代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

星組・桜華に舞え/ロマンス!! 感想4 男性目線の感想は? 互いの道を全うした男の美学への絶賛

皆さま、こんばんは。さて、今日はうちの旦那はんを連れて宝塚大劇場15時の星組さん公演「桜華に舞え/ロマンス!!」を観劇してきました。

今日は雪組さんのちぎさんとみゆちゃんのトップコンビ、鳳翔大さん、香綾しずるさん、透真かずきさん、月城かなとさんと他の皆様がご観劇。拍手が起こる1階席でした。

「ローマの休日」で咲妃みゆさんがいい!と騒いでいた旦那はん。比較的近くでみゆちゃんをみて、「ほっそ、あのウエスト!」とうはうは(^^)。私は月城かなとさんをがん見。ラッキーな観劇となりました。

旦那はんは「桜華に舞え/ロマンス!!」を初めて観劇しましたので、早速、男性目線の感想を聞いてみましたよ(^^)。娘の習い事が終わるのを待ちながら、焼き鳥屋さんで以下、聴取してまいりました!

 

まず。

「これは脚本がいい。」と断言。「そして、その脚本が言わんとしたことを、具現化できる役者がいる。そういう素晴らしい舞台。星逢一夜と同じくらい、もしかしたら越えるかもしれないくらいにいい!」と絶賛です。

絶対に、男性はこれ好きそう!と思って連れていったのが大当たりでした(^^)。

 

北翔さんの桐野と紅さんの隼太郎は、いわば分身のようなもの。」

「それぞれに、自分はこの道を行くと決めて、その決断をお互いに尊重している無二の親友。桐野も、何もなければそのまま明治政府で職務を全うできたと思う。」

「一方で、隼太郎も本当なら、自分も薩摩のために皆と一緒に戦いたかったという気持ちがどこかにあると思う。」

「でも、それぞれの立場の中で、そういうことはできないんねん。全部わかった上で、自分の任務を全うしようとするところに、男の美学があるねん。わかる?(withどや顔)」

「隼太郎にとって、自分が選べなかった方の道を選び、そこを全うして散った桐野に対して、それでこそ俺の無二の親友だという思いがあったと思うわ。自分ができなかった男の美学を見事に全うした無二の親友、いわば分身やねん、桐野は。

「だからな、最後にその美学を全うして、見事な最期を遂げて倒れた桐野に、さらに切りかかろうとする兵士を絶対に許せなかったんだと思うよ。この見事な美学が、お前らには分からんのか?!って。」

とのことでした。

な・る・ほ・ど!!

 

確かに、西郷先生、大久保、桐野、隼太郎はそれぞれに、日本のためを思って自分の道を選び、それぞれに道が分かれてしまうのですね。ぎりぎりのところで。

この作品の真髄は、無二の親友と、選んだ道の違いゆえに戦わざるを得なかった男達の美学にあるのかもしれません。お互いの選んだ道を尊重し、真っ向から戦い、そして敗れた者を悼む嘆きの深さ。

西郷先生のおっしゃるとおり、これは薩摩を中心とする反乱側の「負け戦」ではなかったようにみえました。負けた方は美学を貫き通し、桜のように見事に散り、むしろ遺された側こそ、深い嘆きに生涯、包まれざるを得なかったのだとしたら・・。勝った側がむしろ負けたかのようにもみえたのです。

 

そもそも、勝ちも負けもなかったのかもしれません。美学を貫き通した友への敬意。最後の場面の紅さんの演技は、桐野への敬意と、友を失った嘆きと、もう一人のありえたかもしれない自分への想いに満ちた演技でした。

 

それにしても、見事な舞台でした。

北翔さんの舞台に賭けた命がストレートに伝わってくる迫力、レビューを含めて発しておられるものすごいエネルギー、美城れんさんの神がかった西郷先生の演技と深みのある歌声、風ちゃんが演じる大谷吹優の純情、親友と故郷への思いがあふれ出る紅さんの魂の演技。

ご観劇をどうぞ、お楽しみください。本日はジム帰りで、たまたま持っていたタオルで涙を拭いてきました。

 

レビューは私の一番好きな「友情」(扉の場面です)、やはり素晴らしかったです!息を詰めて集中して見守る観客、高まる舞台のエネルギー、鳥肌が立つかのような場面です。「ひゅーー!」という声が自ずと出た方がおられたようで、わっと拍手喝采でした。ぜひご覧ください。これはおそらく、生で観た方が舞台へのものすごい集中心を体感いただけると思います。

それから、パレード直前の場面、次期トップ娘役の綺咲愛里さんのお衣装が白一色に変わっていました。新婚さんかというような次期トップコンビ。麗しい輝きを放っておられます。