代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

お誕生日おめでとうございます、真風涼帆さん!

皆さま、こんばんは。暑い一日でした。でもそんな日こそ、できるだけ涼やかに(^^)。

今日はそんなホット&クールな宙組トップスター・真風涼帆さんのお誕生日であり、私の父親の命日(私にとってのです。

実は、本当は父の命日は17日です。けれど、父はきっぱりと「ご先祖さんが7月18日にお迎えに来ると言いはったから、7月18日に行く」と言って亡くなりました。

そのため、私の中で父の命日は18日なのです。そして、だからこそ、私は父の旅立ちに“間に合った”ことに自分の中でなっているのです。

ちょっとかっこ悪いけれど、それが私の信じたい真実です。

そして、私の後半生の人生を大きく変えた宝塚との出会い。その最大のきっかけとなった真風涼帆さんのお誕生日の今日。

ある意味、一年のうちで一番大切な日の一つです。

 

私が宝塚に出会って5年。

真風さんが3番手として降りてくる姿を見て「この人にトップになってほしいと望むなら、自分も逃げちゃだめだ」と、親族でなく、かつまだまだ子育てもあるけれど後継となることを決めて4年。

そしてこのブログを始めて3年。

この間、いくつかの沼にさらにうっかりはまったり。思えば遠くまで来たものです。

うん、つーか・・。なんでこんなところまで来てんのぉーーーー?!自分?

(注 miyakogu渾身の心の叫び)

 

あ、こほん。

真面目に言うなら、真風さんの存在は私の心の中の大きな樹のようなものだと思います。

あの人が一番前で戦っているのに、自分も負けちゃだめだというような。

涼やかな外見とともに、内面からは穏やかでほっこりとした大きさを感じさせるトップスターさん。サンライズのコロナ(?)を背負って、宙組20周年を飾るトップスターとしての堂々としたすくっとした立ち姿は、ずっとずっと覚えておきたいすっきりとしたおおらかさに満ちていました。

振り返ってみると、私は小さい頃から大きな樹が好きでした。見上げるような存在が好きでした。

こちらは実家近くにある神社の大木の一つです。

真風さんは見上げたいような、そっと耳を寄せれば暖かさを分けてもらえそうな、風にそよぐ葉ずれの音をずっと聞いていたいような、そういう存在なのかもしれません。

真風さんは大きな大きな人だなぁ。お誕生日、おめでとうございます。

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・・・・・・・・・・・・・

えーー、さて。ここで終わらないのがこのブログの特色ですよね。ええ。

先日のこと。うちの中学生娘にあることで褒めてもらいました。何だと思います?

「そんなことでは、大成せんぞ」と諭されたのはおよそ3年前。

そこから月日を重ねて、ついにこう言ってもらいましたよーー!(^^)

 ↓

 ↓

「自分なぁ、うん。なんか最近ふてぶてしくなってきたで。」

貫禄が出てきたっていうか、ええ感じやで。」

 

そうですか・・・。ええと、まぁ、お褒めの言葉ということで、どうもありがとう!(^^) 明日からも心の中の大きな樹とともに、がんばりたいと思います。

花組・メサイア感想2 繊細さと静かな迫力、鮮やかな演技を見せる花組 柚香光さん、水美舞斗さん  

花組・メサイアの感想2をお届けしますね。

 

※感想1はこちらです。

mothercoenote.hatenablog.com

私は宝塚にはまったのもこのブログを始めたのも、すべて真風さんが始まりです。宙組に異動されてきた「メランコリック・ジゴロ」での朝夏まなとさんと真風涼帆さんの見事なコンビネーション。全国にうちの脚長トップ、2番手をみせびらかしにいった素晴らしい公演。

それを全国ツアーで花組95期のお若い二人が演じる?とな?はぁん?

発表があった日には、やれるかしらね?見せてもらいまひょか?あーーん?と上から目線でした。(本来は花組さんの演目ですよね、すみません・・)

が、今回の花組公演を観劇し、うーん、この二人、柚香光さんと水美舞斗さんなら違う形で絶妙のメラコリを創り上げるかもしれない、梅芸はチケット取れるの?!とショーでロケットボーイをものすごいジャンプでつとめるマイティを見ながら思ったのは事実です。

あのね!水美舞斗さんの伊豆守(松平信綱、老中)が良かったんやって!!!終演後、同様の声があちらこちらでも。やっぱりぃ?というわけで、れいまいを中心に感想2をおばちゃん、書くわね!

 

1.仙名彩世さんの流雨

恐縮ですが、私は彼女のセリフのお声は、あまり好きなタイプではありません。しかし、彼女の澄んだ声量のある歌声が好きです。また、みりおさんにそっと寄り添うように少し控え目なトップ娘役を全うされている姿に見事なプロ根性を感じ敬意を払っています。ショーでご自身がセンターの場面は一転、かっこよく踊られますよね。

湯島で神にささげるように歌われた場面、暗めの背景の中で響くその声は、聖歌の趣があり素晴らしい声量でした。この作品に宗教的な趣を添えるとても重要な歌になっていたと思います。さすが!

 

2.柚香光さんの絵師・リノ

柚香光さんは「はいからさんが通る」の時に思ったのですが、演じることの楽しさを探求心を持って今、感じておられるのではないかと思います。確か、小劇場を含めて演劇を観に行っておられるとインタビューで拝見した記憶があります。

光さんは、お肉が大好きでやんちゃで元気な素顔と裏腹に、容姿を含めて「切なさ」をまとえる役者さんだと私は思います。

容姿だけではないのですが、容姿を含めての存在と演技にただよう切なさ。特にうつむき加減の目、伏せたまつげが落とす影の崇高なほどの美しさ。彼女自身が宗教画のようです。

歌唱はおお、上達された!という場面とそうでない場面がありました。

ただ、私は光さんの歌唱にはセリフのように思いを伝えてくる力はあると思います。

容姿、演技、歌唱。それらすべてがぴたりと合う方がいて、その上で物語に心を揺さぶられる。そういうのはやはりとても難しく稀なことだと、昨日、梅芸で「モーツァルト」を観劇しても思いました。過去にオペラを見ても思いました。

ヒロインに思いを寄せ、絵に対する崇高な情熱を持ち、一人だけ島原の乱の語り部として江戸で生きたリノ。

原城を救うためには、天草四郎を討つ必要があったのに、それが言い出せなかったリノ。

恋の相手であり、絵師としてマリアの絵に思いを込めていた流雨の心を持っていかれてしまったリノ。

うつむき気味なリノの姿は切なくて、苦しそうで、涙が出ました。一人だけ生き残り、乱の意味を後世に伝える役割を担う切ない語り部。

一人残されたリノの人生に流れた時間を想うと、泣けました。お芝居にはないその時間を観ている側に思わせたということは、それだけの演技をされたということです。

抑えた中に切なさを伝えてきた彼女の演技は素晴らしかったと思います。

冒頭とラスト、リノが物語を伝える徳川家綱は聖乃あすかさん。美形on美形の場面ですね。オペグラ、割れるわ! ←落ち着いて、miyakoguさん。

 

3.水美舞斗さんの伊豆守

劇中、「伊豆守(いずのかみ)」と呼ばれる松平信綱のマイティが良かった!

