代取マザー、時々おとめ

宝塚の観劇感想メインのブログ。たまたま代取(代表取締役)になったワーキングマザーの日々と哲学。twitterは@miyakogu5。

宙組・オーシャンズ11 感想1 真風涼帆さん率いる宙組スーツ祭り!華やかな元気を感じた初舞台生

皆さま、お元気でしたか?本日、初日開けて2回目の宙組「オーシャンズ11」宝塚大劇場4月20日(土)11時公演を観劇してまいりましたので、その感想をお届けします!ひゃっほぅぅーー!

以下、「冷静ではない感想」を「ネタバレあり」でお送りしますので、その点ご理解の上、お読みいただければと存じます。なお、ただ今、星組・柚希礼音さん主演の同演目をリビングで再生中(^^)。

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1.パンフレット時点で見応え十分の真風さん

パンフレットのお写真の真風さんがねぇ、ふっ・・。(視線を落とすmiyakogu)

ばんっ!!(立ち上がるmiyakogu)

超絶イケメンなんですってばーー!ご覧になりました?奥様!

パンフレットの前の方もですが、後ろの方にキキちゃん、まどかちゃんとのそれぞれ2人映りのお写真、それから真風さんが低い椅子に座っておられるお写真があり、どこの映画俳優?外国人モデル?!という仕上がりですので、どうぞお買い求めください。

miyakoguのツボは、椅子に座った後姿の左側横顔のフェイスライン、目にかかる前髪ですっ。うん。だんだん真風さんに関してはパーツまでがん見していて変態ちっくになっているのは自覚している!でも、いい!(開き直るアラフィフ)

私が注目したのは、以下のシーン(というかパーツ?)

・開襟 ←のっけから正直に

・ベスト姿での肩からウエスト、お尻への美しいライン ←もう少し言うとまぁ、ヒップラインですかね・・。あ、お美しいからですよ!

あのさぁ・・。(ひとさし指でとんとんと机を叩くmiyakogu。片方は頬杖)

歌劇団さんはさぁ、トップスター・真風涼帆には開襟させて、前髪たらしてウィンクさせとけばいいと思ってる風情があるよね?

真風担がそんな甘いって思ってるんですかねぇ・・・。

 ↓

いや、その通りだけど?!オペグラでがん見したけど?!

ありがとうございました・・(^^)。お礼申し上げます。

 

2.宙組スーツ祭りやーーん!

皆さま、よくご存知ですよね?宙組にはスタイリッシュ長身男役の皆さまが揃っておられることを?!

0718の囚人番号をつけた真風さんがぱーーんとスーツに変身、皆さまで冒頭、FATE CTYを歌い踊るわけ。かっこいいに決まってるやーーーん!

真風さん筆頭に、キキちゃんの前髪&ピアスが色っぽく、黒塗りの澄輝さやとさんの目はきらきら、蒼羽りくさんの三つ揃いスーツ姿が新鮮で揺れるさらっとした前髪が素敵でした。この場面で妙に目を惹いたのが水香依千さん、実羚淳さんでした。お二人とも長身でスーツがよくお似合いだからかな?(^^)

1幕ラストの横一列も反則なかっこよさです!ちらっと後ろを振り返る真風さんダニーがまぁ、かっこいいから!ばんばんばんっ。

つーか、全員かっこいいから、もう誰なと見てや!!

(誤字でなく、関西弁でお送りしています)

 

3.まかまど演じるダニーとテスのアダルティ純愛

少し前まで女子大生だったんだろうなぁという星風まどかさんのテス。自分でも戸惑うほど、純粋に恋に落ちてしまったんだろうなぁという真風さんのダニー。真風さんが垣間見せる切ない目線に説得力があります。

就任後、ずっとラブなお二人の関係性が続いたからかもしれませんが、宙組のこの「オーシャンズ11」はお二人の恋がよりクローズアップされた感がありました。

11人の仲間感以上に、「二人の恋物語と親友のラスティの話」という印象があり、同じ演目でも面白いなと思います。

デュエダンは、あ、もうね、はいはい、わかりましたよ、ラブラブなんっすね?!というアダルティ結婚式の感じがありますので、ぜひ見てね!(^^)

・大階段にひざまづいて手を取り手にキスして

バックハグで首筋にキスして ←ここで声にならない悲鳴を上げるmiyakogu

・腕を組んで大階段を降りる

(離婚していないから、再婚式でもないんですが、とりあえずそれで!)

あの人たちはさぁ、神聖な大階段を何だと思ってるわけ?!わなわなわな。

 ↓

ありがとうございました・・(^^)。お礼申し上げます。

 

4.銀橋で新曲を歌うバディ感のまかきき

真風さんダニーとまどかちゃんテスの間の恋と、もう一つ、ダニーとラスティの間の関係性も、これまでに比べて、よりクローズアップされている感があります。

銀橋で二人が歌う「オーシャンズ10」、バディ感が満載です。

お二人とも背が高くすらっとしていて、落ち着いた大人の男の真風さんダニーと、長い前髪を左側に垂らしピアスをつけた色気たっぷりのキキちゃん。とっても素敵な並びです。芹香斗亜さんは、医師のジョンソン役のアドリブもノリノリでした。

”まぁまか”がち勢のmiyakoguですが、うん、対照的なお二人の並びにはぐっと来ましたよーーー。素敵なバディです(^^)。

 

5.主要な役の皆さま その1

以下、上記で書きました真風さんとききちゃん以外の皆さまについて少しばかり。

・星風まどかちゃんのテス

かわいい要素を残した星風まどかさんのテス。可愛らしいお顔に長く垂らした髪が色気を添えています。NYから来た歌姫にふさわしい透明感のある声。

初代の夢咲ねねさんは、ゴージャスで強く、でも、どこかもろい感のあるテスだったと思いますが、まどかちゃんのテスは純なところがより強く出ていたと思います。

 

・桜木みなとさんのベネディクト

私はどうしても映像を繰り返し見た星組さんとの比較になってしまって恐縮です。だいもんさんのベネディクトも迫力満点でした。

紅さんのベネディクトは、成功をおさめた成り上がりの青年実業家が、最後に手に入れたい高級で美しいトロフィーとしてテスを彼なりに真剣に愛した印象があります。余裕や落ち着きがあるように”見せる”ことに十分長けている。

一方、ずんちゃんのベネディクトは、まだ成功途上のがむしゃらさや若さを感じました。大学も出て自分の実力一本でここまで来たけれど、余裕はまだそこまでなく、テスのこともホテルのプロモーションにもちょうどいいと思っていそうな”こすっからさ”が出ているような。天河のザナンザがぴったりだったずんちゃん、これからの変化が楽しみですね(^^)。

愛月ひかるさんだったら、どんなベネディクトだったかな?というのは宙組ファンだと思ってしまって当然だと思います。がんばれー、ずんちゃん!

目の迫力、随分出ておられたと私は思いました。楽しみです。

それぞれのお役の感想は、ここでいったん切って、次の記事で続きを書きますねーー!

 ※書きました(^^) よろしければどうぞ!

mothercoenote.hatenablog.com

6.華やかさ、元気、勇気を感じた105期生さん

ラインダンスのお衣装の色のためなのか、美人さんが多いという評判どおりなのか、とても華やかな元気を感じた105期生さんです。

「Never Give Up」と繰り返し歌うシーンでの印象が強いのかもしれません。何となく、諦めないよ!という強い意思や個性を感じるような、自分なりの光線を一人々が出そうとしているような、そういう印象を不思議と受けました。

(その2に続きます)

月組・夢現無双 考察 珠城りょうさん武蔵の無骨な哀しみ、前へ進む宿命の人

皆さま、こんにちは。春うららかな今日、宝塚の桜も満開でした。新人公演を経てぐぐっとお芝居の明晰さが増したように思う月組・夢現無双を観劇してまいりました。珠城りょうさんの武蔵に感じた「無骨な哀しみ」と呼びたくなる何か。その点について本日は書きたいと思います。

以下はあくまで、私が舞台からどう受け止めたかを書いたものです。これが正解というような答え合わせではありません。また、以下には多くのネタバレがありますので、お嫌な方は読まないでくださいね。

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1.新人公演の風間柚乃さんの武蔵との比較において

一つ前の新人公演感想で書きましたとおり、風間柚乃さんが演じる宮本武蔵は、一見、普通の青年ですが瞬時に殺気が立ち上り俊敏に動く武蔵。どこか清澄な明るさが根底にあり、剣豪・宮本武蔵の成長物語として一本筋が通った清々しさがありました。また風間さんがご挨拶で話されたとおり、「芸の道」にも通じるものがあるとひきつけて演じられたためか、理解しやすい物語だったと思います。

一方、珠城りょうさんが演じる宮本武蔵は、無骨な武芸者の哀しみがより強く出た物語だと拝見しました。哀しいとき、武蔵が土をぐわっとつかみ大粒の涙を流し、風が吹きすさぶ中を武蔵が独りで歩いて行く風景が見えるような・・。

若き武蔵は同じく武芸者であった父と沢庵和尚への反抗心が強く、正論だとわかっていても意見を聴こうとしない頑な硬い殻があります。

そういう人間が、強くなりたい一心で、出会った人を師と仰ぐようになり、正反対のものを持った人と出会う中で成長していく。

珠城りょうさんの武蔵には、あくまで「剣の道」としての追求を感じました。「宝塚の舞台」という皮を一枚かぶせずに、齋藤先生は多くの男性俳優が表現しようとした「剣の道」の奥深く、独りで歩む武蔵像に真っ向勝負を挑もうとしている、珠城りょうさんにその道を敢えて歩かせようとしたのではないかと、そう感じたのです。その思いはパンフレットのご挨拶を改めて拝見し、一層強くなりました。齋藤先生の宮本武蔵への思い入れがこれほど強く長いものだとは、存じ上げませんでした。

 

2.武蔵の「体」の才能

皆さまは、思春期から20代にかけて、「自分は何になれるのだろう」とわくわくする一方で、「自分はどこまでやれるだろう?」とどうしようもない不安に駆られたことはないでしょうか?今、その真っ只中の方もおられることでしょう。

17歳で関が原の戦いに飛び出していった武蔵と又八は、能天気な根拠のない自信に満ち、「男たるもの、日の本一の天下無双を目指せ」と高らかに歌います。

しかし。才というのは残酷であからさまなものです。

宮本武蔵という人物は歴史に残る剣豪です。動体視力や筋力、跳躍力等を含めて大変優れた身体能力の持ち主だったはず。幼い頃より、師を持たずとも血筋からか剣が強く、関が原でも多くの敵陣を倒せた武蔵は、自分の持つ「才能の器」の大きさにはうすうす気づいていたはずです。

では、その才能の活かし方を適切に導いてくれる人が、回りにいたかというと「否」。父は優れた武芸者でしたが、父子の対立の中で父から得たものは少なく、残るのは厳しい言葉。沢庵和尚は、常に叱咤の言葉を謎解きのように投げかけては武蔵を放り出します。武蔵の心に灯る母からは「強くなくていい、優しい子になりなさい」と相矛盾する言葉を残されます。

若き時に、自分の才能の器の大きさがどれくらいかを見定めるのはとても難しいことです。実は、晩年にしかわからないものでしょう。ただ、自分の才能がどれくらいの大きさかという「可能性」は、ぼんやりとわかるものです。本人にも周囲にも。それは期待とともに、どう扱えばいいのかわからない怖さももたらすものだと、私は思います。

才能の器が大きそうだということは、一見素晴らしいことに見えます。けれど、たとえば同世代のアスリートの優れた人物のすべてがプロ選手や金メダリストにならないのと同様に、自分の器一杯に成果を満たすことができる人はごくごく一握りです。

武蔵は、自分が強いことはわかっていた。もっともっと強いはずだという自負もあった。でもその活かし方は、わからない。教えてくれる師もいない。

推定20代初めの彼はどうしていいか全くわからない。そういう闇の中にいたと思うのです。

武蔵の焦燥感、道を独りで行かざるを得ない寂しさには、暗闇で母を求めて泣く幼子のような心細さがあっただろうと私は思います。

その想いを共感できるのは、同じくらい大きな才能の器を持った人物です。武蔵が吉岡道場に行ったとき、清十郎ならわかりあえると思ったのではないかと思うのですね。同じだけの器を持った人物と見込み、会いに行く。けれど一撃で退けられ、吉野太夫に指摘されたとおり、その時点では同格の才能の持ち主だとはみなされていません。それはどれほど哀しく寂しいことであったでしょうか・・。

