代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

映画「マイ・インターン」感想 若きマザー社長の戦いと年齢を超えた友情 泣いたわ・・・

皆様、こんばんは。雑誌等でいろいろ見かけていて、かねてより見たかった映画「マイ・インターン」を見てきました。

金曜夜の大阪ステーションシティ。雑踏の中で、ふと気づきました・・。週末夜に映画を見るのって、どれくらいぶり?

今日は娘が習い事で夜遅くなるため、わずかにできた週末の隙間時間を縫うような映画鑑賞。私にもそういう時間ができたんだなぁと感慨深いmiyakoguです。よよよ(涙)。

 

1.アン・ハサウェイ演じる女性社長

アン・ハサウェイが演じるのは、自宅キッチンから始まったビジネスが急成長し、ネットで衣服販売を展開する若きマザーCEO ジュールズ。一人娘はまだ幼稚園かな?急成長した会社の経営で一杯一杯の彼女を支えるために、専業主夫になった旦那さんがいます。

現代米国の映画ですが、ママ友から「子どものためのおやつ差し入れ18人分が難しいでしょう?あ、パパがするからいいのね」的な言葉をかけられ、車の中で主人公ジュールズは頭にきています。彼女は他にも実母との関係性にいらつき旦那さんの浮気に傷つき、経営を任せられるCEOを代わりに探すべきだという投資家からの意見を伝えられ、オフィスで涙します。

miyakoguは創業者ではなく、創業会長(奇才)からの後継代表取締役@見習い中ですので、彼女ほどの分刻みの忙しさではありません。ただ、30分刻みくらいの忙しさであるのは事実であり、娘が一人いることも共通。少しずつ程度の差はあれ、似ている側面があり、他人事とは思えません・・。

最大の違いは3つ。

一つ目は、年齢です。幸いなことに(これはもう幸いなことでしょうね)、miyakoguはジュールズほど若く美しくなく、長年、創業会長(奇才)のもとであちこちに出かけているため、誰も不思議に思わず「若き生意気な小娘」とは思われないことです。これは非常に恵まれていますね。

それと、アン・ハサウェイさんと違って、小太り小柄ってのもいいかもしれませんね!この蓄えた脂肪で、自分を守っているんですなぁ、きっと。うんうん(^-^)。そっかぁ、ジュールスに足りないのは脂肪では?!世の中を跳ね返すんですよ、ぼよよーーーんと!何が幸いするか、わかりません。

あ、あほなことを言っている場合ではないですね、お話を戻してと。

二つ目は、会社の成長性と規模の差です。ジュールズの会社は、急成長しすぎて、一杯一杯なんですね、本人も周りのスタッフも・・。

そして三つ目、これが一番大切なことですが、「時間」です。miyakoguは意図的に、仕事とライフのバランスを仕事寄りにならないように抑えてきたところがあります。

そのことを、私自身、実は全く疑問に思わない訳ではないのです。時々ふっと、中途半端な人生だなぁと思うことがあります(-_-)。これって、ワーキングマザーの皆様に共通した感覚でしょう・・。

ただ、私の場合は幸いなことに(これも今となっては幸いですね)、結婚が遅く独身時代に、ある程度やれるところまではやった!感があったのが良かったかもしれません。キャリアの途中でマザーになられた方は、レールを降りたような、降ろされたような気がするでしょう、わかります・・。

私自身は例えて言えば「のぞみ」で行くのをやめて、特急や新快速、時に普通で乗り継いでいる感じです。のぞみで行けば早いし、楽チン。周りはビジネスマンでノートPCを開いてお仕事したり資料を読んだり。男性を含めて、自分と似た人が一杯います。

しかし、特急や新快速・普通で行くと、途中で駅弁買ったり、乗り継ぎを間違えたり、降りたり、おばあちゃん達と乗り合わせてお話したり、そういう面があるのも事実。あ、宝塚ものぞみは止りませんね!これ、大事(^-^)。

