代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

花組全ツ・メランコリックジゴロ感想 柚香光さんのやるせなさの魅力

皆さま、お元気でしたか?本日の仕事を先ほど終えましたので、日曜日に観劇した花組全国ツアーのお芝居「メランコリック・ジゴロ」について感想を書いておきたいと思います。

私は新米宝塚ファンですので、前回の2015年の宙組全国ツアーとのみ比較しながら拝見しました。以下はあくまで、私が柚香光さんのお芝居をそのように受け止めたという内容であり、演出側の意図を分析しようとするものではありません。

こちらは阪急インターナショナルの前のクリスマスツリー。毎年綺麗ですね✨

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1.2015年宙組・まぁまかの爆笑スタイリッシュ・コメディ

今作品は、パンフレットの小川理事長の文章にあるとおり「名作コメディ」。

前回、宙組さんの「全国脚長見せびらかしツアー」で観劇した時、爆笑し少し泣き、朝夏まなとさんの「お前が好きだ!」にどっひゃーーーん?!(≧∇≦)と赤面した遠い日の思ひ出・・・。

本当に楽しくって少しほろっと来てハッピーになった演目でした。コメディセンスのある真風さんの間合いが素晴らしく、みりおんちゃんの天然っぷりと微妙なテンポのずれがなんともおかしく傑作だなと思ったのを覚えています。

1920年代のヨーロッパを舞台にした作品。第一次大戦後、戦争の傷は大人世代には色濃く感じられるものの、人々が未来に向かって立ち上がっていった時代だと思われます。そう、まぁまかのメラコリは、笑いとペーソスで言えば、笑い>ペーソスの舞台でした。

※その時の感想はこちらです。よろしければどうぞ。

mothercoenote.hatenablog.com

 

2.れいまいのメラコリ、ペーソス>笑い

さすがれいまい、同期なだけありました。

1つか2つ年齢差があるかな?というまぁ様ダニエルと真風さんスタンの関係性以上に、テンポ良く丁々発止で進む前半。気持ちがいいリズム感と遠慮のない青年どおしの関係性がありました。

ただ、途中からあれ?おかしいな?これ、ハッピーコメディのはずだったよね?と思い始めたのですね。(ご安心を。あくまでいい意味で、です)

柚香光さんのダニエルはまぁ様とは違う。何だろう?と思い始めてまもなく、私が好きだった場面の一つにさしかかりました。

フェリシアと一緒にホテルの一室に閉じ込められたダニエルが、ぐずで学校の給食の時間が嫌いだったというフェリシアに、同じような子だった自分の子ども時代の同級生が先生になっていること、その子の教室ではゆっくりご飯を食べるんだというセリフのところです。

「嫌な目にあったやつは、他人の気持ちがよくわかる」と言う場面。

まぁ様ダニエルは、だから大丈夫だよとフェリシアを勇気付けるように優しく、かみしめるよう。ダニエルの優しさがフェリシアに染み、観ている側のささくれた心にも優しく染みこんでいくような名場面です。※主に仕事に疲れたアラフィフのおばちゃんとかにな!うんうん。

ところが・・。

そう、光ちゃんのダニエルはフェリシアにも伝えようとはしていたのですが、むしろ自分自身にも言い聞かせるようで・・。

「ごめんって、癖か?」の言い方も、まぁ様のフェリシアに一歩近づき解きほぐしていくような言い方ではなく、少し遠慮がちな感じの距離感。

この瞬間、れいまいのお二人は、この一見コメディに見えるお芝居に対してまぁまかとは異なるアプローチをしているのではないかな?と、miyakogu、はっと座り直したのです。

光ちゃんのダニエルは心のどこかに大きな傷を抱えていて、誰かの光による救いを求める気持ちを心に秘めた青年と感じられたのですね。

まぁまかのお二人が28、27歳くらいとしたら、れいまいのお二人は20-22歳くらいの同級生、まだ少年ぽさを残した青年初期に見えました。

 

3.柚香光さんのやるせなさの魅力

皆さまは高校時代に、制服を少し着崩して男の子どおしつるんでいてお肉とお米はよく食べて、授業中はちょっとかったるそうにしていたり寝てたりしているんだけれど、笑うとかわいくて、よく見ると相当な美少年で、少し陰があって雨の日に仔犬を拾って帰る。そういう同級生がいませんでしたか?

そんなん、恋するしかないやんか?!放っておけるの?そんな美少年がいたら?!(miyakogu、心の叫び)

ええと、漫画だったかな・・? ※注 半分、miyakoguの妄想入ってます(^^)。

れいちゃん、あの子はそういうやるせない面があるんだってば!ばんばんばんばん!少し複雑な事情があって、それが陰になっているような少年特有の!

おばちゃんな、わかってんよ。

 

最後のあの名場面、「おまえが好きだ!」の赤面シーン。

朝夏まなとさんのあのセリフは、全客席をなぎ倒していって「まぁ様に言ってほしい!俺も嫁にいく!」と妄想と願望をたぎらせたよね? ←落ち着いて、miyakoguさん。まぁ様はもう立派なミュージカル女優さんなんで・・。

れいちゃんの「おまえが好きだ」は、フェリシアという光を見つけたダニエルが必死でその光を引きとめようとしている「必死な健気さ」が感じられ、不思議な説得力がありました。

※「はいからさんが通る」でも感じたれいちゃんの魅力についてはこちらの記事。よろしければどうぞ。

mothercoenote.hatenablog.com

 

4.舞空瞳さんフェリシアの清らかな光による救い

まぁ様のダニエルは、寄る辺のないみりおんちゃんフェリシアを救うかのようでした。世間慣れしていて、このダニエルなら何とか切り抜けてフェリシアを優しく守ってくれる、俺もついでに頼む!と客席も言いたくなるような。←落ち着いて、miyakoguさんってば(^^)。

でも、れいちゃんダニエルはどこか放っておけない危うさがあり、舞空瞳さんフェリシアの優しく清らかな光によって救われた印象だったのです。良かったね、ダニエル、幸せになるんやでーーー!(涙)的な。舞空さんはダンスがうまく、お歌も上手く、可憐で可愛くて、よくぞ宝塚に入ってくださった!!

 

5.戦争の傷

メランコリック・ジゴロは、戦争から帰ってきて心に傷を負った人物が登場する正塚先生のお芝居あるあるで、それはフェリシアの父であるノルベール・サーダとフォンダリの世代に特有でした。前回の宙組さんでは。

仮に、まぁ様ダニエルが戦争で父を失ったものの、貧しい中でも快活で美しい母に育てられ故郷を離れた青年であるとしたら、れいちゃんダニエルは相当小さい頃におそらくは戦争によって両親を失った寄る辺のない子どもに見えたのです。

「ダニエルのテーマ」を歌うとき、まぁ様ダニエルには遠いまちが見えるようでした。一方、れいちゃんのダニエルは「そのまち」に永遠の別れを告げてきたようであり、もう帰る場所がないように見えたのですね。

その切なさ、やるせなさ、行き場のない思い、憂い・・。

大人の哀愁ではなく、少年の持つ不安定な憂い。美少年がそのよう憂いを帯びている。そして、フェリシアとの出会いによって帰る場所を見つけたのだとしたら・・。

そんなもん、魅力的に決まってますやんかーーー?!(with エコー)

なるほどなぁ、と納得いたしました。

そのように考えられた上でのアプローチだったのか、元かられいちゃんが持っておられる資質が自ずとそうさせたのか、それはわかりません。でも、そのように大阪のアラフィフおばちゃんの心に届いた演技と存在感でした。

 

考えてみれば、このサスペンス・コメディのもう一組の主役はノルベール・サーダとフォンダリです。この二人も若い頃はおそらく他のメンバーも含めて絶妙のチームワークを組んでいたのかもしれない、けれど別れてしまった。

戦後のインフレの影響により盗んだお金の価値が暴落していると気づいた時のフォンダリの絶望、しかし案外さっぱりと立ち上がった姿には、戦争の前後の人々の変化を見るようでした。羽立光希さんが相当ながんばりで演じておられましたね。素晴らしかったのですが、ペーソスはちょっとやっぱり難しかったかな。でも大健闘でしたね(^^)。

 

6.水美舞斗さんのスタン

水美舞斗さんのスタンには驚かされました。明晰な口跡と力強い演技に。

マイティーのスタンは、どこか寂しげなれいちゃんのダニエルを口うるさく構いながら「守っている」ように見えました。憎まれ口をききながらも同級生を気遣うように。

それはお芝居でもあり、この全ツでのマイティーの役割でもあったのだろうと感じました。

ショー「EXCITER!! 2018」で1階席一番後ろまで、一人で走っていかれた水美さんの風を感じたとき。ああ、この人はこうやって全国を回ってこられたのだろう、ツアーを主演で回る同期を必死で守り支えてきたんだろう、そう感じさせる気概が水美舞斗さんからは伝わってきました。

二人で必死だっただろう、でも楽しくもあっただろうなと。

マイティーのスタンにはダニエルとは違い、戦争の傷は感じませんでした。戦争の傷は何らかの事情でダニエルにはあり、スタンにはなかった、そういう二人の関係性に見えたのです。

 

7.戦争から帰ってきた祖父を思い出した光ちゃんの演技

以前にも書いたことがありますが私の叔父はサラリーマン生活を全うしつつ、詩人として数冊の詩集を出してきた人です。その叔父の詩集に繰り返し登場するのが彼の父、すなわち私の祖父。

私自身はまったく覚えていないその祖父は、戦争に行き、帰ってきた人でした。

祖父は普段は寡黙ながらお話を聞かせるのがとても上手な人だったらしく、冬の夜、子どもたちはわくわくと物語をせがんだそうです。

ただ、戦争から帰ったきた祖父は戦地でのことを何一つ語らず、一層寡黙な人となってこの世を去ったそう・・。戦争後、何も語らなかった祖父のことを、叔父は詩に書き続けてきました。

祖父の背中に向かって放たれた叔父の言葉。詩となったその言葉には冬の夕暮れのような切なさがあります。

私は、柚香光さんのダニエルから叔父の詩のことを思い出しました。そういう切なさを秘めた彼女の演技だったのだと思います。

不思議な方ですね。おにぎりとお肉が似合うのに。

いたずらっ子のような確信犯的な「にやっ」を客席に放てるはずの人なのに。

なぜ、切なさとやるせなさを纏っているのだろう、れいちゃんは??