武蔵は恐らく、同世代の剣士の中で身体能力について誰よりも高いものがあったはず。ただ、「心技体」のうち、「心」も「技」も鍛え上げる機会を持たなかった。それが当初の彼の弱さであり、「体」のずば抜けた才を持ちつつ、どうやればこの虚ろな器を満たせるのか?!という絶望の中にいたと思います。

戦いの中で来る相手をやみくもに斬る。おそらく、それしか自分の才能への確かな手ごたえを実感できる場面はなかったと思うのです。

 

3.武蔵の「技」の成長

彼は作州を出奔した後、様々な剣豪に手合わせを申し込む中で、ゲームの駒を進めるように、「心技体」の「技」を磨いていきます。

そのプロセスにおいて、武蔵に大きなインパクトを与えたのは日観坊主と柳生石舟斎でした。彼らは武蔵とは違う強さを持ち、圧倒的です。

日観坊主「その強さ、もう少し緩めてもよかろうに」

柳生「我、流れる水のごとし」

きらめく火のように光のように剣を追求してきた武蔵は、その言葉を「えっ?」と受け止めます。油断を常に戒め、流されることを許さず、常にぴりぴりとした殺気を発することで自分の「心」の弱さを守ってきた武蔵にとって、彼らの言葉は真反対の教えだったでしょう。

この二人から、武蔵は「自在」ということを学んだと想像します。手放す、流される、そのことが逆に力になる。この教えを自分のものにできたとき、武蔵は一段、強くなったはずです。

私は、月組全国ツアー「激情」初日のホセを観て、珠城りょうさんの演技とポテンシャルに驚き、それ以来、注目してきました。(注 ま、ありていに言うと沼に落っこちたとも言いますね、ええ・・)

若きトップとして抜擢されて以降、珠城さんには、時にごく薄いのですが頑な殻を感じることがあります。もしも珠城りょうさんが武蔵と同じく手放すこと、流されること、これらを自在に出し入れできるようになられれば、これまでとは異なる種の力を手に入れられるのではないか?と期待を込めて思います。

武蔵とトップスターとしての珠城りょうさん。この武蔵の成長の物語は、齋藤先生による珠城りょうさんへのエールのようにも思えました。

 

 4.武蔵の「心」の成長

「心技体」のうち、体はもともと持っていた、技も身につけた。しかし、「心」が整わなければ一段強い、大きな相手には決して勝てない。そこに武蔵はたどりつけるのか?

そこで登場するのが、千海華蘭さんが天才的に演じておられる本阿弥光悦であり、こちらも海乃美月さんが妖艶に謎めいた雰囲気で見事に演じておられる吉野太夫です。彼らは分野は違いますが同じ高みで戦っている人たち。武蔵の才能に気づき見守り先導するかのような存在です。

吉野太夫「未練、初めての」

そう言われて初めて、吉岡一門70名数名を相手するにあたり、武蔵は自分が命を惜しんでいることに気づくのです。

それは「弱さ」です。しかし、武蔵が自分の器の中に本来持っていなかった「技」を取り込むことでしか強くなれなかったように、「情け」も「弱さ」も「恋」も、子どもの頃にお通をかばい伊吹山で朱美を守った「優しさ」も、戦いに不要な「弱さ」を取り込んだ上で尚、強くあることができない限り、心に弱い「点」ができてしまうのではないかと、私は思います。

弱い「点」があれば、敵はそこを衝くでしょう。武蔵が吉岡一門の企みの中で一番弱い「点」=吉岡側が子どもである壬生を大将にしたことを最初から衝き、真っ先に斬ったように。

それでは、ぎりぎりの闘いに勝てない。私は吉野太夫との謎かけのようなやり取りの中で、武蔵がつかんだ「心技体」の最後の「心」とは、自分の中にある弱さを認め、取り込み、誰かを大切に想う心を力にすること。その点ではなかったと考えています。

 

5.人を斬るということ

吉岡一門との死闘は伝説的な闘い。彼は一躍、名を上げます。

しかし、大将であるとは言え、子どもを斬り、斬らなくても良かった70もの命を奪ってしまったこと。それは「己の剣に酔いしれた愚挙」だと沢庵和尚に喝破され、一言も反論できないのです。

幻想の父の言葉に突き放されるように、再び独りで旅立つ武蔵は下総で剣を鍬に持ち替え、仏を彫る日々を送ります。斬ることで人生を途絶えさせたこれまでの相手を供養するかのように。

私は最初、多くの逸話を盛り込んだこの脚本で、宍戸梅軒との場面は本当にいるのだろうか?と思っていました。しかし、はたと気づいたのです。ずっと考えていた朝に。

真剣で闘うということは、相手を斬り、時に殺めるということです。無敵の宮本武蔵は闘いに勝ちます。天下無双、素晴らしい。

けれど、闘いに勝つことで、武蔵は相手の人生をその時点で止めてしまっています。この世への未練も、想う相手との幸せも、家族との時間も。

武蔵は斬った相手が生きるはずだった人生を、斬った時点で引き受ける宿命にあるのか、と気づいたのです。そのように考えると、宮本武蔵の物語は、胸がすくような天晴れな剣豪活劇の側面だけではない。そう思うのです。

宍戸梅軒は武蔵に斬られた兄の敵を討つ存在として登場します。それまで、原作はともかく、宝塚のこの脚本で武蔵に命を奪われた関係者が登場するのは初めてです。彼を斬ることで、武蔵は兄弟の人生を二重に引き受けることになります。

仏を彫るようになった武蔵は、佐々木小次郎との闘いの後、倒れている小次郎に向かって初めて手を合わせます。

武蔵はついに天下無双の称号を得た。けれど、この虚しい思いは何なのか?武蔵はそれは修行が足りないからだと思い、再び、独りで歩いていきます。

旅に出る、強い誰かを斬る、無双になる、そして再び虚しくなる・・。私には武蔵の己との闘いは「体」が衰えない限り、終わりのない旅に見えました。

自分よりも強い誰かが現れるのを待ち、その誰かによって斬られるか、病か、結局のところ、己の死によってしか終わりがない宿命の旅路。斬った相手の人生を引き受けた以上、とどまることを許されないような・・。それが、強き者の宿命なのかもしれないと思います。

考えてみると、誰かに勝つ、何かに抜擢されるということは、常にそういう側面があります。

抜擢される人がいる一方で、夢を断たれる人もいる。宝塚で言えば、朝夏まなとさんが新人公演主演に選ばれた下級生にかけられたという「私なんかでいいのだろか」という思いは、選ばれなかった他の人に対して失礼だという趣旨の言葉。選ばれた人は、その人たちの想いを引き受け、その上ですくっと立ち、前に進むしかないのだと思います。

その道を今、武蔵は歩き続けるしかない。最後の場面は、明るくさっぱりとした旅立ちのように見えて、再び厳しい道の始まりでもあります。

ただ、今日拝見した珠城りょうさんの武蔵は以前と違って、無骨な哀しみが和らいだようでした。お通への想いが胸にあるということは、どれほど彼を暖かくし強くしているか、そこがストレートに伝わってきました。武蔵は宿命の道を歩き続ける、けれど離れていても想う人がいることで救われた面もあるのだと。

 

新人公演を観た後、私の思考の旅路も思いがけず、随分遠くまで来てしまいました。その思考をもたらしてくれたのは、素晴らしい新人公演を見せてくださった月組下級生の皆さまです。若いってすごいね。おばちゃんな、感動してんよ。ありがとうね!

この記事には不完全燃焼感がまだあります。齋藤先生の長く深い思い入れが散りばめられた本作品。東宝千秋楽では名作になっているかもしれないという期待を込めて、本日はここまで終わるものなり。まぁ、なぜここまで真剣に考えているのか、謎ではあります。とりあえず、本日は解散なり!(^^)

月組・夢現無双 新人公演感想 風間柚乃さんが魅せる若き剣豪活劇の鮮やかな見事さ

皆さま、こんばんは。4月第1週の金曜夜、お元気ですか?社会人、学校、幼稚園、そして保育園にワーキングマザーと、新たな一歩を踏み出した皆さま、お疲れ様の一週間でしたね。桜も、こちらではほぼ満開になりました。

本日は今週火曜日に観劇した月組・夢現無双の新人公演について感想を書いておきたいと思います。今週末の本公演戦いに備えるものなり。(最後に出てきます!)

春の空のように、清澄な光を感じさせる見事な新人公演でした。

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 1.総論 鮮やかで見事な剣豪活劇

風間柚乃さんは、剣だけは強い悪童が切れ者の剣士へと成長していく様を鮮やかに描き出されていました。観ていて、とても気持ちのいい剣豪活劇の趣がありました。

私自身は原作も漫画となった作品も、読んでいるわけではありません。けれど、無敵であったという宮本武蔵の青年期までの物語として、逸話は何となく知っている。その中で無意識に期待する剣豪の物語が、鮮やかな光のように見えたと思います。風間柚乃さんがご挨拶で語られたとおり、剣の道は芸の道にも通じるとして、自分の物語として演じられたのだということが、確かに伝わってくるようでした。

鮮やかで見事。その一言に尽きるかと存じます。

風間さんを筆頭に月組の若手の皆さまも、それぞれに自分なりの「色」を出されたなと。見事で工夫のある公演でした。舞台に観客を引き込んでいる感覚を、確信を持って演じておられたのではないかと思います。

忠実なコピーというより、自分たちで舞台上に創り上げた一つの小宇宙。

なるほど。風間柚乃さんには主演として、そして月組の若手の皆さまには、そういった小宇宙を構築するお力があるのだと感嘆いたしました。少し前から背の高いスラリとした男役さんが多くなったなと感じておりましたが、お芝居の工夫や演じる楽しさが伝わってくる若手の皆さま。これからの月組さんに期待大です。あ、宙組も今、お芝居乗ってるので、皆さん、よろしくね!

印象に残った方々について書き留めておきたいと思います。

 

2.風間柚乃さんの武蔵

本役の珠城りょうさんとは異なるアプローチを自分なりに貫き、そして成功させた見事な新人公演主演だったと思います。

風間柚乃さんの武蔵は、普段は普通の青年なのだろうと感じさせるものがありました。けれど何かあると、殺気が瞬時に立ち上がり、素早い身のこなしで一気に斬る。そういう鮮やかな剣。

光悦のセリフにありますとおり、一気に燃え上がる炎のような激しさ、光がきらめくような鮮やかな剣。若き剣豪が頂点まで駆け抜けていったような鮮やかさ。

風間柚乃さんの武蔵からは、からからと清流が流れる時の小気味のいい水の音がするような、根底にそういった清澄な明るさがあるように感じました。

ふっと楽しかったのは廓の場面。風間柚乃さんは、どうしても廓で寝ているのがしっくりくるんですね。存在自体に色気がおありになるからかな?と思います。

 

3.天紫珠李さんのお通

澄んだ綺麗な声、よく通る歌声。この声は、ヒロインとして大きな強みだと思います。男役さんから娘役さんになられただけあって、背の高い方であり、同時に健気さや可憐さもその声からもたらすことができる。

中盤から、自分の声と演技が劇場を引き込んでいることに自信を持って演じておられたように拝見しました。きりっとした芯の強さも感じさせる娘役さん、今後が楽しみですね。

 

4.蘭尚樹さんの小次郎

私は蘭さんの初舞台口上の日に観劇した記憶があります。研一で春海ゆうさんとともに獅子に抜擢されていた日本舞踊のお上手な方。ありちゃん主演のバウ「アルカディア」ではクラブの明るい飄々とした青年を演じておられて、好印象でした。

小次郎は、本役さんが男役の集大成を見事な存在感と色気で見せておられる美弥るりかさんですから、とても演じられるのが難しいお役。そういった中で、蘭尚樹さんの落ち着いた明晰なセリフは冒頭から「お!」と思わせる力がありました。緊張を感じさせない落ち着いたオープニング、これから素晴らしい新人公演が始まるという予感を感じさせるものであったと思います。

若干残念だったのが、銀橋を渡られるときの歩き方。長い刀を背負っておられて難しいのだろうなぁと予想しますが、少年ぽい飄々とした雰囲気が強かったかなぁ。本役さんの、登場するだけであたりを払うような存在感は難しいかもしれませんが、東京での新公に期待していますね!

 

5.空城ゆうさんの武蔵父

その迫力にびっくりしました。迫力、存在感、よく通る声。オープニングに、小次郎と対峙する役であり、緊張を一気に高めないといけないお役ですが、空城ゆうさんは声もビジュアルも強い迫力があり、一気に舞台に引き込まれました。何というか強い印象を残す方。今後に大いに期待です!