どちらがいいかは「選択」の問題です。

そして、映画の主人公ジュールズは、いったんキャリア・トラックを降りようとするのです。しかし、ロバート・デ・ニーロ演じるベンの言葉により、再び走り出します。それが彼女の夢だから、です。とりあえず今は、かもしれませんね。だって事業を立ち上げてわずか2年。いかなる人であっても自分の夢を立ち上げた事業のCEOを変わりたくはないでしょう。会社の安定的成長のためとはいえ・・。その気持ちもよくわかります。

私の夢は、「小さい娘と一緒にいる時間」でした。それは選択の問題です。しかし、時にゆらぐように迷いが起きることがあります。そう、主人公と同じです。どちらに戻るか進むか、これも選択の問題です。

 

2.ロバート・デ・ニーロが演じるベン

ベンは引退したビジネスマン。オールドタイプですが、チャレンジ精神があり人間観察に優れ、暖かみのある人柄できちんとした紳士です。退屈な日々に少しうんざりしていて、奥さんを失ってからの空虚な日々に変化を求めているのです。

そして、ジュールズの会社が実施した(ジュールズは覚えていませんが)社会的貢献としてのシニア・インターンに応募、ジュールズ付のインターンに採用されます。

彼はスーツを着て、ネクタイを締め、ジュールズのインターンだからという理由からか、必ず彼女のためにオフィスに残っています。

オフィスの一角にある様々なモノが積み上げられたデスクを片付け、同僚の相談に乗り、いつしかジュールスの運転手となり、彼は少しずつ周りに影響を与えていきます。

とてもおもしろかったのが、ジュールズが間違えて実母に送ってしまったひどい内容のメール奪還作戦。ハッキングではなく、実母の家に忍び込み削除というバーチャルではない解決策をベンが提案し、インターン仲間やオフィス仲間が一緒に乗り込み成功するのです。

そして、ジュールズの娘や夫からの信頼も得ていき、ママ友にはさりげなく「友達がネットで成功した社長だなんて素敵なことではないか」と言い放つのです。

私が一番泣けたのは、ベンがジュールズにかける言葉。彼は言うのです。「君は今まで長年仕事をしてきた中で、一番すごい人だ。」と(そういう趣旨)。そして、「自分の夢を誰かのために諦めたらだめだ」と、「そう言ってほしかったのだろう?」と。彼はジュールズ自身が何を考えているか、答えは自分でわかっていることを示唆するのです。

洞察力に優れ、暖かな人柄で、周りの人間に影響を与えていくデ・ニーロ。素敵でした。彼自身の恋も生まれます。

 

3.年齢を超えた友情

そして、ジュールズの人生の危機=旦那さんの浮気のことも、出張先のホテルで二人は語り合うのです。この時も泣けました・・。離婚はいやだと、一人でお墓に入るのはいやだと泣くジュールズ。これに対して、彼は励ますのです。自分と自分の妻のところが空いているから来たらいいと・・。号泣しました。

もしも私が独身のまま、お仕事をしていたら、同じようなことを考えたと思います。そんなとき、そのような言葉をかけてもらったら泣くでしょう・・。恋愛ではなく、不思議な友情の男女です。

デ・ニーロ演じるベンは、年齢を超えた友人であり、メンターでもあるのです。インターンなのに、メンター。とても不思議な存在です。

私自身は社内外のメンターに相当、恵まれてきたと思います。そもそも、創業会長(奇才)との出会いが私の運命を決めてしまったのですが、年の離れた友人のような、前世で親子か兄弟のような存在であるのは事実です。

最近気がついたことが一つあります。

私は「こんなことになりまして」と新しい名刺を気恥ずかしく出すのですが、以前からのお知り合いがとても喜んでくださるのです。男性・女性問わず。私自身はどうしても気恥ずかしさが先に来るのですが、周りの方の反応をみていると、良いことだったのかなぁとも思います。

女性の活躍がこれほど言われている社会。身近な人間でそういう具体例をあることを喜んでいただけるというのは、ありがたいことですね。本当に(涙)。

というわけで、とても笑い泣いた久々の映画鑑賞でした。一人で映画を見るなんて、おそらく15年ぶりくらいです。娘と一緒に見てきたのは「プリキュア」と宝塚歌劇トップスターの劇場中継。しかも、映画館ではなく宝塚大劇場に通う日々です。

まっさか、こんなことになるとは、おばちゃんも思わへんかったわ。ええけどな!