その3.すごくて強いのは誰?
スーパーで買物をしていると娘からの電話。で、直後に帰宅したところ、こんこんと眠っておりました・・。いや、さっきあんた、電話してきたとこやん??
ご飯の準備はできたのだけれど、ほっぺを突っついてもぴくりともしないので、その3を書きたいと思います。
●ラダメスとアイーダの強さ
プログラムに寄せられた木村先生のご挨拶を拝読しました。そうかぁ、先生はただただ、愛をお書きになられたかったのですね。
みりおんさん演じるアイーダの「愛し合う者どおしが、死ななくて済む世界のために祈りましょう」(という趣旨)の最後のセリフこそ、木村先生の描きたかったことだったのか・・。
となると、愛を貫いたラダメスとアイーダは、この作品の中で最も強い人々なのですね。
木村先生が書いておられるように、ラダメスは「純粋さ、優しさ」をもって、戦いのない世界をファラオに訴え、ファラオもそこに賭けてくれる。その純粋な強さ。
アイーダは、アムネリスに詰問されても、女官にいじめられても、兄に責められても、父に強いられても、エチオピアが壊滅しても最後に愛に賭ける。暗い地下牢を突き進み、ラダメスを空虚な暗闇の中から救う。共に死ぬことがわかっていたとしても、ラダメスにとってアイーダは光。その輝く強さ。
木村先生が書かれているように、アイーダが「男性像と同等ないしそれに勝る女性像」であるのは、愛に賭けきった強さのことだったのかと・・。
父への反抗、兄との激しい諍い、ラダメスの愛を受け入れる前の自分自身への抵抗。アイーダの言動で表現されている「生き方の激しさ」「主張の強さ」のみに目を奪われてしまっていました。
●アムネリスの強さ
その一方で、ファラオの娘、アムネリス様の強さには目を見開かされます。
ファラオを真風さん演じるウバルドが暗殺した後、悲嘆にくれながらも立ち上がり、「私がファラオになります!!」と宣言する。その男前な強さ。
そして、エチオピアに勝利した後、エジプトは以後、戦わないときっぱりと命令する。その言葉の虚しさを知りながらも、ラダメスが遺したものを信じようとする。その信念の強さ。
ええわぁ、男前やわ。ほんま、おばちゃん、ほれぼれするわ!!
というわけで、この壮大な愛の作品。やっぱりアムネリス様の男前な強さが一番のような・・・、そんな感じです・・。(←「日の当たる方へ -私という名の他者ー」東京千秋楽の真風さんご挨拶より引用)
●戦うスーパーヒロイン編への希望
木村先生、この作品は私の中の「少女」ではなく、私の中の「おばちゃん=リアル」と響き合う作品でした。少女期から父の言うことなど全く馬耳東風であった私の中の「少女」と響き合うはずがありませんでした・・。葛藤も何もあるわけないですね!てへっ。
次は全面的に、「おばちゃん」センサー大発動で観劇いたします。
ただ、できれば、「アイーダ -戦うスーパーヒロイン編ー」も観てみたかったな・・。アイーダが策略を巡らしスパイを放ち、地下牢に埋められてしまう前にラダメスを牢獄から救い出し、月が海を白く照らす中、二人して異国へ旅立つ。
漕ぐのはアイーダ、ラダメスは世界に愛を歌い上げるのです。朗々と。
スパイはぜひ、下級生の美形男役さんでお願いします。エジプトの女官たちをたぶらかせ、情報を聞き出すのです。
あきませんでしょうか??ちなみに娘=リアル少女も同じ志向です。血は争えません。
※結局、「王家に捧ぐ歌」について19個もの記事を書いていて自分に呆れました。よろしければご覧下さい(^-^)。