代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

読んでみた小説「王妃の館」 愛と笑いと涙が詰まった再生の物語、これは宙組公演に期待する!!

(以下は原作小説についてあらすじをご紹介した記事です。宝塚の舞台は2/5(日)11時公演を観るよ!感想も書くよ!)←書いたよ!

mothercoenote.hatenablog.com

皆さま、こんにちは。大晦日、いかがお過ごしですか?miyakogu、実家にて掃除手伝いです。亡き父のこだわりがあちこちに詰まった伝統的日本家屋・・。お父さん、寒いです!!(^^)

皆様は昨日のレコード大賞中継、ご覧になりました?

途中のCMでソプラノの声が流れ、「王妃の館」を読みながら聞いていたら、ちらっと映った白いシャツの方の立ち姿に娘が「ジェンヌ?!」と反応(ものすごいセンサー)。歌の方かと思い「いや、ソプラノの方でしょう。クレジット出ている」と言った次の瞬間に、珠城りょうさんが画面にご登場。

珠ちゃんです!!」とTVの前に正座するmiyakouです。普段、スカステとニュース以外、ほとんどTVを見ないため、ネット以外では初めてCMを見ました!うれしかねぇーー。

そう、TVをつけながら読んでいたのは、浅田次郎先生の小説「王妃の館」(集英社文庫)です。

ざざっとスピードを持って最初は読むため、文庫版「上巻」の一読めでは笑いも涙もありつつ、ルイ14世が登場すると物語の構造がよくわからなくなったのですが、「下巻」の途中で物語の構造にはたと気づきました。そこからもう一回読み直して、笑いと涙と感動です。おもしろかった!

登場人物のキャラが濃く明快に打ち出されており、宝塚歌劇団宙組さんの公演も愛と笑いと涙が詰まった、エンターテインメント性の高い舞台になるのではないかと期待

皆様、これはご期待ください。田渕先生は原作がある作品は手堅いはず。そして原作の精神を汲み取ったいい歌詞もお書きになる方だと私は拝見しています。

あくまで小説ですが、簡単に以下、あらすじと登場人物をぼやかしながらご紹介します。小説をお読みになりたい方、まっさらで宙組さん公演をご覧になりたい方は、以下はお読みにならないで下さいね。

 

1.「光」と「影」のダブルブッキング・ツアー

超豪華な「光」(ポジ)のツアーと格安の「影」(ネガ)のツアーがパリの「王妃の館」なるホテルでダブルブッキング・ツアーを敢行(豪華な部屋を時間帯を分けて使うというものです)。主催は現金を集めなければならなかった旅行社、ホテル側も結託しています。その企画を立て、かつ実行中の敏腕ツアコンが朝霞令子。

まさかの朝夏まなとさんと同じ呼び方の姓ですね。小説では「光」ツアーに参加する仕事を辞めたばかりのOL・桜井香は宝塚の舞台には登場せず、桜井香の要素をあわせもつ役でかつ、自身が旅行社社長になっているようで、実咲凜音さんの役名は桜井令子となっています。小説では朝霞令子は旅行社社長と不倫関係ですが、そこは宝塚ですから取り去ったのかな。才色兼備で強気、でも弱みも人間味も垣間見える人物です。

「ネガ」担当のツアコンは、気弱でさえない戸川。小説では令子さんの元夫設定です。宝塚では桜木みなとさんが演じられるのですが、気弱でさえないけれど、暖かみのある人物を演じるずんちゃん。かわいいでしょう、絶対に!(宝塚の舞台では元夫設定は無いようですね)

そのツアーには売れっ子作家である北白川右京が書きかけの「ヴェルサイユの百合」(後に改題)なる小説を完成させるために、編集者である早見リツ子(純矢ちとせさん)に連れられて、「光」(ポジ)ツアーに参加しています。
「ヴェルサイユの百合」って・・・(笑)。後ね、ちらっと宝塚のこと、出てきますよ。小説の中でも。

朝夏まなとさんが演じられる北白川右京は「抱かれたい小説家」3年連続№1の設定です。うん、まぁ様にぴったりやん!!ええわ。彼は物語を紡ぎ出す天才なんですね。宝塚の舞台ではおそらく、みりおんさんとの恋がもちろん中心になるでしょう。わくわくとお待ちしましょう。それにしてもまぁ様は、作家、作曲家と何かを創り出すために苦悩するお役がはまる方ですね。