その不思議さを感じ取ってしまった人は、ただひたすらにあの綺麗な横顔を見つめるしかないのだろうと思います。気になってしかたがない。

今後、さらなるご成長を楽しみにお待ちしながら、これからの舞台も拝見したいと思います。

 

ショー「EXCITER!! 2018」は、これはお若い方々中心だった花組全ツチームには、ゴージャスな大人の音楽にやや力負けだったかな??(^^)。

れいまいと下級生さんのキザリも、私の目には「まぁ、お若い方ががんばって、微笑ましいわぁ」という微笑を誘うもので、ホストのようなファンサとは思いませんでした(^^)。

大阪のおばちゃんな、それくらいではびくともせんで!ま、実のところ、客席降りから列が離れてたんよ、通路側やったけどな!(miyakogu、心の声の強がり)

三分割の花組さん、全ツチームはお若いメンバー中心にご健闘されていたと思います

お疲れ様でしたね。次は大劇場で一段階段を上がった姿を見せてくださると期待しています!(^^)

今週の出会いと舞台の立ち姿 真風さんレオナルドに感じる新しい風

皆さま、こんばんは。お元気でしたか?

私miyakogu、アラフィフとしては多忙な日々。福岡と福井に出張し、神戸、京都とあちこちでいろいろお仕事があり移動多めな日々。ちょっと弱ってました。

アラフィフだし。うん、ダイエットも保留ね保留!←というか、放棄では?miyakoguさん・・。栗のロールケーキ、食べてましたよね?!

ええと(目をそらしながら)、スーパーで切り花を買っただけですが、お花を飾る心の余裕もようやく出てきました(^^)。

ちなみに後ろの扇は、うちの創業会長(奇才)のバングラデシュ土産。小さなおりんは富山県高岡の小泉製作所さんのもの、小さな仏様は以前からご紹介しているとおり高山の仏師・高田慈圓様のもの、お線香立てはラオスで購入したもの、ぐいのみは宝塚歌劇団のもの、仏様にかけてある数珠は娘のてづくり、下に敷いてある布は義母のコレクション。この1枚の写真だけでも出会いが満載です。

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1.あるアントレプレナーとの出会い

いろいろ出かけるということは、多くの人と出会うということでもあります。

不思議と、どこの地にも必ず素晴らしい方がおられるのですね。いつも、どこかに必ず。その中で、ある分野でご活躍の方との出会いがとても印象的でした。

40代前半の男性、自信と確信、自負に満ちたある業界の変革者。

え?というような一流の方々の出資を受けておられるアントレプレナー。目がきらきらと輝いておられ、美形というより男前、独特の魅力があり男性がほれ込むような魅力がある方。

その方は、うちの創業会長(奇才)が最初に出会って、私を連れて行ってくれたのですが、事前にどういう方なんですか?と尋ねたところ、にやっと笑って「顔がええねん」と言うのですね。

整った顔をされているのですが、美形というより「ええ顔」。信念が全身から溢れていて、明るい中に静謐で真摯で落ち着いた雰囲気をまとった方で、一流の識者や経営者をひきつける方って確かにおられるんだと思いました。

 

2.舞台に見え隠れする演者の心との共鳴

その人と出会って思い出したのは、宝塚歌劇団の様々なスターの皆さんのことです。

ファンの好みはそれぞれで、ファンへの入り口(=沼への落とし穴(^^))は容姿・歌声・ダンス・演技とそれぞれです。入り口はそれぞれなのですが、舞台を観ていてその人の「生の心」と奥に見え隠れする人間性に触れたとき、「あ!」と一瞬にして引き込まれるのではないかと思います。

生の舞台は怖い。編集もエフェクトも効かない、演者がまとう空気感も、役を通してこぼれ落ちるようなその人自身の感情を含めてすべてその場で伝わってしまいます。すっきりとした立ち姿、迷いのある立ち姿、何かがどうしても伝わってしまうように思います。

そして、役の奥にあるその人の「生の感情」や個人的体験に触れたように思うとき、私達は心を揺さぶられ、あたかもその人と心を通わせたように思うのではないかと、最近思います。

自分の中にある「生の心」を見せるのは、怖いことです。

できればあまり知られたくない。私達は普通はそういったものを隠したり、オブラートに包んだり、時間の経過の中に紛らわせたりします。私は以前に詩作を学んだ時に感情を表出する難しさを痛感したことがあります。

でも、演者はあくまで役を通してですが自分の中に閉じ込めてある感情や個人的体験を舞台やドラマの中に解き放ちます。時に激烈に熱く、時に繊細に静かに。自分の身を文字通り投げ出すように。

その人が感情を解き放った心の震えを舞台やドラマで見せてくれたとき、観ている側にも同調して何かが起こる。

自分の心の奥に折りたたんでしまいこんでいた恋の記憶、憧れ、人生の哀しみ、悔しさ、喜び、追憶。心の奥の奥にしまいこんで、本人すら気づかないようにしていた大切な何か。

演者の心と私達の心が共鳴した時、観ている側の中に隠れていた感情と記憶が、文字通りぶわっと時の流れを一瞬で超え、瞬時に湧き出て解き放たれる。

物語に感動するとは、そういうことではないかと私は思うのです。宝塚大劇場でぽろぽろと泣いた多くの経験から。最近では、たとえばTVドラマ「おっさんずLOVE」で拝見した林遣都さんの演技もまさにそうでした。

 

3.宙組・真風涼帆さんの新しい風

最近、メディアに掲載された記事や宝塚ファンの皆さんのtweetの内容から、宝塚歌劇団・宙組に新しい風が吹いているように感じるのですね。真風さんと星風さんの二人のトップスターの響きあう演技によって吹いている”風”。

真風涼帆さんは品のある色気を備えた長身の美しい男役さんとして、立っているだけで漂う真ん中力で注目されてきた方でした。実力はさておいて、という印象はあったと思います。

しかし、WSSと今作品からは「真風さんの繊細な演技」という感想が増えているように思うのです。やや意外そうな印象も含めて。

もとからの真風さんファンは、「はぁーーん、しとっらすのかぜーー」という独特の歌いまわしを含めて、真風さんの外見も声も癖もただひたすらに愛でてきました。

私めなどは、長身、長い綺麗な脚、切れ長の目というわかりやすい魅力に加えて、真風さんの左側耳の下から顎のライン、流れる髪の綺麗な毛筋、小ぶりな耳、小粒に揃った歯、ほっそりとした手首と、まぁ、多少変態ちっくに真風さんのパーツにいたるまでガン見しているわけです。ええ(真顔)。

↑ そこまで書いて大丈夫、miyakoguさん?!うん、もういいの、アラフィフの大阪のおばちゃんだから・・。ダイエットも放棄しているし・・(どさくさにまぎれて告白)

 

私はずっと待っていたのですよ!!

星組「ロミオとジュリエット」で「死」を見事に踊ってみせた真風さんが、何かを突き抜けていかれるのを。あの衝撃的なアーティスティックな「死」を踊られた方が、これくらいで終わるはずはないと、ずっと。こちとら、だてにアラフィフまであちこちでいろいろな出会いにもまれてきた訳じゃないんですよ。ええ!机ばんばん叩くわ!

最初に大きな変化を感じたのは以前に書きましたとおり、DSで「希望という名の光」を歌われた時でした。

朗々と正確に歌われる方は他にも大勢おられるでしょう。でも、故郷・熊本の震災を「自分ごと」として経験された真風さんにしか歌えない表現だったのですね。

そして次はWSSのトニー、今作品のレオナルド。

男役として恵まれた容姿からは悪役やきざな役をこなせる雰囲気一杯なのに、どういうわけか意外にもいわゆる白い役、ピュアな役がお似合いになる真風さん。王国でも下町でも工房であっても。実は真風さんのスタイリッシュな男性的容姿に少し甘やかな王子様的な雰囲気を加えているのは、真風さんの声ではないかと思います。

そして、真風さんの表現に甘やかな要素を含んだピュアさを感じるのは、真風さんの内面にとてもピュアな何かを一途に求める真摯さがあるからだと私は推察しています。

静かだけれども熱い求道者のようなピュアさ。でも、観ている側を萎縮させるものではない甘やかな夢見るようなピュアさ

真風さんが夢見るように見上げる先に何があるのか、一緒に夢を見たくなるようなピュアさ。

三番手以上になられてからの柚希礼音さんと朝夏まなとさんというお二人のトップスターの元での経験、様々な先輩からの影響、震災のご経験、そこに加わった星風まどかさんとの出会いの影響は大きいだろうと思います。私は星風まどかさんからも舞台での表現を細やかに追求する一途な真摯さを感じます。

二人の一途な真摯さが共鳴し、宙組に今、新しい「風」が吹いていると思うのですね。ただ、その共鳴や出力はまだやや不安定で、日によって突き抜ける時もあれば、やや緩慢になることがあるようにもお見受けしています。

千秋楽LVではどのようなレオナルドを見せてくださるでしょうか?宝塚大劇場で何回か見る中で、私がはっと座り直した「寂しかった少年と寂しかった少女のピュアなラブストーリー」を最後にもう一度拝見できるのではないかと楽しみにお待ちしております!

夜中にあっつく長いメッセージを送ってくださったomamesan、これで良かった?!(^^) 夜中にどうしても誰かに語りくなるほどの演技をされた真風さんへの思い、しかと受け止めましたよ!(^^)

久しぶりの3連休 ファントム観劇からの、今日はライブへ!

