代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

北翔海莉さんの晴れやかで穏やかな退団記者会見に感じ入る

皆さま、お元気ですか?日々、娘のお弁当づくりにいそしみ、少しは慣れてきたmiyakogu@ワーキングマザーです。ううーん、何とかならんか、お弁当ロボット家庭用・・。

さて、星組トップスターコンビの退団が相次いで発表され、記者会見も行われました。本日の娘役トップさんの妃南風さんの記者会見の様子はまだ拝見しておりませんが、北翔さんの記者会見の様子は、今朝、スカイステージのニュースで拝見いたしました。

とても晴れやかで穏やかな記者会見のご様子、不肖miyakogu、大変感心いたしました。

 

少なくとも放映された中ではよどみなくお話をされていたところ、唯一、視線をやや落とされたのが、これまでを振り返られた時だったように思います。

ファンの方に「ご心配をおかけした時期」もあったと・・。

新米宝塚ファンのmiyakogu、様々な記事や宝塚界隈での長年のファンからお聞きする話の中でしか、その経緯は存じ上げません。しかし、トップになるとファンの皆様が信じておられた時期に専科に異動になり、ファンの皆様はさぞやご心配になっただろうと想像できます。

自分だったら?と考えると、専科におられて長く芸を見せていただける、少なくとも退団はかなり先だと少し安堵する一方で、いや、この人こそトップになる方だととても悔しい思いをしただろうと思います。その思いを受け止めつつ、全組に出演をされた北翔さん。

大変失礼を承知で申し上げると、おそらくその過程において、当初、トップスターになられるには欠けていたかもしれない「何か」を冷静に身につけていかれたのかと想像し、その見事な対処方法に思いを馳せました。

当初はおそらく、ご本人ももちろん、「なぜ?」という思いがおありになったでしょう。しかし、やはり舞台」こそ自分の生きる場と思い定められる中で、ご自身が変わっていかれたのではないか、そう思うのです。

 

私は星組さんの「ナポレオン」のタレーランの演技を拝見して、その”重み”を感じました。

非常に限られた経験の中で、かつ映像が多いので申し訳ないのですが、最近の他の北翔さんの主演作品やご出演作品を見る限りにおいて、「エリザベート」のフランツ以外で印象に残ったのは、みっちゃんの軽妙なサービス精神に溢れたアドリブでした。

しかし、タレーランは異なりました。専科さんのご出演者が漂わせておられる”重み”に加えて、歴史上の人物として確かにこういう人だったのではないか?と思わせるような”凄み”があり、それは「風格」と呼んでいいものだったのではないか、と振り返ってみて今、そう思います。

もしかすると、宝塚トップスターさんがトップとして歌劇団をその組を代表する存在となるために、最も必要なのは周囲に有無を言わさないような「風格」なのかもしれません。

円熟した芸に一種の重みを加えて持つことによって星組・トップスターになられた北翔海莉さんを拝見しているとそう思います。そして、それは現時点の堂々たる風格であってもいいし、同時に若くして月組・次期トップスターになられることが決定した珠城りょうさんのような「兆し」であってもいいのかもしれません。

 

何よりも記者会見を拝見していて一番安心できたのは、北翔海莉さんがお話しになったように「謝恩会」のような形で、退団後にもう一度、比較的早そうな時期にファンの皆様が北翔さんにお会いになれる機会がありそうだということです。

 

実は「こうもり」の感想で最後に書いたのは、そのことです。

劇場で観劇すれば私達は宝塚のスターさんに会うことができ、同じ時間を確かに過ごしているのだと実感することができます。日々、入り出の写真もアップされ、お茶会の様子も把握でき、劇団の発行物で今、何を考えておられるのかを知ることもできます。少しの写真や話の中から、プライベートのご様子もほんの少しですが、伺い知ることもできます。実際にはほぼ一方通行の思いに過ぎないと分かっていても、お手紙を書いて送ることもできるし、お茶会で握手をすることもできます。

でも、そのときめきが光の粒になって自分を彩るような、かけがえのないきらめきの時間は、その方の退団によって、ある日、ふっつりと切れてしまうのです。残酷なほどに突然に。

もう会えない。そして、もう消息を知る手がかりがないのです。

もちろん、最近はすぐに舞台やテレビでご活躍になったり、SNSで発信されるOGさんが増えましたが、その方からのアクションがない限り、消息を知るすべはない。それは絶望と言っていいような、目の前が暗くなるような出来事だと、最近思うようになりました。

 

しかし、北翔さんのファンの方々は、これからもおそらく、舞台で輝く北翔さんに男役ではないけれど、お会いになれるだろう、消息を知ることがおできになるだろうと期待を込めて思うのです。その点が、退団の決意がとても残念ではありながらも、今後への希望をつないでくれる、そういった晴れやかで穏やかな記者会見だったと思います。

どうぞ、退団公演の千秋楽まで、風ちゃんとともに健やかに充実した、ラブラブな日々をお送りになられますよう、お祈り申し上げます!

 

おばちゃんな、本当言うとな、「エンターティナー」のショウで、これってサヨナラショウの歌やんか?とほんまに慌てて、涙がほろほろ出たわ。誰も泣いてはれへんかったから、正直、ちょっと恥ずかしかったで!