代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

ただ静かな怒りを持って見守りたい そういう宝塚ファンもいる

忙しい1週間が終わりました。現役タカラジェンヌさんがお亡くなりになるという痛ましい事態に言葉を失った1週間でした。

ご家族のご心情を思うと本当に心が痛みます。子どもに先立たれた親御さんの哀しみを思うと、軽々に発信できるようなことではありませんでした。初七日が過ぎた今、ただ安らかに魂が天に登られることをお祈り申し上げ、哀悼の意を表します。

 

1.静かに見守るファンの存在

さて、この間、事実を反映したのか全くわからない記事と憶測や思い込みに基づく様々な発信、書き込み、外野のまとめサイトが飛び交いました。

一部ファンからは公式の発表を一刻も早くという発信、原因を究明せよ、早く長期対策をと求める声。中には、運営者は寝ずに対策せよというXでのポストまで目にしました。

今になってわかるのですが、ネタに飛びつく外野はさておき、ファンには大きな動揺と哀しみ、そして誰にぶつけていいのかわからない怒りがあったのだと思います。

私には自死を選んだ友人がいました。その友人とは数日前まで普通に会話していて、抑うつ状態は改善しているように見えました。彼に対して何かもっとできたことがあったのではないかとずっと自責の念がありましたが、長い時をかけて、そこはもう本人にしかわからない、これまでの人生の中で積み重なってきた複数の心身の事情があったと最終的には理解するしかありませんでした。

何かの事象があると、人はその原因は何だったのかを知りたくなります。

けれど、おそらく原因Aが事象Aに、原因Bが事象Bに直線的に結びつくという単純なものではないと思います。複数の大小の様々な要因がからみあい、最終的に何かが起こってしまう。私はそのように感じています。

この度の件。おそらく、回りの人となぜ?と憶測での要因を話し合いながらも、何も発信せず静かに見守っているファンの方が多いのではないでしょうか。文字通り、サイレント・マジョリティが大半なのだと思います。

 

2.根底にある静かな怒り

私は今日、久しぶりに宝塚を観る気になり、取り出したのは星組・紅ゆずるさんの退団公演のBlu-ray「食聖/エクレール・ブリアン」でした。

黒燕尾の場面の上妻さんの三味線の音、鎮魂を思わせる哀切なメロディー。去っていく人を見送る桜の花びらのような娘役さんの衣装。誰よりも宝塚を愛しトップになられた紅さん。

見ていて涙が溢れました。同時に、私がこの1週間感じていたのは静かな怒りだったと気が付きました。

大人になってからの趣味はそう簡単にできるものではありません。子育てと仕事で忙しく、結果的に病気も経験した私にとって観劇がどれほどの光であったか。

その光を台無しにした事実に基づくのか全くわからない雑誌記事。そこを鵜呑みにしたかのような加害者という言葉、もっと強い言葉で個人を名指しで非難するいい加減なまとめサイト。

自分の大切な場所を台無しにされたこと、最初にその雑誌に何かを持ち込んだ人々への怒りがこれほどあったのかと、自分でも驚きました。

 

3.宝塚を勧められない悲しさ

一度、宝塚を観てみたいな、という方は関西には結構おられます。

これまで、宝塚の舞台は美しいんです、素晴らしい総合芸術なんです、舞台の上の若い女性がこれほど端から端まで一生懸命な集団は他にはいないんですと、いろいろな方に語り、初観劇の方を大劇場にそれなりに送り込んできました。

初観劇後に今回の宙組公演のチケットを取ってあげていた子がいます。彼女が涙目で「宝塚の・・」と話しに来てくれました。その時、とっさに思ったのは「こんな世界に連れ込んでしまってごめん」ということです。まさか、自分がそんなことを思うなんて・・。

「もし観劇が嫌だったら、チケット、私が引き取るからね」と言うと、「いえ、行きます」ときっぱり言ってくれました。泉堂成さんのファンになりかけている彼女は、新人公演の心配をしてくれています。

私自身は真風さんの退団後、観る組を決めていて、観劇はいずれ再開します。ただ、しばらくは誰かに宝塚観劇をお勧めすることができないと思います。

昨夜は大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事館開催の東西ドイツ統一記念レセプションが神戸であり、本当ならドイツ総領事(割とお若い女性です)に月組公演「フリューゲル」について熱く語ろうと思っていましたが、差し控えました。土地柄、領事館スタッフには宝塚ファンもおられると思います。最近のトピックスが耳に入ったとして、そんな劇団なんだと思われるのは嫌です。

身近に宝塚歌劇団で創作側になることを希望する若者がいます。これまでは「いいね!」と応援してきましたが、今はどうかな?という気持ちが正直、あります。タカラジェンヌを目指そうとする方の親御さんも同じような動揺がおありになるだろうと思います。

これまでの「いいね!」という応援が、「うーーん、何が本当かは私達にはわからないけれど、よくよく考えた方がいいかもね」に変わってしまう。

これまで全組観劇していたのが、決まった組しか観なくなる。

その組の観劇も、1公演たとえば5回だったのが3回になる。

団体旅行や校外学習の対象として検討されても、「今年は辞めておきましょうか」となる。

いろいろな場所で、小さな影響が少しずつ出て、当面の間、かなり大きな影響を及ぼすと予測します。

 

4.静かに待ちたい

雑誌記事に書かれるような事象は程度はどうであれ、少なからずあったでしょう。宝塚歌劇団の中の運営や体質の問題も実際にあるだろうと推察します。少なくとも演出家や生徒さんが過労や睡眠不足で抑うつ状態になるような体制は改善していただきたいと強く願います。

一方で110周年を迎えようとする老舗劇団には、危機を乗り越えて歴史を紡いできた底力もあると思います。私がファンになる以前にあった裁判後も、素晴らしい方が入団されています。しかし、少子化の中で今と同じ規模で劇団を維持できると考えるのは楽観的過ぎると思います。

今後の劇団の中の自浄とそのための具体的な対策の推進を、私は静かに見守りたいと思います。

ご遺族の心情を思えば、全ての事情を公表するというようなことは私は一切要望しません。今は公演再開に向けて必死でいらっしゃるだろう歌劇団に一刻も早く長期対策をと急かす気持ちも一切ありません。歌劇団では今後、何らかの対策に動かれると思いますが、そこを逐一公表してほしいとも思いません。

外に情報が出る前提で本当のことを聴取できるとは思わないからです。

 

今はただ、悲しい事態をひき起こした複数の要因に怒りを持ちつつ、静かに今後の改善を見守りたい。私は静かに待ちたいと思います。

コロナ禍で客席が一つ置きに販売された時、運営企業の方と話す機会があり、数が少ない貴重なお席、値段を上げて販売されてはいかがでしょう?宝塚ファンは応援しますよ、と話したことがあります。

その時、間髪を入れずにきっぱりと言われたのは「いや、小林一三はそういうことを望まないと思います」ということでした。「庶民の小さな灯火」を世に創ることを目ざされたという一三翁への想いを前に、浅はかな考えを申し上げたことを恥ずかしく思いました。

かつて、山一證券さんは100周年を迎えた年に廃業を発表されました。記者会見で男泣きされた当時の野澤社長さん。あの方のように誰かが記者会見し、悪いのは運営側であって生徒ではありませんと誰かが泣く姿を見れば満足なのでしょうか?それで歌劇団が無くなっても?

誰かが泣いて詫びる姿を見たがるかのような空気感がファンの間にあるのを、私は残念に思っています。それよりも今はただ静かに待ち、見守りたい。

仮に宝塚歌劇団が事態を改善できず無くなるなら、残念ながらそこまで。しかし、長い歴史の中で苦難を乗り越えてきた力を再度発揮し改善されていくなら継続する。私は後者を期待しています。心から。関西の老舗企業様の力を信じています。

初めて宝塚を観劇した時、今まで見たことがない種類の舞台に圧倒されながら、一番心に残ったのは、どんな端っこの生徒さんからも伝わってくる一生懸命さでした。舞台の上にいるおよそ70人の若いきらきらとした女性が全員一生懸命な(少なくともそう見せられる)集団は他に無いと思います。

 

大多数の静かに見守っているファンの皆さまが、劇場で再び心から憂いなく拍手し、笑い、涙する日々が再び来ますように。舞台が再開すれば少しずつ、いろいろな心がほどけていくと思います。

真風さんのご卒業後、月組の大劇場公演が終わった今、不思議なことに私は宝塚観劇の予定は当面なく、今話題のOSKさんを含めて外部のチケットがたくさんあります。

いずれ、私も大劇場での観劇を再開します。その時に何も思わずに心から舞台を楽しむのはまだ少し難しいかもしれません。でも応援しています。

その時、ヅカ友さんと大劇場で再びお会いできますように。歌劇団の皆様が心身ともに健やかに舞台を再開されていますように。

少し遠くから、今はただお祈り申し上げます。

月組バウホール公演・月の燈影感想 礼華はるさんの三味の音、真摯な成長

真風さんが小池先生作の「ルパン」にダブルキャストでご出演されると発表されて以降、息を吹き返したmiyakogu。皆さん、お元気でしたか?

さて、本日は、バウホールにて3度観劇する機会のあった「月の燈影」の感想を書いておきたいと思います。その後、スカステで放映された「今夜、ロマンス劇場で」の新人公演についても少しね!

 

1.バウホール「月の燈影」における礼華はるさんの飛躍

最初に観劇したのは開幕後5回目、次は11回目、ラストは14回めの公演となりました。

びっくりしたのは千秋楽間近の3回目の観劇時のこと。

「な、なに、何があったー?!この2回の間にーー?!」

もともと同作は、花組・彩吹真央さんと蘭寿とむさんのダブル主演として創作された大野先生の作品。今回は礼華はるさん演じる幸蔵を主とした作品と発表されています。

初回から、専科さんと月組組長になられた梨花ますみさんの熟練の演技には、もちろん感嘆しておりました。しっかり受け止める演技の礼華はるさん、彩海せらさんが歌も演技も何でもできる方で、お芝居も白熱。最初の観劇時の段階で素晴らしい出来でした。

2回目に一緒に観たお義母さんは「正直、今まで宝塚で見せてもらった中で、今日のが一番良かったわ」と感激したくらいです。

ただ、ぱるちゃんのお役的には辛抱役。高い水準に満足しつつ、もう後一息のぱるちゃんブレイクがあれば、単独主演によりふさわしくなるのでは?と思っていたところ、ヅカ友ちゃんがチケットが被ってしまい、急遽3回目の観劇へ

そして、そこでぱるちゃんの爆発!にびっくりしたんです!終盤近くでこう来るのか、この人は?!と驚きの観劇となりました。運に感謝です。

終盤で見事に「礼華はるの堂々たる主演舞台」になったと思います。若木が匂い立つような、この時期にしか出せないであろう清新な色気が香るいなせな兄さん。

本来、東京のお嬢さん育ち(のはず)のぱるちゃんが、欲が渦巻き、それ故に魅力的な川向うの一部を仕切る通り者の頭として「兄ぃ」と行き場のない少年達に慕われる。そんな演技できるだろうか?

彼女の役者魂を見くびっていたなと反省いたしました。もしかしたら、三代前くらいに木場の材木問屋さんの若旦那と親戚になられたとか、妄想するくらいには驚きました。

幸蔵として、やり場のない目をして、ほの暗いものを抱え、三味線を手元を見ずにつま弾き、超爽やかな色気駄々洩れ木遣り歌を踊り、切ないまなざしを動かして、気配を察知すると「誰だ!」と瞬時に全身から凄みを出して見せる。

びっくりしましたよ。

ストイックに必死に真摯に、ただただ幸蔵にこの世界観に向かい合われた、その成果だろうと思います。おそらくその真摯さが、私が観た終盤土曜日の舞台で、ついに沸点に達した。そういう舞台だったのではないかと思います。

この人には、何があっても進んで行く揺るぎない強さがある。

その真摯な強さ故に、遠くまで行ける人だと思います。

中村座に関わりながら育った幸蔵は三味線の名手で、再会した火消しの頭にも「おめぇの三味の音、久しぶりに聞けて嬉しかったぜ」と言われ、淀辰の女房であるおゑんには、「お前の三味の音、もう一度聞いてみたかったよ」と言われます。

私達は幸蔵の、礼華はるさんの三味の音をたっぷりと聞かせてもらえます。礼華はるさんは手元を一切見ずに三味線を弾き、どこか遠くを見るかのように歌います。

あのシーンは凄みのある名演でした。どのような人生を生きてきたのか、何があったのか、江戸に残してきた人への想い、今ここで生きていることへの覚悟。幸蔵はここでしか生きられなかったけれど、そこには確かに誇りもある。そう思わせる演技でした。

それにしても、幸蔵は気づいているのでしょうか?

次郎吉に心を閉ざそうとする一方、お壱にだけは本音を話していることに。お壱だけは、他の通り者が聞きたいけれど聞けない、幸蔵の突いてほしくないところを問いかけてきます。大野先生の脚本、上手いなぁ。

あ、多美子姫だからか・・。ま、お兄様、溺愛してたしなぁ・・。(それは「応天の門」なんで、落ち付いて)

 

2.名演の役者さん達

新人公演とはまた異なる、お一人お一人が「本役」であるバウ公演の良さをしみじみと感じました。

下級生さんも一人一人役名があって、一人一人がその役を愛して、真剣に考えて、どの場面でも工夫して。月組さんの底力を感じるとともに、この人達は多分、今、演技が楽しくて仕方ないだろうと思わせる、心の弾みが伝わるようでした。

その弾む心の喜びは客席に絶対に届きます。千秋楽で皆さんが、嬉しそうに楽しそうに客席に投げ込んだ手ぬぐいのように。

淀辰を演じた夏美ようさんの色悪ぶり、その女房おゑんを演じた梨花ますみさんのすべてを見届けるラスボスぶり、火消しの頭丑右衛門を演じた悠真倫さんの気風と人情。

完璧な名演でした。ほれぼれしたねぇ。

「5年前の木遣り歌はどえれぇ、いい男だったねぇ」、「川向うに来た頃のお前は昔の淀辰と同じ目をしていたもんだよ」と言うおゑんさん。

ほぼ惚れてますよね?!推しっぷりがすごすぎる!