 

6.朝陽つばささんの沢庵和尚

 思い切りの良い声、お上手でした!武蔵父と並び、この舞台を締める非常に重要な役どころ。度胸良く演じておられて、さすが「雨に唄えば」で、代役で主要な役を演じられた方だと感心いたしました。

吉岡一門を斬った武蔵を一喝する場面、劇場がしぃぃんとした緊張した空気になる中、びりびりと伝わるものがありました。素晴らしかったと思います。

 

7.英かおとさんの又八

又八はこの物語の生き生きとした軽やかな面を担う、とても難しい役だと思います。英かおとさんは本役の月城かなとさんの軽やかさにはなかなか及ばないのですが、その分、より男子っぽい可愛らしさがありました。この役は可愛くないとただのおばかさんになると思うので、そのバランスをうまく持って演じておられたと思います。

英かおとさんは、「ラストパーティ」の美しい白軍服姿が印象的な立ち姿の綺麗な方ですね。

 

8.結愛かれんさんの吉野太夫

結愛かれんさんの気風の良さそうな強気で妖艶な吉野太夫は、とても魅力でした。本役の海乃美月さんが美貌と謎めいた雰囲気で見事に演じておられるだけに難しいだろうと思ったのですが、なかなかどうして。

ところどころ早口になられるのが少しだけ気になりましたが、本役さんとは異なるご自分なりの吉野太夫をものにされていたと思います。声もお綺麗でよく通っておられました。

本公演では武蔵の弟子・城太郎を、やんちゃな少年として生き生きと演じておられるため、その差に驚かされました。羽龍きよらさんの城太郎もかわいいやんちゃ坊主!本公演ではお人形さんのように可愛らしく禿を演じておられるため、ジェンヌさんってすごいなぁとなりますね。

 

9.彩音星凪さんと礼華はるさんの吉岡兄弟

長身美貌兄弟!吉岡一門に入門希望の女子が殺到するわ、これ!

落ち着き払って新人公演を拝見していたアラフィフの私と晴れてJKになった娘が浮き足立ったのはこのお二人。いや、miyakogu、いつも割と落ち着いて観劇しているじゃないですか?(注 嘘)

立ち上がりそうになったよね、ばんっ!って。←落ち着いて、miyakoguさん(^^)

本公演でも阿国一座の太郎と次郎の美形お二人。彩音さんはAll for Oneでの子ダルタニアンで一気に注目を集めた方、エリザベートの黒天使でも一際目を惹く美しさがありました。礼華はるさんは、本公演で阿国一座でひらひらと踊る手がお綺麗で品が良く、ショーでは迫力の黒レオタード網タイツ美脚集団の中で、一際、品をとどめつつも挑発的な色気のある表情で魅せてくる方です。

注目のお二人の美形さん。このお二人が涼やかなきりっとした目元で、声も綺麗でセリフも迫力があり、おばちゃんな、吉岡一門に肩入れしたね!ごめん、武蔵、おばちゃん、美形に弱いねん!(^^)

 

10.桃歌雪さんのお杉、瑠皇りあさんの権六

これは難しいぞと思っていたお杉さんとひょうひょうとお杉についてくる権六(武蔵の叔父、お杉さんの弟なのですね)。こちらも月組の下級生さんはなかなか見事に、茶目っ気も出して演じておられました。二人が歩き出してぶつかったりして、アドリブも息の合ったお二人でした。

桃歌雪さんは私が耳にしばらくついて離れなかったBADDYの「海の~、プリンセ~ス、ほたて~。うぅんん、はぁぁん」と歌っておられたのですが、もうそのはまりっぷりがすごくて。この人は面白そうな方だなと思って拝見しておりましたが、お杉さんもお上手。美形の瑠皇りあさんが飄々と権六を演じておられたのも印象的です。コミカルな持ち味もおありになるのかな?(^^)

 

11.本公演の謎を解きたい

確信に満ちた見事な鮮やかな新人公演でした。おそらく、中盤あたりから自分たちのこのアプローチは間違っていない、観客を引き込んでいるという自信をお持ちになったのではないでしょうか?思い切りが感じられる大変清々しい公演でした。素晴らしかったと思います。

さて、新人公演を観劇しつつ、途中からものすごく考え始めたのです、本公演について。隣に座っていた新米高校生娘は「あ、今、ものすごく考え始めたな」と思ったそう。仕事かな?とも思ったようですが・・(^^)

剣豪活劇としてはおそらく、新人公演のアプローチの方が清々しく観ていてすっきりと明るい。

ただ、本公演を数回拝見して新人公演と比較してみると、逸話を盛り込みすぎたように見える脚本の中に、ちらちらと見え隠れする宮本武蔵の無骨な哀しみ。珠城りょうさんからは、宿命の道を歩く者の”何か”が伝わってくるように思えたのです。

宝塚の舞台としては、剣豪活劇の方がよろしいだろうと思います。すっきりと。なのですが、本公演で感じる剣の道の奥深く独りで歩いて行く宿命の武蔵。剣の道により深く迫ろうとする迫力が、そこにあるように私には思えます。

鮮やかに、光と炎の剣の風間武蔵

対して、土の匂いと燃え立つ炎の中、ただ独りで道を歩いていく宿命の珠城武蔵。

その宿命には、剣豪としての鮮やかな美しさよりも、無骨な哀しみが感じられる・・。忘れられない、どうしても気になる魅力があるのです。

それはいったい、何なんだろう・・?

ずっと考えているのですが、昨日、朝の道を歩いている中ではっと気づいたことがあり、恒例のお風呂会議で娘に語ったところ、なるほど!と大きくうなずいてくれました。先日の真風さんハネウマライダー妄想物語への冷たい反応とは違いましたよ・・(^^)

ですので、今週末の観劇、miyakogu、決戦の意気込みで臨む所存なり

劇場で(目に見えぬ)ハチマキを締め、まなじりを決して舞台を見つめ、(目に見えぬ刀で)武蔵と戦っているアラフィフのちんまるこいおばちゃんがいたら、そっとしておいてやってください。それ、戦っているmiyakoguなり。

↑ miyakoguさん、落ち着いて。それ全部エアだし、その属性、宝塚大劇場でもっともありふれていて、絶対誰にもわからないんで。

うっしゃぁ!戦いを挑むものなり!! ←観劇なんで、落ち着いて・・。

真風さんと行く、海辺のハネウマライダー妄想物語 -Special Blu-ray BOXボックス発売発表とともに 

皆さま、桜が急に花開いた今週末、お元気でしたか?あ、miyakoguに言われたくない?ほんまにそうよね・・。お久しぶりですわ・・(^^)。

娘ファースト、仕事セカンド、宝塚サード。いくら私が真風さんやまぁ様や珠ちゃんにぷぎゃーーっ!(≧∇≦)となっても、これだけは揺るがなかった優先順位。

しかしながら、1月以降、特に3月をピークに”仕事ファースト”になってしまい、まぁ、家庭内の評判の悪いこと、悪いこと・・。仕事にかまけて家庭を顧みないお父さんポジでした。反省しております・・(-_-)。

いくつかの予測不能な条件が重なり致し方ない状況の中で、乗り切った自分を褒めたい!いや、完全には乗り切ってない、でもいい!完璧主義は捨てるの、そうでないと早死にするのっ!

神様が昨日、宝塚大劇場最前列観劇をお恵みくださったのも、このご褒美かと思います。ありがとうーーー、チケットの神様。月組さんについては、twitterでもつぶやいてましたし、改めてゆっくり書きますわね。美形が近付いてくる恐怖とか、銀橋で繰り広げられる死闘の迫力とか、珠ちゃんの素足とか、ほっそりとした指が綺麗だったこととか、ありちゃんの目線とか、れいこちゃんは遠くで見ても美近くでみても美で、まぶしすぎた件とかね(^^)

 

でも、本日はそ・の・ま・え・に!!!

先日発表されました、宙組トップスター・真風涼帆さんのSpecial Blu-ray Box。ご覧になりました?あのパッケージ写真。スマホのロック画面はもちろん、今、これな。

Special Blu-ray BOX SUZUHO MAKAZE | 宝塚クリエイティブアーツ公式ショッピングサイト|TCAオンラインショップ

ばんっ!(立ち上がるmiyakogu)あの人、おかしいわ。金髪の頭からのそぎ落とされたフェイスラインからの、鋭く優雅で退廃的でありながらの清新で柔らなこの画像。

真風さんが目を上げたなら、ほわっと微笑む姿も、うつろな目も、鋭い目も、様々に想像できる。あなたの好きな真風をすべて詰め込みましょうとも、ばんばんばんっ、うちらもやるで!という創り手側の意気込みを感じました。←いや、TCA様はもっと冷静だと思うので、落ち着いて、miyakoguさん・・。

 

そう、何でも想像可・・。うん、いよいよ、俺のハネウマライダー妄想物語を書く日が来たぜ!(≧∇≦)

スペシャルボックスには、博多座・ハネウマライダーも入っているし、博多座以降暖めてきたハネウマライダー妄想物語、行ってみたいと思うものであります。

ばんばんばんっ!ソーラン続編っぽいのは許してね(^^) 

※アラフィフとして大丈夫か、やや心配ながら、お送りします!こういうのって本当は鍵かけるんだっけ?幼馴染の友情もんということでお許しを。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

真風は隣家に住む幼馴染。海辺のまちで漁師の子沢山の家の長男、背が高く水産高校卒業後、腕のいい漁師となり、まちの人々に頼られる漁協青年部のリーダーです。

幼馴染でずっと一緒に育ってきたのに、中学校を卒業し高校が別れてからは、涼やかな目元のイケメンに育った真風と言葉を交わすことはなくなりました。彼は何代か前にロシア人の血が混じっているらしく、背が高く茶色の髪、切れ長の目をしたモデルもいけるのではないかという美形に育っています。

幼馴染なのに、大学に進学し都会で就職した後、時々帰省しても会釈するだけ・・。気恥ずかしくて、まぶしくて、言葉がかけられない・・。そんな間柄です。

GWのある日のこと。卒業以来初めて中学校の同窓会が開かれました。ほとんどの人が地元で働き、早い人は家庭を持ち居ついているこのまちで、都会で働いている同級生はごく少数。何となく浮いているような感じがして出席をためらっていたのですが、お正月に玄関先で「おまえ、同窓会、来るだろ?」と真風と10数年ぶりに言葉を交わして以来、何とか参加しようと決めていたのでした。

地元に残った同級生も、実際には頻繁に交流があるわけでもなさそうで、久しぶりだと喜んでくれる同級生の居心地の良さに気がゆるんだのか、気づいた時には結構、お酒も進み、うつらうつらしてしまいます。

「おまえ、お酒、弱いのな?」

気がつくと、隣に座った真風がにやっと笑って水を差し出してくれるのでした。近付いた顔に、ぎゅぅんと胸が痛くなるのが自分でもわかります。

幼馴染だから、この人は。もう私達の時間は一緒じゃないから。

自分に言い聞かせるように、話をそらしたくて、酔っているせいか、今の仕事の話をぽろぽろと打ち明けてしまうのでした。

初めて大きなプロジェクトのリーダーを任せられたこと、プロジェクトが予想以上に難しい仕事であること、メンバーに病気や家庭の事情で欠員が出てしまったこと、休みの日も仕事をしているけれどこの同窓会のために何とか帰省したこと・・・。

酔っ払ったふりで、ついでに言ってしまってもいいだろうか?あの頃、ほのかに君が好きだったと。そんな気持ちを隠すかのように、穏やかに話を聴いてくれる真風につい出てしまった言葉。

「海が見たいねん。明日、帰る前に。」

「あのぴかぴかのバイクに乗せてよ。おっきなバイク、磨いてたでしょ?」

そう、お正月、玄関先で真風が磨いていた大きなバイク。中学生時代、時々、自転車の後ろに乗せてもらってスピードを切って坂道を駆け下りたように、もう一度だけ、あの縦長の綺麗で広い背中にしがみつきたい。そうすれば、もう一度がんばれる。私にチカラを与えてほしい・・・。

弱音は見せたくない。頼りたくない。でも、望みを叶えてほしい。

真風はにやっと笑って「いいよ、乗せてやるよ、明日な」、そうさらっと言って、席を立つのでした。

そんな簡単なことだったんだ・・、誰かにお願いごとをするのは・・。

お酒に酔った頭で覚えていたのは、そんなあっけなさでした。

 