徳川家光は紅羽真希さん、マイティの部下の鈴木重成は綺城ひか理さん。

徳川幕府の良心的な役割をまず鈴木が担い、いったんその意見を抑え込んだものの、島原の異変の真の意味に気づき、四郎を討つことを命じつつ民を助けようとするマイティ。幕府重臣としての迷い、深慮、思い。それらが静かな中にぐっと伝わる迫力がありました。老いた後の場面も素晴らしかった。

役を感じるだけではできない演技だと思います。それはバウで主演され、次に全国ツアーを2番手として回るという使命に直面しているマイティご本人の覚悟とリンクしているようにも見えました。その迫力が見事でした。

綺城ひか理さんの何が正義を見ようとする演技も良かった。すらりとした立ち姿に低音ボイス。楽しみな方のお一人だと思います。

 

4.充実したお芝居

私は、花組さんについてはとびっきり華やかなショーにお強い組だと思っていたのですが、この作品は2日目とは思えない素晴らしい仕上がりでした。芝居の月組出身の明日海りおさんにとって会心の今公演ではないでしょうか。

印象に残った方を挙げます。

 

・一樹千尋さん

外部のミュージカルを観たとき、「うん?あれ。これ一樹さんの方がうまく演じられるのでは?」と思うことが時々あります。信仰の中心にいる静かなカリスマ性のある人物を好演されています。

 

・鞠花ゆめさん

ヒロイン・流雨のお付きの方です。少しの演技の差が、物語全体の流れを良くしたり悪くしたりすると思うのですが、「はいからさんが通る」の時の鞠花さんや天真さんの演技は、自然で自分が仕える人への暖かさを感じさせるような演技をされていると思います。「はいからさん」に続き、印象に残りました。天真さんはショーのタンバリン、エトワールが印象的でした。

 

・瀬戸かずやさん、鳳月杏さん

瀬戸さんは前藩主の遺臣、鳳月さんはわっるーーい藩主役、それぞれ的確に演じておられました。お二方ともショーがかっこよかったです!特に瀬戸さんの前髪。

鳳月さんの役は史実とおりの悪役を発揮されすぎると、観ている側もげんなりしてしまうでしょうし、これくらいでと言う感じでしょうか。本来の力量に比べて少し役不足の感もあったかなぁと思いましたね、少し。あかねさす、月雲の皇子のようにお芝居でいろいろなお役を観たいですね。

 

・桜咲彩花さん

四郎を引き取る一樹さんの長女で、瀬戸さんの妻のお役。品がある声が素敵。私はべーちゃんの声が好きなんですね。島原の隠れキリシタンの方々の清らかな信仰を思わせる声でした。

 

・波の精

冒頭で出てこられる花野じゅりささん率いる娘役さんのダンスでの波。青いお衣装が綺麗でした。

 

・和海しょうさん

スカステの番組でスキマスイッチさんの「全力少年」を自転車に乗って歌っておられたのを偶然見て以来、ずっと注目しています。ヒロイン・流雨の兄の浪人役。ショーでもソロがあり嬉しく拝見しました。

 

後ね、島原やら天草の方々がみなさま、美形!うーん、早霧せいなさんを産んだ長崎やもんなぁ、全員美形やわなぁと観劇中、一人で納得です。

最後に。

れいちゃん&マイティ。おばちゃんな、梅芸で全ツのメラコリ、待っておくわね!まぁまかファンがうーーん、参った!となる舞台を期待しています。もともとは花組さんの演目ですものね。

真風さんより先に94期でトップになるとはこれいかに?!どんなもんか見せてもらいしょ?!と梅芸で珠城りょうさんの「激情」初日を迎え撃ち、見事に返り討ちにあった=うっかり沼にはまった前科がありますので、ほんまに期待していま~す。

みんな、他人事やと思ってるでしょうけど、ほんまに沼って突然、いろんなところにあるから気を付けてね!miyakoguがはまりやすいのは事実だけどね!

花組・メサイア感想1 明日海りおさんの力強いカリスマ、原田先生が創る小宇宙の見事さ

皆さま、こんにちは。昨日、初日を迎えて2日目の15時、宝塚大劇場花組公演「MESSIAH(メサイア)/BEATUTIFUL GARDENSー百花繚乱ー」を観劇してきましたので、お芝居から感想をお届けします。

 

一部ネタバレもしますので、これから観劇予定のある方やネタバレがお嫌な方はお読みにならないでくださいね。

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1.「こことは違うどこか」からきたカリスマ

素晴らしかったです。

特に天草四郎が「メサイア」として圧政に苦しむ天草の人々からたたえられる場面の迫力と、ラストシーンの宗教画のような美しさが素晴らしかった。これはぜひご観劇ください。

倭寇の頭領であった明日海りおさん演じる夜叉王丸は、この天草、日本だけでなく遥か遠くに広がる「こことは違うどこか」をリアルに知っている強い青年です。航海技術に長け、天気を読むことができ、闘いにも強い。

厳しすぎる現実の中で、概念としての「ここではないどこか」=「神の国(パライソ)」で救われることこそ、信仰の対象となっていた天草の人々にとって、遥か遠くに広がる世界を現実のものとして知っている夜叉王丸=天草四郎は、そこに連れていってくれる救世主に見えただろうと、その設定に説得力がありました。

そして、何もしてくれない神への疑問だけでなく、だから「神はあなた方の中にある」と力強くきっぱりと言う四郎に寄せられる多くの期待と憧憬。それらをすべて受け止められる人物を説得力を持って演じることができる明日海りおさんの力強いカリスマ性。

本当に見事でした。

「メサイア」を歌い上げるシーンでは、「レ・ミゼラブル」をロンドンの劇場で初めて観たときのことを思い出しました。「One day more」と人々が立ち上がる場面の力強い圧倒されるような迫力とコーラス。そこに匹敵するかのような「メサイア」の場面の湧き上がるような力強さ。求心力を持って真ん中に立つみりおさんのカリスマ性。これはもう、ぜひ劇場で確認ください。

また、ラストシーンの宗教画のような構図も特筆すべきものがあります。ぱっと内側の幕が開いたとき、「あっ」と息をのみました。美しくて。

そして、中心に明日海さんと仙名さんが出てこられて、中心に向かって色とりどりの服を着た天草、島原の人々が立ち歌う場面。見事な宗教画のような色彩の配置で、これは偶然ではなく、立つ場所もおそらくは人々の高低も、そして何よりも配置された衣装の色が見事に計算されたものだと直観的に思います。それほど見事な場面でした。

 

2.明日海りおさんというカリスマ

見事でした。

明日海りおさんは、美しく中性的で妖しい美を持ちつつ、内面にものすごく骨太の強い何か、演じることと宝塚への狂気めいた愛をお持ちの方なのではないかと拝見しておりました。時にこれはみりおさんの内面に比べると役不足?なのではないかという演目もあったかと思います。

しかし、月組さん時代の傑作「春の雪」に続き、「ポーの一族」の妖しい美、私は1パターン観ただけなので恐縮ですが「あかねさす紫の花」の迫真の演技。それらを経ての今作品での円熟期にふさわしい力強い骨太の男役さん像、お見事でした。

「私が神」だというのでなく、自身の神への信仰でもなく、天草の人々とその魂を守ろうとする天草四郎像。それはあたかも明日海りおさんが魅入られた宝塚を守ろうとするみりおさんご自身の力強さのようで、四郎としての声が彼女自身の内なるものから出たのだと、はっきりと伝わるまっすぐな迷いのない強さがあったと思います。

そう、迷いがなかったのです、この舞台は。2日目にして。素晴らしかった!

フェアリータイプのジェンヌさんにはまったく興味を示さないうちの辛口夫ですが、今作品のみりおさんは「王道スター」と納得です。

 

3.原田先生の創る小宇宙

原田先生は前に花組さんのショー「雪華抄」を観劇したときも思いましたが、原田先生は舞台上に小宇宙を生み出すことができる演出家だと思います。残念ながら私は原田先生の作品をあまり見ておらず、良い面とそうでない面があるらしいということは伝聞が主になります。

私は上橋菜穂子先生の『精霊の守り人』シリーズが好きで全巻繰り返し読んだ時期があります。守り人シリーズについては既にいろいろなところで語られていますが、上橋先生の頭の中に3次元ではっきりとした映像で動く世界があって、それを上橋先生が書き留めておられる感覚があります。国には地図があり、物語の中の道具や食事のメニューにいたるまでくっきりと完結した一つの世界なのですね。

原田先生にも同じものを感じるのです。物語はもちろんなのですが、セリフや歌詞が美しいとか切ないという以上に人物の絡まり方や物語の設定、見せ方の構図に見事さを感じるのです。歌詞の美しさでは、私は意外に思われるかもしれませんが、実は田渕先生が一番好きです。

例えて言えば、今作品は一つの美しい聖堂があって、そこに天草四郎と天草の人が生きていて、その世界から外に出たときに幕府や藩の人間と対峙していたような感覚です。実際には聖堂ではなく、村や島の一角や立てこもった原城なのですが、四郎のいるところが聖堂であると伝わるかのような。原田先生は美しい建築作品のように舞台を創りあげる方なのではないかと思います。