梨花ますみさんの名演は、雪組「ハリウッド・ゴシップ」のアマンダ(往年の大女優)もしかり。宝塚というより、もう何というか、あれはすごい演技でしたよ。

 

3.彩海せらさん次郎吉他の皆様

彩海せらさんの次郎吉がどうしても「さっちゃん」と一緒に居たい、ずっと一緒に生きていたい、違うというなら自分だって手を汚す、その覚悟が切な過ぎて。そこをまた、あみちゃんが上手く演じるから、泣けました・・。次郎吉、ほんまにええ子。あみちゃんは、低音の歌声が素晴らしいですよね。

次郎吉は最初からずっと「さっちゃん」と呼びかけますが、幸蔵はただ一度だけ「じろちゃん・・」と絞り出すように言います。

そんなもん、泣けるに決まってますやん?!

気風のいいねぇさん喜の字の天紫珠李さんの綺麗な声と品のあるしぐさも最高でしたね。芸者さん姿がしっくりと板につく品のある色気が素敵。芸者仲間の蝶之助の妃純凛さんも、お名前通り凛としてかっこよかったなぁ。六八を適当にあしらう様も粋。

春海ゆうさんの重厚な人情のある大八木、蘭尚樹さんの見事な調子者であり策士の六八、天愛るりあさんの色気たっぷりの文字春ねぇさん。いや、すごかったね。皆さん、専科?ただ、蘭尚樹さんの退団が発表されてしまいましたね・・。切ないねぇ。

天愛るりあさんの口調に影響されて、しばらくは文字春ねぇさんの口調でついつい話しちまったくらいですよ、ねぇさん。

お壱の花妃舞音さんは存在が可愛く、少し震えるような歌声がいいんですねぇ。目が離せない可愛さがあるわぁ、あの方。「今夜、ロマンス劇場で」の新人公演、鮮烈デビューで話題となったのも分かります。

兄ぃと慕う通り者の片腕なのかな?粂八を演じる大楠てらさん、小柄な体で虚勢を張る三吉を演じる彩路ゆりかさん。このお二人の演技も心に残りました。私は以前から甲海夏帆さんが好きで、彼女が出てくると常に注目しています。

 

4.ほぼ全員、幸蔵が好きなんよ

ね、大野先生?和傘って武器なん?それとも、男っぷりを上げるためだけに肩にかけてるん?バズーカ砲かと思いましたよ。ええ。

何とかして一緒に江戸に連れて帰ろう、一緒に生きようとする次郎吉、最後には自分の手を汚して自分も川向うに来る、一緒だと言う愛。もう、幼馴染の友情ちゃうやん?愛やん、愛!

淀辰の旦那がねぇ。ぺたぺた、幸蔵のほっぺや襟元に触っちゃってさぁ。執着している感じが、たまんないねぇ。本当は跡目を継げる器があるのはこいつ、とわかってたんでしょうね。おゑんさんも「そこを見抜いていたのは、幸蔵、お前一人きりだったね」と見破っています。愛!

そいでさぁ、指とんとん(机の上で指をたたくmiyakogu)。

粂八もお壱ちゃんも、幸蔵に叱られたいとか、とにかく兄ぃと一緒にいたいんだねぇ。健気で可愛くて、おばちゃん、泣いちゃう。

淀辰に従って喜の字を渡してでも、兄ぃと一緒にいたい通り者仲間も必死なんよ。幸蔵と一緒に生きたくて。

会いに来る火消しの頭を含めて、ほぼ全員、さっちゃんが好き。そういうお話です。ええ(真顔)。

一番あかん子は喜の字の弟、髪結いの新助な。借りたお金で賭博するわ、六八の乗せられて逆恨みで、うちのさっちゃんを刺そうとして挙句、結局、間に入った次郎吉を刺すわで、ねぇさんのビンタ一つで済まされる思たらあかんで!一輝翔琉ちゃん、顔が可愛いからと言って、あかんで!

あ、でもなぁ、初舞台が宙組デリシューやったんよ。あの子のロケット何回も観てるから、ちょっとしょうがないかなぁ。(107期生には甘い)

 

5.月組「今夜、ロマンス劇場で」新人公演

その後、スカステで礼華はるさん主演「今夜、ロマンス劇場で」新人公演を拝見。娘が受験期で大劇場で一度も観れなかった作品でしたが、宝塚には珍しく市井の人の一生を描いた作品。

礼華はるさんの初々しさやわたわたしたコミカルさがこの作品と不思議にマッチして、良き新人公演でした。花妃舞音さんもとにかく可愛い。

まのんちゃんが思い切って口に出す「会いたかったんだ、お前に」のところ、何回見ても泣けます。

すらりと黄色の宮廷服とロングブーツを着こなし、跪いて薔薇を姫に渡す。それがキザでなく清潔感を持って絵になるスターはそう多くはありません。

そもそも長身で歌える人材は歌劇団にとって大変に貴重。録画を見た旦那はんも「この子は一生懸命何かを伝えようとしている、それが分かる」と激賞です。おっさんの心を動かすぱるちゃん、伝わっていますよ✨

彼女のお茶会、面白いんですよ。あの方、何と言うか魅力が多面的なんですね。かっこよく決めたり、初々しかったり、お茶目だったり、ぽつんと面白いことしゃべったり、コミカルだったり、ばーんと伸びやかに歌ったり。「I AM FROM AUSTRIA」のお茶会はサングラスかけて登場、爆笑でした。機会が出てきたら、またぜひどうぞね。

 

それにしても、宝塚歌劇団、さすが100年の老舗。てぇしたもんだねぇ。

以前、和希そらさんの「ウエスト・サイド・ストーリー」のアニータを観て、これで彼女を上げないなら、阪急・東宝グループのミュージカル戦略も本気とは言えないなと密かに思っていたところ、その後、そらちゃんは大躍進。

歌劇団はその時々でタイプの異なるスターをモザイクのように組み合わせて育てているはずです。今回のバウ公演を観て、礼華はるさんの今後の躍進を確信いたしました。今後を楽しみに拝見していきたいと思います。

以上、真風さんの「ルパン」ご出演決定で息を吹き返したmiyaokoguから、お送りしました。次は真風さんのビジュアル、来るまで待つ!

宙組トップスター・真風涼帆さん退団に寄せて 客席を包む舞台から吹く風

宙組トップスター・真風涼帆さんが明日、6/11に退団される。幸いにも宝塚大劇場で千秋楽を見送ることができ、その日以来、ずっと考えていたことがある。

真風さんがかっこいいこと、上品な色気の持ち主であること、完成された男役としての立ち姿をみせてくれていること。そこはもう十分にわかっている。

ただ、真風さんの舞台から受け止めている「言葉にできないもの」を、私は何とかして言葉にしたかった。

 

1.真風さんから客席に届く風

宙組の一代前のトップスター・朝夏まなとさんは「宙組の太陽」として慕われ、文字通り明るい光で劇場全体を照らすようだった。

100周年時に宝塚歌劇団を牽引された元星組トップスター・柚希礼音さんは、最後列の観客にまで「あなたを見ている」と確実に思わせてくれる強い光を放つサーチライトのようだった。

真風涼帆さんが放つ光は、どのような言葉なら言いあてることができるだろう?

大劇場での千秋楽以降、ずっと考えてきた。

まぁ様の太陽に比較するなら、冴え冴えとした月の光?ううん、ちょっと違う。

「カジノ・ロワイヤル」を一緒に観劇した娘は真風さんの光は、ふわっと気づくと包み込まれているようと表現し、真風さんがラスト表紙を飾った「歌劇 2023年6月号」の「夢・万華鏡九十二」にて、小林公一氏は以下のように表現されている。

彼女の舞台は芝居であれ、ショーであれ大きなものにすっぽりと包まれる雰囲気があると私は常に感じていた。

出典:小林公一氏,「歌劇 2023年6月号」,76p

20歳の娘と長く宝塚歌劇をご覧の小林氏が同じように感じる偶然?

いや、偶然ではないはずだ。

私達は結局、劇場をひたひたと満たす真風さんの静かで熱い想い、優しさ、客席に愛を届けたい、愛を送り返したいというあの方の想いにいつも包んでもらっていたのかと思う。

そして、その愛は、風のように客席に届いた。

 

私が真風さんと最初に出会ったのは2013年の星組「ロミオとジュリエット」の死。役替わりのことも何一つ知らず、2回目か3回目の宝塚観劇だったと思う。冒頭、黒い幕の間からシルバーグレイの長い髪を美しく翻しながら、美しい身体の持ち主が音もなく現れ、物語の幕開けを長い手足を伸ばして告げた時。

文字通り、舞台から一陣の強い風が客席に吹いた。

真風さんのファンは、いろいろな場面で真風さんと出会って来られたと思う。その時、一陣の強い風が吹かなかっただろうか?

私達はそんなふうに、時に誰かに惹きつけられる。強烈に。

 

2.風が含む多様な色の光

不思議だったのは、舞台から届く真風さんの風は、本当に多様な光、すなわち色をはらんでいたように思えたこと。

私の身近にはおそらく共感覚に近い感覚を持つ人が居て、その人は数字やアルファベットに色を感じるという。私自身は共感覚の持ち主ではないし、もちろん衣装の影響が強いのだけれど、真風さんから届く風にはその時々の色を感じるようであった。

たとえば。

「死」の役に代表されるようなクールでシャープな風は、ほぼ黒に近い深い紺。

「黒い瞳」のニコライから感じる暖かな風は、柔らかな光をまとった白。

「シトラスの風」から感じる爽やかな風は、綺麗な薄い青。

「天は赤い河のほとり」から感じる熱い風は、上品な赤。

「Never Say Goodbye」から感じる風は、情熱を秘めた光沢のあるシルバーグレイ。

「Fly With Me」は、全編、強い風が吹いているようだった。

「カジノ・ロワイヤル」はバックでずっと流れる音楽とともに、心地よい海風がずっと吹いているようだった。

 

「名は体を表す」ということの不思議さを改めて思う。

音楽学校を卒業した際、タカラジェンヌさんは芸名を付ける。その時、意識的にせよ無意識にせよ、確実に自分が「こうありたい」という文字を選ぶはずだ。風は日々変わる。真風さんの中にもいろいろな風があるはずだ。

たとえば。

うららかな春の日の暖かな優しい風。

けだるい夏の午後の湿気をねっとりと帯びた風。

秋に吹く、こちらの心をきゅっとさせるどこか寂しげな風。

きぃんと冷えた日の透明な美しい風。

そして、こちらの心をまるごとさらっていく嵐のような強い一陣の風。

 

真風さんは突然現れて、こちらの心をさらっていった一陣の風だった。

そして、時々の色を乗せた風を舞台から吹かせ、その光の粒と風で劇場中を満たしてくれていたんだと思う。

前からさぁっと風が吹いて、気づいた時にはもう、ふわっと光の粒子で包み込まれているような一陣の風。

 

3.忘れない、ずっと覚えている

宝塚大劇場の千秋楽でも、それは変わらなかった。

サヨナラショーの真風さんは悲しいとか寂しいというより、一層楽しそうで、これまで自分が受けてきた愛を、客席に、加えて映像を通じて映画館やお茶の間に届けようと、一瞬一瞬の時間の粒に、誠心誠意、自分の愛を乗せて舞台から送っておられたと思う。デリシューからのマカシャンで、あぁ、今、私達は今、確かにこの同じ時間を生きていると感じた、薄い綺麗なピンク色の光を含んだ風。風に乗って届く光の粒。

サヨナラショーのラスト、「Never Say Goodbye」から「愛の真実」を歌う潤花ちゃんもまた。潤花さんの歌は愛の粒で劇場中を満たすようだった。絶唱だったと思う。

 

私は今も、ラストの「One Heart」を歌う前に、大きく吐息をついた真風さんの姿が忘れられない。初舞台の時の袴姿に戻る前の大劇場でのラスト。

背負ってきた多くのものを全うできたことを確認するかのような吐息。

退団特集のBlu-ray「真風涼帆 Recollections」で見た大階段に上がる前の袴姿の後ろ姿を私はずっと忘れないだろう。

手術後に病室で見ていたNHKお正月の中継「アクアヴィーテ」の煌びやかな輝きをずっと覚えているだろう。

 

今日6/10の2公演目、前楽は無事に幕を開けている。明日、2023年6月11日のラスト1公演で、真風さんの男役姿は終わる。

最後の最後、世界への配信という大きなチャレンジがまだある。最後まで大きなものを常に背負ってきた揺ぎ無い人。その中に、熱さも純粋さも涙も持ち合わせた人。

この人の舞台に間に合って良かった。

ロミジュリの冒頭、あの時、一陣の風にさらわれて良かった。

 

真風涼帆さん、本当にありがとうございました。

これからのあなたの人生に大きな幸があることを、心から願います。同じ空のもと、この地球のどこかで生き続けているあなたと、いつか何らかの形で再会できると信じて。

また会う日まで。ありがとう。

(完)

※コメント欄は久しぶりに復活しています(関連記事の下辺り、PCだと黄色ボタン)。いろいろなコトを避けるために掲載は承認制です。ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

宙組カジノロワイヤル 作品感想 大劇場で完成、東宝組・配信待ちの皆様はお楽しみに!

皆様、こんばんは!4月15日(土)の公演も無事に終了。宝塚大劇場も残すところ3公演です。

開幕間もない頃、真風さんがお芝居ラストで「アデュー 思い出は募る」と歌われると、自分自身の真風さんの思い出がぱーんと溢れ出て号泣していました。周りからもぐすんぐすん。千秋楽ではまた泣くと思いますが、今はなぜか不思議と晴れやかに爽やかに観劇しています。

今日のMy前楽観劇中に、なぜだろう?と考えたのですが、それはこの作品の持つ楽しさを、”遠慮なく”宙組の皆さんが表現し始めたからではないかと思います。

「007シリーズ」。次のボンドは誰なのかがニュースになる程、有名な映画シリーズの原作小説の一つを題材に、小池修一郎先生が自由にくすっと創作された今作。最初、宙組の皆さんも、あの「007」だと構えたんじゃないかと思うのですね。観客もしかり。

でも、いつしか宙組の皆さんが小池先生の脚本に自由に楽しく応え始め、退団作品としてや大作だという緊張感から自由に飛び立った。その楽しさが観る側にも伝わってきたように思います。

大劇場で完成された宙組「カジノ・ロワイヤル」。東宝組の皆様、配信をお待ちの皆様はどうぞお楽しみに。

 

1.エンタメとしての力 お芝居を変えていった桜木みなとさんの力

初日すぐの頃、聞こえてきたのは小池先生オリジナルにありがちな、あるいは退団作品特有のとんちき作品だ、駄作だという声でした(すみません、私が言ったんじゃないです)。ただ、パンフレットの小池先生のご挨拶を拝見し、実際に観劇してみると小池先生が確信犯的に自由に楽しく創作された気がしました。

私も含めて、宝塚ファン特有のやや斜に構えた思い込みがあるかもしれない?