「影」(ネガ)のツアーに参加しているメンバーのうち、ゲイのクレヨンを蒼羽りくさんが演じられるのが、これはもうめちゃくちゃ楽しみ!!不思議な洞察力を持った愛すべきキャラで、日本でピエールというフランス人とかつて同棲。このピエールを和希そらさん。これだけで既に期待大ですやんか?!ピエールはある役割でパリに登場します。(宝塚の舞台ではピエールとクレヨンの関係は無さそうですね)

そして、クレヨンと同室になってしまう謹厳実直な元警察官の近藤誠を、澄輝さやとさんクレヨンりくちゃんに迫られてしまうあっきーさん!これ、面白すぎるでしょう、多分。

一方、「光」(ポジ)ツアーに参加している中の強烈キャラがバブル衰退後に逆にのしあがってきた不動産経営者の金沢とその恋人ミチル。愛月ひかるさんと星風まどかちゃんが演じるカップルです。
このど派手でセンスがないカップルがねぇ・・・。味があるんやって!!金沢には遠く離れてしまった大切な人がいて、泣けるんですってば、奥様!ばんばん!不思議な魅力のある人物です。彼はその人がいつか連絡をくれることを期待して、ある大プロジェクトの夢を秘めています。

 

2.ルイ14世とディアナ、プティ・ルイ、グラン・シェフのムノン

ホテル「王妃の館」(シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ)は、ルイ14世の恋の相手であったパリで一番の美人と描写されるディアナが息子プティ・ルイとかつて住んだ館。
ホテルの老コンシェルジェであるデュラン(美月悠さん)が歴史を語り、その物語がルイ14世と彼を取り巻くお話へと展開していきます。そして、北白川右京はその物語を小説に書く。

読者は現代と当時を行き来しながら、デュランが語り右京が書いた物語を読む。舞台はどう処理されるかはまだわかりませんが、小説はそういう構造です。

「王妃の館」はパリの貴族の館が集まった広場の一角にあります。ディアナは伶美うららさん、プティ・ルイは遥羽ららさんが演じられます。プティ・ルイはとても演技力が求められる役になるはず。ららちゃんに期待大です。

ただ、ルイ14世はスペインとフランスの関係上、スペイン王家の母(瀬音リサさん)を持ち、スペイン王家から妃(愛白もあさん)を迎えなければならなかったのですね。
ルイ14世は太陽王であり、踊りの名手。真風涼帆さんが演じられるもう一人の主役といっていい存在です。宮廷で時にギャグを飛ばす超絶明るいキャラ。しかし、彼は幼少期に二度、市民と貴族からの反乱にそれぞれ遇っており、トラウマがあるのです。

フランスを照らす太陽であり続ける宿命ゆえの、彼の孤独。


先日書いた記事での私の勝手な推察ではありますが、今の真風さんであれば、単なるコメディを超えて切ない演技をされるはず。コメディとのギャップに多分、萌えまくり涙すると期待しています。


幼き日にルイ14世を守った宮廷のグラン・シェフがムノン。松風輝さんが演じられます。舞台ではどう描かれるかはわかりませんが、彼はある特別の思いを込めてルイ14世に料理を出し続けたのです。これもまた感動・・。

 

現代に戻りますと、パリでの無理心中を胸に秘めて参加している下田夫妻はポジツアーに、そのかつての先生であった岩波夫妻はネガツアーに。かれらは最後にある場面で出会います。これもまた感動・・。だって、岩波先生を一樹さんがされるんでしょう?泣きまくるmiyakoguが見えるようです。

 

皆さま。2月の宙組さん公演「王妃の館」。原作はそれぞれの登場人物に濃いドラマがあり、そのドラマが絡み合いながら、カタルシスを持って最後に収れんしていく優れたストーリーでした。この詐欺まがいのツアーに参加することによって、参加者の人生は再生されるのです。

おおいに笑い、泣き、様々な愛にじーんとくる公演になるだろうと、miyakogu、直感いたしました。これは予想以上の舞台になるだろうと期待します。主要なお役が多く、それぞれにドラマがあり、宝塚ならではのカンカンの場面があり、そしてギャルソンにイケメンがぞろぞろですよ!

あ、よだれ・・。←気を確かに、miyakoguさん?

 

さて、明日元旦はいよいよ、珠城りょうさんが大劇場で羽根をしょって最後に降りてこられる日。万全の体調管理でmiyakogu、お待ちしております。

明日からは1ヶ月ほど、月組ツアーに参加のmiyakogu。旅に出ます!


今年一年、ネットの片隅のこのブログにお越しくださいました多くの方々、コメントをお寄せくださいました方々。どうもありがとうございました。

来年もどうぞよろしくお願いいたします(^^)。