2.最前列チケット当選のお知らせを見るとこうなる!

まず、チケット当選を知った時の様子を再現してみましょう!

その日はめちゃくちゃ多忙な時期で休憩時にtwitterを何気なくみると、当選の歓喜と落選の嘆きがちらほらと。

あれ?そっかぁ。

↑ 注 入力したことも忘れていたmiyakogu。ついでに不要な広告メールはさくさく削除しまくる性格なため、なんと「当選メール」を削除していたmiyakogu・・。しっかりな・・。

ふぅむ。一応、結果見てみるかな?

で、友の会のmy pageを見たんですよ。メール見つからないから。

え?購入履歴?あれ、S席やったっけ、発表。

↑ まだわかってないmiyakogu。多忙すぎてよく覚えていない・・。

 

え? (扉1-8) 1階1列49番、50番??

さすが友会、センターブロック。

えーと、I列か(アイ列、アルファベットの)、I列って何列目やったっけ?

↑ 直近、宙組・博多座公演のことで頭が一杯かつ多忙過ぎて、博多座と混同。大劇場の列は数字と重々承知なのにびっくり過ぎて理解できていないmiyakogu。

ええと、A,B,C,D,E,F,G・・・?あれ、大劇場って・・。

あーーーーーーー!!!これって・・、「1」、え、もしかして「1列?」

しかも、49番、50番って、えええーーー?!(呆然)

※いつも「ばんばん」と机を叩いているわけではない・・。

f:id:miyakogu:20190614230700j:plain

そう、ファンの皆さまはよくご存知のとおり、46列当たりがどセンター、ちょぴり上手とはいえ、SS席のセンターブロックというのはヅカファンにとっては奇跡のお席なのでした。ぜいぜい。思い出してもくらくらするぜ!(≧∇≦)

人は予期せぬ情報に触れると、とっさには理解できないもの・・。

後で宝塚先輩にうかがうと、友の会への割り当て分ではもっとも良い席の一つだったようです。ありがたい限り!

 

3.事前偵察と前夜の準備

とりあえず貴重な機会。ぼーーと何が何やらわからないうちに終わっては困るのです!

というわけで、お誘いがあったり、カード会社さんに申し込んだりと事前偵察分のチケットも確保です。はい、皆さま、よろしいですか?復唱よろしく!

SS席観劇には事前偵察が必要なり。

ここ、テスト出ますんで、覚えてね。(注 チケット難の東京宝塚劇場では複数観劇は無理なことも多いですよね、ごめん!)

偵察2回。2度目に後方席から前方席をオペグラで眺めて席を確認していた時のこと、へ?あれ?あれれーー?ま、ま、真風さーーーん?!という観劇かぶりもあったりしたのでした。嬉しかったなぁ。私の好きなスターさんである珠城りょうさんと真風さんを一つのオペグラ内におさめられた奇跡の瞬間でした。

偵察も終え、ストーリーも把握。明日はいよいよ観劇という前夜のこと。お風呂上りに眉毛を整えパックに余念のないmiyakokgu。(注 付け焼刃)

うちのばっさり高校生娘から「お母さん、何してんの?」との問いかけに、「いや、ほら、明日はさぁ、最前列やん?だからジェンヌさんにちょっとでも対抗しようと思ってさぁ」と申しましたところ、以下の一言が返ってきましたよ。。

「”対抗”という発想が既にふてぶてしい

あ、すんませんでした・・。

せめて、小綺麗にこましにね!爪も整え、いざ出陣です。←ほぼ闘いなんで。

 

4.間近で見る美形、怖い(≧▽≦)

当日、銀橋すぐの席に着くmiyakogu&高校生娘。大劇場では、いわゆるタケノコ席(2列目だが前に席がない上手・下手の端の席。実質1列目)や、2列目・3列目までは座ったことがあったのですが、最前列センターブロックはさすがに初めて。

「さえぎるものがない・・」と呆然です。

いや、ちょっと待て、これは始まったらどうなるのーーん?!怯えるmiyakogu&高校生娘。

「ちょっと、いったん落ち着こう」

「いや、あんたも落ち着いてないやーーん」と最前列でもめるmiyakogu&高校生娘です。←ばか。

劇が始まって最も「ひぇーーー、お許しをーー!」となった最大の場面は次の2つ。

 

●一度目の武蔵vs小次郎の場面

たたたと銀橋を走り、真ん中で止る武蔵と小次郎。miyakogu&娘のまん前には紫のお衣装の美弥るりかさんその人が!

たんっ!我々の目の前で、武蔵の刀を踏みつけ、武蔵を見下ろす小次郎。その冷静な射るような眼差しともんのすごい色気、瑠璃色のオーラがぱーーんと出るようなみやるりさんの見下ろす目。

間近で見る中性的な美形の色気、怖い!!(≧∇≦)

 

●二度目の武蔵vs小次郎の場面

再度、たたたと銀橋を走り、再び真ん中で止る武蔵と小次郎。刀がびゅんと、本当にびゅんと風を切る音が聞こえ、二人が向かい合う場面。

大きく見開いた珠ちゃんの目にかいま見える素足。目、目がでかい!刀、客席に来るかと思ったわ、怖いーーーーっ!

間近で見るくりくり目の敏捷な美形、怖い!!(≧∇≦)

 

おそるべしだったのは、千海華蘭さんが演じた光悦。一度目の戦いの後、銀橋に登場し、「どうです?我が家で少し遊ばれていかれては?」と誘う妖しくも確信に満ちた誘いこむ流し目の演技。くらくらくらーーーと来て、着いていきそうになるmiyakogu&娘でした。

間近で見る表情豊かな演技力の高い美形、怖い!!(≧∇≦)

 ※ものすごく喜んでいるとご理解ください!😊

5.近付いてくる美形、怖い(≧▽≦)

 そして、ショー。幕間、息も絶え絶えになりながらとりあえず休憩。ショーはもう次から次へと近付いてくる美形を見るので精一杯です。

その中でまず注目したのは、この公演で退団された玲実くれあさんの美しい二の腕の筋肉です。本当に美人さんでダンスがお綺麗な方。とても綺麗な二の腕でほれぼれして間近で拝見しました。

お次は第13場だったと思いますが、ラテンの衣装で細かな素早いステップを踏みながら銀橋に出てこられた暁千星さんにも驚嘆。

ものすごいスピードでたたたーーとステップを踏み、ぱしっと止り片足を上げてポーズ。そのスピードと止った時のぶれなさ。びっくりしました。柚希礼音さんを思わせる切れのあるありちゃんのダンスは本当に観る価値のあるものだなと、これからも楽しみです。

客席降りで目の前に来てくださったのは春海ゆうさん。穏やかな笑顔で青い僧衣を着ておられると、ありがたい感じ満載です。そーっとハイタッチをしてもらうmiyakogu&娘。あやうくお布施を渡すところでした。

また、間近で見るとより一層、輝月ゆうまさんが堂々率いるニューハーフショーの黒いハイレグ長身美脚集団の皆さまの迫力がもんのすごくて、朝霧真さんと礼華はるさんの煽るような表情が素晴らしく印象的でした。←ちょっぴり怖い!(≧∇≦)、褒めてる!

んで、衝撃のフィナーレね。降りてくる男役さん、前に進む男役さん、近づいてくる男役さん、踊る美しい娘役さんたち・・(≧∇≦)

 

その中にあって・・。

立ち位置的に、我々の方にずんずんと近付いてくる(ように見える)月城かなとさんの迫力たるや!あの超お美しいお顔がこっちに向かって近付いてくるというのはですね・・。

単純に喜びという以上に、歓喜を含む恐怖なんですってば!

近付いてくる月城さんの美貌、本当に怖かったです!(≧∇≦) ←注 ものすごく喜んでいる。月城かなとさんのご回復、お待ちしています!どうぞお大事に🍀

観劇を終えて力尽きたmiyakogu&娘。いつもなら、ああでもないこうでもないと語り合うのですが、ただただ言葉にできない感じだったのでした。

 

6.友の会カード?

私の友の会のステータスは現在、普通にレギュラー。A席が当たりやすいため以前より時々、A席でチケットを購入しています。SS席やバウ公演はなぜか当ててくれるのに、S席はほぼ当らないという謎っぷりです。(観劇が土日オンリーだからだとは思います)

カードの利用が多いといいのかな?と、せっせといろいろ友の会カードで決済しているので、若干利用額は多いかもしれません。ただ、土日のS席はさっぱり当たりませんねぇ・・。

何が有効かよくわからないまま、友の会、複数のカード会社、旅行社に申し込んだり、生徒さん私設FCに申し込んだり、宝塚観劇先輩にお声がけいただいたり、周囲の方の職場の福利厚生に申し込んだりと本当にいろいろです。

miyakogu、大劇場ではついに最前列から1階最後列A席も、2階B席最後列も座りました。制覇だわ。

オーシャンズ11の歌詞にあるように、一度当てるとやめられない~、俺達は当てる!♪の精神で(半ばやけくそ)、今後もチケット取りに奔走したいと存じます!