翌朝。

「あったま、いたーーー」

大失敗です。二日酔いでずきずきする頭を抱えながら、しじみのお味噌汁を飲み、ポカリスウェットを飲んで2階で遠くの海を見ながらぼーっとしていると。

ばばばばばーー。きぃっ。大きなエンジン音がします。

あ!慌てて降りて玄関に出ると、そこには黒のライダースーツを颯爽と着て、ヘルメットを抱えた真風が立っていて、にやっとしながら

「ほら、海、連れてってやる」とヘルメットを渡してくるのでした。

「ちょ、ちょっと待って、準備するから」

「お前、酔って忘れてたの?」

呆れるように笑う真風の表情に、かぁーーっと頬が上気するのがわかりました。慌てて準備をして、ヘルメットをつけて、縦長の広くてすっとした背中にしがみついて。

海を見下ろせる海岸線をバイクはぐーんと駆け上ります。ぐんぐんと迫る青い空、遠ざかるまちと海。

空を飛んでいるみたい・・。

エンジンの音が大きくて良かった・・。胸の音も、何もかも吹き飛ばしてくれる・・。

 

上った坂を今度はくだり岸辺にバイクを停めると、「ほら」と真風がポカリを差し出してくれました。

「二日酔いなんだろ?」

「ありがと」

冷たいポカリが涼やかに喉をとおります。二日酔いだけじゃないんだ、本当は君の背中に酔ってる。そんな風に言えたら・・。

でも、知っているのです。水産学校の後輩で、漁協に勤務しているとびっきりかわいくて気立てのいい女の子が彼を慕っていること。その子と真風はお似合いと評判で、昨年の夏祭りでソーラン節を二人で一緒に踊ったこと。それをただ見ていたこと。男性から一人、女性から一人選ばれる夏祭りの踊り手には、将来結婚するというジンクスがあるのでした。

二人はこの海辺のまちで、この先、ずっと同じ時間を刻んでいく・・。そしていつか、彼は子沢山のいいお父さんになって、町のリーダーになるんだ・・。小さい頃、あれだけ一緒にいたのに、私との歯車はもう合わない。

でも今、この瞬間だけは、波の音と一緒に真風と同じ時間を刻んでいるのは私だ・・。

歯車は、今だけは一緒に回っている。

言ってしまおうか。でも何を?何を言いたいのだろう、自分は?

その前に、真風がぽつんと話し出します。

「おまえさ、昨日言ってたけど、仕事、大変なんだろ?」

「うん」

「でも、仕事、好きなんだろ?」

「うん」

「あのさぁ、おまえ・・、高校のとき、県大会でテニスの団体、優勝しただろ?」

「え?」

突然の話に驚きます。知っていたの?高校は別だったのに・・。

「進学校の弱小クラブが準決勝まで行ってるって、おまえががんばってるって連絡が来てさ、中学のやつらと一緒に見に行ったんだ、中央コートに」

「うっそ・・?」

その年、県大会は地元の町で開催され、地の利もあったのか私達の高校はトーナメントを勝ちあがっていったのでした。

「団体戦で2組めのペアが負けて、三番目におまえのペアが出ていっただろ?あの時、応援のみんなが安心したのがわかったんだ。これで大丈夫だって。」

「それなのに接戦になって、おまえ、負けそうになるしさ、観ている方もあせったんだからな」

「でも、ちゃんと勝って、やっぱり決勝も接戦で、それで最後勝つしさ。」

おまえ、絶対に負けないんだなと思って。あいつ、すげぇって俺達、帰ったわけ」

まさか、見ていてくれた・・。

「だからさ、その仕事、おまえ、負けるなよ。しっぼ巻いて逃げだすようなたまじゃないだろ?」

途中から、気恥ずかしくて嬉しくていたたまれなくてうつむいてしまった頭を、ぽんぽんっと優しく叩かれたような気がします。

涙が一粒、つつーーーと溢れて頬の上を滑り落ちるのがわかりました。一粒、二粒、いえ、もっと。次から次へと落ちる涙。張り詰めていた心が涙でほころぶように。

「ほら」

渡されたポケットティッシュで涙をふき、派手に鼻水をかみ、泣き笑い。

かっこ悪い・・。でも、かっこ悪くてもいいのか・・。かっこ悪くても本当はいいんだ。

 

「真風」

思い切って頼んでみよう。

「もう一回、バイク乗せてよ。海岸線を上がっていくとこ、空を飛んでいるみたいで、もう一回行ってみたい。」

にやっと笑ってヘルメットを渡す真風。風を切ってスピードがぐんぐんと上がります。何もかも笑い飛ばしたくなる爽快さ。

「もっと飛ばしてよ!」

「おまえー、怖がっても途中で降ろしてやんないからな!」

ぐーーーん。スピードを上げて海岸線を駆け上がる大型のバイク、真風、私、そして風。

今、この瞬間だけは私達の時間は一緒に確かに刻んでいる。それでいい。

日が翳り、抜けるような真っ青な空に少しだけ群青色が混じる。その空に向かって飛んでいくようなバイク。

ありがとう、真風。私、やっぱり負けないよ。

(完)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

うっわー、真風さんとの関わりはmiyakogu心の妄想劇場として、後はほぼ実話やーーーーん?!(恥)

中学生娘(卒)に、このプロットを語って見せたところ、いつもの「おおーー!」と嬉しそうな顔とは違い、「あーー」と悟りを開いたような表情です。

あれ、反応薄い?あかんか、これ?と思うmiyakoguに、「今のお母さんが、真風さんに言ってほしいことやんね」とずばりと指摘されましたね、ええ。

いいの!これで3月を乗り切ったから!皆さまも真風さんのハネウマライダー乗りたいよね?!

あとね、私は「勝ちたい」んじゃなくて、「ここで負けたくない」「引き下がりたくない」って気持ちが強いと自覚しました。負けず嫌いなんですね、アラフィフになっても・・、ばか・・(-_-)。

んじゃーー、家族でお花見行ってまいりまーーす(^^)。←休日に家族とともに過ごす時間を再開中。

宙組・博多座 黒い瞳/ビバフェスタ 真風涼帆さんの夢を見せる「実力」への考察

皆さま、お元気ですか?昨日、日帰りで佐賀での温泉&博多座観劇の旅を満喫しましたmiyakoguです。

今日は真風さんのお茶会のようですね。昨日2/16 15時は会総見だったのかな?大盛り上がりの博多座公演でした!「ハネウマライダー」で「たとえば君と」と2階席を指差しで煽った真風さんご自身が、あまりの「きゃーー!」という歓声につい笑ってしまわれたほどの盛り上がりでした(^^) 。

昨日は、私は前方端の方のお席。ちょうど宝塚グラフのスーテジサイドショットの感覚で舞台を拝見しとても新鮮でした。いつもと違う角度で観たためか、真風さんが男役さんとして成熟の時期に入られたからなのか、白軍服と黒燕尾のお姿を拝見して思ったことがあり、本日はそこを書きたいと思うのです。

ばんっ!(≧▽≦)(注 決意表明の音)

(こちらは博多座お土産です。お酒のおつまみ系ですね。いわしのあぶり焼き、おいしかったです!)

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1.「黒い瞳」がさらに良くなっています

その前に。お芝居「黒い瞳」はさらに良くなってました。特に、和希そらさん、秋音光さん、優希しおんさんのトリオの抜群のダンスと役柄が変わると途端にがらっと変えてこられるセリフの声、素晴らしかったと思います。

真風さんのおぼっちゃん度はさらに鮮明に、愛ちゃんの男くささはさらに大きく、まどかちゃんの可愛さはさらに引き立ち。加えて、寿つかさんのコミカルな演技、純矢ちとせさんの女王の威厳と愛への想い、桜木みなとさんのマーシャへの恋、蒼羽りくさんの引き裂かれる想いと、皆さまの演技がそれぞれにアップしていたと思います。りくさんの演技、好きです!(大事なことなので毎回書く)

 

2.真風さんの白軍服と黒燕尾

ステージサイドショット席(?)だからこそ、見えたものがありました。

「黒い瞳」で女王に許され、マーシャを迎えにかつての駐屯地に駆けつける真風さんニコライ。白軍服です。脚が長い!

マーシャに向かってすべてを受け止めるよ、というように手を横に広げる白軍服真風さん。前回観劇時はその後姿を観て、「あわわーーーー!!(≧▽≦)」となっていたわけです。抱きつきたいですよね?ねっ?!ばんばんばんっ。

今回、ステージサイドショット的な場所から、両手を広げる真風さんの横顔の表情と立ち姿がより良く見えたのですが、完璧に素敵な一人の男性でした。その所作が、です。

すらっとした男性アスリートのような立ち姿。ただただ生き物として美しい。

そして黒燕尾。階段でMの字を描くように立つ男役さんとセリ上がる真風さん。微塵の迷いもないすっきりとした立ち姿、指先とつま先まで計算された美しいダンスの軌跡、美しい姿形と所作。

デュエダンで柔らかな優しい色のドレスをまとったまどかちゃんが出てこられると、何度も斜め下のまどかちゃんを見下ろして、「にこっ」と笑いかけられるのですね。そこに流れる暖かな信頼。清らかな愛への憧れと夢がお二人からは流れ出るようでした。

 

3.男役トップスター真風涼帆さんのプロフェッショナルな実力

黒燕尾の真風さんを観ていて思ったのです。

この人は長身、男役さんとして整えた姿形に加えて、所作が美しい男性を極めてこられたのだと。

プロフェッショナルに、ストイックに、追求されてきた男役像。

持って生まれた長身に、髪型やお化粧を整えるお力、男性としての美しい所作の追求、これらすべてをひっくるめて「宝塚の舞台にしかいない美しい男性」を完成されつつあると思います。

宝塚ファンの方々の感想を拝見していると、音楽がメインのミュージカル作品を好まれる方にとっては「歌唱力」が「実力」の一番重要な判断基準になっているのだろうなと思うことがあります。

退団後のことを含めて考えると、劇団側がそこを重視されるのも確かに、と思います。日本のミュージカル業界で宝塚OGさんの活躍が増えれば増えるほど、ジェンヌさんの舞台女優としての将来も開かれますから。

ただ、宝塚歌劇団に求めるものは人それぞれです。私自身は、それぞれに観劇を楽しめばいいというスタンスですが、ジェンヌさんの「実力」が歌唱力に特化して語られることにはやや抵抗感があります。

なぜ、そう思うのでしょうか?

 

4.宝塚歌劇団特有の「夢を見せる力」

皆さまは、たとえば誰かの結婚式に出た際、宝塚の男役さんほどに黒燕尾を美しく着こなし、背筋を伸ばし、所作が隅々まで美しく、優しい微笑みや色気のある目線を繰り出すリアルな男性に出会ったことがありますか?

しかも、一人でなく集団で、いずれもタイプの異なるイケメンがいる黒燕尾の集団。

おそらく、ほぼ皆無と思われます。

やや古くなりますが映画「モーリス」のような世界であれば、辛うじて。あるいは海外の雑誌に掲載されているような欧州王室関係者の結婚式や、ウィーンやパリで開催されるデビュタント等の社交の場。もう少し身近なら、社交ダンスの競技大会、スポーツ選手がスーツ姿で集まるレセプションのような場ならおそらくは。

宝塚ファンの方であれば、本当に社交やお仕事で行ったことあるよ!という方がおられるかもしれませんね。

けれど、電車か国内便で行ける距離でとなればどうでしょうか?参加費は一番多いパターンで8300円、または8800円というお値段水準で、です。

一流ホテルや素晴らしいバーであれば、髪をオールバックに整え、ぴしっとシャツを着こなし、にこやかな笑顔を見せてくれる美しい所作の男性がおられるかもしれません。

けれど、そういう男性はね、黒燕尾で集団で踊ったり、目線をとばしたり、ウィンクしたり、にやっとオペラ越しに笑ったり、相手役さんに優しく微笑みかけたり、キスシーンを見せたり、カフスをおもむろに整えたり、ふぉって言ったり、お手紙を受け取ったり、お茶会で握手したり、ファンからの愛を受け止めてくれたり、ソーランを踊ったり。

そういうことはしないんですよ!!!ばんばんばんっ!