皆さま、お元気でしたか?私は、ここのところ、松山、京都、東京と出張続き。さらにとても難しい原稿書きなどがあり、大層弱っておりました・・。でも、おばちゃんな、そんな合間でも夜のウォーキングをしたり、おじ様方との懇親会に出たり、道後温泉に8分つかったり(道後温泉本館の滞在トータルはおよそ15分)、松山空港で蛇口から出るオレンジジュースを飲んだりと濃い日々を過ごしております。

それにしても、アラフィフ・ダイエット、いったん減ったもののずーーっと進展ないです!最近では、自分の脂肪の辛抱強さ、居残りを決め込んだふてぶてしさに「そちもなかなかやるのぉ」感すら出てきました(^^)

ただ、平日2回、週末2回の50分から1時間15分くらいの夜のウォーキング。これはなかなか気に入ってます。月の満ち欠けや遅い時間のオリオン座、夜でもくっきりと見える白い雲、紅葉、小さな花、そういったものに気づく時間があるのは素敵なことかなと。

こちらは昨夜の満月(ほぼ)です。

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そんな中、ようやく訪れたこの3連休。何も仕事の予定がない久しぶりの週末に浮かれておりますよーー!(^^)

 

1.宝塚大劇場で雪組「ファントム」を

素晴らしかった雪組の皆さま

昨日は宝塚大劇場にて雪組「ファントム」をうちの旦那はんと二人で観劇。

素晴らしい海外ミュージカルの大作、歌うまトップコンビということで期待大。一方、観る側の基準もぐんとあがりました。

結論としては、トップコンビのお二人の声と歌はとってもよかった。パンフレットも豪華で、望海さんの様々な仮面のショットが贅沢に美しく、中でも絶望を歌う望海さんの身を投げ出しての表現、またエピローグで白いドレスを着て銀橋をわたり舞台に戻る際の真彩さんの歌での表現は素晴らしかった!

それぞれの役の哀しみの頂点を表現するとき、お二人の歌声には美しい結晶のような透明感がありました。素晴らしかったと思います。ブラーボー!

彩風咲奈さんのキャリエールの哀しみに満ちた背中のどうしようもなさも泣けるものがありました。彩凪翔さんの支配人も軽やかで上手く、朝美さんのシャンドン伯爵も青年らしい夢見るような正義感といったものが感じられ、さらに特筆すべきはなんといっても舞咲りんさんのカルロッタ。上手いなぁ。

と、このように雪組の皆さまは本当に良くぞ!という仕上がりでさすがでした。チケットはなかなか厳しいようですが、皆さまもぜひご観劇をお楽しみください。

比較の罠

ただ、今作品を観るとき、ガストン・ルルーによる原作を同じくするアンドリュー・ロイド=ウェバー氏の「オペラ座の怪人」が頭にあり、その25周年記念公演のDVDが白眉だったせいもあり、どうしても作品自体を比較してしまうというのが難点でした。本当に申し訳ないです。(当公演のDVD等はAmazon等でお安く手に入りますのでよければ一度ぜひ) 

ロンドンでの25周年の特別公演ですから、比較してしまうなんて無粋だとわかっているのですが。

しかしながら、これは宝塚歌劇団が素晴らしい既出の海外ミュージカルをとアプローチすればするほど、ぶつからざるをえない本質的なパラドックスではないかと、私は以前から考えています。

迫力のあるミュージカルの舞台になればなるほど、いや、それならこれ、男性ミュージカル歌手だったらどうだろう?と比較してしまうのですね。ついつい。

「オペラ座の怪人」の25周年記念ロンドン公演では冒頭、バレエシーンを踊るのは英国ロイヤルバレエ団で当時プリンシパルだった男性バレエダンサー。驚きの肉体美と素晴らしい跳躍でした。

もちろん、男性ばかりで演じる歌舞伎には歌舞伎の良さがあり、女性ばかりで演じる宝塚には宝塚にしかない素晴らしさがあります。だいきほのお二人は現在の宝塚でできる最上のミュージカルをみせてくださっていて、それは本当に素晴らしいものであり、とても美しい声でした。作品を比較する罠にはまってしまって、本当に申し訳ない気分です。私は若い頃にロンドンで何度か「オペラ座の怪人」を観ているため、余計にそう感じてしまったのだと思います。

宝塚初演の宝塚発のオリジナル・ミュージカルであれば、そう思わなかったと思います。その意味では、「ファントム」という作品が「オペラ座の怪人」と原作を同じくしつつ、別の形で世に送り出されたものからくる宿命があるのかもしれません。

 

2.京セラドーム大阪でBTSのライブへ

で、3連休中日の本日。今日は京セラドーム大阪のBTS(防弾少年団)のライブに行ってくるのです。残念ながらいろいろ物議を醸し出してしまった韓国のアイドルグループ、事務所のリスク管理が甘かったなと思います。

もともと娘の友人が大ファンで、娘経由で私もライブ映像を拝見。気合の入ったパフォーマンスにふぅむ、なるほど!と注目しています。

彼らは、自分たちがアイドルであることを受け入れつつ、作詞・作曲をプロと一緒にチームで手がけ、アイドルに対する目線を跳ね返すような歌詞を書くおもしろい人たち。SNSを通じて世界に拡散していった手法も含めて、純粋にアーティストとして注目しています。

私がBTSの曲に関心を持つようになったきっかけの一つが「Whalien 52」。youtubeで和訳をつけたものが出ています。

日本語字幕 【 Whalien 52 】 BTS 防弾少年団 - YouTube

BTSは複数の人が作詞作曲に関わるスタイルのようなのですが、おそらくはメンバーの一人のSugaがリードしたもののよう。「ひねくれた天才」とプロデューサーから評されている方です。

関連するトピックスを目にされた方もおられると思うのですが、通常のヘルツ(シロナガスクジラは10-39ヘルツ、またはナガスクジラは20ヘルツとのこと)と異なる52ヘルツの鳴き声が観測されている鯨がいます。他の鯨とは通じ合わないヘルツ。

「世界で一番孤独な鯨」と言われている個体。

広い海の中、誰にも届かない歌を歌いながら一人で泳ぐ鯨。

誰にも届かないヘルツで、周囲にクジラがいても誰とも通じない。

そういう鯨がいると知ったとき、あ・・、と胸を衝かれる思いがしました。皆さまは、どう思われるでしょうか?普通はなんて孤独な鯨、可哀想に・・と思うところです。

でも、この曲の創り手は「自分が」その鯨と同じだ、世界で自分が一人しかいないような深い海の孤独の中で、届かない歌をそれでも歌うと。そう語るのです。叫ぶように。

あ・・、と今度は別の意味で胸を衝かれました。かつて、そう思った思春期の自分がいたようにも思えたからです。

そして、自分は孤独な鯨側だと発想するSugaという繊細そうなその人は、他にも自分の心の苦しみを赤裸々に語る歌を書いていて、触れたら切れそうな才能の持ち主を内に抱えながらアイドルとしても活動してきたBTSというグループに関心を持ったのですね。

BTSは当時の韓国芸能界を仕切る大手グループが大々的に売り出したグループではなかったようです。その中でここまでやってきたグループがどのようなパフォーマンスを舞台上で見えてくれるのか、本日、楽しみに拝見したいと思います。

うん、かなり年齢層若いやろなぁ(^^)

おばちゃん、スニーカーで行けばいいの?!たちっぱなの?!ライトは持ったわ!(他の人と同期して光るもの)と、若干、慣れない体験に戸惑い中のアラフィフ@連休中日からは以上です!(^^)

宙組トップコンビ 博多座写真のまかまどがもたらす萌えと喜びとドリームの爆発!

皆さま・・。ふぅ。本日、twitterで気づいた博多座様のまかまどの取材記事、ご覧になりました?!

我らが宙組トップコンビ真風涼帆さんと星風まどかさんの萌え写真のオンパレード

あ、もうだめ・・。

(注 倒れるアラフィフ@めまいと動悸、絶賛ダイエット失敗中)

 

ばんっ!!

あのお二人は我々を息絶えさせるおつもりなの?!ばんばんばんばん!(≧∇≦)

これこそが、死に至る病 by キルケゴールなの?!(注 本来は絶望の方)

↑ miyakoguさん、いったん落ち着いて、いろいろ何か混じっておかしくなってるから・・。

 

ふぅ。息を整えて。ひっひふぅーーっと。出産時の呼吸法がこんな時に役に立つなんて・・。←ばか。

では、博多座お写真2点を目にしたときのmiyakoguで以下、お送りします。

 

うっわ、何かもう訳わからんわっ! 意訳:真風さんがイケメン過ぎて笑える。

実際に梅田駅でぷはっと笑いました。どんぴしゃなんです、私の好みに!

そのお写真がこちら。ご査収ください。(出典:博多座様公式twitter)

博多座(公式) on Twitter: "来年2月上演の『宝塚歌劇宙組公演』 #真風涼帆 さん と #星風まどか さんに昨日ご来福いただき、取材会を実施しました!真風さん九州におかえりなさい♪11/19の『バリはやッ!(FBS)』、11/23の『カンゲキ!博多座(KBC)』でも放送予定。その他メディア情報は改めてお知らせします!お楽しみに📺… https://t.co/lx6Bx3P5e3"

 

そして、博多座様と地元メディア様と真風さん&まどかちゃんにとどめを刺されるmiyakogu@アラフィフ。

刺客?! まかまどは刺客なの?! ←miyakoguさん、落ち着いて、ジェンヌさんなんで・・。

ふひゃーーー!!(注 変な声)

もう、見ているこちらがこそばいというか、こっぱずかしいというか、萌えるというか、可愛いというか、真風さんの目が優しいというか(≧∇≦)。

もうもうもうもう! 帰る、もうビール飲んで帰る!

そして、実際に残っていた役員を誘ってビール一杯、30分だけ飲んで帰りました、娘迎えに。(注 真面目に仕事の話もした)

そのお写真がこちら。ご査収ください。(出典:博多経済新聞様)

hakata.keizai.biz

見詰め合ってる、まどかちゃんがかわい過ぎる、真風さんの目が優しい・・。

あーーー、もうもうもう!!

(注 抑えきれないmiyakoguの萌えとともにお送りしています)

※ちょっと時間を置いて少しクールダウンしたmiyakogu。書き足しました。

twitterでomamesan(鍵付きの方ですね)と語り合って気づいたのですが、二人の間にある優しい信頼感なのかもしれません。人と人、血のつながりもない。たまたま同じ場所にたどり着き、生まれた場所も年代も違うのに出会った二人の間にある優しい信頼感。人と人のつながりをもう一度信じていいのだと、この世にそういう出会いがあるのだと優しく嬉しく思わせる力がお二人の間にはあるのかもしれないと思います。

 

ばんっ! わっかりました!

私miyakogu、だてに長年、大阪で仕事してきたわけじゃなし。狭い大阪経済界、歌劇団運営母体企業様のさる方にお目にかかる機会がある今週。(注 飲み会付き)

こんこんと切々と訴えようじゃありませんか、この爆発する萌えと喜びとまかまどのもたらす宝塚ドリームを!

素敵な王子様の真風さんとチャーミングなまどかちゃんの王道デュエダンを!

