代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

宝塚宙組・王妃の館/VIVA! FESTA! 感想1 ほっこり心に灯がともる宙組コメディと至福のデュエダン

※検索でこの記事が出てしまうようですが、千秋楽ライブビューイングの感想はこちらです。よろしければどうぞ!

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皆さま、こんばんは。お元気でしたか?先週日曜日に観劇してきました宙組さんの宝塚版「王妃の館」とスーパー・レビュー「VIVA! FESTA!」の感想をお届けします! 

さぁ、行くわよぉーー! 

って、あれ?miyakoguさん。日曜日観劇で水曜日感想って、いつもと比べるとちょっと遅くね?と思われたそこのあなた!(=中学生娘)。

お察しのとおり、ちょっと、いや、かなーーり、うーん、めちゃくちゃ?忙しかったかなぁ・・。ええ(涙)。土日なんてね、観劇以外はずっーーとお仕事!

というわけでここらで休憩しませんとね。アラフィフだもの・・。明日も雪国に行くし・・。あ、宝塚雪組バウは土曜に行くよ(^^)。

じゃ、まずはお芝居感想からお届けします(^^)。

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 (3/4観劇の最新感想はこちらです、よろしければどうぞ!)

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(前楽の感想はこちらです。よろしければどうぞ!)

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1.ほっこりと心に暖かな灯がともる佳品

浅田次郎先生の原作小説「王妃の館」を読んでみたmiyakogu。ものすごく期待すると同時に心配もしておりました。登場人物が多い群像劇。一人々に人生のドラマがあり、爆笑あり、くすっとした笑いあり、少しお下品なギャグもあり、でも涙も愛も詰まっている・・。そういう原作だったからです。

宝塚の舞台は、宙組さんの見事な人物造型に爆笑し、原作を思い出しながら結構な涙、涙でした。ただ、観劇直後は「うーん、原作読んでいるとちょっと物足りないかな?」と正直、思いました。 ←ただし3/4観劇で、印象が相当変わりました。「秀作」だと思います。

しかし、日がたって振り返るにつれ、思い出されるのはいくつかのほっこりとした柔らかな心の交流のシーン。観終わった数日後まで、ほっこりと楽しい感覚がしばらく残る。そういう佳品ではなかったかと思います。

数日後にふっと思い出して、ほっこりと微笑んでしまうような。人生って、案外悪くないなと、空を見上げて笑ってしまうような・・。

原作の人物造型をベースに、田渕先生が中心になる人物を大胆に切り取られ、北白川とルイ、北白川と玲子の出会い、また、岩波先生と下田夫妻の再会がメインになってきています。

出会いと再会のその中で、変わっていく登場人物の物語を絞り込んで構築した新しい物語。そう考えると、とてもすっと入ってくる物語でした。

田渕先生がつくられた新しい物語の中で、傷を持った人々が出会い、心が触れ合う中で確実に変わっていく。人生の再生の場としてのパリ・ツアーとホテル。そのモチーフは確かに原作と共通しています。

私は田渕先生が書かれる歌詞が何気に好きです。おずおずと少し自信なさげに繊細に、でも素直に人生の居場所を探しているかのような歌詞が「ローマの休日」にもあったことを覚えています。

 

2.北白川右京とルイ14世、北白川と桜井玲子の触れ合う心

「王妃の館」の原作では作家・北白川右京がホテル「シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ」で老コンシェルジェから聴いた物語から、ルイ14世の隠された愛の物語を紡ぎ出します。

しかし、この宝塚の舞台化では、そこを北白川右京とルイ14世の魂の交流として描き、両者は直接対話をするのです(ルイはゴースト設定ですが)。これはなかなか大胆な設定変換であり、miyakogu、ほぅっと感心いたしました。確かに作家は、描いている人物と対話し、聞き出しているかのようなところがあるように思うからです。

 

・朝夏まなとさん

長い手足をくねくねっとされて、物語の天使がおりて「キター!!」と叫ぶシーン、爆笑しました。まぁ様の長い手足が大変効果的に使われております(^◇^)。おもしろ&かわいいなぁ、まぁ様は。

スランプのセレブ気取りの恋愛小説家・北白川は、うすうすわかっていたんだろうと思うのです。自分の心の深いところにしまってある本当の自分の物語。そこにしまいこんでしまった熱い思い、悲しみ、怒り、心の震え・・。それらを書くことでしか、殻を破って次のステージに行くことはできないと。

まぁ様とみりおんが二人で歌う「主人公のいない小説」。しみじみします。これ、おばちゃんな、30代後半独身時代に聴いたら、一人で大号泣したと思う、劇場で。

あのな、あるねん。そういう時期が。突っ走って何かを一定、成し遂げた。でも立ち止まる時期が来ていて、少し息切れしていて、振り返ってみるとどこか虚しい・・。そういう時!