後ね、真風さんがご在団中に絶対1回は、大阪市内ホテルに前泊してSS席観劇という遠征セットにチャレンジしたいと思います!←ほぼ無駄ですよ、miyakoguさん・・?

先日、金曜夜から大阪で泊まって宝塚行こうと思って!と真風ファン仲間に話したところ、全く同じことを考えておられまして、オタク宝塚ファンの思考回路って同じだわと笑ってしまいました。うふふ(^^)。

Never Give Up! 俺達は当てる~~。がんばろーー(若干、棒読みで・・)

真風涼帆さんの優しく甘く切ない声、内に秘めた哀しみの表現 SPECIAL Blu-ray BOXの発売に寄せて

皆さま、こんばんは。暑い一日、お元気でしたか?

さて、本日は真風涼帆さんSPECIAL Blu-ray BOXの正式発売日でした。金曜夜、どうも梅田のキャトルで入手できるらしいとわかり、仕事の合間にだだだーーと寄り、ばばばっとクリアファイル、博多座Blu-rayも購入。スミレ色の袋を提げて夜の会食に出向き帰宅してすぐ再生いたしました(^^)

 

1.Only Humanでまず泣く

高校生娘とTVの前で正座して待ち、真風さんの歌う「Only Human」を拝見。

白い空間で、腕が透けた紺色の衣装を身に纏い、前髪を乱し、長い手足をモダンダンスのような振付で踊る真風さん・・。

自分でも驚くくらい、泣けました。

娘が、「え?何?どうしたん?宗教?」と驚くくらいに。娘がいなければ確実にしゃくりあげる程の勢いで。

韓国の歌手Kさんの曲、小山内舞さん作詞の「Only Human」。

「哀しみの向こう岸に 微笑があるというよ」と真風さんの横顔とともに始まる美しく寂しげな旋律。それでも前に進む、そういう静かな決意に満ちた美しい楽曲です。

優しく甘く切ない声、伝わる哀しみと静かな決意。

収録前のスタッフさんが語られたとおり、真風さんの歌唱が伝えてくる「内に秘めた哀しみ」。そこに加えてさらに、それでも前に進む静かなチカラを表現されるようなところまで、真風さんは来られたのか・・。

その驚きと、ここにいたるまでにどれだけのことを乗り越えてこられたのか、その道程を思うと、驚くほど泣けたのです。歌詞の中に「夢追うために 旅に出たはずさ」という一節もあるだけに一層、リンクするようでした。

※上記「 」内の引用は、小山内薫さん作詞「Only Human」より

優しい声、甘い高音、吐息、伸びる声、長いほっそりとした手足、力強さと儚さをミックスしたようなダンス。

真風さんはもともと、決して歌が上手い人ではなかったはずです。

なのに、歌によってこちらの心を揺さぶるような表現をされるところまで来られたのか・・。

熊本出身の背の高い少女が歩いてこられた道程、「もっと前へ」ともがいてこられたであろう日々に思いをはせて泣けました。

そう、真風さんが歌に込められた想いを通じて、真風さんの心の中にある震えのようなものに、直に自分の心がそっと触れているような感覚がそこにはありました。その甘い声に癒しも与えられているような。

圧倒的な歌唱をされる方だけでなく、私は自分の心にそっと触れてくるような歌唱をされる方が好きなのです。芝居歌というか。

一生懸命かっこつけて「ミスターピックポケット」と高い声で歌っておられたあの下級生ライナス真風さんが、ここまで来られたことに、心からの敬意を表したいと思います。

 

2.反則なっ!まぁまかなっ!

私はこのスペシャルボックスは、トップスター・真風涼帆さんの「今のかっこいい」とのこれまでをふんだんに詰め込んだもので、ファンは「きゃぁきゃぁ」と観るものだと思っていました。まさか、泣かせて来るとは、全くの予想外でした・・・。ただね・・。

ばんっ!!!(注 立ち上がるmiyakogu)

反則でしょうがっ?!(≧▽≦)

星組時代のかわいい下級生さん、特にエルモクラート先生のかわいさは反則です。

それと、あれな、宙組時代!!ばんばんばんっ!!(≧▽≦)

まぁ、朝夏まなとさんと真風さんの二人の絡み尺が長く取ってあることといったら!!!TCA様の確信犯ぶり、良くわかりました。ありがとう!(涙)

そいで、パレード・コレクションな!!!楽しいやんか?星組・オーシャンズ11のライナスなんて、かわいらしいこと。後、知ってたけど、なんで3番手時代からこのおっきい白い羽をっ背負ってますのん、あなたはーー!びっくりするくらいの羽根をずっと背負ってきたんですよね・・。

後な、「エリザベート」のフランツ、か・ん・ぺ・きっ!物語にあるとおりの「若くてハンサムな皇帝」ですわ。

しっかし、それにしても「希望という名の光」、「ハネウマライダー」に続く「Only Human」の”自分のものにされた感”。すごいなと思います。真風さんの歌になっているのですね。

まかまどにすっかり慣れた目で見ると、まぁ様のラスト公演における「まぁまか」のトップコンビぶりがどれほど印象的か、改めてよくわかりました。

真風さんが少しきゃしゃなまぁ様を後ろから抱える。ドミトリーまぁ様に手を重ねる、詰め寄る・・。二人で踊る・・。

うん・・。

ドリーーーーム(≧▽≦)、あれはドリームやったんやわ・・・(涙)

もちろん、異人たちのルネサンスのまかまどドリーム・デュエダンもばっちりです。

ええもん、見せてくださって、ほんまにありがとうやで。おばちゃん、この1枚で当分、生きていけるわ。うっうっうっ。天河の音楽も、異人たちのルネサンスの歌もええですわぁ。

このGW期間、私はドレッサー回りとチェストの上を片付け、ちょっとしたPC机のように今、使っておりまして。そこにポータブルBlu-rayプレイヤーを持ち込めばいいのか!と先ほど気づきました。これで寝る前に毎晩、聞けるやーーん?!ひゃっほーーー!!

こちらがそのスペース、購入したクリアファイル等もろもろも。きゃっほぅーー!

 f:id:miyakogu:20190525202147j:plain

 

3.ツボ

ちょっと奥様、ご存知でした?!このBOXね、A4サイズのパッケージで開けると、A4サイズの真風さんのお写真(写真集の1ページの感覚ですね)が、表裏違うショットで合計10枚、20ショットが入ってるんですよ!

え・・?

舞台写真はこの半分のサイズで330円です。仮にサイズが大きい分2倍としますやん?1ショット660円の20ショット、合計13,200円です。

ちょっと待って、このBOXのお値段が12,960円やん?(友の会のカードの割引を使うと12,312円)

実質、タダ?!(≧▽≦) ←落ち着いて、miyakoguさん、お金は支払ってるんで・・。

このフォトの中で、私はユスポフ真風さんと、前髪を下ろし白い薄いカーテンの前で儚げな表情をされているお写真が特に好きです。

博多座では「ハネウマライダー」で客席をあおり、指差し、ウィンクをされていた堂々たる男役像と正反対にあるような儚さ、切なさ。

そして、映像での最大のツボ、それは!薄く透けてみえる布地の下に見える細い二の腕でした・・。あの方、きゃしゃなんですよね、手とか腕とか。背が高くて男性的なフェロモンを撒き散らしておられるのに・・。

そこにぐっと来るんですよ!若干変態ちっくにパーツを語っておりますが、それこそが宝塚ファンってもんでしょうよ!(≧▽≦)

ぜいぜいぜい。←落ち着いて、miyakoguさん。

私は明日がmy楽。この「Only Human」を見事に表現された真風さんのダニー・オーシャン。どのように完成されているでしょうか?

今公演私が注目している和希そらさんのライナス、そして退団される皆さま、中でも蒼羽りくさんのバシャーを見届けてまいりたいと思います。

「Only Human」、新たな心の支えにしたいと思います。本当にありがとう!