先入観が一切無い義母が同行して観劇した時、映画好きの義母が「とっても楽しかったわ」と純粋に楽しむ様子を見て、そう思い始めました。

高齢の方は退屈したり暗めの場面が続くと、うたた寝をされることが多いのですが、どうも様子が違う。純粋に心から楽しんでおられる。

その点を、本日、三井住友カードさんと友の会の共同貸切の公演を観劇して確信しました。お付き合いなのか「007」だからと来られたのか、男性陣が多い一角があったのですが、桜木みなとさん演じるミシェルと天彩峰里さん演じるアナベルの場面に爆笑されていたんですね。

敵味方入り乱れてどたばたの最中なのに、真風さんボンドから「お前の連れの女を警察から助けた」と言われると、「ありがとう」ときちんとお礼を言う桜木みなとさんのミシェル。

ディルフィーヌが背の高い男が助けてくれた、「(キスが)とっても上手かったけど」と言うのに対して、ミシェルが発する「ひゃょえーーー」という声へのくすくす。(ル・サンクでは「ええっ?!」とあるだけです

天彩峰里さんアナベルが鞭をぺちんとして、寿つかささんが「君は何の先生?」と問いかけると、こらえきれないという感じの爆笑が聞こえてきました。

その後はもう、ミシェルとアナベルが出てくるだけで、くすくす。何をしてくれるんだろうという期待感、笑うぞと待ち構えている空気が伝わってきました。本日のずんちゃんの鎧への貸切アドリブは「三つの約束、命の危機でも、隅に追いやられても、友だち(とのこと)」 拍手喝采です。

真風さんが鎧をかぶったずんちゃんを振り返り、「だるまさんがころんだ」のようになる場面も、公演が進む中で徐々に出てきたんですね。

お芝居終盤、みねりちゃんアナベルの後ろに、明らかに隠れていますというフォルムでコートに隠れて出てくるずんちゃんミシェル。期待感が高まる客席。

刑事につかまりそうになるところ、銃を奪ってみねりちゃんアナベルが言う「逃げて」。私はあの一言がとても好きなんです。姐さんぽい、でも人情も愛情も感じる声。

ミシェルらしいまっすぐさで応える二人のやりとり、間にはさまれた秋音光さんの刑事の間(ま)。両脇で見ている警察官が日によって、お熱いねとなったり、拍手したり。貸切の今日、二人が抱き合う場面では客席から祝福の拍手まで出ていました。傑作でした。

私はこの作品が公演途中で大きくぐっと変わっていった大きな要因の一つに、桜木みなとさんの存在があったと思います。役割的にそうだったというのもありますが、彼女が自由に動き始めることで、ターニングポイントを創ってくれたというか。

最初に観劇した時、うん?今の時期、政治的にどうかな?という場面があったり、ヒトラーを出してくるのはむむむ?と思ったりしたのですが、そこを越えた楽しさが増していきました。「007」シリーズだからと言って気負わずに、いつもの宝塚のように自由に楽しく演じていいんだと、ぐっと変えていったのは実はずんちゃんの演技ではないかと思います。そこから、皆さんの自由な小芝居が各場面で始まっていったというか。

桜木みなとさんの持つ圧倒的な明るいエネルギーの力、感服いたしました。

 

2.ひたすら男役芸を見せる真風さんのスタイリッシュ・ボンド

ジェームズ・ボンドという超有名なクールでスタイリッシュで色気のあるキャラを、男役として演じて見せる。退団公演にふさわしい男役としての仕上げのようなお役だと思います。

同時に、非常にチャレンジングでもあります。

とにかく格好良くないと、キザに決まらないとだめ。白いタキシードに赤い花をつけて、ポケットに手を入れてただ立っているだけでも「ほぅっ」と似合わないとだめ。銃を構えるしぐさが決まる、脚が長く、撫でつけた髪も似合わないとだめ。そういう役です。白いタキシードも、黒いタキシードも、スーツも、ダブルのスーツも帽子も革の手袋も黒タートルも全部ぴたりとはまってこないとだめ。

大変高いハードルだったと思います。そこを真風さんは軽々と越えて観客を魅了していきます。真風さんの究極の男役芸と衣装の似合いっぷりをただひたすらに愛でる。この作品の第一義的な妙味はここにあります。

それと、案外、見落とされがちなんですが、実は真風さんが何気に演じた後、再演で真風さん以外の方がされると、どうも違う感じがする役ってあるんですね。私の贔屓目がもちろんあるのですが、後で振り返るとさりげない良さに気づく。そういうタイプの演者だと、私は思います。

私が一番好きなのは、ル・シッフルとの闘いで追い詰められた中で、真風ボンドが言う「案外本気だ」です。私は長年仕事をしてきて、一見そうは見えない男性の「案外本気」を何度も見てきました。仕事ができる方程、何でもない顔をしていて、いざとなると案外本気です。あのセリフに真実味を持たせて伝えるのは、実は大変難しいはず。お若い男役さんが同じセリフを言った時、どう映るかを想像してみると「案外本気」の難しさがお分かりいただけるように思います。

退団への心の叫びは、千秋楽後に書き留めます。

 

3.きっぱりと意思を持って旅立つヒロイン・潤花さんのディルフィーヌ

潤花ちゃんのディルフィーヌは、偶々得たロマノフ家の相続人という立場を受け止め、より良い方向で活用したいと考えるインテリ大学生です。彼女には自分が偶々得た力で少しでも世界に貢献できることがあるなら、やってみようと考え、実行に移そうとする意志の強さがあります。

誰かの庇護のもとでなく、自分の意思で、自分の足で歩いていこうとする強さ。

最後のキスを頼むのも、涙をこぼす訳でもなく声を震わせる訳でもなく。キスをした後は、きっぱりと後ろを振り返らずにボンドの元を去ります。

過ごす時間は短くとも、二人はパラシュートの場面で歌ったとおり、空を見上げて「どうしているだろう」と思う相手になったのです。

そういう人がいる、いない。これは人生の暖かみを大きく分ける出来事だと私は思います。そういう人がいるなら、遠く離れ離れでも生き抜くことができる。恋とは限らず、どなたにも実は心のどこかに持ち続けている存在があるのではないかと思います。

イケコさんに「やられたな」と思ったのはその点です。

宝塚作品というのは、歴史だったり有名な映画だったり、いろいろ枠組みは借りていても、実は普遍的な男女の出会いや男性同士の友情を描いていることが多い。というか、それしかないんですね。

どの作品も結局は、ある人とある人が出会った。その影響である人は変わった。たとえハッピーエンドでなかったとしても、その人の思い出をずっと心に持ってそれぞれが生きていく。これまでとは少し違う生き方で。

実にシンプルです。そして、シンプルが故に力がある。

私達が物語を必要とするのは、結局、誰かと出会って自分が変わった、自分の心の中に誰かがずっといる、その経験を追体験するためではないかと私は思います。

1968年、フランスで5月革命という若者の熱い革命があった年。ディルフィーヌは自分の理想に向かって自分の足で歩き始める。彼女は後ろを振り返らずに歩んでいきます。でも、彼女は、ボンドは、頬を撫でる風を感じ、太陽の匂いを感じた時、お互いをそれぞれに遠い街角で思い出す。そう思わせる去り方を、潤花さんは的確に演じておられると思います。

潤花ちゃん、本当にありがとう(涙)。

 

4.印象的な見どころ

私がお芝居の中で楽しみにしているシーンを下記に上げさせてもらいます。

 

・プロローグ!

言わずと知れたプロローグ。超やばいです。とにかくご覧ください。真風さんの超かっこいい登場から始まる、長身スタイリッシュな宙組の男役さんの群舞を!

 

・M長官の歌

「皇帝一家は~処刑されてしまった~」。松風輝さん、ルキーニですか?の場面です。「エリザベート」が各所で出てくる始まりですね。

 

・ヌーベル・アージュ(新時代)の場面

なぜにタンバリン?と思いますがヒッピー文化のもとのデモって、こんな感じだったんでしょうね?ここはもう、ひげに長髪の優希しおんさん、真名瀬みらちゃん、日替わりでいろいろ変えてくる輝ゆうさんをチェケラ!あなた達さ、バンドでデビューした方が活動資金ばりばりに稼げそうよ。何でも着こなす潤花ちゃん、大好きです。

 

・メゾン・ダムール

アナベル姐さんの歌姫が最高なんですよ。率いるダンサー娘役ちゃん達もコケティッシュで最高。でれてる男役さん達も楽しい。潜んでいるスメルシュのイリヤ(鷹翔千空さん)もちゃんと拍手。

 

・真風さんが歌うヒーロー・イン・ザ・ダーク

カチッと音をさせて煙草を吸う真風ボンド。かっけーーー!この音楽覚えておいて。後で試験に出ます(フィナーレの男役群舞)。

 

・カジノの歌(ざっくり命名)からル・シッフルの歌

回る~、回る~♪も、どこに~賭ける~迷う~迷わない~♪も妙に好きです。

登場する芹香斗亜さんル・シッフルの「人の運など~♪浮きもあれば、沈みもある♪」も好き。真名瀬みらさんと嵐之真さんの二人の用心棒のコミカルな動きも大好きですわ!後の場面で「資金を稼ぐためにクラブを経営」とル・シッフルが歌う場面のお二人、ぜひ注目を!楽しいんですよ。

それにしても、ル・シッフル。ラスプーチンに扮してパーティに登場というアイデアをなぜ思いつく?そして、なぜ実行する?(笑)

 

・ゲオルギー一家

ゲオルギーおじ様の寿つかさん、何と言うか懲りない強さがあって楽しい。花菱りずさんのノリノリマダムの顔芸をぜひご覧ください。あの方、本当に最高だから。

グレゴリーとアナトリーのナニキョロ兄弟も随所で面白いのですが、私が好きなのは戴冠式でディルフィーヌちゃんの若者らしい青いスピーチにうんうんうなずき、「素晴らしい!」と拍手する風色日向ちゃんのグレゴリー。あの人、案外いい人だと思うのよ(笑)。

 

・ホテルテラスからのイルカソング

ミシェルとディルフィーヌがいいコンビなのよ。柵を越えようとする場面ね(笑)。

高らかにボンドが歌うイルカソングも。最初は、はぁ?なぜにイルカ?と思っていたのですが、今では「ええ歌や(涙)」と刷り込まれてしまいました。必聴です。

 

・バカラ対決

超かっこいいの。とりあえず見て!一回負けてどうする?となったところで颯爽と登場する柴藤りょうちゃんのCIAフェリックス・ライター。もう美味しいわぁ。

ぼやきがちなフランス情報局の瑠風輝さんのルネと、春乃さくらさんのヴェスパーのカップルも素敵です。はるさくちゃんの堂々した演技に、美しいプロポーションも素敵。

一幕は少し長く感じるかもですが、二幕はどんどん進みますので、どうぞお楽しみに!

 

・古城内の廊下

ミシェルをル・シッフル配下の2人が連れて行く場面。

あのさ、歌っているミシェルをスポットライトで照らすのはいいのよ。泉堂成ちゃんと鳳城のあんちゃんをスポットライトで照らしたあげく、顔を寄せて煙草の火を分け合う必要あります?(シガレットキスって言うんだっけ)。あ、美形を売り出したい?わかりました!💕

 

・拷問室

縄を解いた真風ボンドちゃんが、律儀に椅子と縄をちゃんと片付けていくのが妙にツボです。

 

・古城内の迷子三人組

ね、大丈夫?CIAとフランス情報局。頼むから方位磁針でも持っていて!(笑)

 

・スメルシュの部下思いボス

鷹翔千空さん演じるイリヤ。部下のボリスがやられそうになると、こっちを放って加勢に回り、そのすきにパラシュートで脱出しちゃうボンドとディルフィーヌちゃん。

イリヤ、ええ子や。こってぃイリヤのスピンアウトもの、見てみたくなります。

 

・パラシュート場面

この広い世界に生まれて♪ 号泣場面。まかかのファンは思いっきり泣きましょう・・。

 

・朝、旅立つ人々(場面名は「第10場 カジノ・ホテルの廊下」、「第11場 ルーレットの間」です)

ここのBG「それぞれの旅立ち」というのか・・(涙)。(ル・サンクにありました)

退団者がそれぞれに旅立っていくのね・・・。毎回、ええ声を聴かせてくれた澄風なぎさん支配人も・・。すっしーさんにもえこちゃんが掛ける「お疲れ様でした」の声が優しく切ない。

ルーレットの場面で、ようやく「いつか黒海に行く」という約束をとりつけたボンドちゃん。良かったね・・。でも、この約束はほぼ実現されないだろうというニュアンスが感じられます。おそらく、ボンドとディルフィーヌの人生は二度と交錯することはない。でも約束はしたい。そんな淡い期待が伝わる優しい場面です。

一人残されるボンド。イケコ先生の超憎いところは、次の旅に出るボンドの後ろで、カジノの日常が始まるところです。

カジノはそこにある、日々は続く。ボンドの日々も続いていく。でもそれは、これまでと同じ日々ではない。

彼はこの地球のどこかで生きている人のことを胸の中に持ちながら、生きていく。「君に会えて良かった」、そう歌うボンドは、見ている私達と同じ一人の人間です。

ボンドは心の中にディルフィーヌを納めた場所を持って生きていく。真風さんは潤花ちゃんとの出会いを持って生きていく。そして、私達は真風さんを心に納めた場所を持って生きていく。たとえ会えなくなったとしても。

わぁーーー、泣きましょう・・・(涙)。

コミカルな感想を書こうと始めたのに、まんまと結局、泣かされてしまいます。小池先生、恐るべし。退団公演の「案外本気」なお仕事に拍手を送ります。

それにしても、千秋楽、どうなるんでしょうか・・。怖い、僕は~怖い♪

ヅカファン、何でも歌いがちですね・・。

宙組カジノロワイヤル 原作を読んでみた 真風ボンドさんの賭け金おいくら万円?

真風さんファンの皆様、こんばんは。

大劇場公演もほぼ終盤・・。日々、どうすんの、これ?状態ですが、皆様、大丈夫?