そういうことができるクリエイターは限られると思います。そして、そうできるのは実は何回かに1回だということも、何らかの創作に関わる人はおわりになると思います。でも黙々と創り続ける中でしか、そういう瞬間はないということも。

「メサイア」ではその小宇宙が舞台上に創出されていると私は思います。

 

それにしても明日海りおさんという美しいジェンヌさんの存在は、舞台を創る側の創作欲をかきたてる方だなと改めて。

春の雪、ポーの一族、そして今作品。

我がままで自分勝手だけれどそれが許されることを知っている究極の美しい少年。

永遠の命にいらだちながらも旅を続ける孤独な美しい青い瞳の青年。

日に焼けた肌が健康的で強く、人々の心を惹きつける言葉を発する力強い青年。

美しいタイプの異なるカリスマを演じきった明日海りおさん、彼女はやはり稀代のジェンヌさんのお一人なのだと感嘆いたしました。ぜひご観劇をお楽しみください。

また、今作品で一番の飛躍を感じたのは水美舞斗さんでした。感想2で書いてみますね。

(感想2へ続きます)書きました!

mothercoenote.hatenablog.com

珠城りょうさんとは観劇すれ違いだし、林遣都さんとは同じ場所にいたとはなぁ・(涙)

皆さま、こんにちは。大阪はようやく雨が上がり、蝉が泣き始めました。本当に雨が続きました。もっと大変な豪雨の地域の方々にお見舞い申し上げます。

 

1.すれ違う観劇

私はこのブログで、時々、宝塚歌劇団宙組トップの真風さんと月組トップの珠城りょうさんとの観劇すれ違いを嘆いてきました。

そして、今日もまた、です・・(涙)

先日の大阪北部地震で中学生娘の期末テスト日程が延び、娘と一緒にと予定していた梅田芸術劇場 月組公演の観劇は私一人に。余ってしまったチケット1枚は、無事、本日11時公演予定だった方と交換していただきました。

今日は久しぶりに何一つ予定がない貴重な日曜日。でもチケットは1枚のみ。娘は先日、平日に一度、観劇はしました。THE LAST PARTYの”家庭内ラスト・チケット” さて、どちらが観るか?

THE LAST PARTY主演の月城かなとさんがあまりに美しく、緻密な脚本、シンプルでいて美しい舞台セットと照明、見事な月組さんのお芝居。本当はもう一度観たかったのです。でも月城さんは、娘の方がよりファン。

おまけに私@アラフィフの方は、昨日、整体の先生に「しばらくできればあまり出歩かず、動くときはできればタクシーで移動してください」と言われるくらい右脚が疲労していましたので、本日は休養日にあてようと思ったのですよ。

アラフィフ働き女子の健康管理ね。パソコンと資料持っての出張が多かったのでちょっと脚にきたようでした。

で、ついさっきですよ!!!

TLに流れてくるヅカ仲間のtweet。三度読みしましたね・・・。

た、たま、珠ちゃんが梅芸DCで観劇となーーーー?!

舞台には月城さん、暁千星さん、風間柚乃さんと私が好きな次世代スターが勢ぞろいの公演で客席には珠城りょうさん・・。

miyakogu、またしても敗れたり!!(注 何と闘っているかは不明)

真風さんの観劇時、珠城りょうさんの観劇時、なんというかことごとく機会を逸するmiyaokgu、日ごろの行いがいけなったのかしら・・。当の娘はこれはまずい!と内緒にしておこうと思ったようです。ばれてるっちゅうに。

因果応報、色即是空、渡る世間は鬼ばかりとはこのことかしら・・・。←最初のしか、この状況にマッチしてませんよ、miyakoguさん?

 

2.時間差のロケ地訪問

うん、今日、確かに家で、NHKオンデマンドで林遣都さん主演、吉田鋼太郎さんと共演の「アオゾラ・カット」を見てたのは事実ですよ。ま、浮気っつーか、異なるジャンルのエンタメを楽しんでいるというか、浮気というか・・。

3月にNHKで地域限定で放映、その後5月に全国放映された単発のこの作品は、美容師を演じる林さんの美しい手、関西弁、さらに英語のセリフが堪能でき、まちの変化が激しい西成区で撮影されたものです。西成はかつてのイメージと異なり、現在、海外からのお客さんが集まり、簡易宿泊所やゲストハウスにロングスティされることが増えているのですね。

林遣都さんが海外のお客さんと出会う場面のホテルやまちにある外国人観光案内所。そして取材協力の先生のクレジット。

はいーーーーーっ?!

それこそ、真風さん大劇場でのお披露目初日、おじ様たちと勉強会で回っていた場所であり、ご一緒していた先生でした。

林遣都さんが、吉田鋼太郎さん演じるお父さんと喧嘩して出て行って宿泊されようとする外国人宿泊客ほぼ100%のホテル。(コミュニティスペースが特徴的なゲストハウスです)

うん、そこにも確かに足を踏み入れたよね、事前見学も含めて先生に案内してもらったよね。おそらく事前に回ったのは季節的に多分、林遣都さんと吉田鋼太郎さんがロケされていたころだと思われます。

同じ空間に確かに居たのか・・・。←いや、その頃、林遣都さんのことにまだ気づいてないので落ち着いて、miyaoguさん?

いやーーー、はっはっはっはっ。観劇もロケ地訪問も微妙にすれ違うmiyakoguです・・

 

しかし、うん、待てよ。←根はポジティブ。

考えようによっては、梅芸も西成も時間差で同じ空間に居たと言えなくもないか・・。

元気出して(渋々)、資料と洗濯もので荒れ気味のリビングを片付け、衣類を入替え、アイロンをかけ、整体の先生に言われているストレッチしてから、ふて寝することにします・・。※要はやることがたまっている。

ごきげんよう・・!!(涙)

梅芸DC 月組・THE LAST PARTY 月城かなとさんの文学的香り漂う存在感、圧倒的に美しい舞台への驚き

本日は梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて、月組・月城かなとさん主演「THE LAST PARTY」を観劇しましたので、その感想をお届けします!ものすごく良かったのです。

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TVドラマ「おっさんずラブ」の余韻が著しいmiyakogu。映画・舞台・ドラマで主役を演じる力量の男性俳優ががっぷりぶつかりあうお芝居を拝見し、「演じる」とはどういうことかについてただ今、真剣に考察中です。

もう少しはっきり言いますと、あまりに田中圭さんと林遣都さんの演技が素晴らしくドラマで演じられた役がはまりすぎていて、宝塚の舞台を観ていてもお二人の映像が残像のように頭の中にずっと残っていました。

しかしながら、本日。梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて宝塚月組・月城かなとさん主演「THE LAST PARTY」を観劇し、記憶の中で反芻する映像が塗り替えられました。ちょっとこれはもう一度観たい。びっくりしました、美し過ぎて。再演ものですが、私自身は初見ですので、初演からご覧の方とは違った感想になると思います。

 

1.月城かなとさんの文学的香り

圧倒的に月城かなとさんの美と魅力が炸裂している舞台でした。

開演アナウンスからして、透明感のある美しい声。落ち着いていて明晰でした。このお芝居「THE LAST PARTY」は、スコット・フィッツジェラルドの独白を含めて、朗読劇のようにお芝居が進むシーンが多い作品だと私は思います。

そのため、セリフ声の美しさ、明晰さがこの驚くべき美しい舞台の出来をかなり左右すると思います。そこを見事にクリアし、米国隆盛期における青年らしさを打ち出してこられた月城かなとさんの声でした。

美貌、声、佇まい、すっとした姿勢、白いシャツ、ベストの似合う端正な背中。すべてに文学的香りが漂うれいこさん。素晴らしかった。植田景子先生が作り上げられたこの舞台に、月城かなとさんが持つ透明感のある文学的香りと美は、絶妙にマッチしていたと思います。

一番驚かされたのは、月城かなとさんの物語を伝えてくるセリフの抑揚の見事さでした。宝塚歌劇団の演劇において、迫力を必要とする場面での声を張り上げたセリフの言い方に、私自身は以前から違和感を感じてきました。