宙組・オーシャンズ11 感想続き2 ポケットに手を入れて佇む真風さん、最高だった!オーシャンズ物語の完成

皆さま、お元気でしたか?快晴の週末、昨日は宝塚に、今日は自宅で休養です。来週が多分、本当の意味でGW明けっぽい1週間になりそうですので、お茶会も気になりますがここは休養で。アラフィフですし!(^^)

さて、昨日5月11日11時公演は、今週末にお茶会を控えた方も多いためか、素晴らしい熱演だったと思います。真風さんの包容力と哀愁のある大人の男役の完成、宙組の皆さまによるオーシャンズ11の物語の完成を見たような、素晴らしい公演でした。振り返って感想を書き留めておきたいと思います。

f:id:miyakogu:20190512174834j:plain

※こちらのお写真は、著作権法第46条に基づき屋外に設置された美術の著作物の原作品については許諾を得ずに利用が可能であることから掲載しています。

 

1.銀橋に立つ真風さん

走り去るまどかちゃんテスを見送り、ネックレスをポケットに入れ、手をポケットに入れたまま銀橋に出てきて真風さんが歌う「愛した日々に偽りはない」の場面。

真風ダニーはポケットに手を入れて、銀橋下手で佇まれます。

この時の真風さんのダニーには、「あぁ、目指しておられたであろう男役が、ダニー役が完成したのだな」と観ている側に思わせる力がありました。

力は入っていない。おらおらと押し付けてくるものはない。ゆったりと構えてポケットに手を入れて立っている。ただそれだけです。

けれど、何かを抱えて生きている、若者の青さはない、歩いてきた道にいろいろな色が見える、喜びも後悔もある。そういう大人の男が、少し寂しげな乾いたセクシーさと共に確かにそこにいる。そう見えたのです。

見事でした。そして、本音を言うと少しだけ心配もしました。

トップスターさんが必ず聞かれる質問に「いつ退団を決意されましたか」というものがあります。このダニーという役が、将来そうならないとも限らない・・その思いはちらっとかすめるようにあります。もちろん、男役として第二段階の階段を登っていかれることもあるでしょう。杞憂に過ぎない可能性も大です。

いずれにしても、真風さんが3作目でこのようなスタイルに到達されたことを喜びたいと思います。心からの拍手を、その立ち姿の説得力に。

私は実はオーシャンズ11は真風さんの3作目という感じがあまりないのですね。WSS梅田のトニーがあまりに素晴らしくて、私の中ではあの公演は大劇場作品と同等にカウントされているせいだと思います。

文句なしにかっこよく、声量たっぷりで、歌が格段にお上手になられて、セクシーさも包容力も寂しさも色気も兼ね備えた真風涼帆さんのダニー。どうぞ観劇をお楽しみください。

 

つーかね・・。ウィンクしまくりなんだってば、あの人は!!!(≧▽≦)

端っこのスロットマシーンに座って振り返りざまにウィンクしたり、銀橋で歌いながら歌詞の「ウインク」にあわせてウインク飛ばしたり。フィナーレでまどかちゃんの鼻ちょんってしたり・・。劇団は何を考えてるのぉーーーーっ?!(≧▽≦)

フィナーレの萌えポイントフルコンボ(※)で、こちらのライフも絶え絶えですよ!

ふわーーっと客席ごと身体が浮くかと思いましたがな。体重は減ってないけど!

⬆ 落ち着いて、miyakoguさん?SHUN先生の振付にお礼申し上げます(^^)。

※ひざまづいての手の甲へのキス、バックハグからの首筋キス、腕を組んで「あたしの男なんで」まどか嬢との大階段降り、おでこへのキス、鼻ちょんのこと。ええ加減にしてもらいたい!(≧▽≦)(意訳 ありがとうございますだ・・)

 

2.ライナスとソールの物語

見えました!ダニーとテス、ダニーとラスティーに加えて、この物語の大きな軸であるライナスとソールの物語が。これに加えて、後ほど書きますベネディクトチームの物語やリビングストンの生き生きとした演技も加わって、物語の小さな掛け算が様々に見えるようになっていて、この舞台に厚みが加わっています。やるなぁ、宙組!嬉しくなりますね。

和希そらさんのライナス。前回観た際に、後もう一息だけ、証券委員会摘発場面での野菜頭場面のぷんすかと、金庫破りの場面の情けなさと、それでもやるという気概、この当たりが出ると完璧だなとお待ちしていました。さすが、そらちゃん!役作りに悩まれたと聞きますが、迷いがなくなったような、これまで以上にはっきりとしたセリフと全身の表情で伝えてくる演技。そらさんのライナスとして完成されていたと思います。

そのライナスと関わる重要な役であるソール、このお芝居でおそらく最も重要と思われる「飛ぶんだ、ライナス!」というセリフ。私が見る限りですが、日によって言い方を変えながら、寿組長さんも探っておられたように思います。

たった一言なのですが、とても難しい場面。昨日の寿組長のそのセリフは、観劇後、不思議と亡き父のことを私に思い出させるお力がありました。

厳しくはない、けれで確信に満ちた口調。大丈夫だ、できるんだ、だから勇気を持って、後もう少しだけ勇気を出して飛ぶんだ、失敗したってみんながいる、やってみればいい。

そういう慈愛を含んだ父性的な後押し。寿組長はそこを見事に伝えておられたと思います。少し涙ぐんでしまいそうなほどに。私が亡き父のことを思い出したほどに。

和希そらさんのライナスは、ソールのセリフにはっとしつつ、急には素直になれない、でもやれるならやってみたいという変化を、短い時間の間に「全身」で伝えておられて、こちらも見事でした。

澄輝さやとさんのフランク、蒼羽りくさんのバシャーが優しいお兄さん風に励ますのを観て、また涙です・・。ご卒業のお二人の素敵な笑顔から、お二人の優しさが伝わるようでした・・。

 

3.明るいベネディクトチームの身体表現と”慌て芸”

今回の宙組・オーシャンズ11によりコミカルな風味を加えているのが、桜木みなとさん率いるベネディクトチームの皆さまのくねくねとした身体表現のおかしみだと思います。「慌て芸」とでも呼びたくなるような全身での慌てふためきの表現。

「王妃の館」で朝夏まなとさんが拓かれた宙組の新たな伝統かしら?鍛えられているだけのことはありますわーー。おっもしろいんだ!

ベネディクトの桜木みなとさんは、バウ「パーシャル・タイム・トラベル」パンフで正塚先生が評されていたとおり、あっけらかんとした現代の若者の明るさがある方。「陽性の小悪党感」が強い。

この人、絶対、翌日からまたいろいろ知恵をめぐらせて楽しそうにお金儲けしそうと思わせるような「明るい這い上がり力」。間違ってもバーでうだうだと後悔とかしてなさそう。見上げたNever give upの根性だわと感心すらしてしまいます(^^)。

でね、何となくなんですが、部下の結婚記念日とか部下のお母さんの誕生日に赤い薔薇の花束を届けさせたりするような、そういう感じがあるんですよ。なぜか。このベネディクトは将来、姉御肌の奥さんと楽しい家庭を築いて、子どもの授業参観に真面目な服装で行きそうな気がするんですね。憎めない悪党、素敵な魅力のずんちゃんです。

そのベネディクトを支えるメンバーの中で、一番冷静で切れ者そうなのがベスの愛白もあさん。クールでコミカルな演技が印象的です。残念ながら今公演でご卒業ですが、バウ「相続人の肖像」では素敵な演技を、真風さん「巴里祭」では素敵な存在感を示しておられました。

傑作なのがテーラー役の美月悠さん、弁護士・チャールズ役の星月梨央さん。「金があればー」と歌うベネディクトにちゃちゃちゃと手拍子を入れる場面など、本当に秀逸。秀逸すぎて本当におかしい。よくあれだけのコミカルな身体表現ができるなと感心しました。

星月さんはお髭の似合うイケオジ役もばっちりされる方なのに・・。芸達者さんですね!眼鏡をはずしてダンスをされている場面では見事にイケメンさんでした。

用心棒役のお二人、希峰かなたさんと真名瀬みらさん、ブルーザーの若翔りつさんもかわいらしい悪役。この三人はベネディクトのオフィスでもちょっとした小芝居をされているのでご注目を、かわいいブルーザーです。

希峰さんと真名瀬さんのお二人もくねくねとした身体表現がまぁ、おかしいこと、楽しいこと。やりますねぇ。かっこいいのに!希峰さんは天河でも冒頭、氷室君としてええ声でお芝居の始まりを告げる重要な役でしたね。楽しみな方です。

 

4.マイク&3ジュエルズ

事前に星組「オーシャンズ11」を映像で観ていたので、最初、ちょーーとパンチ不足かな?と思っていたのですね。でも、今はもう、ノッリノリ!で遠慮のない迫力です。

留依蒔世さんの美声とリズム。3ジュエルズは瀬戸花まりさんの迫力、天彩峰里さんのちょっと肉感的なむんむんさ、華妃まいあさんのかっこいいダンスとそれぞれに魅力的です。

私はサファイア役の華妃まいあさんの男前なダンスが大好きです。あれほどの美脚なのに女っぽいというより男前な印象、かっこいいわぁーー。

旦那はんを連れての観劇の時、美脚の子いたでしょう?かつらに青の入った?と尋ねましたところ、全員美脚やから誰かわからないとのことでした。うん、まぁそうやな(^^)。皆さん、素敵ってことです!

後、エルチョクロで、一番かつらの髪の短い細身の娘役さん、どなたかな?脚が長くてキュートでめっちゃかわいくて素敵でした。

 

5.リヴィングストンの瑠風輝さん、刑事の秋奈るいさん

今回、あちこちで繰り広げられる小芝居の中、リヴィングストンの瑠風さんの演技にも注目させられました。ライナスを励ましたり、テスに二度目のプロポーズをするダニーを応援したり。一人でハッカーをしていたのに、今は仲間がいるんですね。素直な子なんだろうなぁ、本当は。その嬉しさが伝わってくるような演技でした。

リヴィングストンの場面でお?と思ったのが、刑事役の秋奈るいさんのええ声です。秋奈さんは低いええ声で、セリフも明確。印象に残りました。

 

うん。これで、安心して「宙組のオーシャンズ11」として、東京に送り出せます!(感涙) ← miyakoguさん、宙組の何?!

