代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

宙組・王妃の館 新人公演感想 歌上手さん勢ぞろいの新公、留依蒔世さんの見事な主演です

皆さま、こんにちは。宙組さん「王妃の館」新人公演を観劇してまいりましたので、感想をお届けしますよ!

さぁーー、いくわよーー!!

って、あれ?miyakoguさん、ただいま超絶忙しいんじゃなかったっけ? ええとまぁ、何つーの、別口ですよ、別口(「バレンシアの熱い花」でドンファン・カルデロが言うセリフでお願いします)

何のために日曜働いてるって、すべてこのためですんで(^^)。 

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1.留依蒔世さんの北白川右京

ええ声でした。歌上手さんの留依さん。本領発揮です。お見事、お見事!

最初、少し緊張されているかなと思ったのですが、「きたきたきたーー!」の場面で爆笑を取られてからはぐんと乗っていかれて、歌われるたびに劇場を掌握している自信をもたれたのではないでしょうか?

感心いたしましたのが、感情表現でした。北白川右京が、自分自身ではのぞきこみたくなかった心の淵をのぞきこむかのような歌。「空っぽの心」と歌い始めるところ、まぁ様はぐっと世界を創ってこられますが、瑠依さんの歌唱も見事で驚かされました。

彼女の声は耳にとても心地良い低音で、高音が伸びやかなまぁ様とは少し違う魅力をお持ちです。

今回の新人公演で、さすがに一番、自分らしい役を創ってこられたと拝見しました。本役さんに学びつつ、留依さんの北白川でした。お見事、お見事!

最後のご挨拶も立派でしたが、少し声が震えておられた場面も。初主演、無事に終えられて、おめでとうございました。

 

2.瑠風輝さん

さすがに新人公演主演を務めてこられただけのことはあります。最初から一番思い切った演技を出されてきて、本日、一番の笑いをかっさらっていかれたのではないでしょうか?(^^)

北白川に最後に「ずれてる」と指摘を受けて、「にぃちゃん、最後までありがとうな~」と去っていく場面、思わず客席から拍手です。

というか、瑠風さんが出てこられると、観客席がそれだけでくすくすし始めるのですね。笑いは瑠風さんが持っていかれましたヨ!(^^)

 

3.遥羽ららさん

かわいいなぁ。外国製のお人形さんみたいなお顔立ちです。声がお綺麗なんですよね。彼女は。抜群に歌上手ではないかもしれないのですが、すっとこちらの心に届く歌唱。私はとても好きです。

本役の実咲さんは、文字通り「シャカリキ・ツアー・ガイド」として、肩に力が入っていて、同時に少し頼りなげなところもあるのですが、遥羽ららさんは窮するあまりこんなツアーを考えてしまったんだろうなぁという頼りなさがありました。ツアー会社の社長にしてはちょっとかわい過ぎたかな。ふふふ。

でもなぁ、アラフィフのおばちゃんががしがし商売してても、話にならへんしなぁ・・。おばちゃん、演技指導で何か役に立つかしら? ←話が腹黒くなりそうなので、自粛してください、miyakoguさん?

 

4.歌上手さん勢揃いです

ええわ、宙組さん下級生さん!!歌上手な方、勢ぞろいです。

 

・鷹翔千空さんのルイ、水香依千さんのムノン

鷹翔さんはルイ14世です。なかなか気品がある王らしい佇まいに加えて、歌が始まるとぐっと存在感が増します。ルイ14世が持っている哀しさや孤独が立っておられるだけで伝わってくるような鷹翔さん。これはもう彼女の資質なのかな。

ただし、本役の真風さんの間が絶品なんですねぇ。新公を観て改めて思いました。真風さんって、出てくるだけで面白いんですよ。あの人。何なんだろう?

ムノンは水香依千さん。水香さんも飄々となかなかお上手でいい味を出しておられます。

ただ、こちらも本役の松風さんが上手すぎて、これはどうしようもないですね。ルイと北白川が踊っているところに急にムノンが出てくる場面がありますが、あそこのムノンの「ちょこちょこ、ずん!」という感じの出方が、松風さんは絶品です。

コメディって難しいわぁ。

 

・穂稀せりさんの岩波先生

お上手でした。よく通る声で、この難しい役をこなしておられて、天晴れです。いい声なんですね、穂稀さんは。

 

・秋奈るいさんと天瀬はつひさんの下田夫妻

秋奈るいさんは若さは隠しきれないものの、なかなかしっとりと。天瀬はつひさんがめちゃくちゃ演技がお上手で驚きました!本日の「この人、誰だろう?」さんその1です。表情も声も素敵です。これから注目いたしますね。

 