もちろん、時に私たちは魂の叫びのように絶叫することも、咆哮することも、泣くこともあります。けれど、静かであるが故にそこに帯びる熱、怒り、悲しみ、喜びこそが時に忘れえぬ記憶になることがある。私はそう思うのです。

今作品の月城かなとさんのお芝居は、フィッツジェラルドという繊細で複雑な感情を持った米国を代表する作家の内面を、時に歌い上げ、時に小さな声で静かなセリフによっても十二分に伝えておられたと感じました。彼女が静かに話される場面で、一番、色濃く感じたのは壮一帆さんの演技です。なるほど、こういう形で受け継がれていくのかと感じました。

声に加えて月城さんの端正な透明感のある美貌が強く印象に残ったのは、たとえば以下のような場面でした。

・机の脚にもたれてうなだれるように静かに座る姿
・海辺の夕陽のライトの中で歌う姿
・強い白い光の中で歌う姿
・トレンチコート、白いシャツ、サスペンダー、ベストの横顔、後ろ姿・・

彼女は、その美貌を強みにこの優れた脚本に込められた「文学」を、「声と美しい身体で語り伝える」という素晴らしい演技をされたと思います。感動いたしました。

 

2.シンプルでいて美しい舞台装置と照明

この舞台がとても美しいものとなった要因の一つに巧みな「照明」があると、本日拝見。照明は佐度孝治さんがご担当。またシンプルな舞台装置ながら巧みに場面を切り替える映像のご担当は九頭竜ちあきさんという方です。

海辺の映像をバックにした夕陽の照明や強くなる白い光の輝きの中で歌う月城さん。

中でも一番美しいなと思ったのは、月城かなとさんが椅子に座り、悠真りんさんと話している場面で、月城さんの背景から白い照明があてられた場面でした。

強い一筋の光を背景に座る月城さんの白いシャツ、金色の髪。後方から来る光が美貌を引き立て、絵画を見ているような美しさでした。

植田景子先生は作品のクリエイティブ・チームを構成する才能を、常に貪欲に探し発掘されておられるのだろうと感じます。

 

3.月組のお芝居の力

私は「華麗なるギャッツビー」を読んだことがありますが、小説の中のディジーについては、とらえどころのない気まぐれな美貌の人という印象があります。

ゼルダは美貌で、浮ついていて、派手好きだけれど、どこか寂しそうで常に充足を知らない女性のように見えました。とても難しい役だろうと思います。偉大なアーティストの周囲には、激しくうねる渦に巻き込まれてしまう人が出てしまいがちなのでしょう。近くにいればいるほど、ミューズであればあるほど。

その難しい役を、海乃美月さんは好演されていました。特に歌。抑えた哀しみがストレートに伝わる歌いだしの声のかぼそさ、繊細な震え。素晴らしかったと思います。

ただ、惜しむらくはセリフの声でした。フィッツジェラルドの妻としてある以上に、自分自身の生きている証をあきらめることができなかった複雑な女性を演じるにあたって、その人物の迫力をセリフの強い声に込めようとされたのかもしれません。

迫力の方が強く出る場面が続いてしまうと、舞台に一層の文学的香りを加えたというわけではなかったように思います。ほんの少しだけ頑張られ過ぎているのかなぁと。

一概には比べられませんが、「雨に唄えば」と「THE LAST PARTY」の両方を拝見すると、後もう少しだけお芝居のセリフの声が改善されれば、私は海乃美月さんはトップ娘役にふさわしい力量の方ではないかと感じました。

You are me, I am youと歌われる場面の切々とした表現、素晴らしかった!

 

暁千星さんのヘミングウエイも難しい役どころですが、戦場に赴き小説を書く男性的な米国人作家を迫力をもって好演されたと思います。私自身もヘミングウエイの作品をそう何度も読んできたわけではないのですが、作品の底に漂うように思えた虚無感は、銃を取って踊られた場面で暁さんから感じられたように思います。ただ、さすがに難しいですよね。

月城かなとさんと暁千星さんが二人で向かい合う場面は、お二人ともすらりと背が高いだけに絵になる場面でした。

暁さんの場面で圧巻だったのはフィナーレのダンス。浮かび上がる後ろ姿の手と脚の美しさ。高くジャンプしながら回転された姿は、どこで切り取っても美しい写真が撮れるだろうなという美しさ。バウ「アルカディア」でも驚きましたが、強く挑戦的な目をされるようになった方です。

 

印象に残った方々を挙げます。

・悠真りんさん ずっと一緒にやってきた編集者のマックスが、もう原稿代を前貸しはできないとフィッツジェラルドに告げる場面、彼自身の人生と哀しみを感じさせる演技が素敵でした。

・憧花ゆりあさん ああ、こういう人が最初からずっとそばにいれば、フィッツジェラルドはもっと楽に人生を生きられただろうに、という思いやりのある晩年の恋人を快活に。ただ、ゼルダとともに生きなければ、彼がそこまでの傑作を書くことはなかっただろうとも思います。

・夏月都さん スコットの秘書・ローラをユーモアとともに、最後には哀しみとともに去る場面がお上手でした。

・響れおなさん 強い目線の方ですね。医師として登場されてからは穏やかで、言葉を選びつつゼルダを患者として守り、ある意味、スコットを注意深く隔離しているのですね。

・英かおとさん ゼルダと浮気する高級士官。長身で白い制服を見事に着こなしておられました。

・風間柚乃さん 娘の大学の公園でスコットと出会い、知らずに作品の感想を伝える重要な役を無邪気に。ギャッツビーの影の役でのダンスの場面も印象的でした。

・蘭 尚樹さん バウ「アルカディア」で主役の暁さんに好意的なクラブ仲間を演じておられ、役の暖かな人柄が伝わりました。明晰なセリフ、少し歌われる場面もあったと思うのですが、口跡の良い方ではないかと思います。

 

とりあえず月城かなとさんが美しいだろう、くらいの気持ちで観に行った今作品。これほど緻密に計算された作品とは思っていませんでした。

植景子先生の透徹した美意識を感じる驚きの舞台。衝撃の美。

皆様もぜひご観劇をお楽しみください。

久しぶりの喪服はぱっつぱっつ・・、故郷の言葉で語る義兄の暖かな挨拶に涙でした

皆さま、こんばんは。お元気でしたか?金曜夜、東京出張から戻る新幹線車内のmiyakoguです。

理系の固めのテーマの会合でしたので、女性参加者は私一人。最近の会合では珍しいですが、アラフィフといえども女子。歓待していただきました。ビバ!理系男子です。

私は昔から自分が知らないことを嬉々として解説してくれる理系男子の話を聞くのが好きなのですね。嫁にいけた最大の要因がこれかも。

本当は今日の夜一泊して赤坂ACTシアターで月組「雨に唄えば」観劇したかったところですが、明日もお仕事があるので涙を飲んで帰りますね!残念!でも、先日の北部大阪地震後の被災地域での大切なお仕事です。

 

1.久しぶりの喪服には気を付けて!

さて、本日のテーマは久しぶりの喪服についてです。

皆さまは、喪服、最近いつ着られましたか?私はほぼ7年ほど前。義理の父が亡くなった時です。

姉の嫁ぎ先のお母さまが天寿を全うされ、田舎ですから実家妹としてここは一つと慌ててお通夜に参列することにいたしました。

デパートで購入したきちんとした喪服。まぁまぁなんとかいけるやろ?という目論見が見事に敗れ去ったのは、オフィスで着替えた時のことです(涙)。ぱっつぱっつやーーん!無理やりファスナーを上げられなくもないけれど、これ立ち上がった拍子にびりっていくやつやわ!と嫌な予感しかしません。

これは、いたしかたありません!(-.-)

予定時刻より早く会社を出て、梅田で黒ワンピースを購入して電車に乗ればいいやと計画、だだだと1、2分で服を決定、お店のお姉さんのお勧めどおりにノーカラーの上着もネックレスも決定。決断だけは早い働き女子@アラフィフです。

 

で、実はねぇ、ここで最大のピンチがあったんですよ!!