昨日の観劇は、銀橋に立つスターさんと目線がちょうど合う高さの列でした。宝塚大劇場で観劇を何度かされた方はおわかりいただけると思うのですが、SS席ではなくS席にスィートスポットがあるのですね。ちょっと高くなる列。そしてご事情があったのか、2列前は空席がぽこっと。見事に銀橋からmiyakoguまでさえぎるものが何もない視界良好。まぁーー、幸せなうきうき観劇になりました。勘違いでもいいのだ!ウィンクと目線の方向にいたということで、浮かれております。楽しかったーーーー。

りくちゃんをずっと追いかけていたら、うん、あのウインクは私にだったと思う!(≧∇≦) ←勘違いなんで、落ち着いて、miyakoguさん・・。

以前よりも髪を短くされて目元きりっとされた愛海ひかるさんも印象的でした(^^)。

皆さまもご観劇をどうぞお楽しみください。東京はなかなかチケット入手が難しいようですが、さすがに東京千秋楽LVはあるでしょう。ぜひ映画館も含めて「宙組のオーシャンズ11」、ご観劇をどうぞお楽しみください(^^)。

宙組・オーシャンズ11 感想続き 真風さんの大人の純な切なさ、和希さんライナスの飛躍

皆さま、こんばんは。GW2日目、いかがお過ごしですか?寒いですね~。さて、GW中に観劇予定はありますが、平成が終わる前に宙組「オーシャンズ11」の二度目の観劇で感じた変化を書いておきたいと思います。

私が観劇したのは、初日開けてすぐの2回目の公演と5回目の公演でした。舞台にあがってからの変化はおそらくとても速く、わずか3回の間ですがぐぐぐっと変化が感じられました。今日はその点について振り返りながら感想を書いておきたいと思います。このために、花組「オーシャンズ11」も見直しました。

と、冷静に見せかけて・・。もちろん、まずはばんばんばんっと書いてからなっ!(≧∇≦)

こちらは宝塚大劇場内「レビューショップ I」(正面入り口に一番近いお店)のディスプレイです。

f:id:miyakogu:20190428213959j:plain

また、こちらは宝塚大劇場内「フェリエ」の公演デザート、トランプ柄です(^^)。

f:id:miyakogu:20190428214005j:plain

1.まずは公式サイトのGalleryからなっ!

皆さま、ご覧になりましたっ?!宝塚歌劇団公式サイト「オーシャンズ11」のギャラリーのお写真をーーっ?!大階段で跪き、星風まどかさんの手を取る真風涼帆さんのあの優しい慈しみに満ちた眼差しを?!(≧∇≦)

大切な宝物を扱うようなあの見上げる視線を?!(≧∇≦)

王子や・・。平成から令和に駆け抜けようかというこの時代にあって、往年のディズニー映画か少女漫画の中にしかいないような王子様や・・。

絶句しました。

そして萌え過ぎたあまりか、謎にだんだん腹が立ってきました(^^)。「何なん?!あの人は?!何がしたいん、劇団は!」という感じです。お分かりいただけるかと・・・(^^)

TLで写真をお見かけしたのは金曜の夜、京都で仕事を終えたところでしたが、もう試合終了ですよ。甘いもんでも食べんと帰れんで、これは!とロールケーキを食べて一息ついたほどです。

皆さまもそうですよね?「あの人、もう、何なん?」という感じが湧き上がってきますよね。世の女子を血迷わせるビジュアル破壊力。光の中で微笑む王子様の眼差しです。

星風まどかちゃんはときめきつつも、よくぞ平静を保っておられますよね?尊敬いたします。

皆さま、だって、これで来られたらどうしますのん?!

鼻血か気絶か固まるか、びっくりしすぎて「あ、いえ、あっしはそんな、あなた様に手を取られるような人間じゃないですだ・・」と逃げ出すかでしょう?←miyakoguさん、落ち着いて。最後、謎の初出キャラが降臨してるから・・。

kageki.hankyu.co.jp

ドリーム!ドリームしかそこにはない!(≧∇≦)

このお写真を拝見したとき、星組「ロミオとジュリエット」の幕開けすぐに真風涼帆さんを見つけた自分を誇りました(≧∇≦) ありがとう、真風さん・・。

 

2.真風涼帆さんの大人の純な切なさ

これまでに、「オーシャンズ11」は星組・柚希礼音さん主演と、花組・蘭寿とむさん主演がありますよね。

星組ではライナスを演じた真風涼帆さん。映像で見た限りですがまだお上手ではなかったと思います。でも、大きな真風さんが背を丸めてぎゅっとリュックを抱きしめてうつむいていると、もうもう、あー、もうわかったから、大丈夫だから、ね?と言いたくなる切ない可愛さがおありだったと思います。

宙組観劇後、星組DVD,花組スカステ録画を見直しました。さすがトップスター、見事に独自の魅力を打ち出されています。私が感じたお三方の異なる魅力は以下のものでした。

柚希礼音さんのダニーは自信に満ちた大人の男の強さ。

蘭寿とむさんのダニーは軽やかな洒脱な大人の余裕。

これに対して、真風涼帆さんのダニーは「大人の純な切なさ」を感じさせるものでした。星風まどかさんのテスが、歴代のテスの中で一番初々しい魅力があるように思いますが、お二人の魅力が呼応しているかのように、瑞々しく切ない。

大切に持っていたテスからのプレゼントであるネックレスを取り出し、うつむき、ふっと切なく笑う真風ダニー。何があっても瞬時に計算し行動できるはずの天才詐欺師が見せる心の奥の寂しさ。「愛した日々に偽りはない」という真風さんの歌には独特の哀愁がありました。

自分たちの出会いは10万分の1の確率で出るジャックポットと同じだと、真剣に、本当に真剣に思っていることがストレートに伝わるダニーの純情。

背が高く大人の男の哀愁を感じさせる真風さんのダニー。一方、まどかちゃんのテスは、少し前まで「まだ二十歳の学生だった」ことが素直に感じられる初々しさがあります。大人っぽく見せようと髪を伸ばしカールさせていてとても素敵、けれど少女のような純粋なきらめきも感じさせるまどかさんのテス。

ダニーとテス、演じる真風さんと星風さん。二人はかけ離れています。

それがお似合いではないと思われる方もおられるかもしれません。けれど、私はだからこそ、全く違う世界に属するような二人だからこそ、「出会ってしまった」衝撃は大きく、運命でしかないと思うのです。

人は恋をしようとして恋をするものではなく、時に「なぜ、出会ってしまったのだろう?」という出会いがあります。そして、かけ離れたところから来た二人だからこそ、壊れてしまうこともある。

だからこそダニーは絶対に、虚偽に満ちたこの世界の中で、自分とは違う場所から来たこの手を絶対に離してはいけないと「本能」で悟ったのと私は思うのですね。

テスは彼にとって一番大切な宝物で、純で明るい綺麗な「光」なのだと思います。デュエダンでの真風さんの優しい慈愛に満ちたまなざしからは、ダニーとしての思いが伝わるようでした。

そのまなざしの向こうにいる星風まどかさんのテスは、まさにそういう魅力のある方。お二人の間にある美しい夢のような架け橋が、この写真からは伝わってくるようでした。

 

3.和希そらさんのライナス

最初の観劇で、一番、あれ?となったのは実は和希そらさんのライナスでした。もしかすると、ご自分の立ち位置を探っておられるような、やや遠慮気味な印象を受けたのです。もちろん、十分お上手だったんです。ただ、いや、あなた、そんなもんじゃないでしょう?と思ったのですね(^^) 

ウエストサイド・ストーリー〔東京)で、和希そらさんのアニータ役があまりに見事なミュージカル・スターだったため、話題が彼女に集中してしまったかもしれません。その後、梅田では見事に真風さんとまどかちゃんのWSSになったのですが、もしかすると、その経験もあって大劇場のお芝居の中で自分の立ち位置を探っておられるような印象を私は持ちました。和希そらさんは男役としては小柄な方ですが、立ち姿が見事に直線的で、歌い踊れば一気にぐっと大きく見えます。

桜木みなとさんのベネディクトは、紅さん、望海さんとそれぞれ2番手に躍り出た方がされていたお役ですし、つい味方したくなる可愛さすら感じられるベネディクトですので、これからにおおいに期待です。

さて、二度目の観劇、初日開けて5回目の公演で、多くの演者がそれぞれの役を深めていかれる中、ぐっと一番飛躍されたのは和希そらさんだったように思います。

一度目の観劇では、うーーん、あの真風さんの大型犬ヘタレ感は難しいかぁと思ったのですが、二度目の観劇では「あ、そらさんのライナスは人になかなか懐かない猫のようだわ!」と思いました。独自のライナスを打ち出されてきたということだと思います。