ま、大丈夫じゃないわよね・・。私、千秋楽まで走り切るために鰻丼で栄養つけておきました・・。

さて、真風さんに関する活字情報を網羅したいmiyakogu、イアン・フレミング氏の原作を読んでみたわけです。鰻を食べつつ。映画は何だか拷問シーンが怖いって聞いたのでちょっと回避。

 

1.原作の基本枠組みはロマノフ以外は宝塚も同じ

なるほど、映画や原作を既にご存知の方はお分かりのとおり、ロマノフ関係を除くと登場人物の基本枠組みは同じです。

フランスにいるソ連スパイのル・シッフルが資金を遣いこむ。それをカジノで当てて補填しようとする。そこで、MI6がカジノでル・シッフルを叩きのめして資金源を断つ作戦を立て、ジェームズ・ボンドが派遣される。フランス情報局のルネ・マティス、CIAのフェリックス・ライターがそこに協力。MI6からボンドのサポート役としてヴェスパー・リンドが派遣されてきているが、ヴェスパーは実は・・というバッド・エンド。

ヴェスパーのところが大きく違いますね。

ただ、カジノ対決の場面はおおむね原作どおりで、大変興味深く読みました。

一度、ル・シッフルが勝ち、ボンドは無一文に。でも、CIAのフェリックス・ライターが現れて資金を提供、再度の大勝負でボンドが勝つ。

原作ではル·シッフルは賭け金を取り戻すべく、ヴェスパーをさらい、追いかけてくるであろうボンドを誘い込み、拠点にしている借別荘で拷問します。しかし、ル・シッフルを追っていたスメルシュが来て、ル・シッフルにとどめを刺します。

宝塚版はロマノフやミシェル、アナベル等を盛り込んで、コミカルでロマンチックでゴージャスなエンタメになっています。原作はもっとクールな感じでした。

ル・シッフルの用心棒2人も同じですが、宝塚版はコミカルにがんばっててすごいよね。真名瀬みらさんと嵐之真さん、楽しいです。

 

2.おいくら万円?

さて、カジノ・ロワイヤルでの大勝負。いったいいくらだったのか?読んでいてだんだん気になってきました。なので、調べてみました。ご報告しますね。

え?miyakoguさん、何してるのって?

そんなもん、現実逃避に決まってるでしょうがーーー!(with エコー)

私の場合、大劇場残るは後3回なんですよ・・・。東京は1回だけ行くけどさ。

(以下、ネタバレがあるから、嫌な人は読まないでね)

 

さて、バカラ。ご存知の方もおられると思いますが、私はあまりよく知らなかったので、原作でおさらいです。バカラは2枚のカードを引いて9に近い方が勝ち。絵札は得点ゼロです。最初の2枚を見て、もう一枚さらに引くことも可能。胴元側が「バンカー」で賭け金額を決められます。なので、バンカーが賭け金額をどんどん上げていくと、「プレイヤー」側は降りる人が出てきて、最後に一騎打ちという事もあり得るわけですね。

原作pp98-100でボンド様が解説してくれています。(脳内は真風さんボイスで再生)

で、肝心のレートなんですが、原作p99でボンドちゃんが言ってるわけ。50万フランが今のイギリスの相場だと500ポンドくらいだと。

へぇぇぇ。

で、ボンドちゃんが負けた勝負の賭け金は800万フラン。ル・シッフルのカードは得点9、ボンドちゃんは得点4で、「敗北に凍り付いて、身じろぎもせずに座っていた。」となる訳です。

ここまでで1,200万フラン負けてて無一文のボンドちゃん。

しかし!ここでCIAのしどりゅーちゃん(柴藤りゅうさん)のフェリックス・ライターですよ。かっけーー。原作では札束が届けられ、以下の手紙がついてます。(p125)

「マーシャル復興援助資金だ。三千二百万フラン。アメリカ合衆国からの贈り物

ほぅぅ。しどりゅーちゃん、お金持ち!

で、どうやらまだ資金が必要そうなル・シッフル(遣い込み推定5000万フラン)は、賭け金額を3200万フランに跳ね上げ、そこに唯一、応じるのが真風ボンド様。スリリングやん?

真風ボンドちゃんは、最初クィーンの絵札が2枚出てゼロ点。ちょーまずい展開です。 ル・シッフルが8点を出して、ほぼ勝ちと皆が思ったところ、次の1枚を引いたボンド様がまさかの9を出し大勝します。ひゃー、クールな展開ですわ。

原作ではもう一回賭けがあり、最後の賭け金は1000万フラン。これも綺麗にボンドが勝ちます。

真風ボンドちゃんが手にした金額は他も含めて7000万フランちょい。このうち、3200万フランはフェリックスに返すんですね。で、残ったおよそ4000万フランの小切手をホテルの思いがけないところに隠すんです。床下じゃないんだけど(笑)。ここは原作を読んで確認ください。

その小切手を探して、ル・シッフル一味がやってくるわけ。

なーるほどねぇ。

 

でも、実際のところ、おいくら万円 なのかしら??

50万フラン=500ポンド。あくまでざっくりと説明されていますが、ここが一つの手掛かりです。調べてみました。

この作品が書かれた1952年当時(発行は1953年)、固定相場制の下で1ポンド=1,008円とのこと。(ポンドとボンドでややこしい)

宝塚の舞台は1968年想定ですが、原作のフランとポンドのレートを参考にするので、原作が書かれた1952年と現在の物価指数を比較してみます。

日本銀行のサイトで調べてみると、消費者物価指数は1952年14.8(持ち家の帰属家賃を除く)、2022年は102.7なので、当時と現在は6.9倍の乖離があります。

まとめると。

真風ボンドちゃんが大負けした800万フランはおよそ5,600万円。ここで資金が尽きますが、フェリックス・ライターが颯爽と登場して小切手を提供。

次の大勝負で見事に勝った賭け金3,200万フランはおよそ2.2億円。相手の分も入りますから4.4億円になります。そりゃ、カジノのお客もどよめくわ。

ボンドちゃんがカジノで儲けたお金はトータルでは7000万フラン、およそ5億円です。

宝塚の舞台では掛け率35倍という話でした。おそらくですが、ボンドとル・シッフルの単独勝負の始まりが200万フランで、賭けに勝っていった最終が7000万フランなので、それだと確かに35倍になります。

(原作ですが)フェリックスにお金を返して、残った分を隠した小切手4000万フランはおよそ2.8億円。ル・シッフルの遣い込みが3.5億円なので、なんとしても賭け金を取り戻そうとするわけですね。だいたい、こういうの失敗しますよね。

 

いやぁ、すっきりしました。

何やってんだか?という気持ちは、うっすらあります。

現実逃避 なんで、そっとしておいてやってください・・・(T-T)

宙組カジノ・ロワイヤル感想 小池先生の優しい直球の贈り物 真風さんボンドの清らかなセクシー

真風さんファンの皆様、こんにちは。私がひたすら観劇できる日を待っていた4月、ブログを書く余裕が出てきた4月。いつも当ブログでは、できるだけ多くの方々に敬意を払うべく、多くの演者の方々のお名前を出してきました。しかし、この4月、以下の感想(ではないかもしれない)記事は真風さんファンに捧げます。

 

1.小池修一郎氏の優しい贈り物「カジノ・ロワイヤル」

初日開けてすぐ、とりあえずファンの間に走った衝撃はイルカとキャベツでした。

大劇場公演が中盤に差し掛かる今、小池先生はマジだわ、本当に「イルカが人を愛するように」とお考えなんだわ。その深遠な人類愛に打たれ、小道具としてキャベツ畑のキャベツになろうと緑色の服を探す日々。

大丈夫か、真風ファン?

我々はもちろん、大真面目です。もうね、無いねんよ、次の公演が・・(T-T)。

最後に思いっきり悔いの無いように、こうなったら、何でもやるんですよ!(注 公演も中盤になり情緒乱れがちなmiyakoguでお送りしています

小池先生が雑誌『歌劇』の座談会で語られ、また、本公演パンフレットの『真風涼帆 AS JAMES BOND』で熱く語られているとおり、この公演は小池修一郎先生という日本ミュージカルを代表する一人の演出家が、一人の宝塚トップスターに贈った「優しい贈り物」だと、私は受け止めました。

いわく。

・・・真風の初舞台公演でもあった『NEVER SAY GOOD BYE』16年ぶりの再演に取り組んでいた。コロナで公演の半分以上が中止となったにも関わらず、屈することなく一心不乱・鬼気迫るごとく舞台に集中してくれた。・・(中略)・・極度の緊張を強いられたであろう真風と宙組生たちを、いつか解放して羽ばたかせたいう思いが私の中で高まって行った。

作 小池修一郎氏、2023年 下線はmiyakogu

出典:「カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~」パンフレット、宝塚歌劇団より

どういう運命か、2022年2月5日 ~3月14日にかけて宝塚大劇場で上演された『NEVER SAY GOOD BYE』は、真風涼帆さんの初舞台公演という記念すべき作品であり、上演当時の2022年2月24日にロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始した時期でした。

我々の日常からは、本来なら遠くの話に思えたであろう内戦当時のスペイン。とどまって命を落とす外国人カメラマンとオリンピック選手の物語、内戦の真実を伝える役割を全うするために帰国した女性脚本家。

しかし、揺れ動く世界情勢の中で、私たちも息を詰めるように観劇し、舞台の運命を現実と重ね合わせて衝撃とともに受け止めざるを得ませんでした。平和への希求を訴える名曲は素晴らしく、感動的であり、同時にずっしりと重い。

観ている側がそうであったなら、それ以上に、コロナ禍でいつ公演が中断するかという緊迫感も加わって、演じる側は一層、ずっしりと重い運命に圧倒される思いがあったのではないかと想像します。

でも、中断をはさみつつも、創作した側が「頭が下がる思い」を感じるほどに、真風さんと宙組メンバーは真摯に公演を全うされた。

その真風さんと宙組への、この「カジノ・ロワイヤル」は小池先生からの優しい軽やかな贈り物だと私は思います。

今日、80代前半の義母は初見でとても楽しんでいました。心から。笑い、手をたたき、感心し、うっとりする。彼女は宝塚初観劇ではありませんが、あたかも宝塚を初めてみる観客のように。

私たちのような濃い真風ファンと異なり、「オーシャンズ11」「エリザベート」「神々の土地」等の過去作品へのオマージュに密かな喜びを覚える訳ではない。ただ、軽やかに楽しかったのです。初めて「カジノ・ロワイヤル」を観劇して。一本ものだと少し退屈されるかな?とやや心配していたのですが、華やかで格好いい舞台だと楽しんでもらえました。

予想外だったのは、冷戦が高齢の義母にはすっと入っていったこと。確かに大人として同時代を生きた年齢層です。

真風涼帆さんという宝塚の男役らしいトップスターが見せるスーツ姿、タキシード姿、銃を構える所作、潤花ちゃんディルフィーヌへの熱いキス、娘役達に振りまくさらっとしたチャラさ、男役どおしの熱いダンスによる戦い。

過去作品を知らなくても、くすっとなる芹香斗亜さんが歌う「皇帝ゲオルギーは立ち上がる♪」や唐突で大げさなラスプーチンの面白み。キキちゃんならではでした。

桜木みなとさんがチャーミングに演じるミシェルの間合い。「ね?」の一言で客席を沸かせる見事さです。

ひたすらにかっこいいスーツ姿や訓練服姿の宙組男役さん達。いろいろな衣装で登場するチャーミングで明るくセクシーな娘役さん達。舞台の端っこでもお芝居の工夫を凝らす追求心や美しく見せる努力の数々。ちなみに、輝ゆうさん(愛称 おかゆちゃん)は、フィナーレの男役群舞を含めて多分、15回以上ウインクされていますので、ぜひご確認ください。あの人のやる気、すごいです。

真風涼帆さんと潤花さん。小池修一郎氏の言葉を再び借りるなら「近年稀な解放的大型コンビ」のお二人を軸にした充実の宙組さんの宝塚らしいゴージャスな舞台。

ぜひ、初めて宝塚を観劇した時のようにくすっとして、綺麗ねぇ、格好いいわねぇ、羽が豪華ねぇ、パラシュートにはびっくりねぇと、どうぞ心から楽しんでご観劇ください。

 

そして、不意打ちに来る「この広い世界に生まれて」で泣きましょう・・(T-T)。

歌詞にある「いつの日か 遠い街角で 君を/あなたを 思い出す時」

それはボンドとディルフィーヌの「時」であると同時に、真風さんと潤花さんにしかわからない二人の「時」であり、私たちファンと真風さんの間にある「時」です。

私たちは、いつかきっと街角で空を見上げて思うのです。真風さんを。

そして、思いがけないタイミングで泣くはずです。

いや、もう、わかってるねんって・・・。

 

2.真風さんの清らかなセクシー

映画の007シリーズは、次のジェームズ・ボンドは誰になるのかがニュースになり、議論の的になる世界的作品です。

私は一部作品を見ているに過ぎませんが、胸毛のある(ごめんなさい、思い込みです)セクシーでハンサムな男性俳優さんが派手にカーチェイスしたり、かっこよく銃で戦って、スタイル抜群のセクシー美女とベッドイン、そういう思い込みがあります。(本当にすみません、思い込みです!)