あまりにかっこわるいのでtwitterには書かなかったのですが、miyakoguはですね、お財布を忘れたんですよ!オフィスに・・。カード一枚でもスマホケースに入っていたら良かったのですが。
いや、ほんまにまいりました。だって、今からオフィスに戻り、お財布を取ってきて再度お店にきてとなるとお通夜に間に合わない可能性大です。ええとこ見せようと思ったのに、ですよ。

めちゃくちゃ困っておりましたところ、窮地に気づいた店長のお姉さまが、いいですよ、お持ちください、私が立て替えますとまさかのご厚意。ほんとにありがとうございました!(感涙)。

決して怪しいものではありませんと名刺を残し、いったん戻った後、新大阪駅までタクシーです。

難しいかなと思ったのですが、私はこういう時、なぜか毎回間に合うのですね(^^)。スマートEXのおかげでチケットレスでホームに2分前にたどり着き、きっちり売店でお茶を買い(必死でのど乾いてますからね)、予定の電車に飛び乗り、車内で着替えお化粧を直しと大変なあたふたぶりでした。走ってますからお化粧ももうめちゃくちゃです。


でも、お通夜の会場につく頃には落ち着きも取り戻し、義兄のお姉さまには颯爽と現れたキャリアウーマンと思われたようでした。

いえ、お姉さま、このワンピースのお金、まだ払ってませんから!

明日払いに行きますから!今時珍しい、いわゆるツケですから!!(T-T)

必死で足をもがいているのに外からはそう見えなかったとしたら、ええとね、ものすごーーーーくちょっぴりですが、ジェンヌさんみたいと一瞬思ったのは事実です。ごめーーーん!あはは(^^)。

久しぶりの喪服。ウエストや胸は意外と大丈夫だったのです。案外きつかったのが、ウエストやや上の背中のお肉と太もも回り。

まったくもって残念ですが、皆さまも久しぶりの喪服にはどうぞお気をつけてくださいね。いやほんまに。

twitterでも皆さまのご経験談で慰めてくださって本当にありがとう!私だけではないと安心しましたよ~。

 

2.義兄の暖かな挨拶に涙、涙

天寿を全うされ、かつご自宅で前日まではっきりとした意識でお過ごしになっていただけに、義兄のお母さまのお通夜は穏やかで和やかでした。

その中で、義兄のお母さまに送るご挨拶がとてもとても素敵でした。

義兄は穏やかなひょうひょうとした方で、私はこの義兄が人間としてとても好きなのです。
私の姉は子どもの頃に負った少し大きめのやけど跡がある箇所にあります。薄着の季節だと少し気になるかもしれないけれど、目立つ場所ではありません。

結婚が決まる前に姉が意を決して伝えたそのやけど跡のことを、義兄はこのように言ってくれたのですね。

「誰だって、そういうところは何かしらあるから」と、まったく意に介さずに。

私はその話を聞いて以来、義兄のことを尊敬しています。同時に、家族は慣れてしまって無意識になっていたけれど、思春期や20代の最初、姉は私たちが気づかないところでとても気にしていたのかもしれないと、何だかとても申し訳ない気持ちになったことを覚えています。

その姉のことを、どうやら嫁ぎ先ではとても尊重してくださっているらしいと気づいたのは結婚後のことでした。しっかりとした賢い嫁と、義兄のお父様が思ってくださっているらしいことは人を介して伝わってきました。

そして、どうやら私の進学先の大学名も少しばかりプラスに働いているらしいということも何となく伝わりました。そんなことが姉の縁談の役に立つとは思っていませんでした。でも、もしそうなら姉の役に立てて嬉しいなと思ったことを覚えています。


義兄のお母さまは明るくて畑仕事が大好きなシンプルな性格の方でした。私たち家族にまで野菜やスイカを持たせてくださったことをよく覚えています。お亡くなりになられる前日まで車いすに乗って畑をご覧になったとのこと。

生前、その方は「私には何も取り柄がないから」と口癖のように言ってらしたと、義兄の挨拶で知りました。そのお母さまのことを義兄は挨拶でこのように話したのです。最後は少し震えた声で。

「そんな母でしたが、家族のために生きた勤勉な母でした」
「皆さまにも、できればその母のことを褒めていただければ、嬉しく思います」と。


日本の文化では、なかなか家族を表立って褒めることはあまりありません。むしろ謙遜のように言うことの方が奥ゆかしいとされてきたと思います。そんな中で、このように話をされた義兄の挨拶はとてもとても素敵でした。

そして、故郷の言葉で聞くその言葉は、不思議なことにずしんとストレートに心に届きました。

どたばと駆け付けたお通夜。駆け付けられて良かったと思います。

ただね、久しぶりの喪服にはほんま、気を付けてや!大阪のおばちゃんから言うておくわね(^^)。

都市ガスの復旧方法について -大阪ガスさんの説明よりー

皆さま、お元気ですか?地震に合われた方、ご無事でしたか?

朝、駅に向かっていたところ、後ろからどーーんとものすごい音がして、ざっと風が吹いたように思いますが、何が起ったかよくわからないままでいたら、まさかの直下型地震でした。今から思うと、その方向が震源地の方向。大阪北部ですが、やや震源地からは離れています。

幸いにして家族も会社メンバーも全員無事で、明日以降、余震に警戒しつつ、できるところを日々と、そう思います。明日はスニーカーで出社予定。

さて、うちは都市ガス供給停止地区ではなかったのですが、ガスは止まっていました。おかしいなぁと思いつつ、Lineでヅカ友のSちゃんと話していたら、ご近所さんが復旧方法を教えてくれてと何気ない会話。

あれ?もしかして?

そう思って、パネルをあけてリセットボタンらしきところを旦那さんがいじってみたところ、復旧しました。震度5以上だと自動で止まるということも知らなかったです。

 

で、ここからは、都市ガスが供給停止区域以外なのに、ガスが止まっている友人のために私信としてお伝えします。ブログをお読みの方のどなたかにでも届けば幸いです。問い合わせ電話もなかなか通じないようなので・・。

以下、大阪ガスさんのtweetより。(あくまで復旧できることがあります、とのことですのでご注意ください)

「ガスが使えない場合、下記の方法によりマイコンメーターを復旧できることがあります。

現在、大阪ガスWebサイトがアクセスしにくい状況になっており、ご迷惑をおかけしております。

引き続きFacebook、Twitterで情報を発信いたします。」とのこと。

 

そのtweetで、以下の説明文の画像が示されています。

以上文章および以下の画像の出典:大阪ガス通信,2018年6月18日

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皆さまの無事を祈りつつ・・。

一緒に生きるよ!

宙組・天は赤い河のほとり ライブビューイング感想 とてもとても良かった!

皆さま、こんばんは。本日、映画館にて宙組「天は赤い河のほとり/シトラスの風ーSunriseー」千秋楽のライブビューイングを見てきましたので、その感想をお芝居についてお届けします!

一言でいうと、とてもとても良かった! 驚くほどでした。

宝塚大劇場で観劇した時に比べると特にお芝居が素晴らしい変化を遂げておられ、その変貌は、3月16日に始まった真風さんと新生宙組の闘いの軌跡でもあるかのような鮮やかな変貌でした。ドラマティックな音楽もあって、疾走感のある青春の闘いというような勢いがありました。 

 

1.真風さんのお芝居での歌の自信

大劇場の時から真風さんのお歌は良く、安定しておられたと思うのですが、間の期間を含めてほぼ3か月にわたって舞台上で歌われる中で、おそらくは自信を付けていかれたと感じます。その自信が伝わってくる伸び伸びとしたカイル皇子としての迫力に満ちた歌声でした。

 

2.星風まどかさんのユーリの演技

素晴らしかったです。宝塚大劇場で拝見した際にとても気になったかなり早いテンポでのセリフが、様々な緩急の中で表情をもって感情を乗せて話されるようになった印象があります。

もともと澄んだ素直な歌声で、ショースターの才能もおありになる娘役さん。後はお芝居のセリフだけと思っていたのですが、さすがお若いだけあって成長が早い!

先生方のご指導も、真風さんのサポートもいろいろあったと思うのですが(愛ちゃんの原作ファンとしての熱血サポートもおそらくは)、安心してお芝居に身をゆだねることができました。

 

3.まかまどコンビ

宝塚大劇場の頃から真風さんがとても優しい目でまどかさんを見ておられるのを拝見していて、これは大丈夫かな?と思っていたのですが、ものすごく大丈夫でした!!

