代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

宙組・エルハポン&アクアヴィーテ 感想1 真風さんの黒髪長髪とはにかみ演技、大人の見事なウィスキーショー!

皆さま、こんにちは。お元気でしたか?初日開けてすぐの昨日土曜日、宝塚大劇場にて宙組公演「イスバニアのサムライ -エル ハポンー」とショー・トゥー・クール「アクアヴィーテ!! -命の水ー」を観劇してまいりましたので、感想を張り切ってお届けします!

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1.総論 ショーが素晴らしかった!

とても良かった!特にエルハポンのお衣装&長髪黒髪真風さんと、星風まどかさんが銀橋で切々と歌う歌と、芹香斗亜さんの飄々とした演技と、そして、ショーのすべてが!ショーは本当にトゥー・クール!いやはや、参った参った。

紅さんご退団の特別感にはかなわないのですが、素晴らしかった星組さんのショー「エクレール・ブリアン」と匹敵するようなものすごい熱量が舞台から伝わる場面がありました。ウィスキーが大地から生まれるかのような場面、第9章の第19場。観ていて、自ずと涙がこぼれたほどに。このダンスとエネルギーは芸術だ!と、そう感じました。

そして、第17場、真風さんがただ一人で踊るタンゴ。見えない誰か=もう会えない誰かを抱きかかえ、美しく片手を伸ばし、切なく誰かを思うように踊るタンゴ。見事でした。その場面だけで物語があるのですね。

王道でありながら、斬新な面を取り入れ、熱量がダイレクトに客席に伝わり、宙組の多様な魅力がストレートに伝わる。おまけに、キメキメの恥ずかしセリフで客席はなぜか爆笑の茶目っ気たっぷり。こういうの、見たいねん!がこんもりと詰め込まれたショーです。ぜひご観劇をお楽しみください。

大階段に男役さんと娘役さんがぱーんと登場するのもかっこよくて素敵でした。宙組の娘役さん達のきりりとした強さ、私は好きです。(ショーについては感想2で詳しく)

小春乃さよさんのエトワールもおめでとう!

※以下、少しネタバレをしていきますので、ご注意を。

 

2.プログラム

はい、きたよーーー!ビジュアルを最高に仕上げてくる真風さん。さすがでした。

皆さまをざわつかせた表紙、それだけじゃないんですってば、奥様!

ばんばんばんっ!!(注 机連打)

表紙をめくると見開きで大真風様がばーーーんとご登場!挑戦的な目、美しく伸びた一本の剣、翻る衣装、刺繍の模様・・。はい、ありがとう!(涙)

イスパニアの歌詞のところの斜め後ろからの真風さん、プログラム途中の肩に剣を置いた真風さん・・。大満足!

満足のあまり、プログラムを入手した段階で、うっかり帰りかけましたがな!←落ち着いて、miyakoguさん。今からなんで・・。

 

3.お芝居「エルハポン」

お芝居感想からいくね!

これはスペインを舞台にしたマカロニ・ウエスタン(マカロニ・ウエスタンとはイタリア製西部劇らしいです、スペインで撮影されたことも多かったとか)と見せかけて、回想シーンも入れると、「和洋折衷、切なさと笑いも折衷」のお芝居でした。最後、キキちゃんアレハンドロが持っていって、真風さん治道とのやりとりでおおいに笑わせてくれるハッピーエンド。

ただ、途中まではずっとシリアスなお芝居です。終始、コメディというわけではないので、「あれ?いつコメディに?」というのはしばらく置いておいて、お話をじっくりお楽しみくださいね。最後、きっちりハッピーエンドですので。

大野拓史先生の登場人物紹介がいつものように熱量半端ないです!こういうところ、好きですわ。だって、役をもらったお一人お一人が嬉しいと思うんだ。

真風さん演じる蒲田治道は剣の名手。美月悠さん演じる仙台藩主・伊達政宗公に愛された護衛であったため、本来、戻ると誓った戦場に戻ることなく、愛する人・藤乃(遥羽ららさんが愛らしく幻想的に演じておられます)を失った心の傷と後悔をずっと抱えています。真風さんの剣は「夢想願流剣術」といい、これは「人を守る」ことを第一にする流儀の設定。その名手が愛する人を自分の手で守れなかった。心に大きな傷を負っている真風さん治道。和希そらさん演じる藤九郎は藤乃の弟であり、治道に剣を習った弟子でもあり、恨みと憧れを持っている複雑な役をきっちりと見せてくれています。そらちゃんは声が清々しく、青年の声なんですね。ええわぁ。