ただ、ダニエル・クレイグ氏の最新ボンドは、あくまで彼の風貌(特に眼)からですがクールなタフネスとエレガンス、硬質な哀愁を感じます。セクシーなスーパーマンでなく、複雑な人間性を宿したクールな眼をしたボンドなのかなと感じます。

そういった違いがあるにせよ、男性が演じるジェームズ・ボンドと、真風涼帆さんという宝塚らしいトップスターが演じるジェームズ・ボンドの決定的な違いは、セクシーでありながらもジェンヌらしい清らかさがそこにあるという点ではないかと、私は思います。

胸毛のあるセクシーさではないのです。(大真面目なmiyakoguでお送りしています)

きっちりとネクタイを締める。タートルネックで首を覆う。そこにある清らかなセクシーさ。息が止まるようなキスと言いながらも、リアルな男性の生々しいセクシーではない、白い光を放つ硬質なダイヤモンドのような清らかなセクシーさ。

 

2幕のラスト、デュエダンのために大階段に登場したいお衣装の真風涼帆さんは、自ら清らかな白い光を放つようでした。繊細なステップで踊る潤花さんは白い光とともにある妖精のようでした。潤花さんはダイナミックに笑う、爆発的に楽しい娘役さんです。でもデュエダンを終えた彼女は、羽の生えた白い妖精のように軽やかに下手にはけて行かれます。

 

一人舞台に残る真風さん。

後ろの大階段が青く光り、星が流れます。舞台の上は薄い紫の照明に照らされ、様々な星が映し出されます。星組出身の真風さんの宙組での退団公演を象徴する美しい照明でした。

その光の中で、一人静かに踊る白い発光体の真風さん。私が好きになった「ロミオとジュリエット」の「死」の役を思わせる手足を柔らかく使った伸びやかなダンス。

愛おしむように、大劇場に別れを告げるように、床に静かに片手を付く真風さん。

もうだめだ。千秋楽の日、干からび切った自分が見える・・(T-T)。

 

3.ど直球の「君に会えて良かった」

小池修一郎先生が退団ど直球ストレートの歌詞を投げてこられます。これから観劇の方はどうぞお覚悟を。

フィナレーが始まる直前のお芝居ラスト。一人舞台に残った真風さんは「Adieu 君に会えて良かった」を歌われます。

小池先生!なんで、そんな臆面もなくど直球のタイトルと歌詞で来はりますのん?(T-T)

いえ、それでこそ小池先生。清らかな宝塚愛がそこにあります。

今夜見上げる星を 君も数えているのだろうか

明日見上げる空を 君も見ているのだろうか

この地球のどこかで 君は生きている

作 小池修一郎氏、2023年「Adieu 君に会えて良かった」より

 

パラシュートに乗る二人が歌う「この広い世界に生まれて」で、「私たちは、いつかきっと街角で空を見上げて思うんだ、真風さんを」と思った後、お芝居ラストでとどめを刺されます。

きっと不意に思い出すのは間違いない。その時に何をどう思うのか。漠然とまだわからないまま、私たちは取り残される。その一つの答えが、ここにあります。

星を見上げて、空(宙)を見上げて。

大丈夫、あの方も今、地球のどこかで生きておられる。きっと、健やかに幸せに。

そう願うしかないのです。

そして、再び出会うまでに、私達ももっと強く賢く優しくなっていないといけない。

真風さんが「もっと大きく もっと賢く もっと強く もっと優しく なっていられるように 俺も生きていく」と歌われるから。

私にとって、それは一つの約束に思えました。再びきっと会える。でもそのために、私たちも「会うにふさわしい自分」になっていたい。そう願います。

「君に会えて良かった アデュー」を最後の言葉に、舞台から去っていくトップスター・真風涼帆さん。

何という直球どストレート。何のてらいも、詩情で美しく飾ることもない率直な言葉。でも、それこそ、私達にとって真風さんに言ってほしかった言葉なんだと思います。

ありがとう、小池先生。私たちへの優しい贈り物。

4月に入り、たとえばラスト10日頃から、私達は大丈夫なんでしょうか・・。もうだめかもしれない。でも強く賢く優しく生きる。だって、それが約束だから。

 

以上、読み返してみたら作品の感想じゃなかったです。真風さんファンの心の叫びとしてお送りします・・。

真風涼帆リサイタル・MAKAZE IZM観劇感想 男役の魅力と爆笑と安心と

真風さんファンの皆様、お元気でしたか?

例の件について、記事見出しや憶測をうっかり目にして、コンサートで真風さんがお話になられた時の様子を伝え聞いて(あるいは現場でご覧になって)、心配と怒りと疑心暗鬼で食欲減退や睡眠不足になられたファンもおられたと思います。私は仕事多忙もあったのですが、深夜にあれこれ情報収集に走っていたため、やや睡眠不足気味で向かった国際フォーラムでした。

この私が!真風さんの開襟チェックをしなかったほど、心配していたんですよ。ええ。今、開襟の深さのチェックをぬかったことを、めちゃくちゃ後悔しています・・。

マチネが終わり、合流したマカ友ちゃんと軽く乾杯。お互いに出たのが「安心した」。コンサートでご自身から話をされ、休演日を挟んでの見事な切り替えでした。(多分、企業の立場からは、話をするのは止められたかな?と考えます。はい、これは私の勝手な想像ね)

今日観たのは、晴れやかですっきりとした、真風さんのこれまでを振り返る退団前コンサートでした。普通に明るく楽しく、少し寂しく。多くの方にとって予想外であったのは、真風さん最大の応援団=潤花ちゃんの超明るい存在だったのではないでしょうか?

今日なんてね、潤花ちゃん作詞作曲の「今日も元気にお腹を抱えてわっしょいしょい♪」という謎の名曲を、観客も一緒に踊ったんですよ(笑)。

あの元気印で有名な桜木みなとさんが困ってるんですから・・。ずんちゃんのお兄様キャラも素敵です。

 

本当に、様々な憶測や出所が判明しない情報が入り乱れた数日間でした。

ただ、ご本人たちが否定されたことに加えて(会には否定メールがそれぞれ流れたと聞きます。はい、ここも伝聞)、私には星組時代からずっと舞台を観てきた時間がありました。その時間は少なくとも確かに共に生きている。加えて、スカステも出版物もくまなくチェック、真風さん発言データを集めまくっているわけです。

深さで言えば宙組時代からご一緒されている宙組生さんや宙組OGさんよりも深いくらいかも(笑)。星組の泣き虫時代のぴよぴよ真風さんだって知ってるんだから!潤花ちゃんにだって、負けないわ!濃厚さでは負けるけど・・(笑)。

 

リサイタルで印象に残ったシーンを以下、お伝えしてみます。楽曲の順番や内容はtwitter情報を元にしています。記憶違いもあると思うので、ごめんやで!

あ、ペンライトは自由に光らせて、振ってました。首にはタオル、薄手のタートルネックの上にTシャツを重ね着。オペグラを持ち、ペンライトを振りながら、拍手もする。大変やったわぁ!ソワレでは、お隣のお二人組とリズムを合わせてふりふり。無言の連帯感がありました。

 

1.オープニング

”俺は俺らしく 君は君らしく 胸を張って生きてゆこう”が印象的なテーマソング。

今日のマチネで、ここの「君らしく」で手を差し伸べられたのは多分、いえ、きっと私!うきゃ!(思い込んだもん勝ち。その一帯の皆様とご一緒にね)

ずんちゃん中心に「カルトワイン」の楽曲もオープニングすぐに。良かったなぁ。

 

2.ダンディー

赤紫ぽい衣装で肩にもふもふつけた真風さんがご登場。

ここで始まるMr.ボージャングル。すっしーさんの名演です。ふっと世界に入っていくのが本当にすごい。

オーシャンズ11のジャックポットから、ロミジュリの真風ティボルト。迫力ありました!踊る娘役ちゃん達の衣装も表情もかっこよかったなぁ。潤花ちゃんの美脚とかっこいい表情もチェックしてね!

ここでは、337拍子で我々も参加するコーナーがあります。優しくきびきびとした桜木みなとさんの先導でNICE GUYのテーマソングをご一緒に。妙に楽しかったです。

 

3.風と共に去りぬ

スカーレットの潤花ちゃんが似合うのよ。さすが道産子プリンセスちゃん(今回、命名されてましたね)、潤花ちゃんの白いドレスの後ろにタラの土地が見えました。美しく力強いスカーレット、何だか農場も再建しそうなんですよね。

堂々登場されるレット・バトラーの真風さん。石田先生が先生方に聞いてくださったそうですが、真風さんに演じてほしかったお役№1だったとのこと(まだ演じていない中で選ぶなら、だったと思います)。ずばりはまり役。ただ、もう少し大きめのスカーレットさん相手に一度、タカスペでされているので、ほぼ自分のお役ですよね!ご自分でもおっしゃってました。

セントルイス・ブルース

かっけー!赤いお衣装の桜木みなとさんをセンターに、男役さんたちがハットをかぶったり脱いだり。ハットを取った時の目がセクシーですよね。お一人、一番後ろでめちゃくちゃ表情豊かな方がおられるな?と注目。今回、給水で注目を集める鳳城のあんさんでした。

ナイト&ディ

ここの緑のお衣装のトップコンビがオルゴールのてっぺんについているお人形さんみたいで、大好き。クラシカルなバービー人形の男役版という感じです。

真風さんの歌唱はFWMでぐっと変わりましたよね。その成果が感じられる英語での歌唱です。今日のソワレで階段上からの「You!」は多分、いえ、きっと私!(思い込んだもん勝ち・・以下同。なお、2階後方のため遠い)。

 

4.ジャポネスク

まず、白鷺の城の歌を瑠風輝さんが朗々と。娘役ちゃん達を率いる天彩峰里ちゃん。すっきりされたかな?キュートな美少女だわ。

ここで、真風さんの故郷、熊本県の民謡「田原坂」。”越すに越されぬ 田原坂”というのは確かに聞いたことがあります。モダンなお衣装の真風さんをセンターに男役さんが勢ぞろい。真風さんの背中には宇宙、星、雪のマークが。

田原坂の次は、吉田拓郎さんの「人生を語らず」。”越えて行け そこを 越えていけ それを”という歌詞は聞き覚えがあります。ザ・男という感じの歌。男役さんが舞台の上に座ったり、立って歌ったり、お一人ずつの場面がありますね。誰が歌っても上手い宙組さんです。この2曲は男役さんの魅力が炸裂しています。

FWMの時も素晴らしかったのですが、真名瀬みらさんと若翔りつさんのお二人の歌、本当に素敵ですね。好きですわ。(確かここだと思います。記憶違いだったらごめんね)

そして、「娘ソーラン」ですよ!ぶち上がりました。道産子プリンセスの潤花ちゃんと宙組ガールズ、きりっと歌ってくれはります。最初、大漁旗を持って登場する愛未サラちゃんと夢風咲也花ちゃん(だったと思う)。かっこいいよね!

 

5.海人イレブン

この冒頭がIZM様衣装の「ハネウマライダー」、続いて娘役ちゃんにきゃぁきゃぁ言われる「モンロー・ウォーク」です。このリサイタルのセクシーパート!

一緒にきゃぁきゃあ言いたい!おばちゃんも混ぜてほしいわぁ。(物陰から覗くmiyakogu)

権利関係でタイトルを使えないため、「海人(うみんちゅ)イレブン」となっています。ぷぷぷ。(登場する9人と真風さん、ボーイの変装してやってきた瑠風さんと合わせて11人かな?)

海辺でくつろぐIZM様(パンフにある役名はミスターS)に、指令の電話がかかってくるんですよ~。ここはどうぞ配信でお楽しみください。

散々大変な目にあったので、戻りたくないミスターSの真風さん。何とか帰って来てほしいカンパニー。過去に演じた役について、いかにひどい目にあったかの回想が始まる訳です。ぷぷぷ。

天は赤い河のほとりからは、カイル役の桜木みなとさん。ええ歌やなぁ、ここのオープニングのメロディ、好きだったんですよ。

ランスロットからは、ランスロット役の真名瀬みらさん。このバウ公演はリアルでは間に合っていません。残念!映像で見た天寿さんとのお芝居が好きでした。

日の当たる方へからは、ジキル博士役の雪輝れんやさん。真風さんがパジャマで眠るシーンがあったよね?凝視した記憶あるわぁ。DC千秋楽で真風さんが号泣された演目。これも天寿さんにお世話に。

ヴアンパイア・サセクションからは、アルカード役の若翔りつさん。レモン・ツリーが象徴的な存在でしたので、レモンの植木鉢を持ってご登場。

黒い瞳からは、ニコライ役の秋音光さん。愛ちゃんと真風さんの黒い瞳、好きやったなぁ。私、ニコライ坊ちゃんの真風さん、妙に好きなんです。

異人達のルネサンスからは、ダ・ヴィンチ役の湖風珀さん。宗教上の権力闘争?に巻き込まれて・・と遠い目。

アナスタシアからは、ディミトリ役の優希しおんさん長いコートを翻して踊るキヨちゃん、素敵でした。あのコートを着て綺麗に脚を上げ、回転されるんです。見どころです。

ネバセイからは、ジョルジュ役のロイヤル柴藤りゅうさん。いやぁ、アナスタシア、ネバセイと大作続きでしたね。

シャーロック・ホームズからは、ホームズ役の潤花ちゃん。彼女、本当は男役でもいけたんじゃないのかしら?という力強い目線です。

ネバセイのワン・ハート(そういう使い方です?という感じですのでお楽しみに)から、アナスタシアのJurney to the pastへ。いい曲多いなぁ。アナスタシアの楽曲、本当に良かったですよね。

 

6.ガール・IZMからフィナーレへ

SHISHAMOさんの「明日も」を歌う娘役ちゃん達。本当に、可愛い!

黒髪がトレードマークの水音志保ちゃんが今回、珍しく明るいブラウン系?です。もう、みんな可愛いわぁ。ついこの間まで、苺美瑠狂の明日香役でふっきった演技が印象的だった花宮沙羅ちゃんもキュート!