まどかさんが取材などでみせられているとおり、真風さんへの尊敬や憧れが見ている側にも伝わってくる一心なまなざし。

ずっとずっと、真風さんを見ておられるのですね、まどかちゃんは。

「ヴァンパイア・サクセション」ではそのコンビネーションが生れる前に、真風さんが主役として走り出していかれた印象を持ってたのですが(少なくともDCでは)、トップコンビとして長期間の公演を終えられた今、素敵なコンビネーションが生まれ、見ている側にも伝わるように思います。

背が高くすらっとした真風さんの優しいまなざしの先に、可憐で芯が強く「歌劇」や他の方のお茶会等のエピソードから察するに少しお茶目なまどかさんがおられて。二人でにこにこほっこりとした暖かな関係性があるように拝見。ちぎみゆ時代のガラスケースに入れて飾っておきたい素敵なコンビをほうふつとさせる多幸感がありました。

素敵な男役さんと、その男役さんを慕う可愛い娘役さんをにこにこと見るというのも、宝塚ならではの喜びだと思うのですね。私は力が拮抗するような並び立つトップスターの関係性も好きですが、まかまどには宝塚ならではの見る側の喜びを感じます。

宝塚大劇場では、ラムセスの「俺の嫁になれよソング」(注 そういうタイトルではない)の場面、あまりにまどかさんが楽しそうで、「ちょっとぉぉ、カイル皇子はどうなったんよ!カイル皇子は?!」と客席で静かーーに激怒しておりましたmiyakogu(抑えてましたよ、もちろん)。軽妙に素敵な演技を見せておられるラムセスキキちゃんには悪いのですが、本日は「あ、カイル皇子のこと、忘れてないんだな」という演技になっておられました。

別の場所にいてもなお、相手役の存在を感じさせる演技だったということです。

そのため、銀橋での「私、帰らないよ!」の場面、観ている側の心にぐいぐいと迫ってくる力があり涙、涙、涙でした。

その前に、真風さんカイルが一人でユーリを帰そうとする場面の真風さんの伸ばした後に閉じられた指先、うつむいた横顔の切なさ。グッジョブ!ライブビューイングご担当者様。素晴らしい場面でした。

 

4.見事な宙組コーラスと下級生さんのご活躍

このお芝居を盛り上げているのはとても素敵な音楽。お芝居冒頭、考古学者になっているかつてのユーリのボーイフレンド氷室(希峰かなたさん)が読み始める「天と地の・・」の直後に響く音楽が美しいですよね。あの旋律、とても好きです。重厚で、今から素晴らしい物語が始まるのだという期待感を地響きのように伝えてきます。

特筆すべきは宙組さんのコーラス。

いったん劇場の天井にばーーんと届いた後、劇場一杯にその声が降り注ぐかのような素晴らしいコーラス。今の宙組さんは明日へのエナジーで素晴らしい歌声を響かせておられる美風まいらさんを筆頭に、中堅~下級生さんにお歌が上手な方が固まっておられて、皆様、本当に素晴らしい。

主要役の方々については既に書いたとおりですが、本日は下級生さん中心に。

お祭りの場面で、出てこられる穂稀せりさん(だと思うのですが、違っていたら教えてください)と若翔りつさん。冒頭出てこられる小春乃さよさん。今回のお芝居で素晴らしい演技を見せてくださっている華妃まいあさん。クルヌギアでの秋奈るいさん(こちらも違っていたら教えてください)。

桜木みなとさん、和希そらさん、瑠風輝さん、瑠依蒔世さん、鷹翔千空さんとお歌で活躍されてきた方々に加えて、ご活躍の方が増えるのは拝見していても嬉しいことです。

お芝居でも、ティトの愛海ひかるさん真名瀬みらさんがご活躍、「神々の土地」の優希しおんさんのように新たな注目を集めたと思います。組替えでこられた天彩峰里さん、ネフェルティティ子ども時代の夢白あやさんも美しく素敵でした。

今日の千秋楽ならではのアドリブも楽しかったですよね!ラムセス一家は何かと楽しい。

ご退団の星条海斗さんのウルヒ、純矢ちとせさんのナキア、澄輝さやとさんのネフェルティティ、愛月ひかるさんの黒太子・マッティワザ、風馬翔さんのタロス等、複雑な心境を映し出した見事かつ重厚な演技、あるいは蒼羽りくさんや桜木みなとさん、和希そらさんのように原作にある設定をさりげなく織り込んでくださった繊細の演技のもと、様々な下級生さんが多彩にご活躍の本作、結果として素晴らしい仕上がりでした。

多分、今、組の状態がとてもいいのだろうと想像します。少人数で集まって演技について話し合ったり、自主的に練習したり、そういう小さな努力が結集されたであろう総合力を本日、感じました。ブラーボーー!!

 

5.期待以上の成果と清く正しく美しいスター

真風さんはおそらく、素敵なトップになられるだろうとある程度予測はしていたのですが、まさかお披露目の第一作めで、新生宙組さんがこのような素敵な成長とまとまりを見せてくださるとは正直、思っていなかったのです。予想以上の嬉しい驚きです。

勝手ながら、その根底に自分は宙組20周年に巡り合ったトップなんだという真風さんの覚悟を感じます。

真風さんは仮に他の組でも素敵なトップスターになられたでしょう。それだけの育て方をされていて、そういう育て方をしたくなる何かをお持ちのはずだからです。

けれど、20周年の節目を迎える宙組で良かった。朝夏まなとさんという太陽のようなトップのもとで、安定した幸せな2番手時代を送ることができて、本当に良かったとまぁ様におおいなる感謝を!

そして、素敵なコンビネーションを生み出しつつある星風まどかさんに感謝を。

それまでご縁のなかった宙組で退団公演となったのに、いつも素敵なコメントを出してくださった星条海斗さんにも感謝を。さすが芸歴20年、重厚な品を今公演に加えてくださったと思います。これからの人生も着実に前進されるでしょう。おばあ様とのお約束だったという「10年」の倍を宝塚で一心に過ごしてこられたことは、大きな力だと思います。

今公演、真風さんに携わってくださったすべての皆さまに感謝を込めて、ありがとうございました! ←いや、あんたが言うてどうすんの、しかもお披露目なんで、今からなんで、落ち着いて、miyakoguさん?!

 

真風さんは清く正しく美しい見事なトップスターでした。お披露目公演の千秋楽、本当におめでとうございます。

次作のビジュアルも素敵すぎて、うっかり田渕先生に「よろしくお願いいたします」というお手紙を書きそうなmiyakoguです・・。

ブログ始めて3周年でした(^^) どうもありがとうございます。

皆さま、こんばんは。冷えたり蒸し暑かったりの日々、お元気でしたか?働き女子の皆さまもゆったりお過ごしの皆さまも、お疲れ様でしたの金曜夜です。

さて、このブログを開始後、昨日がちょうど3周年でした。5月が誕生月でしたので、そのお祝いを先日してもらったのですが、6月に入ってしまったのでこのブログのお祝いのようでもありますね(^^)。

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1.ブログの3年間を振り返る

3年続けてみて、当ブログのこれまでの成果は以下のとおりでした。

・記事数は566 ←よう書きましたなあ・・

・アクセス数(PV数)ははてなブログのカウントでおよそ252万 ←宙組「エリザベート」で記事をかきまくり急増しましたが、その後多忙になり、ただいまは週一ペースでのんびり更新中です。月5~10万アクセスというのは個人ブログとしては悪くないみたいですね(^^)。

・その中で・・・。

miyakogu絶対的スターの真風涼帆さんに始まり、

珠城りょうさんの激情ホセ沼にうっかり落ち、

朝夏まなとさんの太陽に憧れて、

まさかのテレビドラマで林遣都さん演じる牧君に切なくなる

という経緯があからさまに描かれているわけです。わはは。←ばか。

 

2.割としょっちゅう沼に落ちている、自覚はある

いやぁ、よく書き綴ったものですね・・。-

そして、しょっちゅう沼に落っこちてるやーーーん?!

