代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

雪組・星逢一夜 まじめに感想 その2 それぞれの果たすべき立場での別れ

中日劇場版の感想はこちらです。よろしければどうぞ!

http://mothercoenote.hatenablog.com/entry/2017/02/18/165705


頭痛薬を飲んだものの、まだ頭痛が治まらないmiyakoguです。だから、泣き過ぎると大変なことになるっつーの。あーーもう!!

miyakoguはすぐに泣きます。ちょろい観客。しかし、ハンカチが間に合わず、ぽろぽろと涙が落ちる。その作品は周囲の皆様も号泣されているのです。

(以下、できるだけぼやかしますが、ある程度ネタバレです。ごめんなさい。気になる方はご観劇まで読まないでくださいね)

 

何が観客を号泣させたのか?に関する考察は以下の記事にございます。よろしければどうぞ!

mothercoenote.hatenablog.com

また、勢いのあまり、「星逢一夜」について、結局16個もの記事を書いていました。そのまとめがこちらです。よろしければご覧下さい(^-^)。 

mothercoenote.hatenablog.com

 

1.再び巡り逢う二人

一揆を鎮めるために避けられなかった哀しい結末。その場面の晴興は怜悧な権力者であり、同時に泉を巡る男同士の戦い、根底に流れる友情・・。初見の私は分かっておりませんでした。戦う二人が背中合わせでされているある演技。ご注目ください。

 

一揆が鎮まった後、星観の櫓で再び巡り逢う晴興と泉。

晴興は怜悧な権力者として、見事に一揆を収めたのです。しかし、彼はおそらく疲れ切ってしまった。

星を見る時間もなく、三日月藩を疲弊させ、友情を切捨て、ただ一つ望んだ恋を手に入れることもできず、むしろその人を悲しませる結末を、自らが招いてしまったのです。

晴興はある決断をし、村人達を一揆謀反の罪からかばい守り、三日月藩を去ることになるのです。すべてが終わったことへの諦念と、村人を守った安堵、そしておそらく友情への哀しみから放心したかのように星観の櫓に座る晴興。星を見るのはおそらくとても久しぶりのはずです。

そこへやってくる泉。泉にとって夫であり、自分を守り救ってくれた源太、三人の子どもの父である源太の仇を討つのは当然のことなのです。

 

2.仇を討てない哀しみと儚い二人の夢

泉はかつて晴興からもらった懐刀を手に後ろから訪れます。しかし、晴興にはすべてわかっているのです。彼女が何のためにやってきたか、そして、おそらく自分を切ることはできないことも・・。

ここのみゆちゃんの演技、号泣です。あー、もう!!思い出しただけで泣けます。

束の間、晴興は残された唯一の望みである彼の儚い夢を語ります。その夢に一瞬、逡巡する泉しかし・・・。

わぁあーーーー!もう頼むわ、上田先生様。泣くわ、鼻水たれるわ、大変です。

彼らは離れてしまうのです。おそらくは永遠に近い程の遠さで・・

 

3.再び巡り来る星逢の日

一揆の後、再び星逢の日(おそらくは夏祭り)が巡り来ます。

泉の追憶・・。思い出の中、三人の子ども達が再び登場し、哀しい明るさをたたえつつ、物語は幕を閉じます。

最初から無理があった出会いだったのです。それぞれの立場の違いが、やがて生み出すであろう運命のきしみいえ、もしかすると運命が後少しだけずれていたら、ひょっとすると晴興と泉が結ばれ、源太は恋を失っていたかもしれません。

果たして、源太は恋を得ていたのか。三人の子を得て、幸せな日々は確実にあったでしょう。しかし、その底で感じていた哀しさは拭い去ることができないものではなかったのか・・。

美しく、哀しい、星が浮かぶ紺青の空の夏の物語。

「見たいのは、鮮烈で美しい心です。」(出典:「星逢一夜 パンフレット」における上田久美子氏文章より)

miyakogu、しかと拝見いたしました。涙一杯の目で。次回観劇時は頭痛薬を持参いたします。