皆様 元旦の宝塚大劇場公演観劇と、その後に続く宙組会議(萌をぶつけあう感想の会議)を終えて何とか帰宅いたしましたmiyakoguです。あけましておめでとうございます!
もうね、何から書いたらいいのか、わからないんです(〃∇〃)。それくらい楽しくて、少しほろりと来て(切なく結構泣く場面もあります)、そして「まぁまかへの萌え」がかなりを吹っ飛ばす、お正月らしい華やかな色彩に満ちた宙組公演。楽し過ぎでした。 ←1/31の前楽を観た感想としては、楽しい場面はそのままに、でも優れた家族愛の泣けるお芝居へと進化しています。
お芝居は、プロローグから「あ、これ良作?」との予感が走るミュージカルらしい素敵な作品でした。説明が難しいのですが、生田先生の「ミュージカル」です(演劇でなく)。群舞と歌、音楽の効果的な使われ方がそう思わせるのかもしれません。
娘、ごめん。受験前に後もう1回だけ、お母さんに観劇させて!! ←明日も行くけど。
というわけで、皆様のTwitterやブログの感想が今後、どっと増えるであろう前に、先ほど前方席チケットを1枚増やしたことをここに告白いたします。すいませんでしたぁーー!(^^)
ではお芝居から行きます!!(どうしてもネタバレが一部ありますので、観劇前でお知りになりたくない方はお読みにならないでくださいね)
※沙央くらまさんの役名を間違えて記載していたので、訂正いたしました。沙央さんと澄輝さんのファンの皆様、すいませんでした。お詫びいたします。
1.お芝居全体感想
シェイクスピアは英国が世界に誇る劇作家です。私自身もロンドンに一時滞在していた時期、いかに演劇の社会的ポジションが高いかを知る機会がありました。現在上演されている多くのお芝居の根幹を成している要素が、かなり彼の作品にあると言っていいでしょう。悲劇も喜劇も、恋も陰謀も、王族も貴族も商人も若者も老人もすべてがそこにある。
1時間35分のお芝居の中に、18歳のシェイクスピアのやるせない創作への熱、父への反発、アンとの瑞々しい出会いと恋、名声への野心、宮廷に渦巻く野心と陰謀、家族との辛い別れ、英国王・エリザベス1世の威厳と孤独、そしてシェイクスピアとアンの夫婦愛が、がっつりと盛り込まれているのです。
村の色彩に満ちた華やかなお祭りと美しいが陰謀に満ちた宮廷。スピーディでいて飽きさせない場面とストーリー転換で、一気に見せてくれます。
そしてこれが一番、現在の宙組さんの大きな武器だと思うのですが、随所随所にはさみこまれる様々な笑い(^^)。くすくすとしたり、あははとしたり、意外な場面で爆笑したり、観客をハッピーな世界に連れていってくれます。
まぁ様ご自身がご挨拶でおっしゃったのですが、「お客様はこんなところで笑って下さる」と、演じている側も気づかれた場面が多々おありになった様子です。
そして一方では、子どもを亡くした朝夏シェイクスピアの慟哭、哀しみのあまり言葉を失うシェイクスピアの演技に涙。
おそらく、観客席の反応が、演じる側をさらに乗せていった、そういう舞台と観客席のやり取りがあった幸せな公演でした。
2.驚かされる朝夏まなと様の多彩な演技力、かわいい実咲凜音さん
18歳から始まるシェイクスピアの人生を生田先生が想像によって創り上げたストーリー。あたかもシェイクスピア自身が紡ぎ出した多彩な物語のように、喜劇も悲劇も様々な場面があるのです。
それを演じ分ける朝夏まなと様。その演技力に何よりも驚かされました。
劇作家になるという夢を実現しようとする反発と力強い姿、アンとの恋が生まれる場面の瑞々しいうっとりとさせる演技、真風さん演じるジョージとのやり取りの中で見せる欲望と野心、真風さんとの掛け合いの絶妙の間から来る笑い、そして子どもを亡くした場面での涙・・。
言葉が沸かなくなってしまった彼が最後に、アンとの再会によって言葉を取り戻す場面の切々とした感動。作品を通じて笑いもあるのに、ぽろぽろと泣けて。
切ない場面では、朝夏まなとさんの手を震わせておられたような演技からシェイクスピアの悲しみが伝わってきました。素晴らしかったです。
実咲凜音さんは今作品ではとても可愛い健気な妻です。シェイクスピアの言葉を彼女が読むことによって彼にインスピレーションを与えるのです。とても素敵な衣装と金髪がお似合いのかわいいみりおんさん、シェイクスピアも恋するわ!
まぁ様とみりおんさんの劇中のデュエット、聞き応えがありました。また、夫婦の心が離れていく様子をみりおんさんが歌で表現されるのですが、非常に感情が乗った歌唱だったと思います。泣かされました。
3.生田先生にやられる!!