働き女子の皆さま、まぁ様とみりおんのデュエット聴いてさぁ、おばちゃんと一緒にがんばろ!

まぁ様はこういうへらっとしている青年が、急に真摯な顔をするお役、はまりますし、その分ドキッとさせますよね。まぁ様がされるとリアルな切実感が出ます。

田渕先生は「相続人の肖像」もそうでしたが、実は脇の人物の方がどういうわけか極めて魅力的になることがあるのですね。(田渕先生の「サンクチュアリ」も、「ローマの休日」も劇場で観ました)

ただ、そこはさすがのまぁ様!ぐっと自分のものにされています。

 

・実咲凜音さん

私は「双頭の鷲」を拝見していないため、彼女の持ち味を十分わかっていない面があるかもしれませんが、とてもコメディ・センスがある方だと思うのです。「TOP HAT」、「メランコリック・ジゴロ」、方向性はそれぞれだけれど天然ぽいお役、いずれも最高でした。

今作品においては、旅行社の女性社長であり、まぁ様言うところの「しゃかりきツアーコンダクター」です。

わかるわぁ、しゃかりきになっちゃうのよねぇ・・。しみじみ・・。玲子さんも北白川と同じく、本当はわかってるのですね。こんな詐欺まがいのツアー、やったらだめだって。早い段階で見抜いたまぁ様北白川に、案外素直に「ごめんなさい」と謝る玲子さん。彼女は本当は誰かに頼りたかったんじゃなかったかなと、そう思いました。

一緒に秘密を共有する相手。しかもパリで・・・。

 

そんなもん、恋に発展するに決まってるやんかぁーーーーーー!(with エコー)

 

最後に手をズボンで拭いて差し出すまぁ様北白川、手を取るみりおん玲子さん。何なんでしょうね・・。

かわい過ぎるやんかぁーーーーーー!!(with エコー)

 

・真風涼帆さん

見事にお衣装を着こなす真風さん。ショウのあまりのかっこよさにくらくらしましたが、お芝居ではロングヘアーに豪華な王様としての佇まいです。

ルイはいらだっているのですね。秘密の思い人であるディアナの魂を探し続けているのに見つからないから。

しっかし、真風さんはすごいなぁ。ウバルドでは4500年さまよってたし、アルカードでは永遠に生きてるし。時空を超えてはるわ。やっぱり本当はさぁ、阿蘇山のカルデラ湖で見つかった謎のとても美しい生き物で劇団もそれを隠していると・・ぶつぶつぶつ・・(このブログで幾度となく繰り返しているので、以下、略)。

もうね、下手から煙とともにせり上がって登場して、また上手でせり下がったり、肖像画の前にすっと横からスライドで出てきたり。それだけで、なぜ笑えるのかしら?あんなにお美しいのに、どうしてまかちゃんはぷぷぷと、笑わせてくれはるのかしら?

大真面目なんだけど、どこか間が抜けていて、ちょっとお調子に乗ったり、ツアー客を引き連れるルイ14世さんです。いや、ゴーストなんですけどね(^^)。

かわいいわぁ!!ええ人なんやろうなぁ。皆の太陽である自分に誇りを持った王。

原作では彼の孤独が、ムノンとの交流、プティ・ルイとの再会と訣別の中でより強く感じ取れました。その物語を入れていたら2幕ものでも終わりそうにないので、今回、最後は北白川との友情とディアナ、プティ・ルイとの魂の再会として終わったのは良かったと思います。

あ、途中ね。まぁ様と二人でソファに座って、なんかわちゃわちゃしてたよ。何なんでしょうね、あのバディ感は・・。

ええわ!!

 

3.宙組の皆さまのくっきりとした人物造型に拍手

いやはや、お見事、お見事。今の宙組さんは充実していますよ~。思い切って人物を造型されていて、お一人お一人がくっきりと。物語がものすごく立体的に見えます。

 

・純矢ちとせさん

北白川右京に付き添うアラフォーの真面目そうな編集者。でもロマンスを求める純な心もお持ち。純矢さんが笑わせてくださること!「TOP HAT」のマッジも素晴らしかった。皆さま、せーこさんにどうぞご注目を。少しばかりかわいいロマンスも生まれそうかな(^^)。そのお相手、ピエールの和希そらさんもキュート!素敵な髪型がお似合いです。

 

・蒼羽りくさんと澄輝さやとさん

りくちゃんのゲイのクレヨン。お・み・ご・と!!