一曲終わると、潤花ちゃんが炸裂するMCタイムが始まります。もうここは、一杯SNSで伝わっているので省略!一杯話したいこと、したいこと、クイズにしたいこと、伝えたいことがありすぎて、炸裂している潤花ちゃんです。面白いなぁ。

出てくる真風さんが膝に手をついて崩れ落ちながら笑ってしまうのが、見ていてほっこりタイムです。

真風さんが「Lemon」(米津玄師さん)、潤花ちゃんが「君に送る歌」(シェネルさん)、再び真風さんが「まんげつの夜」(ナオト・インティライミさん)を歌われた後、ホテル・スヴィッツラハウスから「Lives in the theater」で大団円です。

ホテル・スヴィッツラハウスの無観客配信を覚えています。劇場で生きる時間、劇場以外での暮らし。演者たちの歌であり、観客の歌でもあるかのようにも思えます。私は植田景子先生の著書を読んだことがありますが、おそらく何か大きな喪失を観劇で埋めていかれたのかな?という記述があり、その思いが込められた素晴らしい楽曲だと思います。

また、「まんげつの夜」の後だったかな?と思うのですが、真風さんがにこっと、下級生時代を思わせるような可愛らしい笑顔を見せられる場面があるんです(場面の記憶違いだったらごめんね)。本当に清らかな柔らかな笑顔で、私はその笑顔が好きなんです。何となく、まぁ様に甘えておられた時のような笑顔。あんなにクールな男役さんなのにね。

 

7.アンコール 希望という名の光

今回、私が一番強く印象に残ったのは山下達郎さんのこの楽曲です。

真風さんが2017年の巴里祭でもアンコールで歌われた曲。当時、熊本の震災後であり、真風さんが心を込めて歌っておられるのが伝わってきました。

その時に印象に残ったフレーズは「眠れない夜のために 子守歌があるように」。

今回は「何度でも起き上がって 立ち向かえる力を送ろう」でした。

特に「何度でも起き上がって」の力強さ。

ああ、この方は大丈夫だ。何があっても立ち上がる力がある。

初めての新人公演の5分前に泣いてでもやり遂げたという、あの時からずっとずっと、人間の芯に大きな強さがある人。大丈夫。そう確信できました。

主演として舞台の真ん中に立ち、何作もやり遂げてこられた。そこからしか見えないもの、真ん中に立つ者しかわからないこと、逃げない強さ。これまでの経験の中で、この方が一つずつ、一歩ずつ蓄積されてきたものの厚みと強さ。その揺ぎ無さを感じ、安心したのです。大丈夫だと。

今日、観劇できて本当に良かった。リアルに真風さんの姿を観て感じなければ、変な方向で心配ばかりしていたかもしれません。

もちろん、失敗したり、後から考えたら良くなかったり、こだわりが少し面倒だったり、言葉が少し厳しかったり、まだまだお若い方なりにいろいろなことがあるだろうと思います。

でも、そこから軌道修正したり、起き上がる力こそが大切ですもの。30代(フェアリーですが推定)は、私たち50代社会人から見たらひよっ子さん(笑)。(真風さん、ごめんなさいね)

 

どうぞ、千秋楽まで無事に駆け抜けられますように。

007が素敵な作品になりますように。

潤花ちゃんが明日も弾けていますように。

真風さんが幸せでありますように。

配信を、どうぞお楽しみください。だって、潤花ちゃん、気になるでしょう?ね?!

宙組トップスター・真風涼帆さんの退団発表に捧ぐ 「カプリチョーザ!!」のアリベデルチ・ローマ

本日、宝塚歌劇団宙組トップスター 真風涼帆さんの退団が発表されました。

いつか来る日とわかってはいました。十分、いろいろな真風さんを見せていただきました。

けれど、文字になってしまったものを見る衝撃の大きさ。初めて、今日わかりました。ご贔屓を2人見送ってきた娘に教えを乞うか・・。今はそんな気分です(泣)。

以下は、予兆を感じる中、ハイロー千秋楽の夜に書いた、いわば「予定原稿」です。発表があったため、アップいたします・・・。

潤花さんがご一緒されること、胸暖かく受け止めております。(かっこいい真風さんを見たら)火を吐く、(ショーの魅力を伝えるための)もうすごいことになっております!等の明るい名言、今回の公演で見せてくれた静かな明るさをたたえた繊細な演技に歌。艶やかな大輪の花のような潤花さん、本当に宙組に来てくださってありがとう・・・。

 

1.「カプリチョーザ」のローマ

今公演のショー『Capricciosa(カプリチョーザ)!!』-心のままに-を初日観た真風さんファンは、予兆を受け止めていたと思います。

第6章官能の町 ローマ。

キキちゃんとその場を去る潤花さんの背中を押し、一人になった真風さんカプリチョーザ。(結局、潤花ちゃんは旅を終えようとするカプリチョーザの元に戻ってくれたのですね・・涙)

そこに同期の副組長・松風輝さんがハットとコートを持って現れ、真風さんに微笑みかけます。客席からは真風さんの表情は見えません。けれど・・。

初日、松風さんが、同期のトップスターを慈しむ、少し照れたような、始まるねというような笑顔を真風さんに向けられた瞬間、あ、これはもう・・と察しました。

「アリベデルチ・ローマ」。1955年に作曲され、後に映画で使われたことで大ヒットしたカンツォーネと知りました。二度と会えないというより、「また会う日まで」というニュアンスのようです。

副組長の同期が真風さんにコートを着せ、組長がこう歌われます。

アリベデルチ・ローマ 旅の終わり

あなたを振り向かせ 時計の針を止めて 永遠に旅を続けたい

さらに、まっぷーさんと小春乃さよちゃんが歌い継ぎます。

あなたとの思い出は 楽しく美しく

心に刻まれ続けている

出典:宝塚歌劇団『Capricciosa(カプリチョーザ)!!』 

メモを元にしているので細部が間違っていたらすみません。

もちろん、後ほど出て来られる今公演での退団者の皆様を送る場面でもありますが、明らかに真風さんに向かって歌われた歌です。

真風さんも、「いろんなことがあったよね、わがままばかりでごめんね」と歌われ、あたかも宝塚人生を振り返るかのような歌詞になります。

その場面のラスト。真風さんは一人だけ大階段を上り、ハットを取って振り向き、ぱっと腕を客席に伸ばします。再び、帽子をかぶり背中を見せて一人で階段を上がり去って行く真風さん。千秋楽の配信のこの場面、真風さんは清々しい輝きに満ち、いつも以上に時間を取っておられました。

階段を上がる背中を隠すように幕が下がり、対照的に舞台上に残る”これからの若手メンバー”。そう、過去に何度も真風さんが担ってきたシーンですね。うんうん・・。

 

がしっ!(オペグラを握るmiyakogu。机がないので叩けない)

なーに、サヨナラショーの盛大なリハやってんですかぁーーーっ?!(泣)

(心の声 エコー)(エコー)(エコー)(エコー)

オペグラを握りしめる手もぷるぷると・・(泣)。注:初日

 

私のTLにおられる真風さんファンの暗黙の統率が見事だったのは、誰もtwitter等で、この場面に触れなかったことです。同じローマでも、ご退団者については触れるけれど、ローマの場面の歌や振りの意味については、一切触れない暗黙の連帯。

次が007のジェームズ・ボンドという、これまたかっこいい男代表のようなお役の小池先生の一本ものですから、ショーは”今この時”しかできません。

東京であれば発表も済み、あたりをはばかることなく盛大に泣ける。

私が今回、東京遠征、しかも普段は観劇しない平日遠征を決めた最大の理由がこれです。大劇場ではまだ泣くわけにはいかない。そう決めていました。

 

2.退団の予兆のような何か

6月の末、宝塚お友達からチケットを譲っていただき、私は朝夏まなとさんと加藤和樹さんのコンサート「THE Roots 2022」を見に住友生命いずみホールを訪れました。クラシック音楽用に作られた小規模ながら高質なホールです。

その時、すらりとした背の高い長め前髪のジェンヌさんが3列目くらい斜め前に座られました。きゃしゃな肩の、たおやかな女性的な雰囲気。

まぁ様のコンサートに来られているなら、おそらく花組か宙組の下級生さんです。真風さんによく似ておられるなぁ、こんな方おられったけ?花組さんかなぁ?帰ったら「宝塚おとめ」を見てチェックしようと思っていました。

しかし、その方は他の目撃談から、どうも真風さんご本人。後に、最新ビジュアルを見たときに、長い前髪で確信しました。

なぜ、気づかなかったのだろう??

私は真風さんデータベースのようなものが脳のどこかにあり、真風さんの画像や取材インタビューの内容がタカタカタカと取り出せるのです(オタク特有の特殊技能)。

真風さんを見逃すはずがない。おかしい、なぜ、このような失態を・・?miyakogu一生の不覚、真風さん後頭部をがん見できたチャンスだったのに?(違)

おそらく、今までと違う雰囲気をまとった真風さんだったからだと思います。

コブラちゃんを演じるための長め前髪はもちろんですが、お稽古場から直接駆け付けたようなラフなシャツに加えて、お見掛けした真風さんはたおやかでした。

そう、何か重い荷物をいったん降ろしたかのような。

もしかすると、荷物を降ろすことにされたのかもしれない・・・(絶句)。6月末のことでした。

 

3.宙組20周年の堂々たるトップスター

真風さんの退団があるとしたら、おそらく9作目かなと一定予測はしていました。

真風さんが入団後、研9まで過ごした星組の大トップ・柚希礼音さんは大劇場11作。宝塚歌劇団100周年をリードされた特別なトップです。

真風さんは、100周年後半を次の110周年につなぎ、創立20周年を迎える宙組の”らしさ”をより明確にするためにトップとなられた、燦然と輝く特別なトップスターのお一人だと思います。

175センチの長身、江戸の浮世絵の歌舞伎役者のような面長、涼やかな目元。長くまっすぐな美しい脚、縦長の美しい骨格。踊っても元に戻る美しい髪の流れ。センスのいい鬘、優しい声、美しく品のある男役としての所作。

私は大劇場の星組「ロミオとジュリエット」でシルバーグレイの長髪で「死」の役を踊る真風さんを初めて見たとき、こんなに美しい生き物を見たことがないと呆然としました。

前トップの朝夏まなとさん=まぁ様が花組からの伝統で、娘役さんに可愛いねを連発し(ちゃらく)宙娘ちゃんの素敵さを増していかれた後、柚希礼音さんの元で男役像を学んだ真風さんが宙組に伝えたであろう熱さ。真風さんが秘めた情熱は静かに見えて、瞬間、爆発する、そんな情熱。

今、宙組さんは、もともとあったコーラスと長身スタイルの強みの上に、一つの“らしさ”が完成されたように思います。すこーんと青空のように明るくて楽しそうでスタイリッシュ。そこに、”華”と”熱”が加わった今の宙組はとても魅力的です。

宙組の太陽・まぁ様に続き、経験値の高い男役1,2が一定期間、かちっと安定しておられることで若手が育つ今回、「HiGH&LOW」を観て、20周年を越えていく宙組には、どこかでその安定的なプロセスが必要だったのだろうと私は思います。

 

4.終わりを見据えた静かな覚悟

柚希礼音さんの元で新人公演、3番手時代を過ごされたために、経験値が非常に高いことは、真風さんのゆったりとした大きさを作った要因の一つだったと思います。バウ、DCはもとより、ショーの新人公演主演の経験(大羽根を背負って)、武道館でのコンサート、男役123によるディナーショー。その経験があってこその東京ガーデンシアター「FLY WITH ME」。

随分前に退団発表後の柚希礼音さんを取り上げた雑誌「anan」に星組3番手として登場された時、近くで柚希さんの退団プロセスをご覧になっていたためか、インタビューでいつか男役を終える日が来ることを見据えて、という趣旨の発言をされていたことを覚えています。

この人はもう、男役をいつか終える日を見据えている・・。衝撃でした。

だからこそ、この限られた「今を生きる」を大事にされてきたのでしょうか。その静かな覚悟が大きな包容力となり、熊本から来た少女を今の真風さんへと変えていったのかもしれません。

 

5.真風さんと共にある10年

宙組『カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』の東京千秋楽は来年6月を予定されています。

私が星組ロミジュリを観劇したのは奇しくも、その10年前の6月。すぐにお手紙を書いて7回観劇し、7月のお誕生日イベントに入待ちで参加したことがあります。

新入りさんです」と紹介され、間近で真風さんと向かい合いました。どんな席よりも近かったと思います。(残念ながら私のライフスタイルはFC活動には馴染まなかったので、継続はできませんでした)

当時、私は小さな会社とは言え、親族外で後継者となることを打診されていました。

星組3番手の真風さんにいつかトップスターの大羽根を背負ってほしいと夢をかける。一方で、自分はそんな重そうな役目は嫌だと辞退する。それは卑怯ではないだろうか?その思いに動かされて役割を引き受け、来年6月には私自身も10年目を迎えます。

その10年の間にはまさかの療養もありました。お正月の病室で見たNHK生中継の「アクアヴィーテ」。今となってはもう懐かしい思い出ですらあります。でも、あの劇場に行くんだという強い願いは、何よりの薬であり、光でした。

美しく完成された男役、宝塚歌劇団宙組トップスター 真風涼帆さん。

私の光になってくださって、ありがとう。

故郷・熊本の震災後、巴里祭で歌われた「希望という名の光」、FWMで歌われた「Love,Dream & Happiness」。ずっと覚えていたい優しい声の響き。

来年6月、退団される真風さんをまっすぐに見送ることができますように。

 

まずは東京宝塚劇場でのハイロー、無事の上演をお祈りします。

ぶち上がるぜぃ!!!最後までHigher、もっと高みへ、へーい!!!

叫びたいねぇ(泣)。

宝塚宙組ハイロー 異なる世界をつないだヅカローロマンス 感想、行くぜぃ!

宝塚大劇場で上演を続けてきた宙組HiGH&LOWとショーCapricciosa!!、いよいよ千秋楽を無事に迎えられそうです。台風一過の今日は見事な秋晴れ。明日の千秋楽が滞りなく進みますように。

さて、千秋楽を控えてハイローの観劇感想と少しばかりの考察をつづっておきたいと思います。以下、大事な場面についてネタバレがありますので、気になる方は観劇後にどうぞね!