・小春乃さよさんの早見リツ子

瑠風さんに続く「笑いをとってましたさん」その2です。酔っ払い演技はなかなか。

北白川先生が「きたきたきたーーー!!」となる場面、片方の手をまっすぐ下にもう片方をまっすぐ頭の上に持っていかれたのですが、「早見君、ペンと紙を」と言われて、上下それぞれに渡されて、客席も爆笑です。ここは本日のアイスブレイク・ポイントだったのではないかと。楽しかった(^^)。

 

・優希しおんさんの近藤、愛海ひかるさんのクレヨン

優希さんはいかにも警官らしい風情。本役のあっきーさんが「いや、あなた、そんな警官おったら、交番連日人だかりよ?」という美形さんなので、無骨そうな役作りにされたのかな?クレヨンさんとの小芝居にいろいろ工夫が感じられ、好感大ですね。

愛海ひかるさんのクレヨンは、可愛い女子でした(^^)。美脚に美貌で、ちょっと美しく可愛らしすぎたかなぁ。最後のキス場面は、脚をがしっと開いて、「んぅーーーっぱ」という感じでニューハーフさんぽさがようやく出ていて良かったですよ。

お二人の小芝居や、愛海ひかるさんの身振り等、がんばって工夫をされているのが、とてもよく伝わりました(^^)。

ただ、これはなぁ。本役のあっきーさんとりくちゃんがものすごいカップルぶりを発揮しておられるので、なかなか及びません。特にりくちゃんのクレヨンは、このお芝居の結構な鍵。笑いは、金沢のかつらと、このカップルにかかっているのですよね。

りくちゃんがノリノリだからなぁ。りくさんはもっとくねくねしていて、がしっと脚を開いていて、声が急に低くドスが効くんですよね。下級生さんには難しいかもですが、がんばれ!

 

・潤奈すばるさんと雪乃かさりさんの丹野夫妻

潤奈すばるさんはめっちゃイケメン!かっこよかったです。この夫妻は、なかなか良いアクセントになっていました。カバンを盗み出そうとして見つかって、でも抵抗しようとする潤奈さんのパントマイムのような動きが、とても楽しかった。

 

・星風まどかさんのディアナ

さすがに存在感がありますねぇ。彼女の大人の女性としての声が私は好きなんですよ。少女っぽい容姿でいらっしゃるのに不思議なんですが。

鷹翔さんとのカップルは、愛らしい一対のお人形さんのようで、本役さんのゴージャスカップルとはまた違った魅力がありました。

 

・華妃まいあさんのミチル

ええ子なんやろうなぁというのがすっと伝わってくるミチルさんです。原作のミチルはなかなかの苦労人なんですが、華妃まいあさんのミチルは金沢のことが好きでついてきた可愛らしさを感じました。もう少し、はじけても良かったかなぁ。原作は少しお下品で派手派手なんですね。

 

・希峰かなたさんの戸川、真名瀬みらさんのピエール

お二人とも可愛かったし、お上手でした。ずんちゃんの戸川がはまっているだけに難しかったと思いますが、顔芸で希峰さんらしさを出されていたと思います。真名瀬さんのピエールが、すっとしてかっこよかった!金髪がよくお似合いです。

 

・朝比奈蒼さんのデュラン

鹿児島の飛行機での出会いから注目している朝比奈さんです。デュランとして、ホテル従業員の真ん中に立っておられて、生き生きとした表情。おおーーー。セリフも明確で、通る声をされていて、おおおーーーー!です。本役の美月さんが色っぽい支配人ですが、朝比奈さんは人の良さそうな元気の良さそうな支配人でした。

 

・本日最大の「この人、誰だろう?」さんその2だった若翔りつさん

カンカンの歌手の若翔りつさんが、本日最大の「この人、誰だろう?」さんでした。はつらつとした歌声、声量があり、姿勢が良く、出てこられたときにぴかっと光っておられました。カンカンの場を盛り上げておられます。ふぅむ、99期生さんなのか。身長174センチか、なるほど。おばちゃん、覚えるわな!

 

というわけで、皆さま、歌がお上手やわ!! 感心、感心。

ただし。コメディは難しいですね、やっぱり。痛感しました。

まぁ様と真風さんの絶妙の間、みりおんさんのしゃかりきツアーガイド、純矢ちとせさんの軽みのあるオールドミス演技、あっきーさんとりくさんの絶妙なカップル感。これらと比べるのは酷ですね。

実は脚本で途中、「ん?ちょっと間が持ちにくいかな?」という場面があるのですが、そこをぐぐぐっと持っていくまぁ様のお力はさすがです。

そういう結論となった新人公演でした。皆さま、お疲れ様。東京ではさらにがんばって、くっきりと個性を出されますように。おばちゃんな、書き上げたから、もう寝るわね!!