星組当時、実力は伴わないがビジュアルは男役として整い、抜擢続きで戸惑うようだった真風さんライナス。崖を登れずにいた真風さんを、ぐぃっと力強く手を引っ張って上に引き上げるようだった柚希礼音さんダニー。

和希そらさんは、当時の真風さんより年数は上ですし、歌もダンスも十分に実力がおありになります。ただ、新人公演主演は1度、バウ初主演を果たしたものの、まだ大劇場での大きな役には慣れておられないように最初はお見受けしました。

真風さんダニーは、引っ張りあげるというより、対岸の岸辺に立ってライナスがこの川を渡る決意を持つのを静かに待っているように見えました。どうする?と言いつつ、絶対に大丈夫だという確信を持って、です。

だって、そらさんのライナスはその川を十分に渡れる力を持っているから。ライナスとしても、私の勝手な憶測で恐縮ですが和希そらさんご自身としても、必要なのは決意と自覚だけだったのではないかと思います。

私もね、客席から「You もっとばーんと行きなよ!」と背を押したくなったのですね。いいじゃん、主役を食うくらいの演技で?(^^) 遠慮せずに、アニータ役で見せてくれたあの劇的な力を再び、よろしく!あなた、バウでも見事に「ボヘミアン・ ラプソディ」歌ってはりましたやん?おばちゃん、知ってるで!

これからご観劇の皆さま、和希そらさんのライナスのぐんぐん来るであろう飛躍、どうぞお楽しみに。

※既にぐっととその実力を発揮されているようですね。皆さまのtweet、嬉しく拝見しています(^^)

 

4.ここにも触れておきたい遥羽ららさんのポーラ

もうお一人、この方にも触れておきたいのが遥羽ららさんのポーラです。マリリン・モンロー「I Wanna Be Loved By You」を歌って、「ノーバディ エルス,  バット ユー」で客席を指さされたとき、その方向にいたため、ずっきゅーーんと来て、続く「ププッビドゥー」で崩れ落ちそうになりました。可愛すぎて・・。

貸切公演でいつもとやや違うお客様層だったこともあり、「ひゅぅっ!」という声が斜め後方から確実にしましたね。きゃぁきゃぁ。可愛いお色気満載です。

「エルチョクロ」の娘役さんのお衣装は色っぽくて可愛いのですが、まあ、遥羽ららさんはぴったりの魅力でした。皆さまも観てね。可愛いから!

 

私にとっての二度目の観劇は貸切公演でしたので、客席の皆さまの反応も新鮮でした!真風さんダニーとまどかちゃんテスが客席から登場するとどよめきと歓声と拍手が自然に(^^)。まどかちゃんに「かわいい・・」という声もあがっていましたよ。終演後、真風さんのご挨拶があるとわかったときも、「わぁーー」というどよめきが。

よく笑っていただき、自然と拍手が起き、とても気持ちの良い公演だったと思います。そういう客席の反応が、確実に公演をブラッシュアップさせているのだろうなと、嬉しく拝見しました。

 

さて、次はGW中盤と後半。初見の旦那さんと宝塚が久しぶりのお義母さんと一緒に拝見するため、どのような感想になるかも楽しみに観劇したいと思います。

ま、私はですね・・・。

デュエダンの大階段跪き真風王子をオペラでガン見するよ!(≧∇≦) もちろんですよ!!(≧∇≦)

宙組・オーシャンズ11 感想3 上質なエンタメとしての宝塚への思いと、ごく若干ですが感じたこと

最後に、宙組・オーシャンズ11感想3というか、miyakoguの個人的な思いを最後に少しだけ。

あ、フィナーレの記述ができていないのはですねぇ、うん・・・

真風さん素敵ファイルのメモリー容量がオーバーしたから!前作に続き、娘役さんを引き連れて真風さんが踊る場面で「真風さん、かっこいい」が押し寄せてきて、フィナーレの頃は記憶を脳が放棄したと思われます(^^)。

フィナーレで、りくちゃんとあっきーさんが真風さんの左右で対で踊っておられたのは覚えています。また書きますね、フィナーレについては。

※スーツ祭り!という感想1はこちらです。

mothercoenote.hatenablog.com

 

11.上質なエンタメとしての宝塚

さて、初日開けて2回目の宙組「オーシャンズ11」4月20日11時公演を観劇。

とっても楽しかったのです!素敵な真風さんにぽーーっとなり、アドリブでくすっとなり爆笑したり。twitterでも書きましたとおり、女性の多くが仕事、家事、育児、介護、学生さんは勉強や試験、就活とそれぞれの事情や悩みがある中で、大劇場に行けば笑って萌えてちょっぴり泣いて勇気ももらえるのです。

こんな素敵な勇気をもらえるエンタメ、あるかしら? ばんばんばんっ!

宝塚が提供してきた真髄とも言えるからっとした上質なエンターテインメント、華麗でかっこよくて楽しい。こういう作品を世に送り出し、時代に合わせて更新されていく小池先生のお力はさすがでした。

私は舞台を観てあれこれ考察するのが好きです。(というか、知りたいことがあるとずっと考えてしまうタイプ)

けれど、週末にわくわくどきどきと大劇場に行って、からっと笑って涙して、「楽しかったねー、かっこよかったねー、素敵だったねー、可愛かったねー、ゴージャスやったねー」とただただ言って、スキップしながらうっとりと帰りたい日もある。というか、宝塚で観たいのはそういうものだと改めて思いました。

この「オーシャンズ11」の小池先生のパンフご挨拶を拝読したのですが、この作品を創られた当時、少し前にお母様を亡くされたとのことです・・。

”ご覧になった方が落ち込んだ時に思わず「NEVER GIVE UP」や「JUMP」を口ずさんでいる、そんな作品創りを目指し”との一文、そう!そうなんです!とパンフレットに「いいね!」を100回押したい気分です。

「JUMP」は確かにそういう歌なのですね。思い通りに行かなくて当然、だから? そんなの何度だって立ち上がればいいよ、俺はそうしてきたよと、笑い飛ばすようです。

飛べる!と11全員で一緒に歌う。勇気付けられるとともに、ほら、肩の力を抜いて笑おうよ、飛んでみようよと言われているような素敵な応援歌。

これはあくまで私にとっての宝塚ですが、私はそういうものを宝塚で観たいのだと思います。うっとりできる美しい夢のような舞台、そして錯覚でもいい、ジェンヌさんとともに生きているような感覚、応援し、演者に応援してもらっている感覚をも得られる場所。

そういう舞台の創り手として、小池先生はやはり素敵な才能をお持ちの方だなと改めて思います。このような「乙女心」を感じさせる演出家が今後、お続きになられるかどうか。今、そういう方は少ないのかもしれませんね。新たな才能の登場を楽しみにお待ちしたいと思います。

 

12.ごく若干ですが

ごく若干ですが、本日の舞台に少しばかりの物足りなさを感じたことも事実です。

ただ、初日開けて2回目の公演ですから、若干の不足があって当たり前、今後の舞台の進化を楽しみにお待ちしています。

その物足りなさは何だろう?と帰宅してから、星組さんの「オーシャンズ11」を見返しました。

あくまで、もしかするとですが。柚希さん率いる星組「オーシャンズ11」は、強弱はもちろんあるのですが、11人の物語がそれぞれに明確に見えるように思いました。本日の公演は、まかまどとまかきき、ここを主軸に展開された物語で、他の仲間やベネディクトチームはこの3人に付随しているような感覚です。宙組版はそういう物語として創られたのかな?という気もします。

どこが違うのかな?と拝見すると、たとえば未沙のえるさんのような存在や、当時の紅さんや真風さんのポジションにより、ダニーとベネディクト、ライナスとソール、ベネディクトとテスというような「誰かと誰かの掛け算の小さな物語」が、星組さんの同作品においては、より多くあるように見えました。

比較的お若い方が多いように思う宙組の11メンバー(きちんと調べていないので、そう思い込んでいるだけかもしれませんが)。今はまだ物足りない面が少しあるかもしれない、そういう演出意図かもしれない。けれど、だからこそ、大きく飛躍するタイミングがあると期待もいたします。

そのJump!と舞台の進化を見守ることもまた、宝塚を拝見する醍醐味。楽しみに観劇したいと思います。

 

ふぅぅ。書けたわ!(^^)

miyakoguもね、真風さんの開襟とお尻のラインしか観てないのでは?とそろそろ思われかねないので、最後に少しだけ書きました。

まぁ、正直、オペラでがん見してるけどね!もちろん(^^)。ありがとう、真風さん、宙組の皆さま、歌劇団さま。

次は高校生娘と観劇です(^^)

※二度目の観劇で既にぐぐぐっと進化していました!という記事を書きました。よろしければどうぞ!