 

身近な場所に集団でおられて、一番お安くであれば3500円から入場できて

・姿形と所作が美しい夢のような男性(男役さん)と

・美しく可愛らしく、時に色っぽい女性が

・集団で美しい衣装を着て踊り歌われる、夢みるような桃源郷

それこそが、私にとっての宝塚歌劇団です。(あくまで私にとって、です)

私は、美しい姿形をした人の美しい所作と優しい微笑みを観に行ってるのですね。ただただうっとりと。

もちろん、その夢心地の世界が、あらぁ・・となるレベルの歌や演技力、ダンスによって現実に引き戻されてしまうのは困ります(^^) 。

けれど、美しい男役・娘役であることをプロフェッショナルに真摯に追求されてきた方であれば、その水準をきちんとクリアしていかれる。私たちには見えない場所での努力の積み重ねによって。

 

真風涼帆さんはもともと、お芝居の勘のいい方だなと拝見していますが、お歌はWSS以降、格段にお上手になられたと思います。

かつて星組さん時代に演じられた「オーシャズ11」のライナスは頼りなくて、その頼りなさはライナスの役と妙にはまっていた魅力がありました。

けれど、真風さんの「黒い瞳」の歌は、もうその頃の頼りなさはないのですね。真風さんは男役さんとしての抜群の姿形と所作を美しく完成させるとともに、星風まどかさんという素敵な相手役さんに優しく微笑み、歌唱と演技を高めてこられました。

そのトータルな意味での完成度の高さ。

観ている側に日常をひととき忘れさせ、飛びっきりの夢を見せるという実力。

真風涼帆さんの男役さんとしての実力は今、とても高いところにたどり着かれたと思います。

ただ、その”夢”は期間が限られたものという切なさも含んでいるのは事実です。この時間を一緒に生きたいという焦燥感はどこかにあります・・。

 

博多座には、ジェンヌさんを飛躍させる特有の魔法があるような気がしています。前回、宙組さんで観た「王家に捧ぐ」も今回の「黒い瞳」も、演じる側の実力を一段飛躍させる劇場。おそらくは福岡・九州のお客様のお力かもしれません。ありがとうございます!

宙組の博多座公演も残りほぼ一週間になってきました。

博多座「黒い瞳/VIVA FESTA! in HAKATA」、ぜひ、夢の世界のお芝居と熱いショーをお楽しみください。

梅芸・オンユアフィート 感想 朝夏まなとさんの輝きと繊細さ、一路真輝さんには心底驚き!

皆さま、お元気でしたか?miyakogu、博多からただ今、佐賀方面に向かう特急車内です。ようやく訪れた週末の完璧オフ!

今日こそ、その日、遅ればせながらオンユアフィートの感想を書く!パンフとノートPC持参しているのだ。わははーー。

※実は博多座公演時間を間違えていることに新幹線内で気づきました。中学生娘&旦那はんよ、晩御飯には大阪に戻るつもりでしたが夜遅くなるので、そこんとこよろしく・・。お母さんは午後公演まで温泉に行ってくるよ・・。佐賀までな・・。わははーー!(注 浮かれている)

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1.グロリア・エステファン役女優を探す困難さ

 今更ながらパンフレットを熟読。2015年にシカゴで初演、その後、ブロードウエイに進出した今作品、米国においても稀代の歌姫グロリア・エステファン役の女優を探すのは困難を極めたと・・。そりゃぁそうだ!

翻訳・訳詞・演出を担当された上田一豪氏のご挨拶文にも、「この楽曲を歌いこなし、きれのあるラテンのノリを再現できる女優さんが日本にいるのだろうか?」という心配した旨が示されています。

ほんまやね!ちゃらいまぁ様の真骨頂やーーん?!

踊って歌えて、しかもラテンの切れとノリ。これは花組時代にまぁ様が蓄積されたであろうもの。ただ、もう一つ大切なことがあるのです。

グロリア・エステファンさんご本人の生涯を綴るこのミュージカルは伝記的要素もあるのですが、脚本によると、グロリアは少女時代、とても内向的でシャイで、まちの人々にせがまれたら歌うけれど、人前で歌うのが苦手な女の子。その繊細さ。

加えて、三代にわたる家族愛と母親との葛藤もある物語。そこを表現しうる演技力。
そういうものがすべて求められるお役なのですね、グロリア役は。

ブロードウエイでの評は「楽しく明るい」と好評だったそう。ただ、私は決してその面ばかりではないと今作品を受け止めました。その繊細な面をもたらしたのはまぁ様、一路さん、久野さんの三代にわたる家族のあり方だったと思います。

 

2.太陽のようなまぁ様の輝きと繊細さ

「CONGA」等の楽曲をノリノリで歌って踊るまぁ様は、まぶしい太陽のような輝きを放っておられました。センターでお立ち台的なセットの上に立って、踊り歌う。

周りに達者なダンサーがいても、男性を含めて従えてすくっと立てる強さ。

けれど、明らかに「女性」。男役さんからの脱皮途上ではなく、強さを持った舞台女優さんでした。

私が好きだったのは、ノリノリのまぁ様以上に、少女時代のグロリアのはにかむような演技です。賢く内向的で繊細な少女だからこそ創れる音楽。まぁ様は背が高い方ですが、その背を少しかがめて話すとき、背の高い方がお持ちになりがちと聞く恥ずかしさのようなものが伝わってくるようでした。(私はちんまるこいのですが、私の姉は背がとても高く身近で聞いていまして・・)

そして、まぁ様ご自身も語っておられたと思いますが、「これは男役としてどうか?」と考えずに、感情をストレートに出し切ることでできるのですね。宝塚時代の「シェイクスピア」の若き父としての哀しみを爆発させた表現も驚きましたが、それ以上に、舞台からストレートに伝わる怪我をしてリハビリが思うようにいかないグロリアの悲しみ。父親の介護がずっと続くことを恐れていたと、その葛藤を打ち明ける辛さ。

舞台から客席に、ストレートに伝わるものがありました。

歌って踊れて、きれとノリが表現できて、繊細な演技もできる。確かにこの全てを兼ね備え、表現できる女優さんはそうそういないはず。

ぜひ、まぁ様主演での再演を希望いたします!

 

3.一路真輝さんはものすごいし、久野さんはチャーミング!

宝塚ファン歴がまだ6年に過ぎないmiyakogu母娘。今作品で一番驚いたのは、グロリア母を演じる一路真輝さんの演技と迫力とかっこ良さ、ついでに美脚。

あの方、ワンピースからのぞく脚、めちゃくちゃ綺麗ですよね?! ←落ち着いて、miyakoguさん。

さすが初代トートです。突き放すようにまぁ様グロリアにセリフを放った場面のセリフと目には、トートの「死ねばいい!」の迫力があってぞくぞくしました。お歌も演技も素晴らしいのですが、あの目なんだろうなぁ、一路さんのすごさは。本当に参りました。

久野綾希子さんのチャーミングなおばあ様も絶品でした。小首をかしげてにこにこして、まぁ様グロリアをいつも励ましてくれる祖母・コンスエロ。

一路ママは、ベトナム戦争で傷ついた(何よりも心が)夫を抱え、決して見放さず、女手一つで家族を守ってきた女性です。彼女は才能があり、今、グロリアが叶えつつある夢に十分手が届く場所にいた。けれど、キューバの歴史の中で、そうはできなかった・・。

私は今作品がただ「明るくて楽しい」ミュージカルに終わらなかったのは、一路さんの存在が相当大きいと考えています。

かつて自分が後もう少しで手が届いた夢を、娘に本来大切にしてほしかった学歴を捨て家族を蔑ろにし(と見える)、時間に追われる生活をしながらも、でも夢を実現していく娘・・。

私はそこには、ただ母親として心配し応援するだけの感情があったとは思いません。

おそらくは、同性として自分がそんなふうに思っていることを認めたくない嫉妬があったと思うのです。そこが祖母・コンスエロとの大きな違いであり複雑さです。

一路さんは意図されていなかったかもしれませんが、少なくとも、アラフィフで娘を持つ母親である私がそう感じる演技をされたと思います。

時代が違っていたら、政変が起こらなければ、ベトナム戦争に夫が行かなければ。今、その輝かしい場所にいたのは私だったのかもしれないのに。その思いはどこかにあったのではないかと。

その葛藤を乗り越えて、でもやっぱり娘を心配し応援する。祖母はひたすら見守ってくれる。

一路ママの中には、久野おばあ様のチャーミングな優しさがきらめくように見え隠れし、これは女三代の物語なのでは?少なくともこの日本の舞台では?と思わせる見事さがありました。

 

4.ありがとう、渡辺大輔さん

宝塚トップ男役だったまぁ様が、舞台上でキスをされるお相手役さんとして、絶妙な素敵さと清潔感を持った渡辺さん。中学生娘は「ひょぇーー」と思ったようですが、それでも終始、エミリオがグロリアを大切にする役で納得感があったそう。ふぅぅ、良かった。

登場はちゃらくて少しうさんくさいのですが、後半になればなるほど、複雑な感情を甘い声で表現される渡辺さんはとても素敵でした。高い背、すっきりと締まった筋肉質の立ち姿、甘いマスク、いい声。いや、宝塚ファンの理想の男性像にかなり近いです。こういう方がおられるのか?!と驚きました。

本当にありがとうございます!今後、渡辺さんの舞台もぜひ拝見させていただきたいです。

 

5.お手紙場面で号泣

(大事な部分のネタバレがあります)

事故で大怪我を負い、再起が危ぶまれたグロリア。エミリオからも心を閉ざしたグロリアの心を再び照らすのは、世界中のファンから届いた手紙でした。

ここでヅカファン、号泣でしょう?!

車椅子に座ったグロリアが手紙を、はっとして読み始める場面。彼女は世界中から自分に向かって届く「想い」の矢印に気づくのですね。手紙は媒介しています、その「想い」を。

私も真風涼帆さんと珠城りょうさんにお手紙を出したことがあります。ヅカファだもの。

今回出た写真集では、赤裸々に宝塚の若手時代の迷いや弱気を語っておられるまぁ様。

朝夏まなとさんが抜擢に関わらず、いや抜擢ゆえの苦しさもあったでしょう、宝塚を去ろうと思われた時期もあった中、その雰囲気を察知して劇団の中にまぁ様を引き止めた方がおられたようです。

私達ファンは、外からはそこまではわかりませんし、もしかすると一方的な期待や憧れは苦しんでいる時期には重荷な面もあるかもしれないとも思います。

ただ、手紙は全部読んでいますよと言われるまぁ様。内部の方に加えてファンからの「想い」の矢印が彼女をとどめ、再び立ち上がる力になった面はあったはずだと想像します。

まぁ様も「On your feet」で立ち上がってこられた方だったのです。

だからこそ、この場面の演技、さらに青いドレスで表舞台に復帰した場面の演技が、私達の心を動かしたのだと思います。

ダンス、歌、切れ、ノリ、繊細さ。それだけでないのです。

自分の足で再び立ち上がった強さ。

この作品の主演に、まぁ様ほどふさわしい方はやはりおられなかっただろうと思います。ブラーボー!

 

6.印象に残った方

・栗原英雄さん

ベトナム戦争で傷ついたパパ役。若い頃のパパで登場される姿は生き生きとかっこよく、でも車椅子に座った姿では弱弱しく。めちゃくちゃ難しいお役を見事に表現されていました。まぁ様グロリアの憧れのパパだったんだろうなぁ。それ故に、パパがこのままずっとこの状態だったら・・いっそ早く・・と思ってしまう自分を許せなかったんだろうなぁ、グロリアは。そう思わせる説得力のある素敵なパパ。さすが舞台にTVにとご活躍の方。とても綺麗な声でした。

 

・岡本悠紀さん

咲妃みゆさん主演「ゴースト」に出演されていて、その時からひのあらたさんと共に注目。今作品ではちょっと頼りなげな仲間やグロリアの医師を演じておられます。その変貌振りに驚きました。医師役のときの明確なセリフ、きっぱりとした表情。今後の舞台でも拝見する楽しみができました。

 

・ひのあらたさん

うまいなぁ。「ゴースト」でも思いましたが、とにかくええ声にスマートないけオジ。なのに、気のいい祖父役も腰をかがめてできてしまう芸達者ぶり。演出家の方の信頼の厚い方なんだろうと思います。

 

・須藤大迪さんと高橋莉瑚さんのダンスペア

学生ダンスのチャンピオンや賞をお獲りになっている方なんですね。すんごかった!!切れが!!