あほなん、自分?! うん、まぁ、自覚はある(きっぱり)

自分でも時々、内容のあほさ加減に、これでアラフィフの大人として本当に大丈夫だろうか?と自問自答をすることもあります(大真面目)。

が、次の瞬間にはBlu-rayをぽちったり、「歌劇」にあわわーーーとなったり、過去作品を順番に振り返ってみたりと忙しいので、自問自答は割とすぐに終わります。

うん。それこそ大人に必要なことやな!!!

あのね、好きなスターさんがおられる方はよくおわかりいただけると思うのですが、忙しいんですよ、我々は。萌えたり、切なくなったり、涙したり、笑ったり、ずきゅーーんとなったり、展開にいらいらしたり、拝んだり、ばんばんばん!となったり。 ←miyakoguさん、落ち着いて・・。

 

「小人閑居して不善をなす」という言葉がありますが、時間があるとねぇ、しょうもないことで悩んだり、訳もなく不安になったり、注目しなくていいはずの欠点に必要以上に注目したり、ろくなことがないように思うのです。それが人生50年の大阪のおばちゃんの実感。ニュースも悲しくなったり、いらだったりするようなものが多いですしね。

で、仕事とはまったく関係なく、頭からっぽで過ごせる時間が大人には必要だと思うのです。小さな男の子が昆虫採集に一生懸命になるような夢中の時間。

その時間を美しく授けてくれたのが、宝塚歌劇団だったのですね。

 

3.宝塚の美しい風

劇場にいそいそと出かけて、どきどきと開幕を待って、オペラグラスを必死であげて、時々目線があったり、ハイタッチしたり、ウィンクを稀にくらったりするとびくーーーー!と客席で静かに萌えたり。

始まりは元雪組トップスター・壮一帆さんのお披露目公演「ベルサイユのばら -フェルゼン編ー」のとても美しい黒燕尾。ただただ美しいなあと感嘆しました。

次に観劇した星組「ロミオとジュリエット」の幕開け、長身銀髪の真風さんがかっと目を大きく見開かれた瞬間、ものすごい奔流が心の中に流れ込んできたのです。

このブログで実況できたのは、珠城りょうさんや林遣都さんへのリアルタイムあわわわーー!(注 miyakoguが沼に落ちる時の奇声)や朝夏まなとさんへの感謝や涙でした。

が、真風さんを見つけてしまったときはねぇ、ふっ。こんなもんじゃなかったから・・。

2~3日に一度は梅田のキャトルに通い、真風さんの過去映像や舞台写真を買い込み、すべての作品のフィナーレの真風さん登場場面を一旦停止ボタンを押して見続けたから。

すべての始まりは真風さんだったんだなぁ。人は出会うときに、出会う人に出会うべくして出会うのかもしれません。

真風さんをはじめとする宝塚歌劇団の皆さま、仕事と子育てに忙しく終わっていく一方だった日常に、きらきらとした美しい風をありがとうございます。

 

4.共感への感謝を込めて

そして、ネットの広大な海でこのブログに何らかの方法でたどりつき、お読みいただいたりコメントをいただいたりスターをつけてくださった方々、本当にありがとうございました。時には記事に反感を持たれたり、娘自慢がうざいと思われた方もおられたようですね。ふふふ。

ただ、その中で「同じ気持ちでした」「泣きました」「言いたいことを言葉にしてもらって」というコメントをtwitterを含めて頂戴したすべての皆さま。どうもありがとうございました!

皆さまが共感してくださったかもしれない「泣ける記事」は、実は私自身も書いているときにその感情がよみがえって泣きながら書いたもの。

そして、「笑えました」と言ってくださる記事を書いているときは、だいたい何かにあほのように夢中になっているとき。

うん。泣いたり笑ったり、忙しいなぁ。何かに夢中になれて、それを表出できる大人になれて、良かったと思います(^^)。

女女男の三人姉弟の真ん中っ子でやや「すね気味」に育った私の”夢中”を引き出してくれたのは宝塚。そして、子どもの部分を引き出してくれたのは多分、小さかった時の娘のピュアな感情表現の力。

まぁ様のご退団もあり、また昨年の秋頃からさすがにとても忙しくなってしまって、記事も当分、週1ペースになりそうですが、できれば細くでも長く続けられたらと思います。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします(^^)。

おっさんずラブ 第7話最終回感想 牧春の幸せ、部長の愛 ー結婚の意味について考えた

えー、以下はTV朝日系「おっさんずラブ」第7話最終回の感想を、牧春の幸せと吉田鋼太郎さん演じる黒澤部長の切なさを中心に書いています。本来のホームである宝塚ファン同志の皆さまは、ラスト1回(のはず)、暖かく見守ってやってください・・。

 

1.牧春の幸せ、それは私たちの恋の成就(涙目)

第6話のラスト、「はぁぁん?!」という予告が出てtwitterは荒れていた。そこに図ったかのように公式から投下された様々な写真、記事。うん、ちょっとあざといな。そう思ったのは事実。けれど、この作品が視聴率以上のインパクトを残した存在としてTV局上層部にわかってもらうためには、このお祭りを盛り上げておいた方がいいのでは?そう思ったのも事実。

でも、そんな考えを一切合切、視聴者の心臓のドキドキの爆音とともに、見事にはるか彼方に吹っ飛ばしてくれた春田さんが牧君に向けて言った「一緒にいたい、だから結婚してください」というピュアで力強い幸せ。

春田さんのたくましい腕が、牧君が何を言っても今度は絶対に離さないと言っているように強く強く牧君を抱きしめて。

牧君がこの幸せをつかんでいいのかとおそるおそる背中に手を回して。

でもやっぱり夢じゃないとわかって、牧君がぎゅっとして嗚咽して。

幸せに泣く牧君を最後の最後に観られて、思い残すことはございません!ありがとうございました。TV朝日と制作に関わったすべての方へ、合掌。

牧君が春田さんに一生懸命恋をして、春田さんが戸惑いながら巻き込まれるように牧君に恋をして、その恋が実る。それは観ている側の私達の恋の成就でもあった。

はらはらしてどきどきして、考え始めたら寝られないくらい切ない。その現象をどう呼ぶのが一番妥当かと言えば、やはりそれは「恋」だったと思う。

でも、それは誰への恋だったのだろう?多分、牧春二人が描く風景への恋だったのかもしれない。中でも、牧君を演じた林遣都さんが美しい青年であったことは大きいと思う。

 

2.林遣都さんが演じる牧君の多弁な瞳

林遣都さん演じる牧君の瞳は、この物語において誰よりも多弁だった。第7話においても。

「僕は部長とおつきあいをしているわけではないので」という春田さんの言葉を聞いたときのかすかな希望の目。

部長との結婚お祝いの飲み会を一人だけ抜けてちずちゃんに呼び止められた時の目。

上海に行く前にできるだけ引継ぎを一緒に回りたいという時の思いを含めた目。

武川さんに本当にいいのかと詰め寄られた後の、どこか遠くを見るような目。

春田さんが走ってきてくれた時、信じられないくらい嬉しいのにまだ信じられない目。

牧君は第1話、シャワー中の春田さんに乱入して「好きだ」と言える強さがあるはずなのに「俺とつきあってください」と告げる強さがあるのに、第1話からずっとずっと切なくて、不安や揺らぎを示す方の言葉はいつも呑み込んでしまう。

何も言わずに、いや何も言えずに、勝手に一人で結論を出して一人で去っていく。

第6話ラスト、心とは正反対の言葉を口にして泣く牧君はエリートの青年ではなく、ただ恋する25歳だった。

本当はもっと素敵で洗練された賢い恋の一手はもっとある。観ているだけの立場からは見える。けれど、25歳の恋する彼に、必死でいつも不安な彼にそんなことは無理だ。恋する若者は自分でもどうしたらいいか迷子になって、必死過ぎて暴走する。シェイクスピアの時代からそう決まっている。恋する人は賢くなんてなれない。それでいい。