mothercoenote.hatenablog.com

宙組・オーシャンズ11 感想2 主要な役の皆さま(続き)-純矢ちとせさん、澄輝さやとさん、蒼羽りくさん他

感想その2を書きますねーー!ネタバレありですので、お嫌な方は読まないでくださいね。

f:id:miyakogu:20190421002508j:plain

(感想1はこちらです)

mothercoenote.hatenablog.com

 

7.主要な役の皆さま その2

・純矢ちとせさんのクィーン・ダイアナ

迫力満点の髪型と存在感、メリハリの効いた演技、間合いの良さと楽しさ満載でした。自分の実力にプライドがあり、努力も怠らず、男の力を利用したこともあったかもしれないけれど、自分の腕一本でベガスの女王まで上り詰めたんじゃないかなと思わせる説得力がある役づくりです。

せーこさんといえば、まぁ様のコンサートで黄色いタイツを素敵に履きこなして、まぁ様にちょっとからかわれて恥ずかしがっておられた可愛らしい面を思い出します。天河のナキア皇太后はお美しく、素晴らしい髪型の再現度でした。博多座のエカテリーナ皇帝も美しかった。本当にご卒業が惜しい方です・・。

※twitterでお教えいただき少し直しました。はるさん、ありがとうございました(^^)

 

・澄輝さやとさんのフランク・カットン

長髪を後ろでくくったスチール写真がかっこいいこと、色気のあること!ロイヤルな優しい素顔の方ですので、黒塗りは少し意外でしたが、ディーラーをかっこよく、トランプさばきも鮮やかな手元でした。ジェンヌさんは本当にすごいなぁ。

熱心なファンが多いあっきーさん。フィナーレでせーこさん、りくちゃんと一緒に階段を三人で降りてこられると一際大きい拍手でした(涙)。

 

・蒼羽りくさんのバシャー

りくちゃん大活躍、場面が明らかに増えたいたと思います。トランプの帽子をかぶって出てきて歌ったり、杖をあやつったり(難しそう!)、バレエのジャンプでふわっと出てこられたり、春瀬央季さんのハロルドにうっとりされたり。

春瀬さんハロルドはオネエ様っぽい振付師、男性がお好きな感じの楽しい印象的なお役です。

りくちゃんはプロローグのスーツ姿、フィナーレであっきーさんと対で踊られる場面がありますが、そのお姿が衝撃的に素敵でした。さらさらっとした前髪が揺れるのも。

あーー、もうもうもう!(注 机につっぷすmiyakogu)

りくちゃんのお芝居が好きだったんですってば。これからを楽しみにしていたのに、あなた、なぜご卒業されるのですかぁーーー!(注 宝塚方面に向かって叫ぶmiyakogu)

(涙を拭いながら)お優しい微笑みのすみれさん、ご卒業後はきっと素敵な人生を送られると思います。ううう。

 

・和希そらさんのライナス

綺麗な立ち姿。ジージャン、スニーカーの立ち姿が綺麗なそらちゃんのライナスは思春期の少年で、すばしっこく軽やかな身のこなしに伝説のスリの忘れ形見の説得力がありました。今回のビジュアルが素敵で、ダンスもかっこいい!

何といってもMr.ピックポケットの歌よね(^^)。「ウォーーウォー」のコーラス部分も自分で歌えるそらちゃん。英真さんだったと思うのですが、他の方に支えていただいていた真風さん。いやぁ、ほんまに真風さんは成長されましたわ・・。

髪型を拝見して、あ、絶対これ、「○○ッコリー」で来るわと思ったら案の定でしたね(^^)。小柄さを上回る粋な身のこなし、低音ボイスの歌が素敵なそらちゃん、これからも楽しみな方です。

 

8.活躍する下級生の皆さま

・秋音光さんのイエン

秋音さんは劇団レッスンにずっと出て、奨励賞をずっと取られている努力家さん。素晴らしいです。何でも器用にこなせると見えるのは、ものすごい努力があるからでしょうね。今回もイエンのヨーヨーを軽々とされているように見えます。端正な中に色気のある表情も印象的な方です。

 

・瑠風輝さんのリヴィングストン

ふっきれてます。お見事でした!今回の11のメンバーの中で、フレッシュという意味では一番鮮やかな印象を残した方です。彼女がここまでぱーんと印象を変えてこられるとは思いませんでした。ひょうひょうと思い切った演技で、今時の若者像です。「群盗」でも確か素晴らしかったとうかがっており、次のバウも楽しみにお待ちしたいと思います。(チケットが当ればね)

 

・優希しおんさんと鷹翔千空さんのモロイ兄弟

モロイ兄弟のチップ&デール感、好きなんですよね。訪ねてきた真風ダニーの顔が加工されて、しばらく大映りで舞台に出ていますので、おかしくって。

いきいきとしたお二人、軽快なステップで優希さんがリード、鷹翔さんは弟感がありました。新人公演もがんばって!

 

・亜音有星さんの若きディーラー

亜音さんは可愛らしい微笑みなんですが、どきっとさせる目線を持った方。博多座で拝見したダンスもシャープでした。ディーラー役で出てこられると視線を持っていかれます。佐賀出身ジェンヌさんとしてまぁ様ファンからも注目される方。新人公演のベネディクトも期待されます。

 

9.3ジュエルズとマイク、上級生の方々

瀬戸花まりさんのルビーは迫力、華妃まいあさんのサファイアは美脚の色気、天彩峰里さんのエメラルドはキュートに奔放な表情。とっても素敵な3ジュエルズさん。これまでと比べるとややお若いメンバーでフレッシュでした。

マイクの留依蒔世さんは縮れた前髪を横に流して軽々と歌っておられましたね。

お芝居を締めるのはもちろん、宙組組長の寿つかささんのソール、凜城きらさんのルーベン、松風輝さんのリカルド、花音舞さんのテレサ、ダンサーの綾瀬あきなさんのドロシーなどの方々。

遥羽ららさんのポーラはとってもキュート、笑顔が素敵。ミニスカートがよく映える美脚でした。

 

10.見所の笑いの場面

とっても楽しかったのは、以下です。

・寿さん演じるソールの演技指導場面 過去の公演もそうでしたが、だいたい、無茶振りをソール役がして、皆が演技をするのがかわいい!

・ジョンソン先生のアドリブ これはキキちゃんが自由自在に楽しそうに。爆笑でした。こちらも変わっていくのね、楽しみですね。

・最高だったのがルーベンを訪問した真風さんダニーと虎。足をくわえられてなかなか抜けない真風ダニーです。そこはかとなくおかしい・・!

・ロマノフの秘宝のイースターエッグ、中から出てきたナイチンゲールはぱたぱたと羽根を動かします。可愛い。

他にもくすっと。ぜひお楽しみに!

(その3に続きます)

宙組・オーシャンズ11 感想1 真風涼帆さん率いる宙組スーツ祭り!華やかな元気を感じた初舞台生

皆さま、お元気でしたか?本日、初日開けて2回目の宙組「オーシャンズ11」宝塚大劇場4月20日(土)11時公演を観劇してまいりましたので、その感想をお届けします!ひゃっほぅぅーー!

以下、「冷静ではない感想」を「ネタバレあり」でお送りしますので、その点ご理解の上、お読みいただければと存じます。なお、ただ今、星組・柚希礼音さん主演の同演目をリビングで再生中(^^)。

f:id:miyakogu:20190420214709j:plain

 

1.パンフレット時点で見応え十分の真風さん

パンフレットのお写真の真風さんがねぇ、ふっ・・。(視線を落とすmiyakogu)

ばんっ!!(立ち上がるmiyakogu)

超絶イケメンなんですってばーー!ご覧になりました?奥様!

パンフレットの前の方もですが、後ろの方にキキちゃん、まどかちゃんとのそれぞれ2人映りのお写真、それから真風さんが低い椅子に座っておられるお写真があり、どこの映画俳優?外国人モデル?!という仕上がりですので、どうぞお買い求めください。

miyakoguのツボは、椅子に座った後姿の左側横顔のフェイスライン、目にかかる前髪ですっ。うん。だんだん真風さんに関してはパーツまでがん見していて変態ちっくになっているのは自覚している!でも、いい!(開き直るアラフィフ)

私が注目したのは、以下のシーン(というかパーツ?)

・開襟 ←のっけから正直に

・ベスト姿での肩からウエスト、お尻への美しいライン ←もう少し言うとまぁ、ヒップラインですかね・・。あ、お美しいからですよ!

あのさぁ・・。(ひとさし指でとんとんと机を叩くmiyakogu。片方は頬杖)

歌劇団さんはさぁ、トップスター・真風涼帆には開襟させて、前髪たらしてウィンクさせとけばいいと思ってる風情があるよね?

真風担がそんな甘いって思ってるんですかねぇ・・・。

 ↓

いや、その通りだけど?!オペグラでがん見したけど?!

ありがとうございました・・(^^)。お礼申し上げます。

 

2.宙組スーツ祭りやーーん!

皆さま、よくご存知ですよね?宙組にはスタイリッシュ長身男役の皆さまが揃っておられることを?!