ダンスを観るのが好きな私としては、このお二人を筆頭にすらっとした容姿でダンスがお上手な方が多い今作品は、宝塚ファンとして違和感がなく、本当に楽しめました。皆さま、素敵です。

 

・木村咲哉さん

なるほど。この方が世界最年少ビリー役の方か・・!「ビリー・エリオット」を残念ながら見のがし、DVDで繰り返し観たのですが、感性豊かで爆発力がないとできないビリー役を最年少でされた方と注目していましたが、なるほど!と思わせる方でした。
心にふわっと触れて、心がぐっと動かされるところがあるのです、彼の演技は。今後、どの舞台で再会できるか、楽しみにしておきたいと思う方でした。

 

ちょうど私がとても忙しくなってしまった時期で、オフィスからタクシーで行って、ご一緒できた方とだだだとしゃべって、またタクシーで戻ってというあわただしい観劇でした。でも、その合間を縫って梅芸の大千秋楽を観られて本当に良かった!

パワーとエネルギーをもらい、泣きまくった舞台。再演を望みます!本当にありがとうございました。

で、まぁ様出身である佐賀方面の温泉→博多座ぶらっと一人旅。急遽変更し、特急車内でさらに行き先を変更という思いつきのみの旅ですが、行ってきまーーす。ひゃっほぅ!(注 浮かれている)

宙組博多座・黒い瞳/VIVA! FESTA! 観劇感想2 ソーラン宙組とハネウマライダー真風さんを観る幸せ!

はいはい!引き続き、行くよ!宙組・博多座、2/2の初日感想、今度はショー「VIVA! FESTA! in HAKATA」編なっ!!!ばんばんばんっ!(≧▽≦)

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1.脚が長いプロローグの白真風さん

うん。脚が長い!(≧▽≦)

この公演の最大のキーワード、それは真風さんの脚が長いこと。ばんばんばんっ。

(注 観劇時に理性を失いがちなmiyakoguでお送りしています)

いや、知ってたよ、前任の朝夏まなとさんが脚が長くてこの白い衣装がお似合いだったことは、よぉく。けれど、まぁ様に劣らず、真風さんも脚が長い!

というか、脚長まぁまかコンビが男役1、2だった宙組って、本当にゴージャスだったんですね・・。今更ながら。

ただーーし、愛ちゃんも脚が長い!ので、無問題ではあります。うん!(注 観劇時の良い笑顔のmiyakogu&中学生娘でお送りしています)

 

2.ヴァルプルギスの夜

今回、開始早々にフェスタに疲れるのは桜木みなとさん。でも、ずんちゃんはまだまだお祭りにいける感じで、まどかちゃんを救いに行きますよ。

ずんちゃんとまどかちゃんはバウでとてもいいコンビネーションを組んでおられたお人形さんコンビのような素敵さ。眼福です。

ただ、この場面、魔女の女王の寿つかさんと、魔女Aの美風舞良さん、純矢ちとせさんがノリノリで楽しそうで、観ている側もうっかり魔女側に肩入れしてしまいそう。お祭りで浮かれている魔女チーム、楽しそうでした!

 

3.サン・ホセの火祭り

サンホセの火祭り、宝塚の舞台ではよく出てきますねーー。ふふふ。

ここは、役名が「牛」から「魔物の王」に変更となった愛月ひかるさんと真風さん、そして新たに加わった魔物に操られるかのように踊る蒼羽りくさん、3名の見せ場です。

真風さんは長い手足を使った伸びやかなダンス、愛月ひかるさんは切れのある男性的なダンス、蒼羽りくさんはしなやかな美しいダンスと三者三様の魅力があり、見ごたえがありました。りくちゃんの最後まで綺麗に形をとどめる手の動きが美しい!

 

4.Be Mine

ここはもう!和希そらさんセンターを観る喜びが炸裂です。ひゅっぅと声を上げたくなるかっこ良さ。ええわぁ。そらさん。

粋で色気があって切れのあるダンスに低音が響く太さもある歌声のそらちゃん。歌う青年の七生さん、秋音さん、優希さん、琥南さん、湖風さん、亜音さんと新顔にも注目の場面です。

優希しおんさんのダンスは本当に綺麗で、しなやかでいて、そのしなりの角度が他の方より少しずつ深いんですね。また、亜音さんが可愛らしさだけでなく、ちょっと悪い目線も繰り出されていて華やかさもあり、まぁ様ゆかりの佐賀ジェンヌ。注目です!

 

5.YOSAKOIソーラン

俺は、こ・れ・を・観にきたんだよーーーー!

博多までーーーー!!!(感涙)

もちろん、まぁ様がきりっとしたお顔で歌われるソーランがめっちゃ好きでした。でも、まぁ様が舞台女優さんとして着々とご活躍だからこそ、心置きなく新たなソーランを楽しめました。本当にありがとう、宙組の皆様&まぁ様(≧▽≦)。

めちゃくちゃ楽しそうに張り切る宙組の皆さま。私はこういう場面できりっとした横顔を見せてこられる星吹彩翔さんと、心底楽しそうな松風輝さんが好きなんですよ。上級生さんがぐっと盛り上げようとされるお姿、しかと拝見しました。

加えて今回は、上手前方で客席を煽る桜木みなとさんのお姿も。組を盛り上げるよ!という心意気が伝わってきて頼もしい。そして、星風まどかさんの男前なソーラン!

頼もしさと熱さが増している宙組さんです。ばんばんばんばんっ!!

ソーラン・リプライズで、再び客席に大漁をしかける真風さん、漁師の若頭ですか?!という迫力。いやぁ、大漁やわぁ。釣られるわぁ。はいはい!です。(注 観劇時に盛り上がるmiyakoguで合いの手を再生しています)

 

6.誇りと野心の大地

この場面は、愛月ひかるさんがまぁ様の役で出てこられて歌い始めるところが感動的。送り出そうとする演出家の中村暁先生の暖かさを感じました。ありがとうございます。

場面に込められたストーリーが変わっていました。トップになって自制心が増した野心の男Sの真風さん。ナイフが似合うのは相変わらずですが、なんと今回は刺さない!(確か、そうだったはず)

成長したんやね、野心の男さんよぉ・・(涙) ←落ち着いて、miyakoguさん

最後のコーラスの圧がすごかったのです。いや、ほんとにね、コーラスの美しさと力強さは宙組さんが歌劇団内随一だと思います。ストーリーは今一つ良くわからないままですが、良かったね、真風さん、更正できて(?)。

で、感動していたらロケットが始まってフィナーレ。あら?という体感時間の短さでした。で、肝心の場面は次に書くから!

 

7.ハネウマライダーー!

新しく加わった真風さんの見せ場が「第3場」。きらびやかな蝶のような羽をゆっさゆっさと背負って歌われるポルノグラフティさんの「ハネウマライダー」です。

ふっ・・。あのさぁ、歌詞、聴きはりました?

「ゴージャスな風に行き先任せ」ですよ。

ゴージャスな風 って、真風さんのことでしょ?!

そいで、「Hey you このBIG MACHINEに乗ってけよ」って言ってくれるんですよ、乗るでしょう?!

と、中学生娘に熱く語っておりましたところ、「お母さん、このくだり、多分100回くらい既に言ってるし、この先、1万回くらい言い続ける予感しかない」と冷静に述べられましたね・・。

いいの!語らせて!ばんばんばんっ!(注 立ち上がるmiyakogu)

そいで、自分の歯車が「たとえば君と」噛み合ったとき、時間を刻むんですよ!

泣くでしょう?!

真風さんのかっこよさに周囲が吸い寄せられ、あるいは盛り上がる中、一人だけ涙ぽろぽろになって、まぁ、かっこ悪かったっす。てへっ(≧▽≦)。

でも、いいの!感動したから。いやもうね、息も絶え絶えになるわ、真風さんのかっこよさを伝えようとすると。はいはい!(注 ソーランの合いの手でお願いします)

 

8.オペラ越しのりくちゃんウインク!

勘違いでいい、はいはい!(注 ソーランの合いの手・・、以下略)

2階前方席で観劇。確か最初の方で全員が舞台に上がっておられる時、真風さんをもちろん見つつ、りくちゃんが素敵な笑顔だったのでオペラで注目していましたところ、ちょうどりくちゃんの立ち位置の上で勘違い目線が来まして、ばっちーーん!とウインク&笑顔でとどめをさして去っていかれたわけです。はいはい!(注 略)

ばれたのかしら、りくちゃんに?! ←落ち着いて、miyakoguさん。そのあたり一帯の方全員、同じこと思ってはるから。

いいの!勘違いでも。宙組さんが熱くなってきているのがわかったから。

 

9.美しい黒燕尾からデュエダンへ

Mを描くセンターの頂点に愛月ひかるさんがすくっと立ち始まる黒燕尾からデュエダン。ここの真風さん、愛ちゃんの立ち姿が美しく、デュエダンのまどかちゃんは愛らしく。

このあたりになってきますと、もうキャパオーバーで口開けて両手を組んでただただ観てましたので、感想は次回持ち越しで書きますね。うふふ。←もう一回行くらしい。

 

真風さんとともに星組→宙組へと移ってきたmiyakogu。当初は、みなさんスタイリュッシュで爽やかだけれど、ちょぉーっとおとなしめかな?と思っていたのですね。宙組さんのショー。

でも、何というか、スタイリッシュな良さや伸びやかで素直そうな雰囲気はそのままに、とても前向きな明るく熱いエネルギーが感じられる舞台になってきているように思います。

バウも梅芸DCも、それぞれにご活躍の方のお名前が聞こえてくる宙組さんの熱さ。

すかっと爽やかな熱さがある宙組の舞台。どうぞ、ご観劇をお楽しみください。

宙組博多座・黒い瞳/VIVA! FESTA! 観劇感想1 美しいお芝居を観る喜び、白軍服真風さんを見る喜び

皆さま、こんにちは、お元気でしたか?今日はねぇ、宙組博多座の観劇感想を書くよ!!今日こそ、その日ですよ! ←miyakoguさん、落ち着いて・・。

思えば苦節1ヶ月・・。唇をかみ締めるmiyakogu・・。(注 たかだか1ヶ月)

不可抗力のある事情でずーーーーっと働き続けておりまして、本日、ようやくブログ更新となりました。ふうぅっ。旦那はんに、「いや、それはこういう事情でって話した方がいいよ」と助言を受け、本当は何があっても涼しい顔でお仕事したかったんですが、少しずつお客様にも事情をお話しすると、皆さま、優しくって涙出そう・・。日ごろがんばっておいて良かったのかなぁ。ありがたいです。

んじゃ、行くよ!宙組・博多座、2/2の初日感想なっ!!!ばんばんばんっ!(≧▽≦) 

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1.美しいお芝居「黒い瞳」

宝塚ファン歴6年のmiyakogu&中学生娘。柴田先生の作品をいくつか、映像でなく劇場でみるたびに、美しい挿絵の厚めの本を、聴き語りで見ている感覚になると気づきました。

ロシア、あるいはスペインの遠い国のお話。語り部的存在に引き込まれ、舞台上で進む美しい絵の中の人生に引き込まれていく。そういう感覚があります。

柴田先生の美しい物語に、謝先生の物語を進める意味のあるダンス、加藤真美さんの美しい衣装、國包洋子さんのシンプルでいて不思議な空間を作り出している装置。文学的な香りが舞台から確かに伝わる、素晴らしい作品だったと思います。

コサックと帝政ロシアを巡る物語の異空間に私達も引きこまれていく。非日常の時間に引き込まれ体験するという物語を見る喜びがありました。素晴らしかったと思います。

 

2.真風さんのニコライ

脚が長いっ! 白軍服が似合う! そしてイケメンで 脚が長いっ!

ばんばんばんっ!(≧▽≦)

いやぁ、白軍服のスターブーツの脚の長さ、皆さん、ご覧になりました?!

そいで、まどかちゃんマーシャが地元に戻ってお墓の前で祈りを捧げているところに現れる訳ですよ!金髪白軍服の真風さんニコライが!

