代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

雪組・新人公演「ケイレブ・ハント」感想1 美しく品のある永久輝せあさんのケイレブ、暖かな二枚目・真地佑果さんのジムに感動

皆さま、こんにちは。10月25日の雪組「ケイレブ・ハント」新人公演を観劇いたしましたので、その感想をお届けしたいと思います。一言で言うとね。

感動した! 驚いた!

がんどうじまじだ~~(T-T)(涙をぬぐいながら)。

何にかって言いますと。

・主要なお役の皆さんの、素晴らしく滑舌の良いセリフ
・皆さんがそれぞれに、本役さんのコピーではない自分自身の役づくりにチャレンジされ、そして、それをものにされていたこと(技術が伴わない方ももちろんおられましたが、ご努力が感じられました)
この2点です。

 

永久輝せあさんがお上手なのは存じ上げていたのですが、今回、誰よりも驚かされたのは本役・望海風斗さんと異なる持ち味を活かし、暖かな二枚目としてのジムを見せてくださった真地佑果さんでした。あんなに歌える方とは存じ上げませんでした。長身でシャープになられたのか、ぐっとイケメン度が増したスーツ姿。抜群の間合いで笑いを取りつつ暖かな二枚目をキープ。驚きました。

おばちゃんな、新人公演の夜、そのまま自宅で12時過ぎまでお仕事してな(観劇した分、がんばらないとね)、挙句に翌朝5時台に家を出てそのまま夜までノンストップでお仕事してん。でも、新人公演でもらった感動で、がんばれたわ。あの子らがあんなにがんばりはったのに、社会人歴もうすぐ研30になろうかという私がくじけてどうする?ってね。ほんまに良かったんやって、それくらい!(^^)

 

1.永久輝せあさんの品のある優しいケイレブ

少し喉を痛めていらっしゃるのかな?という声でしたが、しかし、それでも見事に歌いきり、大きな声を出す場面以外は甘みを帯びた優しい声のケイレブ。私はひとこさんの声が好きなんですね。

品のある立ち姿、ほのかに哀愁や色気を感じさせる涼やかな目元、伸びやかな歌声。早霧せいなさんならではと思われた素敵な衣装をひとこさんも着こなしてみせるスタイリッシュさ。

永久輝せあさんのイレブ・ハントは、学生時代の仲間と一緒に立ち上げて5年くらいの私立探偵事務所の共同兼営者に見えました。もともとはええおうちのぼんで、若くて一生懸命で正義感が強く、スマートで爽やかなイケメン探偵。本役のちぎさんとは異なる役作りで、彼女ならではのケイレブを造型されていたと思います。

ひとこさんには、目指すものをきちんと実現できるだけのお力があるのですね。

品のある立ち姿が素敵で、イヴォンヌとの二人の場面での声の優しさが私は好きです。ちぎさんのケイレブは、いわば女心がもう少しわかっていなくて、男どおしの友情に篤い30代前半の熱血漢に見えますが、ひとこさんのケイレブはもう少し女子のことがわかりそうな柔らかさを持った20代の青年にみえました。さすが、新公主演3回目の真ん中ぶりでいらっしゃいます。素敵でした。

 

2.真地佑果さんの暖かな二枚目のジム

本当に感動いたしました。素晴らしかった。この新人公演を観劇できて良かったと思います。

「ローマの休日」のポールの小芝居にも、今回のショウの素敵な笑顔にも注目して拝見していた真地さんのこのような素晴らしい演技と歌唱を拝見でき、感動いたしました。いや、まじで(T-T)。

長身にスーツがとてもお似合い、お顔がシャープになられたためかソフト帽もかっこよく、ダンスの切れも増し、これまで三枚目的なキャラなのかな?と楽しく拝見していたのを、いい意味で裏切る“暖かな二枚目”ぶりでした。

本役の望海風斗さんが抜群の歌唱力を誇る方なだけに、どうこなされるだろうと期待半分、心配半分でしたが、全くの杞憂。堂々と見事に最初の「てーいれーいかーい(定例会)」の歌をリードされ、お見事でした。そして、怪我をした後の思いを歌うソロ。見事に歌いきられ感動です。

ジムはセリフも場面も多いお役ですが、滑舌も素晴らしく、ケイレブと大学時代の友人で、おそらく本人はお金持ちの育ちのいいぼっちゃん。彼の人脈でビジネスをしているだろうと、セリフにないことまで観ている側に想像させる佇まいです。その人物の背景を感じさせるレベルのお芝居をされる方が、私はとても好きです。役を生きている感を真地さんからは受けました。

男役さんとしては、少し高めの声をされていますが、そこが逆に彼女の暖かな演技につながっているようにも思え、気になりませんでした。三枚目を演じられる際に力が逆に入って、声が返るようなことがこれまでにあったかと思いますが、今回は落ち着いたセリフ回しで、笑いも取っておられます。

探偵事務所のメンバーである陽向春輝さんが可愛く演じられたダドリーや、野々花ひまりさんがとてもお上手に演じられたコートニーとの関係性では、望海風斗さんのジムとの間であれば憧れ的な存在。一方、真地さんジムとの間では、親しみが増しているかのような、暖かな雰囲気があるのですね。これは真地さんのお人柄でもあるだろうし、若くて、人のいいぼんぼん育ちとして、ジムの人物像を造型されたのではないかと思います。

とても感心したのが、歌唱、明確なセリフに加えて、わざとらしくない笑いを取る演技。間合いがとてもいい方ですね。車椅子の操作に勢いをつけて、あらぬ方向に回る、回る。客席もくすくす、あははと、とても楽しかったのです。撃たれた後の手のぷるぷる、ミーティングで一旦座りかけたのを空中で止めて再び立ち上がる細かな演技。楽しかったです(^^)。

彩みちるさんがキュートに演じられたレイラとの関係性も、年の差があまりないカップル感が出ていました。

同じく長身でも、たとえば、宙組のまぁ様や真風さんのような長身美形でキザるのが絵になる方やフェロモンむんむんの方とは一味違う、あくまで二枚目でありながら暖かでお茶目で誠実な男役さん。拝見していて、予想以上の納得感がありました。
途中、「あ、この広い劇場を今、掌握されているな」といくつかの場面で感じました。真地さんご自身もそれをわかって、楽しんでおられたのではないでしょうか?伸び伸びとした勢いを感じます。今回が最後の新公でいらっしゃいましたが、ぐんとご成長されたと思って嬉しく拝見しました。

雪組のお芝居を支える陽性の暖かな魅力を持った二枚目も出来る長身の男役さんとして、ぜひとも今後の起用とご活躍を期待いたします。

(感想2に続きます) ←夜に書きますね!書きました、感想2、3はこちらです。よろしければどうぞ!