 

1.HiGH&LOWと宝塚をつなぐキー・キャラクターとロミジュリ風味

通称”ヅカロー”の今作品。ハイローファンの方々にもご観劇いただき、宝塚ってすごい!と受け止めていただける作品となったようで、嬉しく拝見しています。

初期の頃、ハイローファンの方からは自分たちは満足だけれど、宝塚ファンの方は大丈夫だろうか?とご心配いただき、一方、宝塚ファンはハイローファンの方々に女性が演じるヅカローを受け入れていただけただろうか?と心配。お互いにどうやら大丈夫と胸をなでおろしたところかと思います。

宝塚とハイロー。

私自身、LDHさんへのイメージは筋肉バキバキで日焼けして、キレッキレのダンスにダブルボーカル。TV番組でお見かけすると、ダンスパフォーマンスを真摯に追求されている方々だなと感じていました。

宝塚とハイローの世界はかけ離れた存在だけれど、おそらくパフォーマンスへの真摯さは宝塚とLDHさんの両者は共通していると思います。宝塚の皆様も、すらっとお綺麗だけれどある種、舞台上のアスリートのよう。案外、共通点はあったのかもしれません。

その中で、両者をつなぐ存在としての岩田剛典さんの存在は大きかったと思います。

私自身、以前に映画予告を何回か見かけて、気になってネットで見たのが岩ちゃん主演の映画「パーフェクト・ワールド」。筋肉質だけれど細身ですらっとされていて、LDHさんの他の方と比べると色白で、綺麗に口角が上がったスマイルに、育ちの良さがうかがえる品。

岩田さんがコブラを演じていて、それを我らが宙組トップスター・真風さんが演じる。納得感があります。

私は予習として映画「HiGH&LOW THE MOVIE」を見た限りですが、基本は男たちの熱い闘争だけれど無駄に喧嘩をしている訳ではなく、守るべき存在があり、湿度の高い性的要素が無く、かっこいいアクションシーンの連続で、ちょっとお茶目なところもある。

岩田さんの存在に加えて、窪田正孝さんが演じるスモーキーのキャラも宝塚とハイローをつないでくれたと思います。ルードボーイズのリーダーで意思も喧嘩もめちゃくちゃ強いけれど、体は弱くて儚げ、うつむき加減で言葉では多くを語らない・・。

うん、宝塚ファンが好きそうなキャラやわと思っていたら、娘曰く、そんなん、全オタクが好きなキャラやん?とのことでした。やっぱりか・・。

 

さらに、野口先生が宝塚とハイローをつなぎ、”ロマンス”のフレイバーをたっぷりと振りかけたのが、ヅカファンならどなたもキャッチされたであろうロミジュリ風味した。

古洋館で開かれる仮面舞踏会のインビテーションは、ハイローの世界への宝塚ファンへのインビテーション。

大丈夫、これから始まるのはロミジュリぽい世界だから、喧嘩ばっかりじゃないよと誘う招待状です。パンフの野口先生のご挨拶におけるタイタニックに関するコメントを読んでもおそらく、実際にそうだっただろうと思います

古洋館での仮面舞踏会とすることで、コスプレのような白い時代がかった衣装が登場。娘役さん達もふわっとしたスカートの白いミニドレスで、クラブで踊ってますという感じの露出の多い衣装ではない安心感があります。ここ、めっちゃ可愛い娘役さん達一杯で嬉しくなっちゃいます。宙娘、充実してますよーー!

舞踏会に一緒に行こうとコブラにせがむ3人組も、カナと出会ってから変わってしまったコブラを責めるまちの仲間たちも。かんっぺきにロミジュリでしたね。コブラの仲間の3人組を演じる柴藤りゅうさん、若翔りつさん、亜音有星さんも三者三様で可愛いんですよね。

私たちはあら、知っている世界だわと安心して、ハイローの世界へと入っていけたと思います。

 

2.トップコンビならではの宝塚ロマンス

真風さん演じるコブラと潤花ちゃん演じるカナの恋。

「Fly With Me」で先行して歌われたメインテーマソングから、カナちゃんは病弱な美少女なのかな?でも衣装はアクティブそうかな?と思っていましたが、活発な明るい重病のカナちゃんでした。

パンフレットには「大病」とあり、この手のストーリーで良くある「癌」や「白血病」としなかったのは、おそらく観客への配慮だろうと思います。私自身を含め、全人口の半数は癌になる時代。加えて、医療の素晴らしい進歩により完治・寛解が見込める病になってきているのも事実です。治療法を探して国中を回ったというセリフから、ここは何らかの難しい病気だと受け止めておこうと思います。

とは言え、初日、「私、もうすぐ死ぬの」のあっけらかんとしたセリフの唐突さに、むむむ?となったのは事実です。あ、そのカード使っちゃうかぁと。

しかし、開幕2週間めくらいからか、潤花さんの間を置いた切り出し方に変わってきて、あ、コブラが相手だから思い切って打ち明けたのかな?淡い初恋の相手だったのかな?という余白が出てきたように思います。

コブラちゃん、そこは救急車呼ぼうよ、いや、フォトスタジオというのがあってね、素敵な空間で写真撮れるよと心の中であれこれ突っ込みつつ、2つの異なる世界をつなごうと必死であったであろう野口先生のご苦労を思うと・・

こまけぇこたぁ、いいんだよ!

これが宝塚のハイロー祭りでぃ!

となりました。

 

この全員主役のハイロー祭りの中で、楽しい瞬間、胸きゅんなシーン、静かな空間、繊細な感情をつないでいくのはコブラとカナの二人の物語です。

二人だけのシーンは穏やかで楽しくもあり、悲しくて切ない。そして、なぜか透明な明るさがある。

その透明な明るさを、最後に「出ちゃった」と表現してくれた潤花さん。彼女の明るい持ち味が生きた重要な場面でした。

対して、「お前、出ちゃったじゃないぞ」と、真剣なシーンなのに特有のコミカルさを表現してみせた真風涼帆さん。

”生きている間”は抱擁だけだったのに、キスをした後、すぅっと暗闇に消えていくカナの切なさ、真風さんコブラに残る深い想い。

宝塚トップコンビならではのロマンスが確かにそこにはありました。

 

真風さんは山王連合会の頭で強い男です。でも、恋をし、カナーーー!と叫び、涙を見せる。喧嘩ばかりの強い男が出会ってしまった繊細な人生の物語。

バイクに乗せてくれて、遊園地お化け屋敷に付き合ってくれて、いなせな浴衣姿で夏祭りに一緒に行ってくれて、仲間との大事な風景を見せてくれて、病室で夢をかなえてやると言ってくれて、抱き締めてくれる・・・。

そんなん、観客も恋するやん?!

あ、前からか。

 

3.宙組顔見世興行

全員主役がコンセプトの原作・ハイロー。宝塚ではSWORD+苦邪組の6組の頭と各チームにキー・メンバーがいることで、見事に宙組メンバーの顔見世興行にもなったと思います。ロッキーを再現度高く演じておられる芹香斗亜さん、超かっこいいイケオジの寿つかさん、曲者感が見事な松風輝さん、目じりキリっの小春乃さよさん、山王連合会の3人組はもちろんお見事なのですが、以下、印象の強い若手メンバーの皆様を順不同で。

 

桜木みなとさんのスモーキー

トップコンビ以外で、ハイローの中に確かな物語を感じさせてくれた筆頭が、ルードボーイズを率いるスモーキーを演じる桜木みなとさんでした。

スモーキーは原作映画でも圧倒的存在感の窪田正孝さんが目と表情の演技を見せておられ、彼がなぜこのまちの守護神になったのか、どういう人物なのか、何があったのかを知りたくなります。背後にある物語が確かに感じられるのです。

桜木みなとさんのスモーキーは、おそらく窪田さんの演技に触発された脚本と、ずんちゃん自身が作り上げた儚げな美少年スモーキー像により、彼をめぐる物語が確かに舞台上にありました。

ルードボーイズは初日からダンスが抜群

ショーでとんでもないロケットを見せてくれる優希しおんさん筆頭に、身寄りが無い者が家族として集まり、誰よりも高く飛ぶことを目ざすチームを見事に表現されています。

 

風色日向さんのKOO

セクシーでインパクトの強いロッキー役を見事に演じておられる芹香斗亜さんの右腕、KOOの風色日向さんも印象的でした。ぴくりとも笑わないクールさに、明晰なセリフ、常にロッキーを支える強さ。強い印象を残しました。ショーでも色気のある目線で、いや、あなた、変わったわね!(歓喜)

ホワイトラスカルズは原作でもゴールデンボンバーの皆様が出演されていて、ちょっとコミカルなんですよね。みんな可愛いなぁ。

 

真白悠希さんのロン

苦邪組の最年少・ロンを演じる真白悠希さん。ひょうひょうとしたロンですが、未成年の彼がなぜ苦邪組にいるのか、どういう出自なのか、仲が悪そげなメイナンツーとはどんな関係性なのか、こちらも知りたくなる存在でした。わずかな出番できっちりと印象に残してくる、今後が楽しみな演者です。宙組本によると宴会女王らしいですし・・(笑)

 

泉堂成さんのメイナンツー、苦邪組を率いる留依蒔世さんのリン

原作にないオリジナルキャラが話題騒然の美少年、苦邪組のボーイ・メイナンツー。泉堂成さんが色気駄々洩れの目元でクールに演じる美少年っぷりで、ハイローファンの方々の心を次々と奪っていく様は、さすが宝塚歌劇団ですわ。うんうん(歓喜)。あの子、ほんまに危険。どうするつもりなん?!大々的に売り出してください。

リンを演じる留依蒔世さんは低音ボイスで指示を出すのがかっこいいんですよ。多分、気前のいい、結構いいボスだと思うんだけどなぁ。今回、ショーで退団前に務めておられるエトワールの歌唱が大劇場でびりびりと響き渡ります。

 

瑠風輝さん率いる達磨一家

原作で一番難しい楽曲だなと思っていたのが、達磨一家の「VOICE OF RED」。どうするのかな?と思っていましたが、さすが瑠風輝さん、初日から歌いこなしておられました。実は中間地点くらいで拝見した時、一番柄が悪くなっていたのが達磨一家の皆様。迫力を増すもえこちゃんの歌と決めセリフには震えたね。

加藤役の希峰かなたさん、右京と左京役のお二人。特に赤い帽子をかぶった左京役の凰海るのさんは太いネックレスで目つきが悪くて、だぼだぼのズボンで、わざと首を突き出した猫背で歩いて、ジェンヌさんのお芝居魂に感動です。宙組本でも真風さんにお芝居のこと、褒められていた方ですね。(間違ってたら教えてね)

苦邪組との総決戦では達磨一家が登場するシーンで、一瞬だけ原曲に出てくる「通りゃんせ」のメロディーが流れます。ぶち上がりました!

 

鷹翔千空さん演じる村山

スモーキーずんちゃんと並び、原作ファンが歓喜されていたのは鷹翔千空さん演じる村山。「べー」ってするし、厚めの前髪で額を覆って目のぎらつきが一層強調されるビジュアル。バウのWSだったかな、舞台袖で一人で空を見つめている不思議さを暴露されていたこってぃが、こんなに熱く仲間と・・(涙)。胸熱です。

映画で総決戦に歩いて行こうとする村山を、大きなトラックに乗って大勢の仲間が追って来るシーンが妙に好きなんです。ぶち上がりますね!

 

苺美瑠狂と元ナタデココの苦邪組七姉妹

いやぁ、娘役ちゃん大活躍です。映画ではほぼ戦わないのですが、宝塚の舞台では参戦、見せ場もたっぷり。達磨一家の場面にも花魁姿で登場と大活躍。

苺美瑠狂総長の天彩峰里ちゃんはショーでも大活躍です。明日香を演じる花宮沙羅ちゃん、愛未サラちゃんに夢風咲也花さんをはじめとする皆様が、足をがっと開いて座っているのを見ると、皆様よくぞ・・と感慨深いです。

春乃さくらちゃん率いる苦邪組七姉妹は美脚の嵐。目の粗い網タイツ姿にチャイナドレスがとってもお似合い。なのに柄悪く戦うんですよね、これが。「上等だよ、ごるらぁ」とかジェンヌさんがセリフで言う日がくるとは・・・、めっちゃ美声の歌姫なのに・・(笑)。頑張っておられます!

 

4.宝塚らしさの狭間で

私の周りには祖母の代からの宝塚ファン、何十年と大劇場に通ってこられたオールドファンが複数おられまして、皆様、厳しい目をお持ちの見巧者です。

初日開けてお問合せがあり、物語としては不十分に思われるかもしれないですが、原作も全員主役のショー的作品なので、そう思って御覧いただけると、とお返ししました。すると、このご時世、ぱーっとしたお話の方がいいですわとの鷹揚なご意見。さすが、いかなる作品も見届けてこられた往年ファンです。

確かに、コロナで長らく旅行にもろくに行けず、鬱々とした中、威勢のいい”祭り”も悪くないと思います。テーマソングである「HIGHER GROUND」でSWORDの5組が総踊りするフィナーレ、本当に最高なんですよ、すきっとする祭り!

宙組は前回はスペイン内戦が舞台の大作でしたし、宙組の前の月組さんはギャッツビーの文芸大作。宝塚大劇場では、次も雪組さんの一本もの大作「蒼穹の昴」です。

その合間のぱーーっとしたチャレンジ新作。ライブビューイングや東京でお待ちの皆様、どうぞ観劇をお楽しみください。

あ、ショー「カプリチョーザ」はね、幕開け、赤い衣装でチョンパにサングラスできゃぁ!そこにおもむろに登場する真打の伊達男・真風さん、緑の衣装にビジューを一杯つけたきっらきらの潤花ちゃん。美しいですよ~。

銀橋でずらりと並ぶ赤い服の男役さんがあちこちで色気たっぷりの表情をしてくるから、超危険。1回・2回くらいの観劇だと、ハイローの記憶もテーマソングも吹っ飛ばして、

「カップリチョーザー、イエイ!」

しか言えなくなっちゃいますから。危険で濃厚で見事なショーです。藤井大介先生に脱帽!どうぞこちらもお楽しみに。

真風涼帆スペシャルリサイタル 宙組・FLY WITH ME 感想、行くぜぃ!!

東京ガーデンシアターで開催された宙組トップスター真風涼帆さんのスペシャルリサイタル「FLY WITH ME」、わずか3日間5公演でしたが、無事に千秋楽を迎えました。

では、初日と2回目の公演を見た感想をお届けするぜぃ!

 

感動したのは・・

宙組生20名出演のハイロー世界観の疾走感、すずほさん劇場、LDHさんと宝塚の美しいコラボ、フィナーレと盛りだくさんでした。嵐のような2時間。

私が、あ!野口先生やるな!と一番感動したのはラスト、LDHさんの「Love, Dream &Happiness」(EXCILEさん)と宝塚の「すみれの花咲く頃」と重ね合わせて歌われた場面でした。

娘役さんが歌う宝塚のテーマソングと、LDHさんのテーマソングがパートナーソングのように歌われたことに感動したんです。

「Love, Dream &Happiness」を存じ上げなかったので(ググった)、出だしの歌詞「別れの時が近づいて」にどきっとし、でも、続く「君のことが好きだから 自分を一番大事にしてほしい」で号泣。少し前に大きめの病気をした私に真風さんヴォイスで声をかけてもらったように感じ、肩を震わせて泣く泣く!タオルマフラー、超役に立ちましたよ、真風さん。

それにしても、本当に真風さんがかっこよくて、かつ美しかったです。いかなる場面であっても品を持ち美しい。それでこそ、宝塚のトップスター・真風涼帆。

究極の男役として紹介してくださった宝塚歌劇団と野口先生にも心からの感謝を。ザ・男役な真風さんのいろいろな姿を見せてくださり、かつこれから始まるワクワクするけどちょっと心配なHiGH&LOWの予告も入れてくださって、おばちゃん、予習できて嬉しいですわ。

エンジェルのてめぇら!行くぜぃっ!!