きっらきらの美しい光の中で踊る二人の爽やかにも甘く優しい宝塚の夢を!

宝塚にしかない夢を体現できる宙組トップコンビの魅力を!

 

と、夕食の中華レストランで娘の酢豚のお肉を一切れもらいながら、中学生娘に熱っぽく語っておりましたところ、こう助言をもらいましたね、ええ(^^)。

「あんまり語り過ぎるとうざいかもやで? うざくならん程度に控え目に、でもポイントは押さえて。気ぃつけや。」

あ、はい・・・。うん・・(-.-)。

中学生娘の助言のもと、お役に立つか立たないかわかりませんが、歌劇団運営企業様に聞こえてくるであろう様々なお声の中の極めてぽっちりとした一つ、そう、大海の中の一滴のかけらのかけらの一つに過ぎませんが、ひとまずお伝えしてくる所存にございます(^^)。控え目にね!気をつけるね!(^^)

宙組・まかまどのデュエダンは宝塚のドリーム -星風まどかさんのお誕生日に寄せて

皆さま、こんばんは。晴れた秋の一日、いかがお過ごしですか?

宝塚大劇場では雪組さんの「ファントム」が幕を明け、今週日曜には東京宝塚劇場で月組「エリザベート」の終演、ちゃぴさんのラスト・・。いつも何かドラマティックなコトが起こっている宝塚です。

こちらは夕方のウォーキングで見つけた身近な紅葉です。夕方の紺青の空も綺麗でした。

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1.星風まどかさんの強さと愛らしさ

さて、twitter情報で知ったのですが、本日は宙組トップ娘役・星風まどかさんのお誕生日とのこと!おめでとうございます、まどかちゃん。

最初、シアタードラマシティで「ヴァンパイア・サクセション」を観劇したとき、私は真風さんとまどかちゃんのコンビネーションには非常ーーーーに、懐疑的でした。

当時言われた幼女的というのではなく、どうみても、19歳のちゃっかりと少し強引な歯科大生の設定が彼女に合ってないなぁと思ったのです。その後の演目を含め、バウ「相続人の肖像」、「パーシャル・タイムトラベル」、「エリザベート」新人公演を拝見して一層そう思います。

星風まどかさんは確かにかわいらしくて、やや幼げできゃぴっとした役を宛てたくなるのもわからないでもない。でも、彼女の持ち味はもっとクラシカルで芯が強く、きらめくような生命力を感じさせる少女特有の強さにあるように思うのです。

特に「相続人の肖像」のデュエダンでのまどかちゃんは、きらきらと輝く光の粒でつくった小花を舞台に撒いているように見えたのですね。その時のお相手は桜木みなとさんでした。

天河でも原作のユーリの現代っ子としての戸惑いがきゃぴっと出る演技に、うーんとなりながら、「私、帰らないよ」に込められた強さに涙したりして、徐々にまどかちゃんが素敵なトップ娘役さんになられるのを楽しみに拝見していました。

これは、あくまで私が思うだけですが、真風さんも待っておられるように感じたのですね。学年の浅い若い後輩が必死でついていこうとされるのを、少し前で優しく気長に。

驚かされたのは梅芸での「ウエストサイドストーリー」のマリーアでした。

白人側にも家父長的な空気の強いプエルトリコ側にもほぼ全員自分より年上の人々に「触らないで!」と命じるように叫んだマリーアの哀しみの発露と強さ。そこに、まさにマリーアとしての心の叫びを感じました。

真風さんのトニーがマリーアに動かされているようだった点も印象的でした。男の子達の中ではリーダー格なのに、好きになってしまった女の子には受け身。そんなピュアな青年。

二人が手をつないで夢見るように歌う「サムウエア」は本当に美しかったのです。

 

2.まかまどのデュエダン

私は今作品「白鷺の城/異人たちのルネサンス」のフィナーレで見せておられるデュエットダンスに、お二人のコンビネーションの一つの完成を感じました。

男役さん達が去った後、大階段に白いドレスのまどかちゃんが現れ、聖母の微笑みと輝きを優しく舞台に放ちます。下手で顔を伏せて座り込む真風さんを優しく起こすような手の動きと微笑み。

真風さんはその微笑で目を覚まし、二人の間の距離を縮めるように銀橋を通って舞台に戻り、二人は優しく優しく踊るのです。そう、とても優しく爽やかに甘く。べたべたでなく、あくまで爽やかな品のある甘さ。

私は6回観たので多分合っていると思うのですが、中央よりやや下手で真風さんが右に立つまどかちゃんを優しく斜めに見下ろし、まどかちゃんは嬉しそうに見上げて、二人で左右に足を動かしながら、前にステップを踏まれる場面があります。

私はその時の真風さんが斜めに見下ろす優しい優しい目がとても好きなのです。社交界にデビューする若き乙女が、憧れのお兄様にダンスを教えてもらうようで。

柔らかな優しい白い光に包まれるような二人のデュエダン。穏やかで優しくて甘くてとても幸せで。しかも、踊る二人は夢のようなプリンスとチャーミングな乙女。

それは、宝塚歌劇団が見せてくれるとびっきりの”夢”だと思います。品のある甘い夢。

その夢を舞台一杯に、劇場一杯に届けることができるトップコンビまかまど。

初期のディズニー映画のようで、この時代にあってこのような優しく穏やかな甘い夢を見せてくれる存在は他にはないように私は思います。

雪組の前トップコンビ「ちぎみゆ」は、オルゴールに飾っておきたいような一対の美しくかわいらしいコンビでした。「まかまど」は金髪長身のプリンスが出会ったチャーミングなお姫様。妖精が森に隠していたけれど、二人は出会ってしまうような雰囲気の。

まかまどは、到底手が届かない大人の美男美女でなく、もしかしたら自分もと一瞬、夢を見られるような親しみやすい愛らしさがどこかあるのですね。

私達はまどかちゃんがとびっきり可憐でかわいい方だともちろん知っていますし、自分たちが絶対になれないような素敵女子だともわかっている。けれど、ほんの少しだけ、自分が真風さんの相手役に一瞬代わってもらえるようなかすかな親近感があるように思います、まどかちゃんには。

阪急沿線のある駅で、おそらく何かのお稽古に行かれる星風まどかさんとばったりすれ違ったことがあります。淡い綺麗な色彩の洋服に身を包み、口角を上げて穏やかな落ち着いた雰囲気が印象的でした。驚いたのは、まどかさんは結構背が高いということ。素敵な女の子だなぁとしみじみ思ったことを覚えています。

 

3.出会いは幸せのわらしべ長者なのかな?

それにしても、「出会い」というものは不思議ですね(^^)。

最初は星組の真風涼帆さんのファンになって。

真風さんの組替えで知っている人の少なかった宙組のファンになって、気がついたらまぁまかのファンになって、朝夏まなとさんのファンにもなって。

そして今では、真風さんとまどかちゃんのコンビごと好きになって。

こういうの、ちょっとした「幸せのわらしべ長者」のようなものかしら?と思います(^^)。

星風まどかさん、これからのご活躍を引き続き楽しみに拝見させていただきますね。

東宝組の皆さま、どうぞお楽しみに!(^^)

宙組 白鷺の城/異人たちのルネサンス 辛口旦那とばっさり中学生娘の初見、正直感想

皆さま、秋の週末、いかがお過ごしですか?

miyakoguは昨日が宝塚大劇場の宙組公演「白鷺の城/異人たちのルネサンス」のmy楽。うちの辛口旦那はんとばっさり中学生娘と家族そろっての観劇でした。旦那はんと中学生娘は初見の舞台。さぁ彼らの感想は正直なところ、いかに・・?!私のような真風さんバイアスがかかっていない率直な感想ですね。

ということでお届けします(^^)。

こちらは京都の清明神社。先日、京都での休日仕事の帰りに宙組さんの舞台の成功を安部清明公にお祈りしておきました。清明公の六代後の陰陽師が真風さん演じる安部泰成ですね。

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1.辛口旦那とばっさり娘の正直感想 ショー編

ショーは好評でした!綺麗で華やかでストーリー性もあって「斬新」「さすが大野先生」と幕間、わぁわぁ語り合う三人家族です。

陰陽師・安部泰成と九尾の狐の化身・玉藻前の輪廻転生をテーマにしつつ、めぐり合い、離れ、再び巡りあうストーリーと、その背景にある歴史や古典。知的面でも刺激的で、構成が斬新だと好評でした!

これなら、少し解説を加えたら海外に持っていけるショーではないかと意見は一致しました。

音楽にうるさい旦那はんとしては、幻想的なゲーム音楽ぽいのがあるとさらに良かったなぁ、ちょっと音楽はべたの宝塚かな?とのこと。私はこのアップテンポの音楽が好きですが、もう少しだけこうと言われると、確かにという面も。天河の音楽、良かったですものね。

娘は松本先生の日本舞踊に感動。手の動きが本当にお綺麗ですし微妙に顔を傾けるだけなのに心情が伝わる不思議さでした。

「松本先生は人間国宝なんでしょ?その踊りを8000円ちょいで見られるってお得じゃない?」と盛り上がってました。うちは和ものが好きなので余計に(^^)。

ご利益を感じられる踊りだったそうで、松本先生の踊りなら、確かに真風とまどかちゃんが生き返って結ばれるという説得力がある!ご利益がある!と幕間にわぁわぁ盛り上がるmiyakogu一家です。

旦那はんはだいたいは辛口なのですが、終演後、お芝居を含めて「真風さんの動きは他のジェンヌさんと違って男性的なキレがある。筋肉がそういうつき方しているのかな?歩き方とか西洋人の男性っぽい。真ん中でどーーんとしてて、トップさんらしいトップやね」と褒めてくれ、私は大満足でっさぁ!(^^)、親方!(←誰?!)

