代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

宙組・王家に捧ぐ歌 まじめに感想 その10 完結編1「圧倒のコーラス、朝夏さん ありがとう!」 

日曜の午後、いかがお過ごしですか?試験を終えて新幹線で帰宅したmiyakoguです。いやぁ、撃沈したわ、今回は!

 

さて、本日はいよいよ「まじめに感想」勝手に連載シリーズの最終回 その10 完結編です。でも長くなったので、完結編1から書きます。いえ、まぁ、なぜ10回もの大連載になっているのか、自分でもよく分からないのですが・・。

 

【完結編1】

1.宙組コーラス

私のごく浅い観劇歴で大変恐縮ですが、これまでに映像も含めて観た宝塚の作品の中で、最も素晴らしいと思った作品が宙組「エリザベート」(1998年)です。姿月あさとさんが踊りながらシャウト、息一つはずませず、顔色一つ変えない様を観て、「宝塚って・・」と大変驚きました。もちろん花總まりさんの演技と美。和央ようかさんの繊細なフランツ、湖月わたるさんの「お、おとこの人なの?」というルキーニ、朝海ひかるさんの貴公子ルドルフ。

同時に大変印象に残ったのがコーラスでした。もちろん、元の楽曲がウィーン発ですので、音楽的な厚みが違うというのもあるかもしれませんが、宙組さんというのは名前の通り広がりを感じるダイナミックな組だなと思ったのです。

そして、今回の「王家に捧ぐ歌」。木村先生がスカステで熱く語っておられる様子が映されていましたね。「コーラスこそ主役」なのだと。印象的な旋律でのコーラスがいくつもはさまれていきます。

「今、今、今こそ」、「それはナイルの流れのように」1幕最後のラダメスへの反対の「うわぁーーー」という地の底からのような響き、「三度目の銅鑼が」と緊迫感が高まり、そして最後に「祈ろう、明日を」と兵士達は歌う中、剣を置いていくのです。

特に冒頭の将軍選びの場面、また1幕最後の場面のコーラスは、鳥肌が立つような何かであり、宙組さんが2幕もののお芝居が続く中、静かに培ってこられた力が今、劇場に放たれたような感動を覚えました。

組の皆さんが端の下級生さんに至るまで、一生懸命、この作品に取り組んでおられることが伝わってくる、「熱量をもった風」がコーラスとなって舞台から押し寄せるような、そんな仕上がりになっています。宝塚では明日が千秋楽ですが、東京でご覧になる皆様、どうぞご期待ください。

 

2.朝夏まなとさんのラダメス

今回、この「まじめに感想」がその10まで勝手に続いている最大の理由がまぁ様。花組さんのしばらく前の映像でおみかけするまぁ様は背が高く、手足の長いすらりとした若者という印象でした。

その後、「風と共に去りぬ」をご覧になったある理系おじ様(ご自身がプライベートである古典芸能の舞台に立つことがある方です)に、「朝夏まなとさんのスカーレットが素晴らしかった」とお伺いしました。宙組さんを観劇する機会があまりなく、へぇぇーというレベルだったのですが、今回のラダメスでまさかのまぁ様に「ほぼ落ち」という状況です。ついていきます!

先日の観劇でも「イケメンやわ、歌はうまいわ。あれ口パク違うんやろ?」と奥様に尋ねておられるおじ様がおられ、「そうなんですよ!」と後ろから声をかけそうなmiyakoguです。

「声がいいよね」というのも観客席で複数の方から耳にした言葉。特に男役さんの高音部での声がいい声で、伸びやかなのです。

「光はなかった」という囁くような響き、「もう出られない」という声の震え。あの方、何なんですか?! 声のコントロールが素晴らしいのです。

そして、裸足でのあの足の長さ。惜しくも退団された夢乃聖夏さんといい、佐賀県には足が長くなる食物があるのですか?海苔なの?佐賀の有明海の海苔に秘密があるの??という疑問がふつふつと沸いてきます。

銀橋における、宗教画のように美しいまぁ様とみりおんさんの白いお衣装での抱擁。思わず拝んでしまいそうです。

 

2.アイーダとアムネリス様

うららアムネリス様については、これまでにも熱く語っておりますが、男前な王女が父を失った悲しみと、愛を得られなかった嫉妬と無念さの中から、それでも立ち上がりファラオになる成長ストーリーのようにも思え、お仕事女子の皆様には胸が痛むような、応援したくなるような、そんな役柄ではなかったかと思います。歌はまだ日によって不安定な要素があるかもしれないけれど、迫力は満点です。

みりおんさんの歌は本当にお上手で、劇場一杯に朗々とアイーダの信念を歌い上げるお姿をみると、確かに揺ぎ無い信念の王女なのだと確たるものが伝わってきます。その信念がラダメスと愛としても響きあい昇華し、最後にはアムネリス様の信念にも伝播していく。そのストーリー展開は、さすが、みりおんさんの歌があってこその説得力です。


(長いので、完結編Part2に続きます)

※結局、「王家に捧ぐ歌」について19個もの記事を書いていて自分に呆れました。よろしければご覧下さい(^-^)。

mothercoenote.hatenablog.com