0718の囚人番号をつけた真風さんがぱーーんとスーツに変身、皆さまで冒頭、FATE CTYを歌い踊るわけ。かっこいいに決まってるやーーーん!

真風さん筆頭に、キキちゃんの前髪&ピアスが色っぽく、黒塗りの澄輝さやとさんの目はきらきら、蒼羽りくさんの三つ揃いスーツ姿が新鮮で揺れるさらっとした前髪が素敵でした。この場面で妙に目を惹いたのが水香依千さん、実羚淳さんでした。お二人とも長身でスーツがよくお似合いだからかな?(^^)

1幕ラストの横一列も反則なかっこよさです!ちらっと後ろを振り返る真風さんダニーがまぁ、かっこいいから!ばんばんばんっ。

つーか、全員かっこいいから、もう誰なと見てや!!

(誤字でなく、関西弁でお送りしています)

 

3.まかまど演じるダニーとテスのアダルティ純愛

少し前まで女子大生だったんだろうなぁという星風まどかさんのテス。自分でも戸惑うほど、純粋に恋に落ちてしまったんだろうなぁという真風さんのダニー。真風さんが垣間見せる切ない目線に説得力があります。

就任後、ずっとラブなお二人の関係性が続いたからかもしれませんが、宙組のこの「オーシャンズ11」はお二人の恋がよりクローズアップされた感がありました。

11人の仲間感以上に、「二人の恋物語と親友のラスティの話」という印象があり、同じ演目でも面白いなと思います。

デュエダンは、あ、もうね、はいはい、わかりましたよ、ラブラブなんっすね?!というアダルティ結婚式の感じがありますので、ぜひ見てね!(^^)

・大階段にひざまづいて手を取り手にキスして

バックハグで首筋にキスして ←ここで声にならない悲鳴を上げるmiyakogu

・腕を組んで大階段を降りる

(離婚していないから、再婚式でもないんですが、とりあえずそれで!)

あの人たちはさぁ、神聖な大階段を何だと思ってるわけ?!わなわなわな。

 ↓

ありがとうございました・・(^^)。お礼申し上げます。

 

4.銀橋で新曲を歌うバディ感のまかきき

真風さんダニーとまどかちゃんテスの間の恋と、もう一つ、ダニーとラスティの間の関係性も、これまでに比べて、よりクローズアップされている感があります。

銀橋で二人が歌う「オーシャンズ10」、バディ感が満載です。

お二人とも背が高くすらっとしていて、落ち着いた大人の男の真風さんダニーと、長い前髪を左側に垂らしピアスをつけた色気たっぷりのキキちゃん。とっても素敵な並びです。芹香斗亜さんは、医師のジョンソン役のアドリブもノリノリでした。

”まぁまか”がち勢のmiyakoguですが、うん、対照的なお二人の並びにはぐっと来ましたよーーー。素敵なバディです(^^)。

 

5.主要な役の皆さま その1

以下、上記で書きました真風さんとききちゃん以外の皆さまについて少しばかり。

・星風まどかちゃんのテス

かわいい要素を残した星風まどかさんのテス。可愛らしいお顔に長く垂らした髪が色気を添えています。NYから来た歌姫にふさわしい透明感のある声。

初代の夢咲ねねさんは、ゴージャスで強く、でも、どこかもろい感のあるテスだったと思いますが、まどかちゃんのテスは純なところがより強く出ていたと思います。

 

・桜木みなとさんのベネディクト

私はどうしても映像を繰り返し見た星組さんとの比較になってしまって恐縮です。だいもんさんのベネディクトも迫力満点でした。

紅さんのベネディクトは、成功をおさめた成り上がりの青年実業家が、最後に手に入れたい高級で美しいトロフィーとしてテスを彼なりに真剣に愛した印象があります。余裕や落ち着きがあるように”見せる”ことに十分長けている。

一方、ずんちゃんのベネディクトは、まだ成功途上のがむしゃらさや若さを感じました。大学も出て自分の実力一本でここまで来たけれど、余裕はまだそこまでなく、テスのこともホテルのプロモーションにもちょうどいいと思っていそうな”こすっからさ”が出ているような。天河のザナンザがぴったりだったずんちゃん、これからの変化が楽しみですね(^^)。

愛月ひかるさんだったら、どんなベネディクトだったかな?というのは宙組ファンだと思ってしまって当然だと思います。がんばれー、ずんちゃん!

目の迫力、随分出ておられたと私は思いました。楽しみです。

それぞれのお役の感想は、ここでいったん切って、次の記事で続きを書きますねーー!

 ※書きました(^^) よろしければどうぞ!

mothercoenote.hatenablog.com

6.華やかさ、元気、勇気を感じた105期生さん

ラインダンスのお衣装の色のためなのか、美人さんが多いという評判どおりなのか、とても華やかな元気を感じた105期生さんです。

「Never Give Up」と繰り返し歌うシーンでの印象が強いのかもしれません。何となく、諦めないよ!という強い意思や個性を感じるような、自分なりの光線を一人々が出そうとしているような、そういう印象を不思議と受けました。

(その2に続きます)

月組・夢現無双 考察 珠城りょうさん武蔵の無骨な哀しみ、前へ進む宿命の人

皆さま、こんにちは。春うららかな今日、宝塚の桜も満開でした。新人公演を経てぐぐっとお芝居の明晰さが増したように思う月組・夢現無双を観劇してまいりました。珠城りょうさんの武蔵に感じた「無骨な哀しみ」と呼びたくなる何か。その点について本日は書きたいと思います。

以下はあくまで、私が舞台からどう受け止めたかを書いたものです。これが正解というような答え合わせではありません。また、以下には多くのネタバレがありますので、お嫌な方は読まないでくださいね。

 f:id:miyakogu:20190406211712j:plain

 

1.新人公演の風間柚乃さんの武蔵との比較において

一つ前の新人公演感想で書きましたとおり、風間柚乃さんが演じる宮本武蔵は、一見、普通の青年ですが瞬時に殺気が立ち上り俊敏に動く武蔵。どこか清澄な明るさが根底にあり、剣豪・宮本武蔵の成長物語として一本筋が通った清々しさがありました。また風間さんがご挨拶で話されたとおり、「芸の道」にも通じるものがあるとひきつけて演じられたためか、理解しやすい物語だったと思います。

一方、珠城りょうさんが演じる宮本武蔵は、無骨な武芸者の哀しみがより強く出た物語だと拝見しました。哀しいとき、武蔵が土をぐわっとつかみ大粒の涙を流し、風が吹きすさぶ中を武蔵が独りで歩いて行く風景が見えるような・・。

若き武蔵は同じく武芸者であった父と沢庵和尚への反抗心が強く、正論だとわかっていても意見を聴こうとしない頑な硬い殻があります。

そういう人間が、強くなりたい一心で、出会った人を師と仰ぐようになり、正反対のものを持った人と出会う中で成長していく。

珠城りょうさんの武蔵には、あくまで「剣の道」としての追求を感じました。「宝塚の舞台」という皮を一枚かぶせずに、齋藤先生は多くの男性俳優が表現しようとした「剣の道」の奥深く、独りで歩む武蔵像に真っ向勝負を挑もうとしている、珠城りょうさんにその道を敢えて歩かせようとしたのではないかと、そう感じたのです。その思いはパンフレットのご挨拶を改めて拝見し、一層強くなりました。齋藤先生の宮本武蔵への思い入れがこれほど強く長いものだとは、存じ上げませんでした。

 

2.武蔵の「体」の才能

皆さまは、思春期から20代にかけて、「自分は何になれるのだろう」とわくわくする一方で、「自分はどこまでやれるだろう?」とどうしようもない不安に駆られたことはないでしょうか?今、その真っ只中の方もおられることでしょう。

17歳で関が原の戦いに飛び出していった武蔵と又八は、能天気な根拠のない自信に満ち、「男たるもの、日の本一の天下無双を目指せ」と高らかに歌います。

しかし。才というのは残酷であからさまなものです。

宮本武蔵という人物は歴史に残る剣豪です。動体視力や筋力、跳躍力等を含めて大変優れた身体能力の持ち主だったはず。幼い頃より、師を持たずとも血筋からか剣が強く、関が原でも多くの敵陣を倒せた武蔵は、自分の持つ「才能の器」の大きさにはうすうす気づいていたはずです。

では、その才能の活かし方を適切に導いてくれる人が、回りにいたかというと「否」。父は優れた武芸者でしたが、父子の対立の中で父から得たものは少なく、残るのは厳しい言葉。沢庵和尚は、常に叱咤の言葉を謎解きのように投げかけては武蔵を放り出します。武蔵の心に灯る母からは「強くなくていい、優しい子になりなさい」と相矛盾する言葉を残されます。

若き時に、自分の才能の器の大きさがどれくらいかを見定めるのはとても難しいことです。実は、晩年にしかわからないものでしょう。ただ、自分の才能がどれくらいの大きさかという「可能性」は、ぼんやりとわかるものです。本人にも周囲にも。それは期待とともに、どう扱えばいいのかわからない怖さももたらすものだと、私は思います。