星風まどかさん演じるカタリナは、街道沿いの宿屋の女主人。一帯の土地所有者であるまぁ、これが腹立つことのドン・フェルディナンド(英真なおきさんがお上手に)に、夫を殺害されたり(おそらく)、横恋慕されているのです。

桜木みなとさん演じるエリアスはドンの息子。彼はドンから逃れようと剣術を学び、いろいろひねくれてますが、でも剣に対してだけは真摯なんだということが伝わってきます。こじらせている青年の複雑さが伝わる演技でした。

星風まどかちゃんが銀橋で歌う歌がとても良かった!(2回あります)。感情を声の強弱で切々と伝えてくる歌。次作「アナスタシア」への意気込みを感じるようでした。本当に良かった。劇場一杯にカタリナの想いを伝えていたと思います。

 

二人の共通点は、愛する人を守れず、自分のせいで死なせたと思っていること。二人とも心に傷を負っています。

その二人が、仙台藩の慶長遣欧使節団が大国・スペインで果たせなかった夢、日本人奴隷としてスペインにいた娘達、和洋関係なく剣士として相通ずるものがある男どうしの友情、ライバル、そういったものの中で過ごすうちに、惹かれあい共に生きることを最後に選ぶ。そういう、いわば宝塚らしいお芝居だと思っていただければ。

大野先生が「命の水」というセリフを仕込んでいたり、芹香斗亜ちゃんが笑いを持っていく演技を軽やかにこなすしで、少しどきどきしつつ、さらっと見られる楽しい演目でした。ま、黒髪長髪の真風さんを観てたら、それだけで既に満足です。

 

4.真風さんファン必見のはにかみ演技

あの人・・。ダンスなんて、あれでしょうが、ジゴロやってたくらいの得意技でしょうが?! ←miyakoguさん、演目が混ざっているので落ち着いて。

まどかちゃんカタリナに剣を教える治道さん、代わりに久しぶりに出てきた町の酒場(かな?)でまどかちゃんカタリナにダンスを教えてもらいます。

その時の真風さんのはにかみ顔なーーーーーっ!!!(withエコー)

明らかに自分の頬に血が昇ったのを確認しましたし、オペグラを握る手に力は入るし、座席からお尻がふわふわと浮くような感覚でしたわ。いや、どっしりしてるから大丈夫だけどね!ありがとう、大野先生!!(涙)

酒場の場面のまどかちゃんと花宮沙羅さんのちょっとした会話、新人公演への大野先生のエールを感じました。

 

5.印象に残った方々

真風さん、芹香さん、星風まどかさんとこれまで上記で触れた以外の方々について以下、書きますね。

 

・凛城きらさん、春瀬央季さん

りんきらさんはフェリペ3世の寵臣、レルマ公爵。春瀬さんはレルマ公爵の息子のウセダ公爵。春瀬さんの髪型の懲りようにくすっとさせられました。ご注目ください。皆さん、隅々まで工夫されていることが伝わります。

実はこのお二人が最後、重要な場面で再度ご登場。ふふふ。キキちゃん、真風さんとの絶妙なかけあいをどうぞお楽しみください。本当に持っていくから!笑うから!天彩峰里ちゃんがGood Jobを果たすのよ。

 

・美月悠さん、星月梨旺さん

美月さんは仙台藩主・伊達政宗公、こういうお役をどっしりとされるようになられましたねー。星月さんはカタリナの宿屋で働くミゲル役。優しくて面倒見のいい人なんだろうなというのがすっと伝わる演技をされています。イケオジも何でもできる星月さんの演技、好きです。宙組の貴重な上級生さんですね。

 

・綾瀬あきなさん、留依蒔世さん、瀬戸花まりさん

宮廷道化を演じるお二人は綾瀬あきなさんと留依蒔世さん、宮廷道化師と行動を共にしている女官が瀬戸花まりさん。この3人が随所で生き生きとご登場。特に仙台藩の面々が帰国するとき、寿さん演じる支倉常長と松風さん演じる内藤さんに贈り物をしようとする場面、ほっこりとしました。日本の武士やなぁ。

 

・瑠風輝さん

瑠風輝さんがとっても良かった!真風さんの先輩格なんですってば。よく通る明晰なセリフ、先輩格だということが伝わる堂々とした立ち姿。バウ主演を経て、本当にご立派に(感涙)。バウで共演されたすらりとした瑠風さんと鷹翔千空さんがフィナーレ銀橋で確か横に並んでおられたと思いますが、このお二人にはおおいに期待したいと思います。

(ショー感想に続きます。ちょっと休憩してくる!)

書きました!ショーを通じて宙組に感じた魅力の多彩さ、誇り、強さを「胆力」と感じたという記事です。😊

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