皆様、こんばんは。さて、娘が無事にお泊り行事から帰ってきてくれて、再び楽しい我が家です(束の間の休日の終わり・・)。
娘、「あのね、○○ちゃんはね、この2日間、文字が何もなかったの、活字に飢えてるの!」と私が感想を暑苦しく書くために必要としている文庫版「銀二貫」を取り上げてしまい、これを読んでからでないと寝ないという並々ならぬ決意を漂わせ、無言でずっと読んでいます・・。あの、お母さんに、その、貸してもらえませんかね・・。
やっぱり無理そうですので、記憶の範囲で!NHKの番組をご覧になった方は既にご存知だと思いますが、ネタバレにならない範囲で、書いてみます。
観劇後の感想はよろしければ、こちらをご覧下さいね。
小説「銀二貫」は主人公・松吉の辛い人生の始まりからの成長物語。そこに絡む大阪の商人達の人情、商いの心と実、そして淡い恋がいつか秘めた強い想いへと育ち、泣けるハッピーエンドで終わる・・。
もうね、泣ける名作の予感しかないです!!
クライマックスで松吉が真帆のもとへ駆けつけ、かける言葉。小説の段階で涙がぼろぼろのmiyakogu。脳内では完璧にポスターの月城かなと様の映像で上映されています。それはもう怖いほど鮮やかに。
原作者の高田郁さんは漫画の原作者でご活躍だったようですが、なるほどとうならされる程の映像的描写です。これは映像にしたくなるやろ。まいりました。
そして、寒天問屋の井川屋の主人・和助。立派な商人過ぎるやろ!!ちょっとひょうひょうとしていて、番頭の善次郎に頭が上がらなくて、ユーモアがあり、商人の信用と実を松吉に教え、決めるところはすぱっと決める。大阪商人の鑑ですわ。ほんまに。おばちゃん、拝むわ。
そして、善次郎。彼にも火事にまつわる切ない過去があり、大阪天満宮への強い信心があり、商人の誇りがある。最初は松吉に冷たくあたるいやなやつかとおもたわ、ごめんやで。そして、井川屋で松吉をいつも助けてくれる梅吉のおかしみのある優しい心根。
ええ主人のもとには、ええ人が集まるんですね。私、ものすごく反省いたしました。自分自身はどうだろうかと・・・。
真帆の父親、嘉平の料理人の矜持。寒天の仕入れ先である京都「美濃志摩屋」の寒天職人・半兵衛の職人の心意気。彼らは大事なことを松吉に教えてくれるとても粋な存在です。
少女ながら松吉を思いやる優しさを持ち、健気ですぱっと強い、言葉にできない想いを秘めた真帆(後におてつ)。おてつの母代わりになるお広の切なさ。
母のない子と両親のない子が出会い、淡い恋が生まれる。母に次いで父をも亡くした子は、子をなくした母と出会い寄り添って生きる・・。そして、淡い恋の再会。
うーん。このそれぞれ一人ひとりにくっきりとしたドラマを感じさせる人々が、舞台の上で交錯するバウ公演です。
華形ひかるさんが人情味あふれる和助を演じ、難しい役であろう善次郎を英真さんが演じ、そして奏乃はるとさんが嘉平、香綾しずるさんが半兵衛(香綾さんは2役)として、月城かなとさんの人生の先輩のようなお役を演じ、久城あすさんが優しい兄貴分の梅吉を演じる・・。
名作やろ!!どうみても!!
その中心に完璧な美形・月城かなとさんが最初は心細げに、しかし、いつか青年としてすっきりと立ち、演技の巧みな有沙瞳ちゃんが優しくきりりと関わり、切ない二人の秘めた恋が最後には泣けるハッピーエンドへ・・。
あかんわ、こりゃ。
miyakogu、多分、月城かなとさん演じる松吉の開発が実り(寒天、羊羹)、おそらく終盤であろうと思われますが恋が実るとき、観客席で号泣していると思います。
それにしても、当時の大坂。大火、起こり過ぎ!当時の都市計画にもう少し防火があれば、こんなことにはなってないのです。ううーーー。頼むわ・・。
大阪天満宮さんも、何べんも焼けはって、お気の毒でした。実はmiyakogu、大阪天満宮さんへの「おついたち」のお参りが、これで3ヶ月続いております。
ものすごく身近なエリアが舞台になっているこの大阪人情物。とてもとても楽しみにしております。