代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

雪組・るろうに剣心 感想3 望海風斗さんの響き渡る美声、美しい央雅光希さん 見所満載の舞台へ(^^)

皆さま、こんにちは。

3月6日(日)15時公演がるろうに剣心のMy楽でした。その感想を本日はお届けします。とういかね、書きたいことがあるので、書かないと落ち着いてお仕事に集中できないのです。←こういうのは良い舞台

 

1.ジェラール山下を演じる望海風斗さんの美声

今作品では幕末は加納惣三郎として、そして明治維新後はジェラール山下として物語に登場する役を望海風斗さんが貫禄をもって演じておられます。

このお役がもともと、薫殿をめぐる剣心との三角関係になるのか?!という期待感が強すぎて、初見時に「あれ?」となったのは事実。これは観劇された宝塚ファンの皆さまが共通してお持ちになった印象だったかと思います。

で、途中で、皆さまも「これは、もしかすると剣心をめぐる薫と加納の三角関係?!」と見方がスライドしていったかと思うのです。もちろんジェラール山下は剣心の「人斬り抜刀斎」としての腕を必要としているのですが、そう考えると納得いきますわなぁ。

ただ、ちょっと「阿片」で明治政府を転覆して理想の世の中をもう一度構築するって、方向性としても、またお金の力だけでも無理があるんじゃね?というお役であるのも事実(^^)。

し・か・し・・!

そのあたりの疑問点をすべてふっとばす望海さんの歌声なのです。すごい。私と娘は宝塚歌劇については雪組・壮さんフェルゼン以降の新米ファンなので、比較の幅が狭すぎて恐縮ですが、私達がファンになってから今まで大劇場で聞いた中では一番すばらしい美声の響きでした。

映像でしか観た事がないため、今までは春野寿美礼さんや安蘭けいさんのような方の声が劇場一杯に響くというのはどんなふうだったのだろうと想像していたのです

甘く凄みのある声。もちろん「ガイズ&ドールズ」で聞いた北翔さんの甘く伸びやかな声にも感嘆いたしました。対して、望海さんの声は今回のお役に合わせた「甘い毒」や「凄み」を含んだ美声。素晴らしかったです。特に銀橋で歌われる「OPIUM」の歌の中の「今を忘れて」のフレーズの歌唱。ぞくぞくしました。

だいもんさんの美声が多少の疑問点をすべてふっとばしていく、そういう仕上がりになっていると思います。東宝組の皆さま、どうぞお楽しみに。

オペラファンの旦那はんは「ルパン3世」を観劇後も今回も、「あの人、早くトップにせなあかんで」と言ってくるのです。いえ、そのようなことを私に言われても、ですね・・。

ファンの皆さまとともに、何らかのタイミングでいずれ来るであろうその日を楽しみに待っておきます(^^)。

 

2.美しき退団者 央雅光希さん

央雅光希さんは、「星逢一夜」の一揆の場面で早霧せいなさんと並んで武士として農民を揺るぎもせずに見つめておられたお役で注目していました。

とても美しい武士、ゆるぎない凜とした凄みのある空気。美しい方だなと目がひきつけられました。

今回は警官、プチ・ガルニエのパティシェ等のお役でご登場されています。

朝風先輩がお髭をはやしてシェフをされているのは存じ上げていたのですが、誰?この超絶イケメンパティシェ?と思ってパンフレットを拝見したら、やっぱり央雅さんでした。美しい黒髪と穏やかにたたえた微笑。美しい・・。

というか、プチ・ガルニエ、絶対に顔で面接していますよね(^^)。美しき従僕達も雇ってるし、蒼紫率いる御庭番衆もいつの間にか雇っているし。やっぱり、ジェラール山下はその傾向が??と思わせるものがあります。

前半は下級生さん中心なのですが、後半の従僕達に真地佑果さん、叶ゆうりさんの長身メンバーが加わるとさらに迫力が増すようです。比留間組がもう一つの待遇で、皆さん、ご自分達のビジュアル力に気がついて転職したんでしょう?!と突っ込みたくなるような眼福ぶりです。(二役というか、役は一杯いろいろなさっていますね)

話を戻しまして。一番、央雅さんのビジュアルに唸らされたのが最後のパレードでの正統派黒燕尾のお衣装でした。

プチ・ガルニエではパティシエを演じておられるわけで、お客さんのお役ではないため、燕尾服を着られる場面は作品中ではないと思うのです(間違っていたらお教えくださいね)。

しかし、最後の最後、階段降りでの美しい燕尾服・・。にこにこというより、やはり穏やかな美しい微笑をたたえて、すっとした黒燕尾で降りてこられる央雅さん。とても素敵でした。雪組さんの日本ものを支えていただける貴重な人材でいらっしゃるのでは?と思っていたため、ご退団は残念ですが、内側から輝くような光を放っておられるお姿を拝見すると、ご本人の充実ややり遂げた感が伝わってくるようです。

 

3.楽しさと見所満載の舞台

3月6日の午後公演は阪急交通社の貸切であったため、望海風斗さんのアドリブは「俺と旅行行かない?阪急旅行社で・・」でせり下がり。

翔ちゃんはガトリング砲のお歌では「りんりんりん」と手を汽車の動きでした。やっぱりフィナーレでは一番大きな拍手。充実されています。

他にも書きたいことは一杯の楽しい公演でした。皆さま、「ん?」と思うところがあるとしても、以下が全てをふっとばしてくれます。(感想1,2と重複しておりますので、もしも既にそちらの記事をお読みいただいておりましたら読み飛ばしてください)

・早霧せいなさんの剣心の美しい殺陣、切なさと希望
・咲妃みゆさんの隠さされたいじらしさ
・望海さんの甘い毒を含んだ美声
・翔ちゃんの放つふっきれた笑い
・咲奈さんの抜群のスタイルと悪即斬の歌
・月城かなとさんの蒼紫様ビジュアルと御庭番衆の切れのあるダンス
・「悪即斬」に加えて「ガトリング砲」「赤べこ」「御庭番衆」等の印象深く呆気にとられるナンバーの数々(これだけ印象に残る曲があるだけで既に十分でしょう)
・朝風さんの美形お色気シェフと端整な央雅さんパティシェ
・比留間組と従僕達のかわいい小芝居にビジュアル
・弥彦を演じる彩みちるさんの少年らしさ 

その他もろももろ(上記で書ききれなかった方に申し訳ないほど見所が一杯なのです)

これらを宝塚ファンとして純粋にお楽しみいただけると思います。

もちろん、原作キャラと異なる描かれ方をしている人物への違和感(斎藤が一番異なると原作ファンの友人から聞きました)や、オールドファンの皆さまの中にあるであろう「漫画もの」に対する違和感等、人それぞれのご感想があって当然です。

が、少なくとも私と小学高学年娘の感想は「楽しさ満載」「見所満載」の舞台へと変わっていきました。娘はよりはっきりしていて、初見時は「むむむ?」状態でしたが、蒼紫様客席降りを1階で確認した途端、手のひら返し。今は通しで上演か?という勢いで朝から歌っています。

どうぞご期待ください!(^^)