あ、違う!ヅカファンの皆様、よろしくて?行きますわよぉーーー!

いつもは「ですます」で書いてるけど、このコンサートの疾走感に合わせて行くぜぃっ!!MCはtwitterでいろいろ流れていると思うから、公演感想中心でね!

あ、お水補給の時、ビーズのキラキラ一杯着いた手袋を片方取って、膝をがっと広げて片膝付いてお水のんでたよね!😍あのお姿も貴重でした!💕

 

1st Flight

めっちゃ可愛かったわ、潤花ちゃん&宙娘役ちゃん達のCA。有村先生のお衣装も素敵。でさ、あの裾を手で広げてぴょんぴょん踊るの、超かわいくなかった?!開幕してキキちゃんがリードしておられると、うんうん、宝塚やし、大丈夫感もあった安心するしね!

じゅんぱなちゃんはさ、他の方より5mmずつくらい動きを大きく取れるんだと思う。膝を上げるのも、後の野球シーンの張り切りぷりぷりってした動きも。張り切ってて本当に楽しかったよーー!

そこから、ばんっ!!!!

今回のテーマソングFLY WITH ME」ですよ!ばんばんばんばん!(注 机をたたくmiyakogu)

デーーンと長い脚をたかだかと組んでせりあがるサングラス・イケちらかし真風機長様。あの方、機長というより、プライベートジェットに乗り込んできたキングセレブ!

白浜亜嵐さんが楽曲提供くださったギュイーンと疾走感のある楽曲、初日は若干戸惑ったんですが(野口先生の歌詞への戸惑い含み)、2日目にはもうノリノリ!

宝塚の歌唱ではLDH様の曲はリズムが速いとなかなか歌いこなせない点も少々あるとは思うけど、かっこいいからいいの!うちはかっこいいのと美と脚が長いので行くから!

歌上手集団の宙組、ハイローの頃にはぐいぐい行ってると思うし!(多分、宝塚でさらっと歌いこなせるの、こっちゃんとそらちゃんくらいじゃないかな?)

※千秋楽映像ではさらに歌いこなしてはりました!さすがです。

清く正しく美しい君と。

なーーんて歌詞、誰が思いつくの?LDH様の世界観で。いやぁ、野口先生、あっぱれでした!演出のPATO様、白浜様がパンフレットに寄せてくださったご挨拶も宝塚へのリスペクトを感じて、本当にありがとうございました!感謝!

テーマソングの「SOARIN」で、真風さんが白く輝く光の中でぐぐーーっとせり上がり、初日、ここで既に号泣するmiyakogu。こんな大きな会場で、あんた、良かったなぁ・・。と涙する大阪のおばちゃんです。(他にもおられたようで安心した!)

一生懸命フラッグも振る!ステージからも見えたかな?

 

2nd Flight

「Welcome to TOKYO」も三代目 J SOUL BROTHERSさんの楽曲(帰りの新幹線でググった)。「Choo Choo Train」と「銀河鉄道999」は人生の先輩系(初日の真風さんと芹香ちゃん語録)宝塚ファンへの野口先生の配慮を感じたわ。

92を胸につけてぐるぐる回る真風さんと宙組子の皆さんが愛おしい・・。星組時代のオーシャンズ11の謎の若者ラップ場面を回収できて良かったわ・・。

「銀河鉄道999」でバットをマイク替わりに持って歌う峰里ちゃん、張り切ってぶんぶん構えるじゅんぱなちゃん。最高でしたね。

 

3rd Flight

ここでハイロー大予告ですよ!

画像で見て我々ファンが動揺しまくっていた「コブラちゃん真風さん」のご登場に沸く会場です。何着てても脚が長い!!

TVドラマ「おっさんずラブ」で大注目した林遣都さんのおかげで、達磨一家だけは知っていた訳ですが、ハイローを構成する他チームは全く分からず。とりあえず、ハイローの映画を何か一つ見る!とおばちゃんも固く誓ったわ。SWORD地区の関係性だけはちょっとずつ把握中。みんな、がんばろ!

それにしても、宝塚版ハイローをオリジナルの映像をふんだんに使い、気合を入れて紹介してくださって本当にありがとう。

山王連合会のリーダーになるコブラちゃんのラブストーリーにしては真風さんのキング感が強すぎるかもとのことだけど(学習した)、大丈夫、真風さんは超ぼっちゃんを演じた宝塚作品「黒い瞳」や若さを前面に出した「ウエスト・サイド・ストーリー」のトニーも演じておられるので、信頼大でハイローを待つ。

ホワイトラスカルズのリーダー・ロッキーを演じる芹香斗亜さん(キキちゃん)も準備万端よね。衣装もピンクの丸眼鏡も銀髪も、しっくりきてて最高でした。

この場面では、「苺美瑠狂(いちごみるく)」の娘役ちゃん達も最高でしたね!ひらひらのピンクの長いシャツをくるっと回して、きりっとした目で。歌詞は案外可愛い。私的には、娘役最下級生の可愛い山吹ひばりちゃんが、つーんとした表情を見せているのが最高でした。(注 最高しか言ってない)

後、鬼邪高校のリーダー・村山良樹を演じる鷹翔千空ちゃんのチームががんばってはった!ここで注目したのは真名瀬みらさん、りせなる(泉堂成さん、大路りせさん)のキレッキレのダンス。やんちゃで挑発的で、直線的で男性的だったよね!ここまで男性的に踊れるのもすごい。

潤花ちゃんのkanaちゃんとのデュエット聞いていると、kanaちゃん、病弱なのかな?悲恋の予感。潤花ちゃんの澄んだ声、綺麗でした。(これは宝塚舞台用のオリジナル曲かな?)

ラストの「HIGHER GROUND」はEXILE TRIBEさん(グループ全体ってことかな?)の曲とのこと(ググった)。ヘーイとか合いの手入れたかったよね。

 

4th Flight

うん、このあたりは宝塚で聞いてるから、超安心感。しどりゅーちゃん中心にかわいく今公演仕様のお衣装で「L-O-V-E」を始めてくれて。

そして、真風帝王のご登場ですよ!!あの人さぁ、腰のあたりをこう、なんてゆーの?揺らめかせて歌うの、危険よね・・。「Too Darn Hot」で会場をHotに染めていったわさ。

ここからだったかな?初日はモニターに出ていなかったペンラの指示が2回目からは出るようになって、一生懸命チカチカと光らせるヅカファン。真風さんとキキちゃん、2日目から指示が画面に出てたんですよ~。

 

5th Flight

ここはもう宝塚ファン安心ステージ。キキちゃんが「Come fly with me」を華やかに歌ってくれて、野口先生から聞いてた「ラスベガスの高級ホテルの劇場で公演しているような」大人の上質エンタメ・シーンに。キキちゃん、サンキュー。東京ガーデンシアターがディナーショー会場になった瞬間でしたわ。

 

6th Flight

で、来ましたよ。もはや、真風さんの持ち歌?と真風さんファンが感動しつつ、突っ込みたくなる「勝手にしやがれ」。

沢田研二さんは本当に色気駄々洩れで歌っておられたけれど、今の真風さんも同じく。以前よりもさらに歌いこなしておられましたよね!いやぁ、ええもん見せてもらったわ。おばちゃん、長生きできそう。

「浪漫飛行」で初めて!タオルマフラーの出番があったんすよ。いや、ほんまにいつ使うんかと思ったやん?短く持ってぐるぐる胸元で回しておきました。

 

7th Flight

デリシューの映像で真風さんの魅力がまず紹介されます(会場に来られているLDHファンの方に向けての意味もあったのかな?)。

ナレーション(若翔りつさんで合ってる?)の「Sexy」とかの言い方がおかしくって、くすくす笑いが漏れる会場。あとね、「Elegant」で宮廷服を着こなすというご紹介場面のメインは、むしろキキちゃんアントワネット様。そのあたりが受けてましたね!

すずほちゃん劇場は、野口先生、ありがとうね!

高校生時代の真風さんがパン屋さんバイトでドーナッツの値段間違えてたファンの間では有名なエピソード。誇張されて800円になってたけれど(ぷぷぷ)。

2回目の公演では若翔りつさん店長が、レシートをトップスター様に当てちゃってたけど・・(ぷぷぷ)。

もらったチケットで熊本市民会館で初めて宝塚を観るおさげのゆりかちゃんが可愛い、ひたすら可愛い!!きざる男役さんにいちいち、どひゃーと感動するのが楽しくて。真風さんの舞台を観ている我々のようでしたね!うん!(超笑顔でハイタッチ)

ここで、トップスター役を演じたみねりちゃんとどっていも素敵だったわぁ。

大介先生の「エキサイター」を模した構成、北翔さんの「ジ・エンターテイナー」(野口先生演出)にもあったよね、男役レッスンで素敵に変身する場面。それにしても真風さんに「Cool」を教えるのはプレッシャーやったろうなぁ、皆さん。イケメン先生のキキちゃんはもちろん余裕!

しどりゅーちゃんにマントさばきを習って、最後に「オレィ」とぽつんと付け足すゆりかちゃん。可愛いかったよね!(心のハイタッチ)小池先生(古池先生で登場)もご登場。星組・天寿さんの持ちネタが秋音光さん(あきもちゃん)に・・。

 

7th Flightから8th Flightへ

明日へのエナジー。ここのお衣装早変わりが、配信でうまくいかなったのかな?

急にイケメンボイスになった真風さんが美しい薄紫のお衣装で歌い始めて、オーシャンズ11から「JUMP!」に。ほんまにええ歌ですわ!!久しぶりに聞いて感動。

「丘の上のジョニー」で真風さんが夕焼けをバックにきざりまくる。石原裕次郎か!という場面です。

 

9th Flightから10th Flight

ここやねん!!ここ!怒涛の美しい流れ。LDHさんの曲で黒燕尾!ググった!

宝塚の各組「花・月・雪・星・宙」に合わせてLDHさんの楽曲から選ばれた曲のコーナーがあるねん。そして、LDH様の楽曲で燕尾服とドレスのジェンヌさんが踊る。いやぁ、さすがいかなる新たなジャンルのコンテンツが来ても編曲してみせる青木先生や太田先生(他の方々も)、振り付ける羽山先生。

とっても綺麗な曲だなぁと感動したのが、和風の前奏で始まる「花鳥風月」、EXILE THE SECONDさんの曲だと判明(帰りの新幹線でググった)。これをキキちゃんがしっとりと歌って真風さんとデュエット的になります。とても美しい歌でした。

雪をテーマにした場面では「Powder Snow ~永遠に終わらない冬~」(三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEさん、ググった)。これを雪組出身の潤花ちゃんがドレスで白い羽を持って歌ったのよね、美しかった。

で、星の「あの空の星のように」(EXILEさん)を若翔りつさんと真名瀬みらさんが歌う中、真風さんと潤花ちゃんが美しくデュエダン・・。舞台が滑走路のように伸びている先まで出てきてリフト。潤花ちゃんのドレスの裾がふわっと回るのが美しい。いやぁ、ええもん見ましたわ。お二人の歌も最高で、耳福。

その後は「O.R.I.O.N.」と「R.Y.U.S.E.I.」(いずれも三代目 J Soul Brothersさん、ググった)。おばちゃんも聴いたことある曲。

で、フィナーレは、唐突にYMCAが来るんですよ。野口先生、幅広い世代に配慮してくれたんよね?ありがとうね。

次が私が膝を打った「すみれの花咲く頃」と「Love, Dream &Happiness」をパートナーソングのように歌われたところ!何というか、美しかった。宝塚は時代時代でいろいろなパートナーと組んで刷新してきたんだな、でも根底は変わらないんだ、すみれの花なんだとじぃぃんと来た場面です。

「Rising Sun」(これはさすがに知ってた、EXILEさん)で盛り上がった後、いったんハケて、カーテンコールで戻ってきた真風さんが歌う「SEIZE THE DAY ーいまを生きるー」。野口先生作詞、青木先生作曲のオリジナルソングです。

「終わりを告げる鐘が鳴り」とまたどきっとする出だし。

「最後に伝えたい言葉はただひとつ ありがとう」。どきっ。

もう、これいつか、サヨナラショーで歌うんじゃないの?(泣)

しかし、最後の方の歌詞「さらなる高みを目指そう」で、ほっ。

そして、ラストの「あなたを愛している」できゃあ。

今、言いはりましたよね!エンジェルに!!!とエンジェルの皆様、声にならない叫びを叫ばなかった?私は叫んだね。うん。もう一回のアンコール、ラストには「道」を歌われたのでした。下級生の頃から好きだった曲とのご紹介、後ろには宝塚の花の道···😭ここで3度目の涙の私。

何と言うか、東京で急にヅカファンの故郷の映像が流れた感覚。真風さんの第二の故郷のまち、宝塚って美しい、花とここに生きる人々込みで美しい街だと泣けました😭

風さんの道は、熊本から宝塚まで届き、今日のこの場所に続き、途中から私たちも一緒に歩かせてもらった、Flyでさらに高みへと連れていってくださった。そう思えます。ありがとう、ゆりかちゃん。

 

最後に。いろいろハイローでググっているうちに、今回登場されていないですが、

・SWORD地区の「R」の「ルードボーイズ」

・そのリーダーが窪田正孝さんの「スモーキー」で、宝塚では桜木みなとさんが演じる

・テーマソングは「RUN THIS TOWN」

・これを歌っているのがGENERATIONS from EXILE TRIBEさん(白浜亜嵐さんがリーダー)だとわかり

・YouTube見て、この人誰かしら?!で片寄涼太さんにたどり着きました(背が高くて声が甘い)

うん、まんまとLDH×宝塚の戦略にはまってるやん?ご関係者の皆様、戦略は成功してまーす。※その後、まんまとGENERATIONSさんのメドレーを日々聴いております!

 

と・に・か・く!!!

真風涼帆さん(ゆりかちゃん)主演のリサイタルが、8000席大バコで成功裡に終わって本当に良かった。コロナ禍が落ち着いているとは言え、無事に千秋楽の幕が下りて、本当に良かったです。

おめでとう、心から。我々ファンをこんな場所にまで連れていってくれて、一緒にFlyさせてくれて、真風機長、本当にありがとう。熊本からよくぞここまで来てくださいました(泣)、感動です。心からの拍手をお送りします。

お次はハイローだ!学習します。