で、皆さん、ご覧になりました?あの時、両手を横に広げるんですよ、マーシャに向かって。白軍服で両手を広げる あの後ろ姿!!!(≧▽≦)

そんなもん、走ってくるわ、マーシャも。つーか、あの場面の真風さんニコライを、頼むから、まどかちゃん目線で映して!グラフのステージサイドショットで。頼んます。

あ?ちょっと取り乱しましたね(^^)。筆致を戻したいと思います。こほん。

 

あーーー!そうそう。

腕に怪我をしてさぁ、マーシャに看病してもらうねんけど、その時に全身オフホワイトでベッドに横たわってはるわけですよ、ニコライ真風さんが!ばんばんばんっ(≧▽≦)。

その時、割と開襟されてるから!がん見ですよ!「日のあたる方へ」パジャマ真風に続くベッド横たわりな。うん! ←筆致が戻ってませんよ?miyakoguさん。

あ、真面目な話に戻します。こほん。(注 今度こそ)

 

ニコライ坊ちゃんは、従僕のサヴェーリィチとともに任地に赴くわけですが、本当は宮廷の近衛連隊に任官したかったなぁと残念がる、世間知らずで甘甘で育ったと思われる若者です。ただ、愛されて素直に育った白樺の若木のようなまっすぐな柔らかさがあります。

彼はマーシャと出会い、コサックの首領のプガチョフと出会い、不思議な友情を育み、帝政ロシアがきしむ中で、まっすぐさな柔らかさを勇敢さに変え、運命のほろ苦さも知って変わっていきます。若者に深みが増していく様が真風さんの演技からは感じられました。

ニコライはマーシャを救い、そしてマーシャに救われます。

二人の行動と愛、その清らかさが舞台から流れ出るように思えた真風さんと星風まどかちゃんの演技。これは善き宝塚だと心底、感じられる清らかさがあります。

ただ、ニコライはプガチョフを救うことはできません。彼は処刑に向かうプガチョフをただ見送ります。一瞬だけ交錯する視線、そこに込められた友情。

立場が180度違うのに惹かれあう男同士の不思議な友愛。プガチョフを見送るニコライの背中は切なかったと思います。

 

3.星風まどかさんのマーシャ

あの子、お人形さんなの?!くるくるとした髪型で白やピンクの衣装で激かわ!(≧▽≦)

冒頭の雪の少女のダンスは、映像で観た舞羽美海さんにはさすがに及んでなかったと思います。初演の風花舞さんがさらにダンスが抜群にお上手だった方とうかがっていますが、その方のために振付られた場面ですものね。

ただ、まどかちゃんはニコライを、そして普段も真風さんをお慕いしていますという純真な可愛らしさが全身から小花が舞うように伝わってくるトップ娘役さん。マーシャがエカテリーナ二世に訴える必死さが切々と伝わってきました。

トップコンビを観る喜びを、我々にもたらしてくれるまどかちゃん。ありがとう!

 

4.愛月ひかるさんのプガチョフ

一緒に遠征した中学生娘は未涼亜希さんのファンということもあり、「黒い瞳」を劇場で観られる時点で既に感動です。

プガチョフは多分、出あった男性が肩入れしてしまいたくなるような、女性達も魅入られてしまうような抗えない色気と男くささがだだ漏れのとても魅力的な人なんだろうと思います。将になる器もある、自分こそ皇帝だと名乗ってしまう権力欲もある、人民のことも考えている、卑怯なことは嫌い、けれど残虐さもある。

そういう複雑で魅力的な男性像を愛月ひかるさんは秀逸に伝えておられたと思います。

男役として恵まれた容姿に加えて、内面の熱さを感じさせる男くさい魅力。特に宴席の場面での色気。

ただ、ニコライに話しかけるときの「よう、先生」というのは、何となくはにかみも少し含んでいるかのようで、「あ、嬉しいんだな、この人に会えて」と思わせる可愛らしささえありました。愛月さん、プガチョフ役に真っ向勝負を賭けるような清々しい覚悟が見えて、素敵でした。これは専科に行かれた後、必ず良い方向に働くお役だったと思います。

 

5.印象に残った方々

・シヴァーブリンの桜木みなとさん

ずんちゃんは気のいい弟キャラがぴったりな方ですが、今回はいろいろな恨みを溜め込んできたんだろうと思わせる陰キャラ。とても上手く演じておられましたが、何を考えているか分からない不気味さというのは、これからだったかと思います。

ただ、お芝居以上に、ショーのソーラン宙組の場面、上手で客席を盛り上げるきらきらと力強さは本当に素晴らしかった!かっこよかったよ!

 

・エカテリーナ二世の純矢ちとせさん

完璧な迫力と押し出し、女帝でした。純矢さんのような上級生さんがおられると本当にお芝居が締まりますね。初日に限って言えば、お歌は少しだけ苦戦されている場面もまだあったかと思います。おそらく日ごとに進化されているだろうとこちらも次回観劇に期待!

 

・愛、勇気、祈りのトリオ

和希そらさん、秋音光さん、優希しおんさんの3人は絶妙でした!声の通りが良く、明確に物語を進める語り部の役割を、抜群のダンスとともに担っておられたと思います。

この3人のセリフの声とダンスのレベルの高さが、舞台のクオリティをぐっと上げていたと思います。和希そらさんを筆頭に今後、何を見せてくれだろう?と楽しみな方々です。

 

・蒼羽りくさんのマクシームィチ

りくちゃんのお芝居、好きです! 中学生娘いわく、「この人が一番、このお芝居における理想を体現しているんだろうと思った」とのこと。

確かに。ニコライに対する尊敬、コサックとしての理想、恋。ニコライが体現する帝政ロシアとプガチョフが体現する人々の苦しみ。その間で揺れ動きながら自分の運命を全うしようとしつつ、出会った人間には立場を越えて誠実に向かい合おうとする・・。

そういった誠実さが、りくちゃんからは感じられるんですね。

りくちゃん、多分、めちゃくちゃいい人なんだと思うんですよ。過去のお役をみていても。主役の友人役の際、語りかける優しさが好きです。

 

・プガチョフ側近の澄輝さやとさんと春瀬央季さん

お二人ともまぁ、スマートなイケメンさんなんですよ。いやはや。

愛ちゃんプガチョフ、側近顔採用説が出るのも止むを得ない感じですね。プガチョフ近衛隊ですね。

澄輝さんのお芝居からは、情勢次第ではどちらにもついてしまいそうな、この戦いを楽しんでいるかのような参謀らしい冷静さも感じられました。さすがです。

 

総論として申し上げると、全体を通して、きゅっと引き締まった、どこか不思議な風情があり、ぐぐぐっと物語に引き込まれるお芝居

「ミュージカル・プレイ」とのことですが、「ダンスが効果的に物語を進める質の高い演劇を観た」という満足感があります。

熱い熱いソーラン宙組の「VIVA! FESTA!」とあわせて、「ええもん観たわぁ、今日は元取ったわ!」という満足感が高い舞台。どうぞご観劇をお楽しみください(^^) 

感想2はこちらです。よろしければどうぞ(^^)

宙組博多座・黒い瞳/VIVA! FESTA! 観劇感想2 ソーラン宙組とハネウマライダー真風さんを観る幸せ! - 代取マザー、時々おとめ

宙組・異人たちのルネサンスLV 感想と考察 「異人」の意味と真風さんの中の少女

皆さま、こんばんは。年の瀬、いかがお過ごしですか?私は一昨日は忘年会で大阪、今日は娘を連れて雪の舞う実家です。温度差およそ4度、振り幅もおっきい日々です。

こちらは忘年会の会場、ミライザ大阪の建物の館内。旧陸軍の建物がリニューアルされて今ではレストランやカフェの複合施設となっています。メディチ家じゃないよ(^^)。機会があればぜひどうぞ!

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さて、一昨日の夜、梅田に出かけ「白鷺の城/異人たちのルネサンス」ブルーレイを購入。年末年始のお楽しみにと思っていたのですが、実家はDVDのみの再生プレイヤーと発覚、しょんぼりです・・(T-T)。

しかーーーし!そんなくらいでへこたれるmiyakoguではないのですだ!大阪のおばちゃんやから!書くから!そのためにLV、お芝居から駆けつけたから!

ばんばんばん!(注 実家のコタツ机を叩く)

※その後、ヅカファン母子の落ち込みを哀れんだ近所の姉一家よりブルーレイ・レコーダーが貸与されることになりました(^^)。

1.「異人」の意味

パンフレットの田渕大輔先生のご挨拶にありますとおり、このお芝居はレオナルド・ダ・ヴィンチと宙組トップスター・真風涼帆さんが「常人には知り得ない苦悩に輝いていることを田渕先生が描き出そうとされた作品です。真風さんと入団同期だという先生にとって、特別な意味がある「異人」だったのだと今回LVを観て把握しました。

パンフレトットの文字ミスではありません。「苦悩に輝いている」トップスター。苦しんでいるだけではなく、苦悩に輝いているのです。

レオナルドとしての真風さんはもう一度、自分の心の人にしたいというカテリーナへの苦悩と、天才として自分の限界を超えたいという苦悩と、その二つの苦悩の中でもがき輝いたと、そう見えました。

冒頭、グイド司教はレオナルドの描いた肖像画を教皇に贈ります。彼は最後、倒れる時に「解き放て」と言い残します。私はこのお芝居において、グイド司教は最初からレオナルドの才能を誰よりも理解し、彼の才能が彼自身を超えていくのを待っていたようにも思えました。カゴに閉じ込められた鳥とはカテリーナでもあり、自身の才能と戦うレオナルドでもあるように思えたのです。

レオナルドとしてのお芝居での苦悩と輝きに加えて、宙組トップスターとしての真風さんもまた「異人」だととらえた田渕先生のパンフレットの言葉。

路線、御曹司という言葉には、抜擢を良いことととらえる面があります。ただ、その期待に応え続けること、自分の弱点をさらけ出してなお舞台に立ち続け、いつしか成長した姿を当たり前のように見せること。

その裏には、当然ながら常人には計り知れない苦悩と努力がある。田渕先生は入団同期として真風さんの姿をずっとそばで見てこられたのだろうと思います。

「常ではない苦悩を乗り越えて、輝く人」。それこそが、このお芝居のタイトル「常なる人とは異なる人=異人」に込められた意味であり、入団同期の真風さんに贈られた田渕先生なりのエールだったのではないかと思います。

ありがとうございます・・・(涙)。

 

2.二人きりの客間の緊迫感

宝塚大劇場で観劇したとき、私はこのお芝居は美しい言葉が随所にみられる「詩」のようだと思いました。余白が多く、その詩情が美しく奏でられた日は秋の夕暮れのような透明な哀しみが伝わる美しい佳作に思える。けれど、詩情がきらめかなかった日には、人数が少なく静かで照明が暗めの場面が続き、正直眠くなる・・。

田渕先生の前作「王妃の館」と比べるとトップコンビ以外のメンバーの出番が少なく、その点で不満をお持ちだったファンも当然おられたでしょう。ただ、東京に行ってからは、皆さまのtweetを拝見していると詩情がきらめく日がどんどん増えていったように思えたのですね。

今回、LVでトップコンビのお芝居を拝見してその確信を得た場面が2つあります。

1つめはレオナルドがカテリーナをモデルに絵を描くと言いつつ、二人きりで話をしたかっただろうと思わせる場面です。LVで真風さんの手元から、おそらくは構図を決めるために直線を引く音が「シャッ。シャッ」と鋭く響く場面。ここの緊迫感が素晴らしかった!LVにおいて、私は固唾を呑んで見守りました。

言葉少ない場面です。けれど、レオナルドの苦悩、焼け付くような嫉妬、カテリーナの心を自分に向けてほしいというまっすぐな恋と欲情。それらが押し黙った真風さんの全身からカテリーナに向かって次々と矢が放たれるように、はっきりと見えるように感じられたのですね。

寂しかった子ども時代、お互いにとって唯一の暖かな存在であった二人の間に放たれた矢のような鋭く熱く想い。カテリーナにとってはおびえでもあったでしょう。それはレオナルドの手を取ってしまいそうな悦びへのおびえでもあったと私は思います。そのしぃんと静かな緊迫した場面は、梅芸・WSSでの真風さんと星風まどかちゃんの二人の演技を思い出させました。

そして2つめの場面、工房の親方・松風輝さんとのお芝居も見事でした。親方に声をかけられ、右後ろを一瞬振り返り右手で涙をすっとぬぐうようだったあのお芝居。その一瞬のやり取りからは、親方とレオナルドがこれまでの暖かな関係性がぐっと感じられ泣けました。松風さんのお芝居は心を揺り動かすものがあります。

 

3.男役の完成と真風さんの中の少女

このフィナーレでは黒まか、白まか、青まかが登場するわけです。白まか=デュエダンのプリンスとチャーミングな星風まどかさんとの間で日々高まっていく幸福感。ご利益がありそうなデュエダンでした(^^)。

ばん!!!ありがたやーーー。(注 拝むmiyakogu)←落ち着いて、miyakoguさん?

デュエダンが始まると、並んで翼を広げるように、軽やかに雲の上を飛ぶようにダンスをして、楽しそうに真風さんが斜め下を見下ろして、まどかちゃんが嬉しそうに見上げる。幸せを劇場の最後列まで確実に届け、LVの映像でも小花がきらきらと舞うように見えた幸せなデュエダンでした。素晴らしかった!