胸の谷間、美脚、高い背にハイヒールのクレヨン。可愛らしく話していても途中から男声に戻る(正確にはつくるか・・)とドスが効いていて。

さ・い・こーーーーー!!twitterで情報が一杯出てると思いますが、澄輝さやとさん演じる堅物警官の近藤とのある場面。劇場から自ずと拍手ですよ、拍手。いやほんとにねぇ。恋がかなうのですね(^^)。ぷぷぷ。

原作ではクレヨンは鋭い洞察力を持った賢い人物として描かれていて、クレヨンのセリフはいずれもものすごい説得力。その部分はちょっと減っているけれど、何気にツアーの中心にいるかのように感じる存在感と茶目っ気。最後にクレヨンにこたえてくれるあっきー近藤の男気。素晴らしかったです。

ぜひ観てね!!

 

・愛月ひかるさんと星風まどかさん

成金不動産王の金沢を演じる愛ちゃんとその恋人の人の良さげなまどかちゃんミチル。お芝居の素晴らしいアクセントになる金沢の鬘(かつら)ですねぇーーー。いやぁ、もってく、もってく。おおいに笑わせてもらいました。成金なのですが、気のいいカップルです。

原作の金沢はね。これは舞台には使われなかったので、少しだけ原作のネタバレしますと、どん底の時期に愛想尽かしされた別れた妻子がいます。その娘ちゃんがずっと金沢のポケベルにメッセージを入れ続けてくれている。それだけが唯一の交流です。

原作では、金沢のベガスのホテルの夢には、娘への秘めた思いがあります。宝塚の舞台では気のいい成功した大阪のあんちゃんが一山あてるで!という豪快なストーリーになっていて、それはそれで爽やか。ただ、私はこの金沢の原作のエピソードが好きなんですね。

原作の金沢は、ベガスのホテルで話題になれば、娘に「自分が今こうやって生きている」とニュースで伝わるかもしれないと、そう秘かに思っています。

ミチルにそのポケベルを見せたとき、ミチルは一緒に泣いてくれて、「日本に戻ったら何が何でも探し出そう」と言ってくれます。そこが舞台になかったのは、ほんのちょっぴり残念でした。でもいいか、鬘一つであれだけ笑いをとってはるからなぁーー。

 

・桜木みなとさん

玲子の別れた夫設定はありませんでした。気弱でめそめそしている憎めないツアーコンダクター。彼は嘘を押し通すような根性もないかわりに、人をだましきるようなずる賢さもありません。ネガ・ツアーのお客さんに早々に打ち明けてしまいます。

髪がはねてリュックしょったずんちゃんのまぁ、かわいいこと、かわいいこと!初観劇のお友達はずんちゃんに心惹かれておられましたねぇ。「かわいいですぅ」と。

拝見していて、「そうか、こうやって弱さをさらけ出した方が、むしろ人の心をすっとつかむのか・・」と感心するmiyakogu。強がりがちな自分を大いに反省でござりますわ・・(遠い目)。

 

・伶美うららさんと遥羽ららさん

舞台の奥でディアナという名前のとおり、時々出てきて遠くで輝く月のような美貌のうららちゃんです。遥羽ららさんは賢く美しいプティ・ルイにぴったりでした。

原作ではね、ついに迎えに来たルイと向き合い、自分はフランスの太陽にはならない、この広場の太陽になると宣言するプティ・ルイ、そして母子に心を寄せるまちのビストロ「マ・ブルゴーニュ」のオーナーシェフ・マイエのお話もあり、これもまた切ないのですが、それをやると4幕もの(?)になってしまうでしょうしね・・。

 

というわけで、私の感想もこのまま行くと、とんでもなく長くなりそうですので、いったんここまで。

ショウについてもまた書きますが、至福のデュダン、壮絶にかっこいい黒燕尾、迫力の「ソーラン・宙組!」。

どっこいしょどっこいしょーー!だということはお伝えいたします。

 

愛すべき佳品のお芝居と、迫力と至福のショウ。ぜひご観劇をお楽しみください。

デュエダンで、まぁ様の長い手が、みりおんさんを迎えに行き、「おいで」と横に大きく広げられ、優しく後ろから抱きしめる。

その様を観ているだけで天国のデュエダン。美しく幸せに満ちたショウのラストでした。あれはねぇ、ドリームやね、ドリーム!!

美容と健康に必ず効くと思われます。まぁ様の理想の彼氏、ぜひご観劇ください。

 ショウの感想も書きました。よろしければどうぞ!

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原作の感想はこちらです。よろしければどうぞ(^^)。

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