ただ、中学生娘に「宙組さん、日本もの、がんばってたやろ?」とmiyakoguがどや顔をしたところ、「うーーん」という反応・・。雪組を一番観ているので、そこはやっぱり雪組さんの踊りが綺麗だなと。まぁ確かに。

ただ、斬新な和ものへの挑戦は宙組さんだからこそだと思います。良かった、良かった。

 ※私が最初に観た時の記事はこちらです。よろしければどうぞ!(^^)

http://mothercoenote.hatenablog.com/entry/2018/10/07/232724

2.辛口旦那とばっさり娘の正直感想 お芝居編

うん、やっぱり、そうなるか・・。となったのがお芝居の方です。演じている宙組の皆さまは、ご自分の役なりに何とかしようと熱演されていたと思います。以下は、田渕先生の脚本に対してですね、主として。

私はまかまどの美しいラブストーリーの展開と繊細な歌詞に注目していますので、何とかなったのですが・・。(というか、真風さんしか観ていない)

※ラブストーリーにきゅんとした!という記事はこちらです。よろしければどうぞ!

http://mothercoenote.hatenablog.com/entry/2018/10/14/121624

二人から出た意見は、特にカテリーナとサライのあり方がよくわからない、彼らの抱えている葛藤が何なのかが伝わらない、よくわからないと手厳しく。確かになぁ・・・。加えてレオナルドもロレンツォもグイドも、もう少し描き方があったのでは?とのことでした・・。ジュリアーノが聖職者を目指していた?というのもあれれ?と混乱したらしく。

いや、ごめん。代わりに謝る。ほぼ主要なメンバー全員やんか?(^^)

その中にあって、メディチ家の当主妻を演じた純矢ちとせさんは葛藤が伝わってきたように思います。

サライはお金がなければ生きてこれなかった人生をもう少し観ている側がわかったら、感じるところがあったかもと。

確かに、え?サライ、「あんたの役に立ちたかったんだ」という割にはあっさりレオナルドとカテリーナの約束をばらすし、その後、教会にやってきて後悔している風情やけど、いや、あんたがお金に目がくらんだせいやし、カテリーナが亡くなっているのに工房仲間もサライに優しくすんじぇねぇ!!!となりましたよね、正直には。ごめんね、みねりちゃん。あなたの演技のためではありません。

総論として、中学生娘からは

「駄作ではない。いいところもある。」

ただ、駄作に片足突っ込んでる。」

(片足突っ込んでる・・、突っ込んでいる、以下リフレイン with エコー)

とばっさりです!言ってくれるわねぇ・・。宙組ファンのみんな、ごめんね!

 

冒頭、枢機卿メンバーと法王が話す場面、流れるグレゴリオ聖歌(かな?)が宙組さんのコーラスで美しく、色合いも見事で何かが始まる!と思わせる重厚さがあり、私は好きですが、娘は「ええっと、今、何の誰の話やった?」と整理するのに時間がかかったそう。

私が最初、登場人物の関係を伝えておいたのですが、イモラという耳慣れない地名やパッツイ家、グイド等の人名、教皇、枢機卿、司教、フィレンツェとメディチ家の関係性。「桶狭間の戦い」とかとは訳が違うわ!田渕先生、中世お好きやと思うんですが、そういうことみたいですよーー。全部わからなくてもいいんです、ただええもん観た!というカタルシスがほしい。

旦那はんも中学生娘も場面場面に美しく印象的なシーンがあるのは認めてくれていて、結局のところ、美しい画集、あるいはヨーロッパの小説に時折挟み込まれる美しい絵を見ているような印象だったようです。

中学生娘は、「多分、田渕先生の頭の中で、はっきり見えているんだろうなというシーンがいくつかあって、そのシーンは美しいねん。だけど、間がつながってなくて物語が立体的に見えてこないように思う」とまたばっさりです。言ってくれるわねぇ・・。

私は登場人物が一人か二人で、メディチ家内での場面ではうつらうつらきたこともある!とまぁ、告白しておきましょう。

 

3.真風さん史上最高のフィナーレ

ただ、そんなばっさり中学生娘も、フィナーレの”黒まか”にはハートを射抜かれたらしく、「真風さん史上、最高に美しい!」と大興奮でした。いやぁ、良かった、良かった。8300円の元は取れると。いや、娘、それ、お母さんのお金から出てるから・・。

終演後、辛口旦那はん(みゆちゃんファン、ヅカファンの自覚はない)が「めっちゃ可愛い子、いたやん?スタイル抜群の!」というので娘と特徴や出番を確認、華妃まいあさんでした。目線をもらったと激しく主張しております(^^)。

あれ、俺やって」とのこと。←あなた、それヅカファンが言いそうなセリフ(^^)・・

中学生娘と私の間では、花道におられた優希しおんさんのにっこり笑顔、パレードで舞台に帰る澄輝さやとさんからの目線をもらったのはどっちか争いが勃発しました。

まぁ、こっち方面を見ておられたというだけなんですが(^^)。いいの!ファンはそういうものなの。

三人揃って「おぬし、なかなかやるなぁ」となったのは留依蒔世さんのフィナーレ銀橋でのにやっと笑ってからのねっとりウィンク。そういうのに興味のない旦那はんも「なかなか彼女はやるね」と注目。娘は銀橋を渡る瑠風輝さんのながーーーい脚と抜群のスタイルに改めてびっくりでした。

私は真風さんが出ておられない場面はひたすら風馬翔さんの抜群のダンスと、蒼羽りくちゃんの笑顔とふぁさーとなる前髪を観ていました。

娘はフィナーレで「目が足りない!」と混乱したそうです(^^)。トップコンビを筆頭に、黒髪縮れ毛を垂らした芹香斗亜さん、斜めの前髪がかっこいい!愛月ひかるさん、美しい澄輝さやとさん、暖かなお芝居が素敵なりくちゃん、ずんちゃんにそらさん個性の異なる素敵なスターさんが充実する宙組です。

 

という訳で、東京でお待ちの皆さま。

総括しますと、ショーは斬新で見ごたえあり、お芝居は駄作ではないが駄作に片足つっこみかけ、しかしフィナーレですべて吹っ飛ぶ!となります。

明日の千秋楽および東京でのご観劇をどうぞお楽しみください。

元は取れる!、フィナーレで!(^^)。

※多幸感があると噂のデュエダンについては、下記の記事を書きました。よろしければどうぞ!

mothercoenote.hatenablog.com

マイフェアレディ 感想 なぜ、朝夏まなとさんの舞台を観ると泣いてしまうんだろう? 

皆さま、こんばんは。お元気でしたか?週末仕事が続きましたので、なかなか更新できませんでした。この時期、少しでも時間の余裕があると宙組を観劇しているからですが・・(^^)。

さて、先々週の金曜日夜、梅田芸術劇場で観劇した朝夏まなとさん主演「マイフェアレディ」について、少しでも書いておけたらと思います。と言いますのも、まぁ様ーー、まぁ様ーーー!とただ思うだけになってしまったので、詳細は追えないのですよ。実は(^^)。

 

1.一生懸命生きているイライザの強さ

幕開け、とても素敵に生き生きとバレエを踊る花売り娘が出てこられたのですが、まぁ様?!いや、まぁ様はもっと背が高いわ、と舞台を見守っていました。

まぁ様イライザが出てこられると、何というか、ただただテンションがあがってしまって、あーー!まぁ様だ!まぁ様だーー!舞台の上におられるまぁ様だーー!という感覚で一杯になってしまったのですね(^^)。

ヒギンズの屋敷を訪ねるまぁ様イライザ。言葉を直せば、正しい英語を話すことができれば、きちんとした花屋さんで働けると信じているまっすぐな強さ。まぁ様のスレンダーな長身に、どたばたとした所作と荒っぽい話し方が加わると粗野な少年のようにも見え、これは元男役さんならではのものがあったと思います。

一生懸命に生きようとしている強さ、ストリートスマートと言われる種類の賢さがイライザには備わっていることが、まっすぐに伝わってきました。

一生懸命、ひなげし・・・の長文を練習するイライザ。強要するヒギンズ。応援するピッカリング。「ひ」がどうしても「し」になってしまうイライザです(^^)。かわいい・・。

この一生懸命さ、嫌になっても練習を止めない強さが、イライザの魅力です。

ヒギンズとピッカリングは英国の小説などで出てくる独身主義者の男性どうしの気楽な生活スタイルのようです。小説や映画に出てきますが、一種の英国文化だろうと思います。

 

2.明るいナンバーで涙、涙、涙

ついに「ひなげし・・」が発音できるようになったイライザ。有名な「踊りたいの」の楽曲を歌われる素敵な楽しい場面です。うきうきするようなナンバーですね。

朝夏まなとさんのイライザからは、「言えるようになったんだ」「やりとげたんだ」「自分はちゃんとできるんだ!」という喜びがまっすぐに伝わりました。

良かったね、イライザ!と観客も喜びを覚えて拍手喝采の場面です。

ところが、ここで、まぁ様ーー、まぁ様ーー、良かったね、よがっだね、よがっだ・・・。涙ぽろぽろになったんですよ、miyakoguは(T-T)。

ハンカチを出してなかったので、ぽろぽろと頬をいくつも涙が落ちて、かっこ悪いし、隣にいる中学生娘に後で「何泣いてんの?」と呆れられるだろうし、誰も泣いてないのにと思いつつ。あやうくしゃくり上げそうな勢いで泣けました。

いや、落ち着いて、miyakoguさん?なぜにあなた・・。

そうなんですよ。自分でも訳がわからない。

イライザとしての「言えた!」という喜びと、「私、女優になれたの!」というまぁ様の喜びを観ているように思えて、だろうと思います。

幕間に、twitterでお知り合いになった方がご挨拶にと席まで立ち寄ってくださったのですが、初対面なのに「まぁ様の舞台をもう一度観られたと思うと、泣いちゃって」と再びいきなりの涙で、とってもかっこ悪かったです!mh-sun&moonさん、その節はごめんなさいね!(^^)

 

3.アスコット競馬場から大使館での大成功、でも・・

上流社会の社交場であるアスコット競馬場で最初こそ貴婦人のふるまいをしているイライザ。この場面の白いドレスのまぁ様のお姿が美しくて、スレンダーな中に曲線を描くラインがお綺麗で、本当に「白い光を纏うとても美しいレディ」に大変身。見とれました。

傑作だったのは競走馬を応援している内に、下町言葉でわぁわぁ騒いでしまうまぁ様イライザです。そのイライザにノックアウトされる貴族のボン、フレディ(お金持ちではないんですね)。

白い服を身にまとい髪を結い上げ、顔のまわりの小さなカールが素敵なレディなのに、すっとこどっこい風な言葉遣いのイライザ。当の本人はレースに夢中。爆笑しました!

いや、これは魅力的でしょう?!

