代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

宙組・神々の土地 感想3 凛城きらさんの見事な演技、澄輝さやとさんの儚い恋

深夜になりましたが、miyakogu、後もう一記事、がんばる!宝塚大劇場「神々の土地~ロマノフたちの黄昏~/クラシカル・ビジュー」のお芝居感想その3です。少しずつネタバレしていますので、お嫌な方はお読みにならないでください。

 

9.見事だった凛城きらさんの皇后アレクサンドラ

凛城きらさんが女役をされているのですが、実にお見事でした。美人で、女性の声です。

ドイツから嫁いできて、ロシアの民に嫌われ、寿つかささんが威厳を持って演じておられる皇太后マリアとは不仲。皇太子アレクセイ(花菱りずさん)は血友病を患っていますが、その原因が母親であるアレクサンドラにあるかのように扱われたのですね。皇后でありながら、宮殿での彼女の孤独。それ故、妹として設定されているセルゲイ大公妃イリナは、姉のことを守ってほしいとドミトリーに望みます。

神経質そうで不安定な表情。温かで優しい人柄を出して松風輝さんが演じておられる皇帝・ニコライ2世に愛されているのに。ロシアに追い詰められたアレクサンドラが、なぜ、そこまでラスプーチンに頼りきりになったかを、終盤、彼女は娘である皇女オリガに対して吐露します。

ロシアに追い詰められ、ロシアを憎んだアレクサンドラ。

ロシアに来て、ドミトリーと出会い、ロシアを好きになれたイリナ。

姉妹の違いに心が痛みました。

それにしても、なぜ、男役上級生のりんきらさんはこの複雑なお役をこれほど女性らしく、不安そうに神経質そうに演じることができるのでしょうか?驚きました。

家族を守るために、崩れ落ちそうな王朝を必死でとどめようとする孤独な皇后を演じることができる、その経験はりんきらさんの、どの引き出しに入っていたのでしょうか?将来的にも長く舞台で活躍される方になられるのではないかと思います。素晴らしかった。

 

10.ロイヤル澄輝さやとさんの儚い恋

澄輝さやとさんの短髪がね、もう、なんというか軍服に似合いすぎて。どこの国の近衛隊からいらっしゃってるんでしょうか? 美しい!! そのうち、どこかの王国からスカウト来るんじゃないですかね、広報用モデルで。

そのあっきーさん演じるコンスタンチン・スモレンスキーが恋をするのが、ジプシー酒場の歌手・ラッダ(瀬音リサさん)です。一生懸命花を届けるあっきーさん。

しかし、「必要なのは花ではなく、日々の生活のお金なんだ!」と弟のゾバール(桜木みなとさん)に唾棄され、ぺちんと殴られます。

が、あっきーさんは決して殴り返すことはなく、自分がいかに相手にとって失礼だったかもしれないと初めて知って、愕然とし謝るのです。なんという育ちの良さ!!

彼はラッダと真剣に結婚するつもりなのですね。なんという純情!!また、それが似合うのよ、あっきーさんには。

ラッダにはさらに年少の弟がいるのですが、そのミーチャを優希しおんさんが演じておられ、「あの人、誰だろう?」と注目させるいい味を出されています。

桜木ゾバールは革命活動家でもあり、仲間とともにあるテロ事件を起こします。その情報はラッダを尾行していたことからもたらされ、あっきーさんの恋は儚くも散ります。ここは中学生娘が泣いた場面!

実は、いつも号泣している私ですのに、今作品は少し涙ぐんだものの、「ただただ美しい!」とひたすら見つめていました。一方、普段は泣かない娘が私よりも泣いていました。何だろう、若い方の方がぐっとくるのかしら?

おばちゃんら、革命も恋も歴史の大きなうねりの中の点に過ぎないとある種、達観しかかってるところがあるせいかしら?(少しばかり長く生きるとね)

娘世代にとってはその一つ一つが、ドラマなのかもしれません。

 

11.注目した宙組の皆さま

・パンフレットのまぁ様と真風さん

パンフレットの雪に横たわるまぁ様のショット、ぜひ見てね!美しすぎて笑うから。それと、縦じまスーツを着た真風さんが、娘役トップ・ポジションで写ってはりますので、ぜひご注目を。

 

・農夫イワンの風馬翔さん

セリフがうまい!彼は皇帝や貴族の施政に不満を持っていますが、最後、ドミトリーを助けようとある申し出をします。ドミトリーは受けないものの、ドミトリーとの間に暖かな交流があったことがわかる演技でした。声がいいですね。

 

・セルゲイ大公邸家令ポポーヴィッチの星吹彩翔さん

セルゲイ大公妃と大公邸をずっと守ってきたのだなと思わせる演技です。最後までイリナと運命を共にしたのではないかと想像させるような雰囲気がありました。

 

「神々の土地」は主要役の皆さまの演技が素晴らしく、宙組・静かなる熱演劇場でした。

ただ、一つ残念な点がありました。まぁ様コンサート、真風さん巴里祭、ずんちゃんバウ公演で活躍をされていて新たに注目をしていたメンバーのセリフまでは、なかなか行き渡らなかったことです。大劇場のまぁ様退団公演ですから、どうしてもそうなるのもわかります。

その中で、留依蒔世さんの秘密工作員、酒場で大勢で踊っていても目立つ和希そらさん、秋音光さんには目をひきつけられました。今後、さらに多くの方々の活躍を期待します。

いやはや、とりあえず今日はここまで!!!ショーはね、やや平板かな?と思ったのですが黒燕尾からは素晴らしい展開。まぁまか場面のリフトはアクロバティクで、大丈夫かなと心配する方が先に立ちます。

ふぅぅぅ。おばちゃん、書ききったから、寝るわね!