ただ、私はその時に考えたのです。なぜ、この二人のデュエダンには、このような多幸感があるのだろう?

少し前に、私は真風さんは何かをピュアに夢見るように見上げているように思うと書きました。

千秋楽のデュエダンを通じて私が感じたのは、「真風さんの中の少女」の解放です。

愛、幸せ、清らかさといった宝塚歌劇団のデュエダンにしかない“善きもの”への憧れ。

真風さんは、ご自身の中に夢見るように大切にその憧れをお持ちだからこそ、その表現ができるのではないか?と。

真風さんは男役さんとして、初見の方がほぼほぼ男性に見間違えほど長身で骨を感じさせるシャープな容姿をお持ちです。一方、私たちファンは、割烹着を着た真風さんのたおやかな母性や、両手をかわいらしく胸の前でぺちぺちと叩く姿や、出待ちのお写真で羽を持ってきゃっとされている姿も見知っています。

それなのに、舞台に出るときりっと堂々と立ち、背負った羽根を豪快に揺らし舞台上を歩かれます。

今作品、真風さんの中にある夢見るような憧れが真風さんの全身からあふれて、観ている側の心にその繊細な震えが直に伝わってきたように思えたお芝居。拝見していて、真風さんはご自身が納得できる男役のスタイルにたどり着かれたのではないかと思いました。

男役として「これが私です」と自信を持ち、男役としての輪郭がはっきりした今こそ、真風さんの中にある少女は解放されたのではないかと。

もちろん、私のいつもの勝手な推察です。けれど、今作品のお芝居とデュエダンにおいて、真風さんの全身から感じられた「宝塚の善きことへのピュアな憧れと夢」には、真風さんの心の奥から出たものだと思わせる強さがありました。

男役トップスターの中にある少女の憧れ。私はそれは、宝塚歌劇団特有の重要な魅力の一つだと思います。

お二人のデュエダンからは少女の含羞すら感じました。人生においてそのような「善きもの」に私達が出会ったとき、駆け寄って抱きしめたくなるような”はにかみ”。美しくうっとりと清らかに爽やかに甘い。

そんな魅力をトップコンビがデュエダンで見せてくれるのだとしたら・・・。


ばん!!!(注 立ち上がるmiyakogu。今日はコタツ)

そんなもん!観に行くやんか、博多座までーーー!!(withエコー) ←落ち着いて、miyakoguさん?

博多座「黒い瞳」の後、次は宝塚大劇場「オーシャンズ11」で大人のダニーを見せてくれるだろう真風さん。おそらく、憎らしい程の大人の男と粋さとかっこよさを見せてくれるでしょう。でもその合間に、真剣に恋をする大人の男の可愛さやいじらしさがきらめくように見えるのであれば?

そんなん、萌えるやーーーーん?!(withエコー)

 

個人年賀状も出した(大掃除はスルーで)、実家のおせちも買ってきた(ちょっとはつくる)、これで私の年の瀬は終わりました!

皆さま、今年一年、ブログとtwitterも含めていいねやコメントをお寄せいただき、ありがとうございました。このブログを通じて、私が何か一つでも宝塚歌劇団と人生の「善きこと」を皆さまにお伝えできていたら嬉しく思います(^^)。

来年もどうぞよろしく!おばちゃんも、がんばるわね(^^)。

働き女子の皆さまへ 眠られぬ夜のために、改善策になったのは・・(^^)

皆さま、こんばんは。クリスマス・イブ前夜の今夜、いかがお過ごしですか?お若い方は浮き浮きと、小さいお子さんのおられるお母様方はプレゼントをサンタにお願いし、独りの方はしっとりとお過ごしとと思います。今夜は満月、月を見上げてみるのもいいですね(^^)

こちらは月夜のウォーキングで見つけた落ち葉の紅葉。雨上がりですので、雨の粒もキラキラ光って綺麗でした。お月様とともにどうぞ!

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1.眠られぬ夏の夜

さて、皆さまはカール・ヒルティの「眠られぬ夜のために」というタイトルに聞き覚えがあると思います。miyakoguも若き頃、読んだ記憶がうっすらと。

私自身は睡眠を何よりも大切に、睡眠不足と思われがちなのですが、実は割と寝ています。というか、そうじゃないと持たないんですね。子育てで働き方をシフトダウンした頃から、娘と一緒にまぁ、よう寝てました!(^^)

睡眠が足りているせいか、久しぶりにお偉い年上のおじ様にお会いすると、だいたいこう言われます。

「いつ見ても元気やなぁ・・・。」(だいたいため息)

若干、羨ましがられているのか、呆れられているのか、まぁそのどちらか、多分後者(^^)。悪いことではないか・・と受け止めております。

このブログも基本はクールに客観的に静かなパッションとともに控え目に宝塚の観劇感想を綴っているわけですが(ものすごく嘘くさい・・)、コメント等はどういうわけか、miyakoguさんのハイテンションなどと書いていただいています。いやぁ、不思議ですね(白々しく・・)

 

さて、以下は同じような症状にお悩みの方のために、また、将来、万一そうなられた場合にうっすらと思い出していただければという内容です。私のような人間でも、なる時はなる。人間だもの(by miyakogu)。

先日、M-1でも一騒動になりました「更年期症状」のどうやら軽めのやつになってそうと気づいたのが、今年の夏です。該当する年齢層は一般的には45〜55歳頃とのこと。ふぅむ。ばっちりやんか?!

ホットラッシュで汗が急にとまではいかなかったのですが、これまでむしろ低血圧で困っていたのに高血圧傾向、そして一番参ったのが夏にmiyakoguを襲った不眠傾向です。

寝付きは大丈夫ですが、深夜2時半頃に目が覚めてそのまま朝まで眠れないのですね。最初は今年の夏の猛暑のせいかなと冷房を例年より低めに設定、冷えを防ぐためにお布団をかけて寝ていたのですが、それでも目が覚めてしまう・・。

そんな日が続くと当然ながらいらいらが増え、判断が遅くなる、記憶が弱くなる等、様々な症状が出ます。私のような職種には致命的。

ただ、人前でほぼ怒ったことがなかった私が、宝塚月組「BADDY」の怒りのロケットのように少しばかり怒るようになったのは、はっきり言って「活性化!」したのかもしれません。怒るのも悪くはないよね(^^)。

そして、睡眠不足が続いたある朝、起き上がろうとして人生初のめまいに襲われまして、くらくらとする中、さすがにこれはまっずいなぁとぼーと考えておりました。一応、見習い丁稚的とは言え代表(注 本人も忘れがち)、私の健康リスクは経営リスクにもなってしまいます。

そこで!私が何をしたと思います??うふふ。今日はその秘密を開示しちゃうよ!

ただ、おそらく割と軽めの症状だったので、もっと重めの方は遠慮なく婦人科に行ってね!

 

2.不眠傾向の改善策

 改善策になったのは以下の2つです。

1.命の母A

2.夜のウォーキング

いやぁ、すごいわ、小林製薬様の「命の母A」。漢方とビタミン剤を詰め込んだ錠剤。いえね、前にちらっとtwitterで見かけた記憶があって、だめもとで始めてみたのですが。

小林製薬様のサイトはこちらね。100年以上続く伝統の漢方錠剤。※あくまで私が勝手に宣伝しております(^^) 広告料につながるような設定は当ブログではしておりません。

更年期障害・更年期症状でお悩みの方に|命の母A|小林製薬

のみ始めて1-2週間、中学生娘から「命の母 飲むようになってから、お母さん、元気やもん」との指摘を受けるほどに明らかに効果があったようです。

 

そいで、ウォーキングね!

肩こりのたびにお世話になっている整体の先生に「ウォーキング始めようかと思いまして、せめて週末に1回からでも」とお話したところ、厳しいっすね。

「だめです!少なくも週3は歩いてください」と厳しいご指導が入り・・。

むむむ。このくっそ忙しい日常、どうやって歩けっての?!と思いましたが、私の信条の一つに、「人間は行動を変えない限り、何も変わらない」というのがございまして・・。

いろいろやってみた結果、以下の術を編み出したました。以下は娘が中学3年生で手が離れてきたからこそ、だとは思います。

・歩くのは徒歩圏内にある学園のキャンパスおよびその周辺

・時間帯は夕食後(ただ、このためブログを書く時間はなくなりました)

・歩きやすい服なら特段着替えずに、普通の格好でもとりあえず出発

・BTS(防弾少年団)のアップテンポの曲に乗って

・帰ってきたらそのままお風呂に直行し、汗を冷やさない

・買ったのはウォーキング用スニーカーのみ

たまたまその学園の法人様と私が仕事でつきあいがあり、地域住民が歩くのを許しておられることを知っていたのも幸いしました。学生さんは夜遅くまで結構な数の方が行き来されていて、建物に電気がついていて、警備員さんが定期的に回っておられるという防犯上のメリットがあります。

ちょうど秋で暑からず寒からずというのもやりやすかったようで、もともと観察しながらの散歩が好きなせいもあって、週3から4で歩くようになったのですね。

すると、お月様の満ち欠けに気づいたり、木々が色づくのに気づいたり、花が咲くのを知ったり、夜遅くにはオリオン座が見えると気づいたり、月夜には案外、空は深い紺色をしていて雲がくっきりと白く見えるとわかったり。新たな発見が一杯ありました。

独りでいる時間があること、空を見上げるという時間があること。

これも精神的にも非常にプラスに働いたと思います。体を動かすため朝までぐっすり、起きることなく連続して寝られるようになりました(^^)。

夜空って綺麗なんですよ。雲が早く流れて、お月様が顔を出すだけで何だか嬉しくなってしまったり(^^)。ちょっと得した気分になるのですね。

お月様ってすごいなぁ。と思うと、ああ、月組さんだものなぁ、でも星も見えるから星組さんだし、そもそも空は宙組かと、思うのは宝塚のことだったりもします(^^)。

というわけで、私のようにため息をつかれるほど元気そうに見えるアラフィフでもこうなるし、対処方法もまぁ何とかあったのよ、ということをお伝えしておきたいと思います。

 

3.いつだって迷ってます

後もう一つ、お若い方々、あるいは同世代の皆さまのために。

私は割とぱりぱりと仕事をして、しゃきしゃきと判断して、だだだっと行動しているように見えるようです。迷いもなく、ぱぱぱっとね。

実際、他の方よりは素早いようなのですが、実はかなり揺れ動いています。いつだって。

若い頃、仕事での転居やプライベートでの住み替えも多かったため、一つところにとどまるのが苦手で飽きやすく、こんなに長く続いているのはお仕事と子育て、趣味としては読書と舞台観劇のみ。

揺ぎ無いどころか、海外でもう一回働いてみたいなぁとか、穏やかそうな地方都市で暮らしてみたいなぁとか、割と変化を好む性質と放浪願望が根っこにはあります。今手にしているもの(ように見えるもの)にあまり固執しないし、そもそも、そんな大したもんじゃないわね、という冷静さもあります、アラフィフだもの。

そして、古くからの友人知人やかつての同期が活躍していると、いやぁ、やっぱりあっちの道の方が良かったよなぁと迷ったりするのですね。案外と(^^)。特に東京に行ったときがそうです。東京で一時的にでも働いてみるのも良かったなぁとか。

正直、東京の通勤ラッシュはまったくもってご遠慮したいのは事実なのです。ただ、研修等で一定期間滞在したけれど、結局、このまちとは勝負しなかったな、勝負を避けたんだな、と思ってしまうところがあります。

常に迷ったり、羨ましがったり、割とばかみたいですね。えへへ。

どうやら脳が考えることはめちゃくちゃ多様であるらしいと、何となくですが読書から理解もしたのですが、私があちらの芝生の方が良さげだなぁと指をくわえて見ていることを正直に話せる相手が二人いることが幸いしました。

大学時代からの旧友と中学生ばっさり娘。大学教授になっている旧友(女性、かっこいいですよね!)は東京にいるのですが関西の良いところや大学の中の実情ってこんなもんよと話してくれたり、中学生娘は結局、お母さんはそっちの道を選んだとしてもあれ嫌、これ嫌ってなって今の選択に戻るんやからと、ばっさばっさと斬り捨ててくれるのですね。

いやぁ、はっはっはっはっ。立派な娘に育ったわぁ・・・。ありがとう、友人&娘。

迷い、あるいは体調不良のまっただ中におられるかもしれない同世代の皆さま&お若い働き女子の皆さま。

みんな、いろいろあるんだって!安心して(^^)

大阪のおばちゃん@アラフィフ長年働き女子&ワーキングマザーからは以上です!