だって、会ったことがない女性なんですもの、今まで。フレディが惹かれたように、多分、ヒギンズだってこの時点でぐぐぐっと来ていると思うのです。それまで会ったことがない異性、自分を慌てさせたり笑わせてくれる女性。しかも美しい・・。

 

2幕は、大使館でプリンスのお相手に選ばれてダンスをしたまぁ様イライザの大勝利。疑り深い語学学者(?)カーパシーに詮索されつつ、見事にレディで押し通します。

みんなの大勝利なんですね。3人の。本来は。

でも、ヒギンズとピッカリングは自分たちの手柄だと喜ぶばかりです。がんばったのはイライザなのに。見事にやってのけたのは彼女なのに。3人のチームでの勝利のはずなのに。イライザはチームの仲間にはなっていない・・。同等の階級の人間ではないからだと思います。

私は以前、少しばかり英国で仕事をし、英国階級社会の一端をあくまで短期滞在の外国人の目としてですが見る機会がありました。私が観察したごくごく狭い範囲ですが、ある種の人たちは違う階級の人間とは決して交流しようとはされなかったと思います。

たとえば、夜、オフィスで掃除をされている方々に対し、日本であれば声をかけることもあると思いますが、一切ない。その場に人が存在しないかのような振る舞いでした。というか、その時間までいるのは日本人くらいか・・。

話を戻します。

 

4.何も知らなかったヒギンズの恋

イライザは言葉を直しレディらしく振舞うことができれば、当然、レディとして扱ってもらう資格があると思います。まっすぐに。

ヒギンズはそういったことに一切気づかない。翌朝、イライザがいないことに自分がものすごく慌てていることすら、自覚できていない。傷つけたのは自分だということもわかっていない。言語学以外は何もわかっていない。そういう引き出しがないからです。

あなた、大慌てですやんか?朝になってイライザがいないと気づいた途端に。

独身主義で気楽に生きてきたヒギンズにとって、女性は不要だったのだろうと思います。同等の階級の女性を相手に、必要があれば慇懃にダンスの相手をして、それっきり。何一つ、彼の人生を変える必要はありません。気楽な居心地のいい安全地帯。自分を変えなくていい。

でも、「今まで会ったことがない類の女性」と出会ってしまって、その人が不在だと、胸のどこかにぽっかりと穴が開いたようにちくりと寂しい、そういうことがあったとしら?

そのちくりとした寂しさから、確実に自分の心の中で寂しい風が吹いているとわかってしまったら?

その欠落を自覚することが恋に落ちるということであり、それまで自分が直面する必要がなかった不可欠な相手に出会ってしまったということだと思います。

ヒギンズは幸いにして(彼的にはおそらく)、そんな面倒なことには巻き込まれたことがなかった。面倒で、愚かなことだったのでしょう、彼にしてみたら恋なんて。自覚するまでのヒギンズの嫌味な傲慢さ。寺脇さんは見事にそこを演じておられたと思います。

でも、出会ってしまったら、もう知らなかった頃には戻れない。そして自分も知らなかった世界に一歩踏み出すしかない。(読み返すと宝塚ファンが沼に落ちる経緯と全く一緒ですね・・💦)

それまでの自分から変わるのは怖いことです。気楽に長く独身生活を楽しんでいれば余計に。けれど、それ以上にその人と一緒にいたいなら踏み出すしかない。みっともなくても、追いかけるしかない、傷つくしかないのです。

私は、恋に落ちる、誰かに出会ってしまうというのはそういうことだと思います。

蓄音機かな?ヒギンズがイライザの声を再生して聞く場面、目を閉じてソファに座っている姿からはどうしたらいいのかという途方にくれた彼の”弱さ”がにじみ出ていました。この場面の寺脇さんの演技も巣晴らしかったと思います。

ヒギンズがそこに気づくまでの間、イライザは自分が実験台に使われたように思って怒ります。でも、実はイライザもこの怒りがどういうことを意味するのかを最初は多分、わかっていなかったのだと思います。正当に扱って欲しかったというのに加えて、一緒にいたかったということを。

二人とも一緒にいたいと思っているのに。

 

5.なぜ、まぁ様の舞台を観ると泣いてしまうんだろう?

ヒギンズが自分の怒りをわかってくれないことに怒り、哀しみを覚える朝夏まなとさんのイライザの表情が印象的でした。

唇をまっすぐに結び、震わせ、目を落とし、必死で自分を保とうとするイライザ。

その表情を見たとき、宝塚での退団公演「神々の土地」のドミトリーを思い出しました。ドミトリーも言葉にできないことをぐっとこらえて飲み込んだ役どころでした。

同じ表情ですが、確かにドミトリーは憂いを含んだ高貴な青年でした。イライザは下町の女の子でした。自分で生きようと変わろうとする強さと賢さを持った長身の女の子。

不思議でした。そして、ああ、まぁ様は立派に舞台女優になられたんだとも思いました。

ダンスのときの相変わらず長い手は同じながら、手の先の柔らかな動きが女性的だったのも印象的です。手の先、指先まであの方は男役だったんだと改めて思うとともに、素早くそんな細部まで変えてこられたまぁ様の努力を思うと、また泣きそうになりました。

というわけでね、イライザの白い光を纏うようだった美しさ、一生懸命に生きようとする強さと賢さ、ヒギンズの恋への自覚と躊躇が伝わってきた舞台だったと思います。

古くさい面はありながら、まぁ様イライザがどうしても「ひ」をちゃんと発音できない場面や、アスコット競馬場で大真面目な顔のまま言葉が崩れていく場面をはじめ、爆笑しました。

まぁ様が出てこられるとまぁ様ーー!まぁ様ーーー!!となり、爆笑し、そして泣いた。そういうとっても心が忙しい観劇体験でした。

それにしても、まぁ様の舞台を観ると、なぜ、いつも泣いてしまうのだろう?と思うのです。素敵な楽しい名曲の場面だったのに。

やはり、それも出会いなんだろうなと思います。

まぁ様はかわいらしくて素敵で、高音も伸びやかに出て、ダンスはとびっきり綺麗でした。もちろん、世界的に活躍されているミュージカル・スターと比べると、歌唱はまだそのレベルではおありにはならないと思います。

ただ、朝夏まなとさんという存在自体がとてもとても魅力的なんですね。白い衣装をまとうと自分が白い光を放つように見える人。

くるくると変わる愛らしい表情、大きな目、美しいスタイル。全身を舞台に投げ出すような演技、起きている時間の95%は舞台のことを考えていると言われるような自分の時間を舞台に賭け切る勇気。

自分のすべてを賭けるのは、怖いことです。全力でなければ、後で「あの時はまだ余力を残していたから」と言訳ができます。

けれど、朝夏まなとさんはそういう人ではないのですね。私達はその点においてまぁ様を信頼していると思うのです。

朝夏まなとさんの舞台に賭け切る勇気と本気。そこにもう一度出会えたという喜び。

千秋楽の大分でのご成功を心からお祈り申し上げます!(^^)

宙組・異人たちのルネサンス 感想 寂しかった少年と少女のピュアなラブストーリー、美しい短編への昇華

皆さま、こんばんは。お元気でしたか?昨日、miyakoguは宝塚大劇場にてダブル観劇和ものショーが華やかでにぎやかでテンポ良くて、メインテーマの音楽が切なくて良くて、真風さんがとにかく素敵で、まどかちゃんが可愛くて、二人が切なくて。完璧!本当にあっという間にラストの狐の嫁入りシーンから賑やかなお稲荷さんのお祭りが始まってしまうのです。びっくりです。

今日はお芝居の感想を少しあらすじを踏まえつつお送りします。以下は、ネタバレがお嫌な方は飛ばしてね!今からがっつり、あらすじが出てきてしまうので。

 

1.寂しかった少年と少女のピュアなラブストーリー

おばちゃんな、実はとても大切なことに気づいたのよ。お芝居の「異人たちのルネサンス」について。

これ、副題に「-ダ・ヴィンチが描いた記憶ー」ってついてますやん?舞台設定は芸術や文化の秋らしく、レオナルド・ダ・ヴィンチ、メディチ家となっています。おそらく、この時期に多い団体のお客様へのアピールもあるだろうと推察します。でもダ・ヴィンチやメディチ家は「借景」だと思うのですね。

この物語は、ただただ、一人の寂しかった少年と寂しかった少女の出会いを描いたピュアなラブストーリーだと思ったのです。

寂しかった少年が寂しかった少女と出会い、離れ、青年となり再会し、一瞬でも愛し合い、そして離れてしまった・・。青年の記憶に焼きついた少女の美しい微笑み、それを絵に描いた。青年はたまたま「天才 レオナルド・ダ・ヴィンチ」だった。だから、その謎の微笑が後世に伝わった。

初見時、「繊細で悪くない、でも余白が多い詩のよう」と感じたこの物語をそのように感じさせたのは、宙組トップコンビの「愛を奏でる力」と宙組のお芝居の力だと私は思います。

お二人の奏でる愛がきらきらとした目に見えない細かな光の粒になって、優しい風にのって舞台から伝わってくるように思った10月13日の公演でした。

真風さんの優しい包容力と、まどかちゃんの少女の可憐さが創り上げる王道の世界。ぜひご観劇ください。傑作や大作ではなく、妙に心に残って秋に読み返したくなる美しい短編小説のよう。田渕先生の繊細な歌詞はその世界を創っていると思います。

 

2.寂しかった少年と寂しかった少女をつなぐ「絵」

孤独で寂しかった少年は、同じく孤独で寂しかった少女と絵を介して出会います。

二人の間にあったのは「絵」。寂しそうな少女はその「絵」を観るときだけ、瞳を輝かせる。そして少年はその瞳を見るのが嬉しくて、絵を一心に描いた。

少年少女時代は、愛海ひかるさんと夢白あやさんがとても丁寧にいい演技をされています。愛海さんはピュアな存在感がありとても優れた資質をお持ちの方と拝見しています。

少年少女はある日突然、離れてしまいます。美しく成長した少女は残念ながら司教グイドに政治的な材料として利用されてしまう。その美ゆえに。置きざりにされた少年。さよならも言えなった少女。

その二人が再び巡りあうのがフィレンツェのロレンツォ・ド・メディチの館です。

少女はロレンツォの美しい愛人として。

少年は無理やり連れてこられたお抱えの天才画家として

二人を再び結びつけたのは、美しいものを集めることに執着するロレンツォであり、二人を隔てるのもまたロレンツォなのです。

少女は彼女を利用するフィレンツェ司教のグイドによって、罪、裁き、許し、そういったものにがんじがらめになっています。他に頼れる者がいなかった彼女は、おそらくそういうふうにしか生きられなかったのですね。

美しいカテリーナを「天使」として利用しようとするグイド(おそらくは欲情も内に持っていたはず)、愛人として享受するロレンツォ、横恋慕するメディチ家の次男ジュリアーノ。

グイドの愛月ひかるさんは「神」だの「悔い改めよ」だの、ジュリアーノから恋をされることすら「堕落」だの言うのですが、はっきり言って現世的な野望を追求する野心家。(愛ちゃんのフィナーレの髪型が超絶かっこいいです!)

