代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。朝夏まなとさんご卒業によるロス真っ只中。しばらくはtwitterにて(@miyakogu5)

月組・グランドホテル 初日感想 晴れやかな珠城りょうさんのお披露目、美しい背中の色気と圧巻のリフト

皆さま、こんばんは。わずか研9でトップスターに就任された珠城りょうさんの宝塚大劇場お披露目公演、月組さんの「グランド・ホテル/カルーセル輪舞曲」を観劇してまいりました。ただいま、旦那はん実家に移動中の電車から、感想その1をまずはお送りいたします。

本日は原作の演出家・振付・今公演の特別監修でいらしゃいます長身でとてもダンディなトミー・チューンさん、宝塚歌劇団初演でオットーとフラムシェンを演じられた涼風真世さんと麻乃佳世さんがご観劇。終演後に紹介を受けられて客席から拍手、拍手でした。

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 1.初日から素晴らしい仕上がり 端整な月組ミュージカル

月組さんはいつも、非常に端整な仕上がりを見せられる組だと感心しておりましたが、今公演においても遺憾なくその実力を発揮されています。

プロローグで「グランド・ホテル」のコーラスとともに始まる舞台。升目を描く床の模様の上で、一コマ一コマ寸分の狂いなくという演出家の指示のもととうかがいますが、きびきびと動いていく演者の皆さま。

主要なお役の方の登場に続き、地階の労働者達が登場した場面で、「あ、これは素晴らしい公演に仕上がっている」となぜか確信しました。

舞台の良し悪しは、こういう細部の出来上がりで異なってくると思うからです。私がいつも月組さんの舞台に感心するのはそういうところではないかと思います。

 

総論を申し上げると、素晴らしい舞台でした。圧倒的な原作の力に感嘆いたしました。

うちの中学生娘が気づいたのですが、一つも盆もセリも使わず、ただ椅子とドアの配置換えだけで進んでいく舞台。何だかすごいものを見た!とわかるのですが、それは舞台機構を使ったものではないという点からも、この舞台の完成度の高さが伺えるかと思います。

ブロードウェイらしい、それぞれの人生にそれぞれの物語があり哀歓があり、それぞれが主役の舞台があるのだと伝わってくる。そういう物語だと私は思います。

原作の強さが月組さんの持つ実力を引き出し、さらに高めていることがすっと伝わってきました。失礼をお許しいただきたいのですが、こんなに皆さま、歌えたっけ、こんなに踊れたんだ!という驚きに満ちたミュージカルでした。

ただ、幕間に耳にしたのですが、途中で物語がわからない場面があったというお声もありました。大きな骨格のある物語のうねりというより、主要な役の群像がそれぞれのラストに向かっていく、複雑に絡み合い、ホテルからのチェックアウトによってまた離れていく。そういう物語であるため、好みはあると思います。

私はこういうミュージカルが好きなんですね。音楽、コーラス、ダンス。歌付きの演劇ではなく、優れたミュージカルだなと思わせる力のある作品。ぜひご観劇ください。

月組の皆さまの初日から本当に素晴らしいできあがりに感服いたしました。高いハードルを与えられても、そこを何とか越え、私達の予想を上回るものを見せてくださるジェンヌさんの力。よくぞここまでと、途中から「日本の若い女性の力は素晴らしい」。そこまで思いを馳せたmiyakoguです。

 

2.素晴らしい背中、珠城りょうさん

珠ちゃんはねぇ・・。背中役者ですよ、あの方。

研9とは思えないあの背中。確か、フラムシェンと踊る場面だと思いますが、青い三つ揃えのスーツで出てこられる場面、珠ちゃんの背中がよく見えるのですが、本当に女性ですか?という美しい背中のスーツ姿です。

それからな、おばちゃん、一つ聞きたいことがある!(注 ばん!と立ち上がりたいが、移動の電車の中なので控え目にね)

あのさぁ、誰?!珠ちゃんに右側はすっきり撫で付けて、左側だけウェーブのかかった前髪を垂らす髪型を薦めた方は?!

本当にありがとうございます(感涙)。もともと美形な珠ちゃんですが、そこに「小粋さ」や「洒脱さ」「ジゴロ一歩手前の洒落者」感を加えておられるように思う髪型。とてもよくお似合いです。パンフの表紙の目力も半端なく、若きトップの勢いを感じました。

珠城りょうさんの男爵は、自分の情けない面もよくわかっている、そして人々に自動的に優しい、けれど流されやすく悪事にも手を染めつつある、同時に誇りを残している。そういう複雑な人格です。

そこを、誇り高い表情、自分がチャーミングだと知ってるきざな身のこなし、目線、片方だけ上げた口元、タバコを吸う身振り、斜めのハットから覗く目、マントの後姿によって非常にうまく発揮されていたと思います。

珠ちゃんの若さがいい意味で、役にプラスに働いている印象を受けました。落ち着き払った男爵だと、逆に本当の悪党に見えるでしょうから。

切なかったのは、随分年上のグルーシンスカヤとまさかの恋に落ち、彼女にウィーンに一緒に来て欲しいといわれる場面。お金が必要なのに行けそうにない・・。

彼はオットーを送り届けたとき、オットーが落としたサイフを隠しているのですが、結局、「預かってくれと言われたから」と出してしまう。そこに悪になりきれない男爵の弱さが出ています。

ホテルの従業員や女性たちの前では自信満々のバロンなのに、彼は自分を信頼してくれる相手の前では、誠実になってしまうのですね。それは自身が本来持っている誠実さであり、いかなる手段をとってもお金を稼ぐ場合には欠点でもあります。

そういう微妙に揺れ動く青年男爵としてのあり方を、珠城りょうさんは自信満々の表情に翳りが出るような視線が動くさまの中で表現されていました。

歌唱は少しばかり声が割れたようになる面があり、やや不安定な場面もあったのですが、ダンスは圧巻。(ただ、珠ちゃんはどんどん歌が良くなっていく方なので、心配はしていません)

美弥るりかさんと踊られたチャールストンのチャーミングさはもちろんのこと、愛希れいかさんと二人で踊られた場面での恐るべきリフト。ちゃぴさんの身体能力が高いのもあるのですが、本当に素晴らしかった。ぜひ、あのリフトを劇場でご覧ください。

 (リフトがある「死のボレロ」の意味について、2回目の観劇後、真剣に考えました。よろしければどうぞ!)

mothercoenote.hatenablog.com

ご挨拶では、「すべてのお客様に全身で愛を届けたい」とおっしゃった珠城りょうさん。ううう、ありがとう。あなたの公演に座っていれば、愛を感じさせてもらえるんやね?

おばちゃんな、通うわ!!

(ショウの珠城りょうさんの黒燕尾の表情について書きました。よろしけれは、こちらをご覧下さいね)

mothercoenote.hatenablog.com