悲劇的なニュアンスや危機的なニュアンスの漂う場面の中であるいは直後での、まさかのお笑い。
このお芝居の魅力はそこに尽きるかもしれません。場面転換が早いともいえますが、生田先生にいい意味でだまされるのです。
最後に危うくロンドン塔送り(生きて帰れないといわれている牢獄ですね)になりそうな、シェイクスピア、ジョージ(真風さん演じるパトロン貴族)、リズリー(愛月ひかるさん演じる女王の寵臣)、デヴルー(桜木みなとさん演じる女王の寵臣2)の4名。
※愛月ひかるさんはサウサンプトン伯、桜木さんはエセックス伯と姓で呼ばれている方が多かったように思います。
彼らは若き野心に満ちたグループで、シェイクスピアはそこに一枚加わる形でジョージ真風が政治的に望むテーマを題材に演劇作品を作ります。しかし、老臣達の反感を買い・・。
あわやロンドン塔送りかの場面で、ジョージはある提案をし、エリザベス1世がその提案を受け、彼らは最後に女王の心に訴える演劇作品を上演できるかに挑むのです。
その場面で・・・。
私は真風さんがロンドン塔送りになってはいけませんから、固唾を呑んで観ているというのに・・・。生田先生ったら!!!笑ったわ。そう来ますか、あのベスとの萌え銀橋場面を。
また、若きシェークスピアとアンが恋に落ちる場面もそうです。ロミオとジュリエットばりの世界に突入、このバルコニーの場面でアンが放つ言葉!確かに詩を詠んでいる場合ではないですね。宝塚では歌まで歌っているけれど(^^)。
そういう驚きに満ちた笑いが、随所にはさみこまれくるので、皆様、要注意です!(^^)。過去作品のパロディっぽい場面が一部あり、くすっとされるか、いや、ちょっと違うでしょうと思われるか、それは人それぞれだと思います。
4.それ何プレイ?!の第12場「欲の目覚める時」
ダークレディとして星風まどかさんが登場する場面です。
シェイクスピアのまぁ様、ジョージの真風さん、リズリーの愛月ひかるさん、デヴルーの桜木みなとさん、ベス(ジョージの妻)の伶美うららさんが、作戦会議というかウィリアム(シェークスピアですね)を自分達の味方に引きずり込む場面です。君にだって「名声と喝采への欲望があるはずだ」とジョージに迫られるシェイクスピアまぁ様。
その傍らで、ソファでべたべたする愛月さんと桜木さん・・。そしてシェイクスピアの言葉の力を政治的に利用しようとするジョージがシェイクスピアを・・。
ええっとね。まぁその、何というの?後ろからこう手を回すって感じっすか?(〃∇〃)ありがとうございます!!生田先生!
(まだこの段階では、さらにショウで恐ろしい萌えが我々を襲うとは全く知らなかった観客席でした・・)
5.美穂様への謁見、かわいい男気の沙央くらまさん
舞台でエリザベス1世演じる美穂様への謁見が始まると、観客席も謁見しているかのようです。威厳ありすぎ、まさに女王ですね。歌も素晴らしいです。
そしてジョージが運営する宮廷大臣一座の看板役者であるリチャード・バーベッジを沙央くらまさんが演じておられます。彼は最後にシェイクスピアを挑発するかのような言葉で、ある重要な役割を果たします。アンを取り戻し、シェイクスピアに演劇を取り戻す力を与えるかのような役割です。←最初、役名を澄輝さんの「ポープ」と間違えていました、ごめんなさい。
6.もろもろの見所
ええとね、もうね、いろいろ見所ありすぎて困る!
シェイクスピアのお父さんを演じた松風輝さんのいぶし銀の演技。真っ当な俗物と言えばいいでしょうか、人間らしい役。最後にまぁ様のおかげで報われて良かった・・。
宮廷の老重臣セシルを演じた凜城きらさんの憎憎しいどっしりとした演技。舞台に重厚さを与えます。
アンの弟役を演じた瑠風輝さんのでっかいのに可愛らしい弟の演技。可愛かったですね、衣装が真っピンクで。
アンを思う、地元のお金持ちらしきパリスを演じた澄輝さやとさんの上品なコミカルさ。ふっきれた感じが素敵でした。澄輝さんは宮内大臣一座の役者トマス・ポープも演じておられます。
※とういか、劇中劇として劇団の役者がウィルとアンの思い出=「ロミオとジュリエット」を演じているという仕立てなんでしょうね。後で気づきました。
当時、女性が役者をできなかった時代ですね。娘役を演じている純矢ちとせさんが素の劇団員(男性の姿)に戻った場面では超イケメンで、「誰、あんな人いた?」と慌てて確認しました。
劇中劇「真夏の夜の夢」(短くいろいろな戯曲が登場します)でパックを演じた優希しおんさんの見事なバレエ。美しいジャンプでした。
お芝居はまずはここまで!(^-^)。とにかく、チケットがあるうちにぜひともご観劇を!お正月にふさわしい楽しく華やかな、ハートフル悲喜劇です。(喜劇が8、切ないストーリーもあるので悲劇が2くらいかと存じます)。
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