※おそらく、当時の宗教的概念として、誰かに恋をされる=欲情される、それは恋をされた方の女性がはしたないこと、それこそが罪だという考えがあったのだろうとは理解しています。現代人からしたら「けっ」です。

 ロレンツォの芹香斗亜さんは傲慢な中に時々、弟への愛やカテリーナへの執着が本当は恋なのだろうと見え隠れする人間くさい当主。

まぁ、この二人が腹立つこと、憎たらしいこと、魅力的だこと!それだけ、お二人がお上手だったということです(褒めてます)。

  

3.一緒に生きようとする夢

カテリーナががんじがらめになっている場所から、レオナルドは彼女を解放しようとします。一緒に逃げ出す夢をみて。

ひととき、二人は翼を伸ばせると一緒に生きられると信じ、長年の想いが溢れ出るように近づきます。メディチ家内のアトリエで近づき、彼の秘密のアトリエで翼を伸ばすように夢をみる。

メディチ家のアトリエでのレオナルドはかつての少年ではなく、ロレンツォに嫉妬する青年であり、自分のものにしたいというピュアな欲望が溢れ出るかのようでした。

秘密のアトリエで夢見るように翼を伸ばすカテリーナとレオナルドからは互いをいとしく思う気持ちが溢れて、その思いがきらきらとこぼれて見えるようでした。

けれど、その願いは結局、かなわなかった・・。寂しかったかつての少年レオナルドが寂しかったカテリーナに伸ばした手は届いたのに、確かに届いたのに・・。

そう、ロミオとジュリエットのように、ウエストサイドストーリーのように。では、これはどこかの物語の焼き直しなのでしょうか?

私はそう思いません。それよりも、シンプルに物語の原型だと思います。

 

4.一人の人間が大切な人に出会う物語

一人の人間が、一人の大切な人に出会ってしまう。

近づきたいと願う、笑顔を見たいと思う、触れたいと願う、自分のものにしたいと思う。思いが通じてひととき歓喜を覚える、もっとと欲張りになる。一緒に生きたいと夢見る。でも、離れてしまう、終わりが来る。覚えている、ずっと覚えている。追憶となる。思い出す、何度も思い出す。静かな胸の痛みとともに・・。

恋なのです。普段よりやや上演時間が短いこの物語で描かれているのは。芸術でもメディチ家とパッツィ家の権力闘争でもない。

真風さんと星風さんの演技と歌唱。田渕先生が書かれた繊細な歌詞、青木先生の滑らかな音楽。その歌詞に感情を見事に乗せてこられた真風さんとまどかちゃんの寂しげな歌・・。

真風レオナルドが歌う「君を描く色」、まどかちゃんが歌う「あなたへと続く迷宮」。歌いだしの静かな声に込められた繊細な想いを、ぜひ劇場でお聞きください。私は正直、このトップコンビがここまでの二人になられるとは本当に予想していませんでした。

トップコンビの響きあうお芝居は、組全体に確実に影響を及ぼしていると思います。

 

5.舞台設定としてのメディチ家

15世紀、フィレンツェのまちを牛耳っているメディチ家。新興の銀行家であり芸術品の蒐集家であるロレンツィオはその当主です。傲慢で賢く色気もある当主。芹香斗亜さんが絶妙に醒めた感じと色気で演じておられます。

これをおもしろく思っていないのが歴史ある銀行家のパッツィ家末裔のフランチェスコ・パッツィ。凜城きらさんがお髭のイケメンで重厚に演じておられます。

ローマ教皇は領土を巡ってメディチ家と対立中(フィレンツェ近くのイモラ、交通の要所かな?)。パッツィはフィレンツェ司教グイドと組んで教皇に取り入りメディチ家を滅ぼし、グイドは次期教皇の座を狙おうとしています。

二人はジュリアーノを利用して、ロレンツォの暗殺を画策。ジュリアーノは兄への反発に加えて兄の愛人カテリーナに恋をしていて、青年らしいいらつきを桜木みなとさんがロングヘア美形で演じておられます。

メディチ家の中でも美男子の誉れ高く人気があったというジュリアーノ。彼の野心は枢機卿となることですが、狙っている領土が持参金がわりで手に入ると算段したロレンツォによってミラノ公の娘との結婚を決められてしまいます。ジュリアーノは美しく野心はありますが、頭角を現す才能はない。

パッツィ家とグイド側からすると、ジュリアーノはグイドがメディチに送り込んでいるカテリーナを使って利用できるコマ。ジュリアーノとロレンツォを一気に亡き者にできればパッツィ家の再興には好都合であり、教会での暗殺場面が展開されます。

この教会の場面の星風まどかさんが美しかった!ほの暗い舞台に浮かぶ色彩鮮やかなステンドグラスの舞台美術の中で、まさに聖母のようなまどかちゃん。

星風まどかさんは、本当にぐぐぐーーっと変化されましたね。もともとはすべて彼女の中にあった資質だと思います。可憐さ、清らかさ、少女性、同時に感じられる妙に大人びた影、母性。いや、あなたダ・ヴィンチの肖像画より綺麗ですやん?!劇中、美しいと褒め称えられるトップ娘役として堂々の説得力です。

教会での場面はラストの緊迫の場面です。メディチ家とパッツィ家&グイドの野望を巡る戦いは果たしてどうなったのか、レオナルドとカテリーナの恋と運命は?

劇場で物語の行方を見届けてくださいね。

 

6.乗ってる宙組、これだけは言っておきたい大型犬・真風さん

今、宙組のお芝居は乗ってると思います。

組長さん、副組長さん、純矢ちとせさん、花音舞さん、澄輝さやとさん、真風さん・凜城さん・松風さんの92期の三人、芹香さん・愛月さん・93期の三人、94期の方々。上級生さんが多いことがぐっとお芝居を締めているのですね。

松風さん演じる工房の長、ヴェロッキオとその妻の花音舞さんのルイーザ。工房仲間の澄輝さん(ベルジーノ)、蒼羽さん(何とボッティチェリ、明るくてかわいい!)、和希そらさん(クレディ)、前髪がかわいい留依蒔世さん(フィナーレはかっこいい髪型)、長身の瑠風輝さん。りくちゃんとそらちゃんは、ちょっとしたアドリブでくすっとさせてくれます。同じく行き場のなかった少年の複雑さを表現した天彩峰里さん。エトワールも絶品でした。

その中でこれだけは言っておきたい!!!(miyakogu心の叫び)

いろいろあってメディチ家のお抱えになっているレオナルドは、親方と話がしたくて工房にやってきます。夕暮れ時にうなだれてしょんぼりと工房の前につっ立って・・

花音さんが晩御飯をと誘ってくれるのですが、そりゃ、声かけるでしょ?!こんな美形が雨にうたれた大型犬のようにしょんぼりとしてたら。

何なん、あの美形しょんぼり大型犬?!

最後はmiyakogu心の声でお届けしましたが、寂しかった少年と寂しかった少女のピュアなラブストーリー。この秋、ぜひご観劇ください。

※多幸感があると噂のデュエダンについては、下記の記事を書きました。よろしければどうぞ!

mothercoenote.hatenablog.com

働き女子の皆さまへ かつての先輩の素敵な著書 心を包む布、田中真紀子さんの仕覆(しふく)の世界

皆さま、こんばんは。林遣都さんが”ポチ”と呼ばれてあたふたがんばっておられる「リーガルV」を先ほどまで視ながら書いてました。がんばれ、ポチ!「下町ロケット」に続き、今日のエピソードでは特許が一つの争点になっているとは・・、知的財産に関する仕事も担当することが多い身としては知財が身近になってきているのが感慨深いです。

 

さて。

先日、社会人としてスタートを切らせてもらった企業の同期会30周年の案内がメールで来ました。バブル経済が盛り上がりつつあった当時、同期は結構な人数でした。最初の研修は集合研修で、配属までのあの濃厚な1ヶ月は懐かしい思い出です。

男女雇用機会均等法施行後、2年目の期が私達。同期全体の5%が女性という時代です。一つ上の先輩方はまさに1期生で、頼れる長女という感じの頼もしい方々でした。対して私達は不思議と次女体質。1期の先輩方は長く勤務され、支店長や執行役員になっていかれていますが、私達の期はなぜかそれぞれの道へとスピンアウト、何らかの道で専門家になっている方が多い印象です。

1期生の頼れるお姉さまのお一人だったのが田中真紀子さん。(漢字が違いますが、同じお名前の政治家さんとは違います)

すらりととてもお綺麗な方で、いつも綺麗に髪を整え、品が良く、馥郁とした優しい笑顔が素敵な方だったとよく覚えています。

同期会の案内と一緒に、同期女子が案内してくれたのがその田中さんの初の著書『仕覆づくりは茶道のたしなみ、暮らしの彩り 世界にひとつの心を包む器』です。仕覆とは、茶道の道具を入れる布の器だったのですね。

prtimes.jp

 

amazonのサイトでは本のページのお写真があり、田中さんのお綺麗な横顔もちらり。人つてでうかがった限りですが、今は最初の会社とは違う場所でご活躍とのこと。

著者紹介の欄を拝見すると、人生の一つの転機の中で布が器に寄り添う仕覆に出会われたのかと思いました。寄り添う布、心を包む布という点に共感を覚えられたのだろうかと、心のどこかがふっと緩むようでした。嬉しい便りです。

 

30年。私たちは、いつしか遠くまで歩いてきたんだなぁと思います。

当時、4年制大学卒の女子は確かにまだそれほど割合が高くなかったと思います。

先日、ニュースになっていましたが、今もなお女性には大学進学など不要という考えがある地域もまだまだあると知って驚きました。※もちろん大学以外の選択肢もいろいろあります(^^)

あのね。30年前に学校を巣立った大阪のおばちゃんから言うておくわ。

世間や他人の言うことなんて、ろくすっぽ聞かないでね。

殊勝ににこやかに聞いているふりだけしておいてね(^-^)。

そうねぇ、親の言うことや信頼できる大人には真摯に耳を傾ける”姿勢”はとりあえず見せておいて、その上で、自分が腑に落ちたところだけ取り入れておけばいいかなと思います。あなたのために、ってだいたいは自分が言いたいだけやし(^^)。

人の言うことばかり聞いていると、いつか肝心なときに自分の”心の声”が聞こえなくなるように、私は思います。

向いているとか向いていないとか、20代ではわからなくて当たり前。そんなきっぱりとした20代も、あんまり好きじゃないかなぁ(^^)。迷ったりぐだぐだしたり、かっこ悪くても素敵。ついでに言うとくと、50代になってもぐだぐだしてて、かっこ悪いですよ。そんなもんやねん、という開き直りは得意になってるけど(^^)。

それよりも、自分はどうもこれが好きだな、こちらよりはこの方が好き、こういうのは好きじゃないという感覚をどうぞ大切に。理由なんていらないです。

それはいつかどこかで、思わない形であなたを助けてくれる力になるものだと私は思います。

うん。まぁ、だからこそ、おばちゃんな、今週末は宙組ダブルで観劇してくるわ!おほほ(^-^)。←miyakoguさん、最後、そこ?!はい、そこ!

