皆さま、こんばんは。本日は宝塚大劇場にて初日開けて2回の「神々の土地~ロマノフたちの黄昏~/クラシカル・ビジュー」を観劇してきましたので、まずはお芝居感想をレポしますね!
ネタバレの肝心なところはぼかします。しかし、この物語の世界に初見ですっと入り込むには、舞台設定をおおまかにつかんでいただくことが必要だろうと思いますので、そのあたりをまず書いてから、感想を書きますね。少しネタバレしていますので、お嫌な方はお読みにならないでください。
1.舞台設定と人物相関
※よくお分かりの方はとばしてください。
本日は中学生娘、ヅカ仲間と一緒に観劇いたしました。昨夜と大劇場に向かうまでの間、人物相関図をよくよく読み込んで名前を覚えるmiyakogu&娘。
皆さまはロシア文学をはじめ、米英以外の海外文学を読んだ時、何度も最初の登場人物の名前を確認したことがありませんか?名前が覚えられないのですね、海外もので特に耳慣れない名前は。
公式サイトの人物相関図はこちらのサイトの「人物相関図」をクリックしてください。
公演解説 | 宙組公演 『神々の土地』『クラシカル ビジュー』 | 宝塚歌劇公式ホームページ
・ニコライ二世と皇后アレクサンドラ、オリガ、皇太后マリア
ロシアの皇帝(ツァーリ)であるニコライ二世(松風輝さん)は、ドイツ出身のアレクサンドラ(凜城きらさん)に一目ぼれし、母親である皇太后マリア(寿つかささん)の反対を押し切って結婚。皇女オリガ(星風まどかさん)を筆頭に3人の子どもがいます。ニコライ二世は穏やかな口調、宮廷を「我が家」と呼び、幸せそうなのですが、アレクサンドラは神経質そうで不安定な表情。彼女はロシア国民から不人気です。
皇太后マリアとニコライ一家は不仲であり、皇太后マリアが住むガッチナ宮殿(エルミタージュ宮殿とも言っていたような気がするのですが)とは違う宮殿に住んでいます。それが、「ツァールスコエ・セロー」(夏の住まいとして人気があった場所)。ニコライ一家は皇太后マリアの宮殿には寄り付きません。
※パンフレットの流れをみると、本来の王宮が冬宮(エルミタージュ宮殿)、ニコライ一家が住む離宮がツァールスコエ・セロー、マリア皇太后の住む宮殿がガッチナ宮殿のようですね。
皇太后マリアのもとには、ニコライ二世の妹(美風舞良さん)、軍の将軍、警察部長官、ロマノフ家を上回る程の資産を有する大貴族・ユスポフ家のジナイーダ・ユスポフ(純矢ちとせさん、真風さん演じるフェリックスの母)が集まっていて、彼らはラスプーチン(愛月ひかるさん)と、ラスプーチンに操られているように見えるニコライ二世一家、中でもアレクサンドラのことをよく思っていないのです。
・ドミトリーとイリナ
イリナ(伶美うららさん、ドイツ語名ではイレーネ)は年の離れたセルゲイ大公のもとにドイツから嫁いできましたが、直後にセルゲイ大公は皇帝をテロから身を挺して守って死亡しています。
イリナはアレクサンドラの妹という設定(オリガには叔母)。美貌の未亡人であり社交界の名花。しかし、彼女は凜とした皇族の一員らしい誇りや国を思う気持ちが姉以上にあるようで、男達をあしらい、再婚はしていません。
朝夏まなとさんが演じるドミトリー(朝夏まなとさん)は、ニコライ二世の従兄弟であり、セルゲイ大公の甥。彼の姓は「ロマノフ」であり皇族の一員という立場です。両親が亡き後(という設定)、モスクワ郊外にあるセルゲイ大公邸で育ちます。美しい年齢が近いであろう未亡人のイリナとの暮らし。そこには相当若き頃から恋があったであろうと、推測できます。※セルゲイ大公妃の設定は、名前、年齢ともに史実とは異なります。
朝夏ドミトリーの恐ろしく長い脚に美しい軍服姿。あ、これも舞台設定ですか?! ←落ち着いて、miyakoguさん。
ドミトリーはしかし、近衛騎兵として首都・ペトログラードにあるニコライ二世の宮殿に移ります。彼は皇族のメンバーですので、宮殿内に住むことになり、イリナとドミトリーは離れてしまいます。
・フェリックス・ユスポフ
真風涼帆さんが演じるフェリックスは、反ニコライ二世側の一員であり、ニコライ二世の妹(皇太后マリアの娘)の子どもである公女アリーナ(彩花まりさん)と婚約しています。彼は大貴族の一員であり、資産を持った人間として文化を担うことが自分達の役割だと考えています。軍服ではなく常にスーツ。
恐ろしく長い脚に美しいスーツ姿。あ、これも舞台設定ですか?! ←再び、落ち着いて、miyakoguさん。
おおむね、これくらいご理解いただければ、後は物語に入っていけるかと思います。特にオリガにとっておばあ様にあたる皇太后マリアとニコライ二世の妃、アレクサンドラとの不仲、彼らが別々の宮殿に住んでいることは押さえておいていただきたいところです。初見で迷子になると、危うく眠くなる方もおられると思います。静かな舞台に情熱が流れている。そういうタイプのお芝居です。
その後、9/16,17と観劇して、「静かな熱を秘めたお芝居」→「熱を発し始めたお芝居」へと感想が変わりました。完成されていっています。熱演、宙組!