才能の器が大きそうだということは、一見素晴らしいことに見えます。けれど、たとえば同世代のアスリートの優れた人物のすべてがプロ選手や金メダリストにならないのと同様に、自分の器一杯に成果を満たすことができる人はごくごく一握りです。

武蔵は、自分が強いことはわかっていた。もっともっと強いはずだという自負もあった。でもその活かし方は、わからない。教えてくれる師もいない。

推定20代初めの彼はどうしていいか全くわからない。そういう闇の中にいたと思うのです。

武蔵の焦燥感、道を独りで行かざるを得ない寂しさには、暗闇で母を求めて泣く幼子のような心細さがあっただろうと私は思います。

その想いを共感できるのは、同じくらい大きな才能の器を持った人物です。武蔵が吉岡道場に行ったとき、清十郎ならわかりあえると思ったのではないかと思うのですね。同じだけの器を持った人物と見込み、会いに行く。けれど一撃で退けられ、吉野太夫に指摘されたとおり、その時点では同格の才能の持ち主だとはみなされていません。それはどれほど哀しく寂しいことであったでしょうか・・。

武蔵は恐らく、同世代の剣士の中で身体能力について誰よりも高いものがあったはず。ただ、「心技体」のうち、「心」も「技」も鍛え上げる機会を持たなかった。それが当初の彼の弱さであり、「体」のずば抜けた才を持ちつつ、どうやればこの虚ろな器を満たせるのか?!という絶望の中にいたと思います。

戦いの中で来る相手をやみくもに斬る。おそらく、それしか自分の才能への確かな手ごたえを実感できる場面はなかったと思うのです。

 

3.武蔵の「技」の成長

彼は作州を出奔した後、様々な剣豪に手合わせを申し込む中で、ゲームの駒を進めるように、「心技体」の「技」を磨いていきます。

そのプロセスにおいて、武蔵に大きなインパクトを与えたのは日観坊主と柳生石舟斎でした。彼らは武蔵とは違う強さを持ち、圧倒的です。

日観坊主「その強さ、もう少し緩めてもよかろうに」

柳生「我、流れる水のごとし」

きらめく火のように光のように剣を追求してきた武蔵は、その言葉を「えっ?」と受け止めます。油断を常に戒め、流されることを許さず、常にぴりぴりとした殺気を発することで自分の「心」の弱さを守ってきた武蔵にとって、彼らの言葉は真反対の教えだったでしょう。

この二人から、武蔵は「自在」ということを学んだと想像します。手放す、流される、そのことが逆に力になる。この教えを自分のものにできたとき、武蔵は一段、強くなったはずです。

私は、月組全国ツアー「激情」初日のホセを観て、珠城りょうさんの演技とポテンシャルに驚き、それ以来、注目してきました。(注 ま、ありていに言うと沼に落っこちたとも言いますね、ええ・・)

若きトップとして抜擢されて以降、珠城さんには、時にごく薄いのですが頑な殻を感じることがあります。もしも珠城りょうさんが武蔵と同じく手放すこと、流されること、これらを自在に出し入れできるようになられれば、これまでとは異なる種の力を手に入れられるのではないか?と期待を込めて思います。

武蔵とトップスターとしての珠城りょうさん。この武蔵の成長の物語は、齋藤先生による珠城りょうさんへのエールのようにも思えました。

 

 4.武蔵の「心」の成長

「心技体」のうち、体はもともと持っていた、技も身につけた。しかし、「心」が整わなければ一段強い、大きな相手には決して勝てない。そこに武蔵はたどりつけるのか?

そこで登場するのが、千海華蘭さんが天才的に演じておられる本阿弥光悦であり、こちらも海乃美月さんが妖艶に謎めいた雰囲気で見事に演じておられる吉野太夫です。彼らは分野は違いますが同じ高みで戦っている人たち。武蔵の才能に気づき見守り先導するかのような存在です。

吉野太夫「未練、初めての」

そう言われて初めて、吉岡一門70名数名を相手するにあたり、武蔵は自分が命を惜しんでいることに気づくのです。

それは「弱さ」です。しかし、武蔵が自分の器の中に本来持っていなかった「技」を取り込むことでしか強くなれなかったように、「情け」も「弱さ」も「恋」も、子どもの頃にお通をかばい伊吹山で朱美を守った「優しさ」も、戦いに不要な「弱さ」を取り込んだ上で尚、強くあることができない限り、心に弱い「点」ができてしまうのではないかと、私は思います。

弱い「点」があれば、敵はそこを衝くでしょう。武蔵が吉岡一門の企みの中で一番弱い「点」=吉岡側が子どもである壬生を大将にしたことを最初から衝き、真っ先に斬ったように。

それでは、ぎりぎりの闘いに勝てない。私は吉野太夫との謎かけのようなやり取りの中で、武蔵がつかんだ「心技体」の最後の「心」とは、自分の中にある弱さを認め、取り込み、誰かを大切に想う心を力にすること。その点ではなかったと考えています。

 

5.人を斬るということ

吉岡一門との死闘は伝説的な闘い。彼は一躍、名を上げます。

しかし、大将であるとは言え、子どもを斬り、斬らなくても良かった70もの命を奪ってしまったこと。それは「己の剣に酔いしれた愚挙」だと沢庵和尚に喝破され、一言も反論できないのです。

幻想の父の言葉に突き放されるように、再び独りで旅立つ武蔵は下総で剣を鍬に持ち替え、仏を彫る日々を送ります。斬ることで人生を途絶えさせたこれまでの相手を供養するかのように。

私は最初、多くの逸話を盛り込んだこの脚本で、宍戸梅軒との場面は本当にいるのだろうか?と思っていました。しかし、はたと気づいたのです。ずっと考えていた朝に。

真剣で闘うということは、相手を斬り、時に殺めるということです。無敵の宮本武蔵は闘いに勝ちます。天下無双、素晴らしい。

けれど、闘いに勝つことで、武蔵は相手の人生をその時点で止めてしまっています。この世への未練も、想う相手との幸せも、家族との時間も。

武蔵は斬った相手が生きるはずだった人生を、斬った時点で引き受ける宿命にあるのか、と気づいたのです。そのように考えると、宮本武蔵の物語は、胸がすくような天晴れな剣豪活劇の側面だけではない。そう思うのです。

宍戸梅軒は武蔵に斬られた兄の敵を討つ存在として登場します。それまで、原作はともかく、宝塚のこの脚本で武蔵に命を奪われた関係者が登場するのは初めてです。彼を斬ることで、武蔵は兄弟の人生を二重に引き受けることになります。

仏を彫るようになった武蔵は、佐々木小次郎との闘いの後、倒れている小次郎に向かって初めて手を合わせます。

武蔵はついに天下無双の称号を得た。けれど、この虚しい思いは何なのか?武蔵はそれは修行が足りないからだと思い、再び、独りで歩いていきます。

旅に出る、強い誰かを斬る、無双になる、そして再び虚しくなる・・。私には武蔵の己との闘いは「体」が衰えない限り、終わりのない旅に見えました。

自分よりも強い誰かが現れるのを待ち、その誰かによって斬られるか、病か、結局のところ、己の死によってしか終わりがない宿命の旅路。斬った相手の人生を引き受けた以上、とどまることを許されないような・・。それが、強き者の宿命なのかもしれないと思います。

考えてみると、誰かに勝つ、何かに抜擢されるということは、常にそういう側面があります。

抜擢される人がいる一方で、夢を断たれる人もいる。宝塚で言えば、朝夏まなとさんが新人公演主演に選ばれた下級生にかけられたという「私なんかでいいのだろか」という思いは、選ばれなかった他の人に対して失礼だという趣旨の言葉。選ばれた人は、その人たちの想いを引き受け、その上ですくっと立ち、前に進むしかないのだと思います。

その道を今、武蔵は歩き続けるしかない。最後の場面は、明るくさっぱりとした旅立ちのように見えて、再び厳しい道の始まりでもあります。

ただ、今日拝見した珠城りょうさんの武蔵は以前と違って、無骨な哀しみが和らいだようでした。お通への想いが胸にあるということは、どれほど彼を暖かくし強くしているか、そこがストレートに伝わってきました。武蔵は宿命の道を歩き続ける、けれど離れていても想う人がいることで救われた面もあるのだと。

 

新人公演を観た後、私の思考の旅路も思いがけず、随分遠くまで来てしまいました。その思考をもたらしてくれたのは、素晴らしい新人公演を見せてくださった月組下級生の皆さまです。若いってすごいね。おばちゃんな、感動してんよ。ありがとうね!

この記事には不完全燃焼感がまだあります。齋藤先生の長く深い思い入れが散りばめられた本作品。東宝千秋楽では名作になっているかもしれないという期待を込めて、本日はここまで終わるものなり。まぁ、なぜここまで真剣に考えているのか、謎ではあります。とりあえず、本日は解散なり!(^^)