宙組・異人たちのルネサンス 感想 永遠の少女への恋、フィナーレ真風さんがイケメン過ぎて感想は吹っ飛び・・

皆さま、こんばんは。miyakogu、懺悔します。

本来、初日空けてすぐはA席や2階S席なんかで全体像を観て冷静かつ客観的(ほんまか?!)な感想をお届けするのを使命としている本ブログですが・・・。

先日、宝塚大劇場にて宙組「白鷺の城/異人たちのルネサンス」を観劇した際、私は眼鏡を忘れたのです。そこまで見えなくはない、けれど細部までくっきりとは見えない視力。座席は前過ぎず後ろ過ぎない中ほどのセンター付近、背の高い真風さんの目線がちょうど来るあたりの位置。

そのため、ずーーーっとオペグラで真風さんロックオンで公演を観続け、ほぼほぼ真風さんのことしか思い出せません・・!ごめーーん。

なので、お芝居の感想は今週土曜日、観劇した後に書く!(注 ダブル観劇)

書きました。あらすじ紹介を含めて、かなりネタバレしてます。美しいラブストーリーに昇華している舞台でした。mothercoenote.hatenablog.com

  

1.フィナーレの黒まかと白まか

ただ、フィナーレ真風さんには言及しておきたい!つーか、あれですべて感想が飛んだんですよ!

うっうっ、おばちゃんやってな、ちゃんと観てたんやで。珍しくちょっとメモもしたりして。

そやけど、あの黒い、少し十字架を思わせる衣装に身を包んだ金髪の前髪斜めの真風さんが、純矢ちとせさんと綾瀬あきなさんの肩に手を置いて、挑発的な目線で階段を降りてきて、えびちゃん(綾瀬さん)がふっと妖艶に笑った瞬間に。

ずんずんと前に進み(客席に近づいてきて)、真風さんがにやっと笑って左目でぱちんとウィンクされた瞬間に。

ぶほぉーーーーん!(注 miyakoguの理性が吹っ飛んだ音)

その時、miyakoguのオペグラが割れ、劇場に雷が落ちたということじゃった。=すべてが吹っ飛びました!

 

真風さんの金髪斜めの前髪ってね、ご存知でした?ふぁさーーってなるでしょう?でもちゃんと綺麗に斜めに戻るんです。どうなってんの?!あの人の前髪は?! ←錯乱中のmiyakoguでお届けしています。

そいでね、宙組の品よくもセクシーなお姉さまたちが髪を下ろしてスリットの入った黒のドレスで周りを踊る中、真風さんがイケメンに踊っておられたはず(?)。

うん、ほぼ覚えてない!(笑顔)

 

でね、ぜいぜい息を整えていたら、水色で縁取りがある真っ白なフロックコートかな?(覚えてない)を着た長身の真風さんが下手で片膝を抱えて登場し、銀橋を渡り、代役をつとめておられる夢白あやさんとデュエダンをして終わってたわけ、公演が。代役の夢白あやさん、お疲れ様です。

※真風さんとのリフトにはまだうまく乗っかっていけておられないかなぁ・・。お綺麗なのは申し分ないのです。研2で本当に大変よね・・。

 

黒い衣装のセクシー・マエストロの黒まか。

白い衣装の正統派・王子様の白まか。

あなたが池に落としたまかさんはさぁ、どっち?

あーー、落としたんちゃうわ、落ちたんやわ、こっちが。 

 ↑ miyakoguさん、落ち着いて・・。

しっかし。真風さんはさぁ、かかとの高い靴を履いておられると身長180cm超えておられますよね?とにかく、和ものショーを含めて大きく大きく見えた真風さんでした。あんな綺麗な男性、いないです(断言)。

ばんばんばんばん!(注 机を叩いている)

※多幸感があると噂のデュエダンについて記事を書きました。よろしければどうぞ!

mothercoenote.hatenablog.com

2.印象に残った方々

ほぼほぼ真風さんロックオンでしたが、まずは断片的に記憶に残ったのは以下の皆さまです。これから全体像を把握していきたいですね。

星風まどかちゃんは長い黒髪と緋色のお衣装が似合っていてとっても素敵、この物語に欠かせない”少女性”をひしひしと感じました。

酒場の歌手の風馬翔さんがめっちゃくちゃかっこいい!縮らせて垂らした前髪がエロ素敵。フィナーレの真ん中降りも嬉しかったです。

酒場のベリーダンサーの綾瀬あきなさんの腹筋がお見事!

その綾瀬あきなさんと風馬さんが組んで躍られるのですが、決めポーズがものすごい!ぜひご確認ください。アイスダンスの大人のペアのようでした。

・フィナーレ、真風さんロックオンのオペグラでしたが、その中に「にやっ」と入り込んできたのが和希そらさん。あの人、オペグラ越しに目が合うとは聞いてましたが、その通りでした!フィナーレのそらちゃん、かっこよかったですよ。

・もう一人、妙に目線が強く顔に気合の入った人がいるなと思うと、蘭寿さん似の若翔りつさんでした。セリフもあり目立ってきておられます。

・幕開けすぐに出てこられる凜城きらさんがお髭のイケメンでした。深緑の衣装だったと思います。

・私が好きな蒼羽りくさんは安定のいいやつ、レオナルドの友人です。

他の皆さまは次に感想をお届けする!ごめん!

 

3.永遠の少女への恋、少年の心の詩

ふぅぅ。真面目にお芝居について断片的に思い出すとね、この物語は青年レオナルドの心の中にずっと住み続けている寂しげな少女、その少女を一途に思う青年の心の中に潜む少年の心の物語なんだと思います。

田渕先生はなぜかチケット縁があって、ずっと作品を拝見してきました。

小池修一郎先生の中には少女がいて、私自身の中の少女と響きあうものを感じさせてくださるように思うことがあります。

対して、田渕先生はあくまで男性の心の中に住む少年の繊細な心の物語が伝わってくるのですね。繊細な詩のように。

ただ、それが大劇場のサイズに合うものとして放たれるには、大変失礼ながらやや技法が成熟していないように拝見しました。特に照明、つまり舞台での”光”の使い方、そしてセリフと音楽の融合に関して。

物語自体は悪くないと思うんです、決して。

やや既視感がある設定がつなぎ合わさったように見えつつ、断片的に少年の心の傷、恋への震えそういったものが青年レオナルドを通じて伝わってくるところは確かにあります。創作者の心の純粋な部分に触れるように思う面がところどころあるのです。

レオナルドが大事なところにそっとしまってきた少女への永遠の思いが溢れるさまは、真風さんの演技から伝わってきました。お芝居自体、宙組さんは熱演されています。お一人お一人のお芝居はとてもいい。特に真風さん含む92期3人組のお芝居ですね。

ただ、バウ「サンクチュアリ」でも言われがちだったとおり、舞台がほの暗いのですね。ヨーロッパの夜は日本のような明るい照明はつけないですし、中世イタリアの都市はおそらくこれくらいだっただろうと想像します。ほの暗い中での物語にふさわしいメディチ家の野心、メディチ家から権力を奪おうとするパッツィとグイド司教の野望。

ほの暗い舞台で、幕の前で登場人物2、3人のお芝居がセリフ中心で長く続き、舞台がなんとなくぼんやりとしてくる箇所があります。不思議なことに、では観客が寝てしまいそうになるかというとそうでなく、では、きりきりと舞台を息を殺して観ているかというとそうでもなく。

ちょっとしたミステリーを追いかけるような「どうなるんだろう?」という感じがありました。秋の夜長にふと読みたくなるような中世イタリアの野望とそこに秘められた恋と芸術のまとまりのいい物語として。そこに、きらきらしたどこか気になる繊細な輝きも見え隠れして。

もう一歩で、極上のミステリーを含んだ恋物語になりそうなんだけどなぁ、惜しい!

断片的にはいいのになぁ。「詩」なんですね、おそらく。余白が多くて田渕先生の中ではつながっているかもしれないけれど、観る側にはそこまでつながっていかない感じがあります。

というのが正直な感想です。あくまで10月8日15時公演の感想ですね。これからの舞台の進化に期待しています。

照明がより効果的に使われるか、セリフの部分が本当は歌で複数の人間により進められるか、全編を通じてWSSのようなずっと流れる音楽が加味されると、とても素敵な「ミュージカル」になるだろうなぁと思ったり。今は「ミュージカル・プレイ」と銘打っていますが、「ミュージカル要素を含んだストリート・プレイ」だったかなと思います。その中で酒場とカーニバルは華やかでした。後ね、何といってもお衣装が綺麗!

結局、フィナーレが抜群!!!ということはまずお伝えします(≧▽≦)

白鷺の城の水もしたたる涼様、フィナーレの黒まかさんと白まかさん。

宝塚の男役らしい長身のすっきりとした素敵な真風さんの色気と金色の前髪をご覧ください。

真風さん、ええよ!(≧∇≦)