牧君の瞳が語る本当のことに一番気づくのは同じ人を好きだったちずちゃんだ。ちずちゃんが「私は辛かったよ」と言うから、彼ははじめて「つれぇ・・」と言える。

同じ人を好きだったちずちゃんとなら、橋の上から「なんで部長なんだよー!」と叫ぶことができる。ありがとう、ちずちゃん。

そして、春田さんにストレートに「好きだ」と言ってもらって真正面から抱きしめられたから、彼はもう我慢しないって決められたんだ。牧君の心を解放してくれて、ありがとう、春田さん(涙目)

 

3.田中圭さん演じる春田さんの正直な強さ

春田さんは、言葉を呑み込んだ牧君に置き去りにされてきた。

好きだ、つきあってくださいと言われて、実家に挨拶に行って家族と仲良しになりたいと告げた日に、「一緒にいると苦しいばっかりで」「もう好きじゃない」と号泣しながら言われたら、彼は止まってしまう。

だって、春田さんはいつも言葉と感情がまっすぐにつながっているから。彼は言葉を呑み込んだり、心と裏腹の言葉を言ったりしない。

ストレートでまっすぐに”ばか”。部長が最後に送った手紙に書いたとおり、愛おしいほど”ばか”だから。彼の最大の強みである率直な強さは、牧君の言葉をそのままに受け止めてしまう弱さでもある。

ただし、彼はこの恋を経て、少しだけいい意味でも悪い意味でも大人になっている。「俺があいつに振られたんですよ」「そんな今さら」という言葉に感じる彼のかたくなな心。冷蔵庫に残されていた牧君のメモを見つめる春田さんは、言いたい言葉を少しだけ呑み込む人になっている。

オープン一方だった心に傷を受けて、一番大切な部分に鍵をかけてしまっている。彼は愛も結婚も何なのか、わからないまま止ってしまう。会社で牧君に話しかけようとして避けられた彼にとって、この1年は彼がその鍵の中から出てくるのに必要な時間だったのだと私は思う。

それくらい深い傷。それくらい牧君が好きになっていたからこその。1年の間、たとえ部長と暮らしていても、彼は何度も何度も牧君のことを想ったはずだ。キスの感触を繰り返し想ったはずだ。主題歌にあるように何度も牧君を思い出したはずだ。

 

4.吉田鋼太郎さん演じる黒澤部長の愛

そんな春田さんの心に優しくストレートにノックして、少しだけドアが開いたらずんずんと乗り込んでいくのが吉田鋼太郎さん演じる黒澤部長だ。

牧君に振られて傷心で生活も乱れた春田さんを救いに来る部長。彼は白馬に乗った大人の色気と優しさ一杯の王子様。

かつて、蝶子さんをぐいぐい押して結婚したように、今は春田さんを一心に愛している部長は10年来の想いを込めて愛を形=結婚にしようとする。部長にとってはそれこそが最大級の愛の証だからだと同年代の私は思う。

部長がずんずんと準備して実現を推し進める結婚。フラッシュモブでのプロポーズ、お祝いの飲み会、結婚式、披露宴。すべて準備が整っている。

唯一、準備が整っていないのは春田さんの心だ。

部長は気づいてしまう、そのことに。誰よりも春田さんのことを見つめてきた人だから。その時間の長さは牧君以上だから、ずっと見つめてきた部長には春田さんの心の揺れがわかってしまう。

武川さんに「正直、部長のことは好きなのか」と聞かれた春田さんは、結婚祝いの飲み会なのに「え、好きですよ。何すか?」と逆切れ的にしか言えない・・。それを部長は聞いてしまっている。

牧君のことを好きなの?とちずちゃんに聞かれた時とは全く違う・・。牧君を思い浮かべたであろう一瞬の間を置いて「うん、まぁ」とほほ笑んだ春田さん。

部長、多分、「おっさんずラブ」を毎週、見てたんだよね(涙目)。だから分かってしまうんだよね・・。←落ち着いて、miyakoguさん。

「君に出会えて良かった」との手紙を残し夜の街を歩き、春田さんを想う部長は何かの心を決めている。

 

5.結婚式から一人だけの披露宴へ

「誓いのキスを」と促されて止ってしまう春田さん。彼は嘘をつけない。絶対に。彼はただただ牧君を思い出す。

牧師さんにすっと手をあげる吉田鋼太郎さんの演技、その一瞬の手の動きだけで、すべて部長がわかっていたことを伝えてくる。だから二人だけの式、おそらくは牧師さんにも事前にある可能性を伝えてあったのだろう。

部長は本当は披露宴をキャンセルしていない。ほんの少しの望みを託した最後の賭けに自分で潔く負けて、「披露宴はキャンセルしてある」と部長は優しい嘘をつく。そうでなければ、また春田さんが流されてしまうから。

彼は春田さんの迷いをきっぱりと断ち切るために「行けーー!」と背中を押す。

春田さんに、愛を、結婚とは何かを教えてくれたのは部長だ。

彼は素敵なかっこいい大人だった。一人だけで披露宴会場にやってきて「振られちゃった」と笑う。年甲斐もなく年下を好きになって、結婚式からその人に去られる。ものすごくかっこ悪いことだ。

でも、吉田鋼太郎さんの演技は素敵にしか見えない。チャーミングで一生懸命恋をした清々しさしかない。見事な演技だった。私が一番泣いたのは実はここ。

 

6.結婚の意味について考えた

このドラマが投げかけようとした結婚とは何なのか?について考えてみると、春田さんがたどりついた「ずっと一緒にいたい」という気持ちを”約束”することなのかもしれないと、私は思う。もちろん後でほころぶこともあるけれど、少なくともその時は。

誰かを想う「好き」の中にもいろいろな気持ちがある。

「好きの物語」はそれぞれに異なる。その中で、では、結婚って何だろう?

 

私達家族は自分達の家のことを「巣穴」と呼んでいる。三重県に「伊賀の里手づくりもくもくファーム」という観光農園がある。娘が小さい頃、何度も行った場所だが、そこで暮らすミニブタや羊達は、何匹かいつもひっついて寝ていて安心そうで、「生き物」としてそれは根源的に必要な何かに思えた。

くっついて眠ることができる安心。それが明日も続くという約束。

「この人とそうありたい」と強く思う相手と、私たちは結びつくのだと思う。年齢も性別もおそらくは関係なく。

 

だからこそ、迷子だった牧君は「ただいま」と言って、春田さんは「おかえり」と言ったんだと思う。そう、今は彼らはくっついて眠ることができる。そして性愛のひと時は、恋を全身で相手に伝えられる時間だ。

大人になった春田さんは牧君にやめろよと言いつつ、「・・なわけねぇーだろ」と低い声で言って、獲物をやさしく仕留める目をして牧君を見下ろしてキスを落とす。

その慣れた口調で、うん、この間に何があったかは、まぁ、察したよね!←落ち着いて、miyakoguさん。

田中圭さんは官能的な作品ですばらしいエロスを体現されている方だと聞く。この場面の春田さんは田中圭さんの魅力が炸裂している。

観ている我々は「あーーーー!」と叫んで、終了後即、延々とリピートしたり、タイトルでシャットダウンされるぎりぎりの瞬間を切り取ったり、続きを見せろ!と叫んだりいろいろ忙しい。あの二人が放った官能が様々な形で伝播していく。笑ってしまうほどに。それは男性俳優としてのお二人の素晴らしい力だ。

 

無事に私たちの旅は終わった。ありがとう、牧春と部長。そして、牧君の背中を押してくれた武川さんとちずちゃん、ナイスタイミングで部長と春田さんがつきあっているわけではないと世に知らしめてくれたまいまい、まいまいが課金する鉄平兄、蝶子さんを大切にしてくれるだろうマロ、ちずちゃんを大切にしてくれそうな名前を知らない君も。最大に懸念していたBlu-rayも出る。もうスクショしてスライドをつくらなくてもいい。安堵した。

中学生娘はただいま、「正気を取り戻したい」と宝塚専門チャンネルを見ている。それで正気を保てるのか、別の沼に行くだけではないのか?と尋ねたところ、「常駐している沼の方がまだ安心できる」とのこと。

おっさんずラブの沼、または林遣都さんの美しい湖は、いつもいる沼とは酸素濃度が違って、我々は時々呼吸困難になった。

そのどきどきを、ありがとう。