代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

宙組カジノロワイヤル 原作を読んでみた 真風ボンドさんの賭け金おいくら万円?

真風さんファンの皆様、こんばんは。

大劇場公演もほぼ終盤・・。日々、どうすんの、これ?状態ですが、皆様、大丈夫?

ま、大丈夫じゃないわよね・・。私、千秋楽まで走り切るために鰻丼で栄養つけておきました・・。

さて、真風さんに関する活字情報を網羅したいmiyakogu、イアン・フレミング氏の原作を読んでみたわけです。鰻を食べつつ。映画は何だか拷問シーンが怖いって聞いたのでちょっと回避。

 

1.原作の基本枠組みはロマノフ以外は宝塚も同じ

なるほど、映画や原作を既にご存知の方はお分かりのとおり、ロマノフ関係を除くと登場人物の基本枠組みは同じです。

フランスにいるソ連スパイのル・シッフルが資金を遣いこむ。それをカジノで当てて補填しようとする。そこで、MI6がカジノでル・シッフルを叩きのめして資金源を断つ作戦を立て、ジェームズ・ボンドが派遣される。フランス情報局のルネ・マティス、CIAのフェリックス・ライターがそこに協力。MI6からボンドのサポート役としてヴェスパー・リンドが派遣されてきているが、ヴェスパーは実は・・というバッド・エンド。

ヴェスパーのところが大きく違いますね。

ただ、カジノ対決の場面はおおむね原作どおりで、大変興味深く読みました。

一度、ル・シッフルが勝ち、ボンドは無一文に。でも、CIAのフェリックス・ライターが現れて資金を提供、再度の大勝負でボンドが勝つ。

原作ではル·シッフルは賭け金を取り戻すべく、ヴェスパーをさらい、追いかけてくるであろうボンドを誘い込み、拠点にしている借別荘で拷問します。しかし、ル・シッフルを追っていたスメルシュが来て、ル・シッフルにとどめを刺します。

宝塚版はロマノフやミシェル、アナベル等を盛り込んで、コミカルでロマンチックでゴージャスなエンタメになっています。原作はもっとクールな感じでした。

ル・シッフルの用心棒2人も同じですが、宝塚版はコミカルにがんばっててすごいよね。真名瀬みらさんと嵐之真さん、楽しいです。

 

2.おいくら万円?

さて、カジノ・ロワイヤルでの大勝負。いったいいくらだったのか?読んでいてだんだん気になってきました。なので、調べてみました。ご報告しますね。

え?miyakoguさん、何してるのって?

そんなもん、現実逃避に決まってるでしょうがーーー!(with エコー)

私の場合、大劇場残るは後3回なんですよ・・・。東京は1回だけ行くけどさ。

(以下、ネタバレがあるから、嫌な人は読まないでね)

 

さて、バカラ。ご存知の方もおられると思いますが、私はあまりよく知らなかったので、原作でおさらいです。バカラは2枚のカードを引いて9に近い方が勝ち。絵札は得点ゼロです。最初の2枚を見て、もう一枚さらに引くことも可能。胴元側が「バンカー」で賭け金額を決められます。なので、バンカーが賭け金額をどんどん上げていくと、「プレイヤー」側は降りる人が出てきて、最後に一騎打ちという事もあり得るわけですね。

原作pp98-100でボンド様が解説してくれています。(脳内は真風さんボイスで再生)

で、肝心のレートなんですが、原作p99でボンドちゃんが言ってるわけ。50万フランが今のイギリスの相場だと500ポンドくらいだと。

へぇぇぇ。

で、ボンドちゃんが負けた勝負の賭け金は800万フラン。ル・シッフルのカードは得点9、ボンドちゃんは得点4で、「敗北に凍り付いて、身じろぎもせずに座っていた。」となる訳です。

ここまでで1,200万フラン負けてて無一文のボンドちゃん。

しかし!ここでCIAのしどりゅーちゃん(柴藤りゅうさん)のフェリックス・ライターですよ。かっけーー。原作では札束が届けられ、以下の手紙がついてます。(p125)

「マーシャル復興援助資金だ。三千二百万フラン。アメリカ合衆国からの贈り物

ほぅぅ。しどりゅーちゃん、お金持ち!

で、どうやらまだ資金が必要そうなル・シッフル(遣い込み推定5000万フラン)は、賭け金額を3200万フランに跳ね上げ、そこに唯一、応じるのが真風ボンド様。スリリングやん?

真風ボンドちゃんは、最初クィーンの絵札が2枚出てゼロ点。ちょーまずい展開です。 ル・シッフルが8点を出して、ほぼ勝ちと皆が思ったところ、次の1枚を引いたボンド様がまさかの9を出し大勝します。ひゃー、クールな展開ですわ。

原作ではもう一回賭けがあり、最後の賭け金は1000万フラン。これも綺麗にボンドが勝ちます。

真風ボンドちゃんが手にした金額は他も含めて7000万フランちょい。このうち、3200万フランはフェリックスに返すんですね。で、残ったおよそ4000万フランの小切手をホテルの思いがけないところに隠すんです。床下じゃないんだけど(笑)。ここは原作を読んで確認ください。

その小切手を探して、ル・シッフル一味がやってくるわけ。

なーるほどねぇ。

 

でも、実際のところ、おいくら万円 なのかしら??

50万フラン=500ポンド。あくまでざっくりと説明されていますが、ここが一つの手掛かりです。調べてみました。

この作品が書かれた1952年当時(発行は1953年)、固定相場制の下で1ポンド=1,008円とのこと。(ポンドとボンドでややこしい)

宝塚の舞台は1968年想定ですが、原作のフランとポンドのレートを参考にするので、原作が書かれた1952年と現在の物価指数を比較してみます。

日本銀行のサイトで調べてみると、消費者物価指数は1952年14.8(持ち家の帰属家賃を除く)、2022年は102.7なので、当時と現在は6.9倍の乖離があります。

まとめると。

真風ボンドちゃんが大負けした800万フランはおよそ5,600万円。ここで資金が尽きますが、フェリックス・ライターが颯爽と登場して小切手を提供。

次の大勝負で見事に勝った賭け金3,200万フランはおよそ2.2億円。相手の分も入りますから4.4億円になります。そりゃ、カジノのお客もどよめくわ。

ボンドちゃんがカジノで儲けたお金はトータルでは7000万フラン、およそ5億円です。

宝塚の舞台では掛け率35倍という話でした。おそらくですが、ボンドとル・シッフルの単独勝負の始まりが200万フランで、賭けに勝っていった最終が7000万フランなので、それだと確かに35倍になります。

(原作ですが)フェリックスにお金を返して、残った分を隠した小切手4000万フランはおよそ2.8億円。ル・シッフルの遣い込みが3.5億円なので、なんとしても賭け金を取り戻そうとするわけですね。だいたい、こういうの失敗しますよね。

 

いやぁ、すっきりしました。

何やってんだか?という気持ちは、うっすらあります。

現実逃避 なんで、そっとしておいてやってください・・・(T-T)