皆さま、こんばんは。本日14時半の月組バウホール公演「アルカディア」観劇の感想3です。
4.とても良かったオープニング
ストーリーテラーの風間柚乃さんにスポットライトがあたり物語が始まってすぐの場面。お話の舞台になる「Arkadia」のアルファベットが高さをもって配置されたところに登場人物が立ち歌い、これから始まる物語にぞくぞくっと素敵な予感がしました。
期待大なところに、コケティッシュに美園さくらさんが見事に歌い、盛り上がります。美しく踊るありちゃん。お見事、お見事!これはすごいことになりそう!と期待いたしました。
5.2幕であらら・・?でしたが、若さで突破
1幕が終わり、これはすごいぞと期待した2幕途中から、あらら・・?
いたしかたない事情のあった育児放棄かな?と思わせる内容、幼いありちゃんミネットの家出、母親と息子の確執、実の父との邂逅、知らなかった妹との出会い。
個々のエピソードはわーー、これは感動どころに?!と思わせる芽があちこちにあり、期待が高まり、皆さまの場面場面の演技もお見事で、うわ、これはどうなるの?名作か!と思わせておいて、まさかの時間切れでした。
いや、意気込みも伏線も良かったと思います、樫畑先生。ありちゃんのあのダンスが観られただけでもう素晴らしい公演でした。本当に。私、多分、もう一回何とかチケットをと考えておりますし、期末テストが終わり時間に余裕がある娘のためにも「観た方がいい。とにかくありちゃんのダンスがすごいから」と先ほど、チケットお譲りお願いのご連絡をしたところです(定価以下のみのサイトでね!)。
それくらい、ダンス好きの方には自信を持ってお勧めいたします。
ただ、美園さんダリアがクラブ・アルカディアを去る場面のショーが息切れだったかな・・。あそこ、期待したんですよ、私。
月組さん「Puck」へのオマージュのような場面設定、輝く月のオブジェを持って踊る妖精達。完璧でした、舞台設定は。途中の歌も良かったのになぁ、ちょっぴり残念なりですね。でも、それも良しかなと思わせるものがあった舞台だったと思います。若さのパワーかな。
あら・・?と思っている観客を受け止めてくれるのが風間柚乃さんの探偵。「少々、釈然としない思いを・・」と語る風間さん。ほんまにやで!と心で突っ込む観客。
そしてラスト、楽屋口でまさかの出待ちをする暁千星さんの姿、出会えた若い二人に「うんうん、良かったね、あんたら!幸せになるんやで、離れたらあかんで!」と涙ぐむおばちゃんです。
若いってええわーー!すべてちゃらよ、すべて。
もうね、ええねん、少々の疑問も不満もふっとばす力。若いってすごいわ!おばちゃん、なんか納得したわ。日当たりのいい部屋で拾ってきたありちゃんと一緒に住み、いろいろなことが動き出すドリーム!働き女子の夢よ、これ!😆
6.暁千星さんの不完全さの魅力
暁千星さんはバレエを長らくされて、ダンスがもともと素晴らしいレベルにある方ですよね。今公演、素晴らしいダンスを見せてくださいました。正確でエレガントなダンスに、新たにこの年代ならではの鮮烈な色気にダイナミックさも加わり、歌唱力もぐんぐん伸びておられる過程におられると拝見しました。
月組さんを頻繁に観るようになった最初の頃、お若い故にセリフが甘いかなぁと観ておりましたが、今公演、そこは気にならなくなってきました。
ダンス以外で一番驚いたのは、ありちゃんの歌唱での感情表現です。バウホールの大きさだからということもあるとは思いますが、細く静かに歌いながらも切ない感情を乗せて客席に届ける歌唱。素晴らしいお力をつけてこられていると、本当に期待いたします。ブラボーですよ、ありちゃん。
このように変わっていかれる姿を見せてくださることこそ、やはり宝塚を観る喜びなのでしょう。「完全でないからこそ見える魅力」があるのだと、改めて思いました。
今、暁さんは完璧な男役を目指して、日々、いろいろな挑戦をされていると思います。ダンス、歌、スタイル、容姿、髪型。これから完成への追求がさらに楽しみな方です。
ただ、何か突出した魅力をお持ちの方が、一方で何か欠落している部分をお持ちの時、観る人は一層、その欠落ゆえにその人を愛するものだと私は思います。ありちゃんは理想の男役を目指す過程の真っ只中におられる方ですが、人はなぜか不完全さを愛するものだと、知っておいていただければと思いました。
暁千星さん。今のあなたは、あなたのままで十分に美しく、力がある。その不完全さはむしろ魅力です。ありちゃんは、ありのままで美しい。(注 これが言いたかったのでは?miyakoguさん)
その上で、どうぞ、これからも成長を見せてくださいね。
暁千星さんのエレガントでダイナミックな美しいダンス。皆さまも、もしチケットがあればぜひどうぞ、ご観劇ください。