2.美しき未亡人・イリナへのドミトリーの恋
あのね・・。これはもうしょうがないわ!!
イリナの伶美うららさんが、もうとんでもなく美しいのです。特にあの白い背中・・!少し緑の入った水色のドレスからのぞく白い背中、そこにはきらきらとアクセサリーが輝きます。オペラでがん見です。
水色で縁に白色の毛皮のついたケープをまとい、雪の中を送別のパーティを抜け出したドミトリーを探しに来るうららさん。雪原を背景に佇む美貌の人。
あかんわ、こりゃ!!そんなもん、ハンサムで有能な朝夏さんドミトリーが生涯の恋をしてしまうのも、しょうがないわ!
一方、軍服を身にまとい、髪を少したらしてすっと立つ朝夏ドミトリー。彼は両親を亡くした後、身を寄せたセルゲイ大公邸でイリナに吸い寄せられるように愛したであろうことが容易に想像できます。二人はおそらく、ほんの少しイリナが年上くらいであろうと想われる年齢のよう。何にでも優れたドミトリーと美貌の未亡人。
そんなもん、恋が生まれるに決まってやるんか!!
二人は雪原を背景に、踊るのです。
ケープ、コートを脱ぎ捨て、踊るお二人。なんて美しい・・。雪をいたずらっ子のようにかけあう二人。なんて素敵。二人の間に流れるお互いへの信頼、想いが見えるような美しい場面でした。
真風さんフェリックスのママ(ママ呼びですよ!)であるジナイーダ(純矢ちとせさん)は何くれとなくイリナに注目し、気にかけています。ジナイーダは繰り返し、「美しいものを見ることには価値がある」と言います。それは、イリナのことなのですね。
うん。わかる!!というか、それこそ、宝塚ファンの真の思いではないのかと私などは思うわけです。
3.舞踏会で踊る二人を見るオリガ
イリナは、ロマノフ王朝の一員として国のためになすべきことをという彼女の信念に従い、前線で従軍看護婦として働くことになります。しかし、ジナイーダの小粋な嘘により、皇太后マリアの宮殿で開かれる華やかな舞踏会に、彼女は呼び戻され、華やかに美しく着飾らされ、舞踏会に現れます。
その舞踏会には、ドミトリーに初々しい恋をした皇女オリガ(星風まどかさん)が、今まで寄り付かなかったおばあ様の宮殿に、思い切ってやってきています。驚く皇太后マリアですが、オリガは踊ったことのないダンスをドミトリーとともに踊ります。
ここはねぇ、オリガの初々しい恋に泣けるんですってば。オリガのまどかさんはとても良かった!
稽古場映像でも出ていましたが、オリガがよろめき、イリナにぶつかることで、ドミトリーとイリナは再会・・。驚きつつ、お互いの思いを隠しきれない二人は踊ります。華やさ抜群のエレガントな美男美女。オリガはその二人を見ているのですね・・。
4.真風フェリックス→ドミトリーの静かな萌え
フェリックス→ドミトリーのあからさまな同性への思いは描かれていません。
しかーーーし!!妄想の余地はあちこちにある!!! ←すぐに見つける
舞踏会で踊る二人を見た真風フェリックスはいらだちを隠せない・・。フェリックスは劇冒頭で、かつてイリナに思いを寄せていたことがわかるセリフがあるのですが、舞踏会で踊る二人を見たとき、ママのジナイーダに「嫉妬した?」と聞かれて、「どっちに?」と返します。
きゃーーーー!!!(≧∇≦)
隣に座る中学生娘が肘でぐいぐい押してきます(=無言の萌え)。
その前にも、「舞踏会で会おう」とドミトリーに耳打ちする場面、フェリックスはドミトリーの手をさりげなく握るのです・・・。
きゃーーーー!!!(≧∇≦)
隣に座る中学生娘を肘でぐいぐい押すmiyakoguです。
また、皇女オリガと朝夏ドミトリーが婚約しそうになるとき、真風フェリックスはイリナに「(ドミトリーが)オリガと結婚してもいいのか?」と詰め寄ります。いや、その勢い、あんたもでしょうが?!おばちゃんに、はっきり聞かせて!!
物語の終盤、真風フェリックスが車で朝夏ドミトリーを迎えに来た際には、ドミトリーを連れて一緒に亡命しようとします。「ママが手はずを整えている」と。
プロポーズですかっての!!!
亡命を断られた真風フェリックスは、イリナとともにいるドミトリーの満ち足りた様子をみて、「車で待つ!!」と言い捨てて去っていきます。←真風さん、単なるお邪魔虫ですよ・・・。
あれ?ちょっと待って。あくまで、美しい感想を書こうとしていたのに、途中から何だか違う方向にいってますよ??でも、いい!!このまま書きますわ!(感想2に続く)
※クラシカルビジュー黒燕尾の感想は、よろしければ、こちらをどうぞ。